一〇 群集鬼事
一〇 群集鬼の出来事
一
「裸體醜且瘠,筋突見肋骨,瘦瘠諸眾人,卿等為何故?」
「その体は裸で、やせ細って見苦しく、あばら骨が浮き出ています。やせ衰えた人々よ、あなたがたはなぜそんな姿でいるのですか?」
二
二つ
「我等多幸者,而今為餓鬼,我等墮惡趣,住閻魔世界,因為造惡業,以墮餓鬼界。」
「私たちは幸運にも今や餓鬼となった。悪しき道に落ち、閻魔の世界に住んでいる。なぜなら悪業を積んだため、餓鬼界に堕ちてしまったのだ。」
三
三
如何……乃至……〔第一二之三〕
どのように…そして…〔第一二の三〕
四
四(し)
「立於閉門前,向人乞半錢,雖然得施物,我無庇護所。
閉じた門の前に立ち、人々に半銭を乞う。たとえ施しを得ても、私には庇護の場所がない。
五
五
口渴近河水,河水變空虛,我近日蔭處,變為暑熱地。
喉が渇いて川に近づけば、川の水は空っぽに変わり、日陰に近づけば、暑い土地に変わってしまう。
六
六
熱風如火燃,吹來向我等,如此惡業值,化為我等受。
熱風が火のように燃え上がり、私たちに向かって吹きつけてくる。このような悪業がもたらす報いを、まさに私たちが受けているのだ。
七
七
前步數由旬,為飢求食物,我等寡福者,不得終回來。
長い道のりを歩み、飢えをしのぐ食べ物を求めて出かけた私たちは、福の少ない身のため、ついに戻って来ることができませんでした。
八
八
尊者!為飢將氣絕,倒臥於地上,仰向伸手足,伏倒顏觸地。
尊者よ、飢えのために息絶えそうになり、地面に倒れ伏し、手足を投げ出し、うつ伏せになって顔を地面にこすりつけています。
九
9
倒臥其場者,地上為臥處,我等寡福者,頭胸互相觸。
場所に倒れ伏した者は、地を寝床とする。私たちのように福の少ない者は、頭と胸を互いにぶつけ合う。
一〇
一〇
尊者!此為惡事值,更值他惡業,雖然有施物,自無庇護所。
尊者よ、これは悪しき時に巡り合い、さらに他の悪しき行いにも遭遇したのである。たとえ施す物はあっても、自らには拠り所がないのだ。
一一
「一一」(いちいち)は、「それぞれ」「
我等去此世,而得人間胎,我等應親切,守戒為善業。」
私たちがこの世を去り、再び人の身体を得るならば、優しく接し、戒めを守り善い行いを積みましょう。