一〇 禿頭鬼事
一〇 禿頭の鬼の話
一
一つ
「汝住宮殿中,為何不外出,汝本是何人?幸福者出來,我等欲見汝。」
「あなたは宮殿の中に住みながら、なぜ外に出ないのですか。あなたはもともと誰なのですか。幸せな方よ、出てきてください。私たちはあなたにお会いしたいのです。」
二
二つ
「裸體行外出,我恥且為難,我只被毛髮,福業幾無作。」
裸で外を歩く姿は、私にとって恥ずかしく、つらいものでした。私はただ毛皮をまとっているだけで、善い行いをほとんど積んでいませんでした。
三
三
「我與汝外衣,取此而著之。幸福之人!汝可來外面,我等欲見汝。」
「私はあなたに外套を差し上げましょう。これを着てください。幸いなる者よ、さあ外へ出て来てください。私たちはあなたに会いたいのです。」
四
四(し)
「貴君所施與,此物我無益;此有佛弟子,信深優婆塞,
「あなたが施してくださったものは、私にとって利益にはなりません。ここには仏の弟子である、信仰の深い在家の信者がおりますので、」
五
五
為我獻布施,我可著此衣,彼使我幸福,達成此快樂。」
私のために布施をしてくれるなら、私はこの衣を着ることができる。彼は私を幸せにしてくれ、この喜びを達成させてくれる。」
六
六
此等眾商人,使彼女入浴,塗香並著衣,為彼獻布施。
この商人たちは、その女性を入浴させ、香りを塗り、衣を着せて、彼女に布施を捧げた。
七
七
無間捧獻果,衣服與飲食,得成布施果。
無間断に果物を捧げ、衣服と飲み物を与えることで、布施の果報を得ることができる。
八
八
於此彼女美,身著清淨衣,上衣迦尸絹,微笑出宮殿。「此為布施果」,彼女作此言。
かの女は美しく、清らかな衣を身にまとい、上衣にはカシビ絹を着けて、微笑みながら宮殿を出ました。「これが布施の果報です」と、彼女はこう言いました。
九
9
「滿足心喜悅,輝耀汝宮殿,問汝如神者,何業得此果?」
「心に満ち足りて喜びにあふれ、あなたの宮殿は輝いている。神の如きあなたに尋ねよう、どのような行いによってこの果報を得たのか?」
一〇
一〇
「正行一比丘,我以清淨心,供奉油菓子。
「正しく修行する比丘に、私は清らかな心で、油や菓子を捧げます。」
一一
「一一」(いちいち)は、「それぞれ」「
依此善業果,我得住宮殿,長久得享受,今此時已短。
この善い行いの報いによって、私は宮殿に住むことができ、長い間その恵みを享受してきたが、今やその時は短くなってしまった。
一二
まずは第一に。
自今四月後,期限已來臨,我恐生地獄,非常之苦極。
**現代日本語訳:**
これから四月の後、その期限がやってまいります。私は地獄に生まれることを恐れております。そこでの苦しみは、言葉に尽くせないほど、非常に激しいものでございます。
一三
「十三」
四角有四窗,諸屋皆相似,鐵壁圍四周,頂柵以鐵覆。
四角には四つの窓があり、すべての建物は似通っている。鉄の壁が四方を囲み、屋根の上には鉄の柵が覆っている。
一四
十四
鐵地用火燒,四側百由旬,充滿烈火焰,每時皆此狀。
鉄の大地は火で焼かれ、四方は百由旬にわたり、燃え盛る炎で満たされている。そのありさまは、常に変わることなく続いている。
一五
一五
此處長期間,我為惡業果,不得不受苦,是故我悲嘆。」
長い間、私は悪い行いの結果として、苦しみを受けざるを得なかった。だからこそ、私は悲しみ嘆くのだ。」