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  1. 仏説譬喻経 (佛說譬喻經)
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譬喻経 (譬喻經)

「譬喻經」について

唐 · 底本の訳者:義淨

489 字 · 約 2 分

『譬喩経』(ひゆきょう)は、唐代の高僧である義浄(ぎじょう)が翻訳した重要な仏教経典で、阿含部(あごんぶ)の一つに数えられます。義浄は、玄奘(げんじょう)と並び称される唐代を代表する訳経僧であり、その訳業は正確さで知られています。この経典は、生き生きとした譬えを用いて仏教の教えを説き、因果応報、修行の方法、四諦・八正道といった中心的な教えを、わかりやすい物語の形で信者に伝えています。仏教経典の中でも重要な位置を占め、初期の仏教思想やその伝え方を研究する上で貴重な文献です。宗教的な価値に加えて、文学的・哲学的な豊かさも兼ね備えており、唐代の仏教文化を理解するための重要な典籍の一つと言えるでしょう。


佛說譬喻經
大唐三藏法師義淨譯

大唐三蔵法師義浄訳

如是我聞:
一時薄伽梵,在室羅伐城逝多林給孤獨園。爾時世尊於大眾中,告勝光王曰:「大王!我今為王略說譬喻,諸有生死味著過患,王今諦聽!善思念之。乃往過去,於無量劫,時有一人,遊於曠野,為惡象所逐,怖走無依,見一空井,傍有樹根,即尋根下,潛身井中。有黑白二鼠,互齧樹根;於井四邊有四毒蛇,欲螫其人;下有毒龍。心畏龍蛇,恐樹根斷。樹根蜂蜜,五滴墮口,樹搖蜂散,下螫斯人,野火復來,燒然此樹。」

ある時、尊き仏陀は舎衛城の祇園精舎におられました。その時、世尊は大衆の中にあって、勝光王にこう告げられました。

「大王よ、今、あなたのために生死の執着とその危険について、たとえ話をしましょう。よく聞き、心に留めておきなさい。

昔々、はるか遠い過去の世のことです。ある人が荒野を歩いていました。すると、狂暴な象に追われ、恐れおののいて逃げ回りましたが、頼るものもありません。そこに空井戸を見つけ、その脇に木の根がありました。その人は急いで根元にたどり着き、井戸の中に身を潜めました。

井戸の中には、白と黒の二匹の鼠がいて、互いにその木の根をかじっていました。井戸の周囲には四匹の毒蛇がいて、その人を噛もうとしています。井戸の底には毒龍がいます。その人は龍や蛇を恐れ、木の根が切れるのではないかと心配していました。

その時、木の根から蜜が五滴、その人の口に落ちました。木が揺れ、蜂が飛び散り、その人を刺しました。さらに野火が押し寄せ、この木を焼き始めたのです。」

王曰:「是人云何受無量苦貪彼少味?」

王は言われた。「この人はなぜ、ほんのわずかな快楽のために、はかり知れないほどの苦しみを受けようとするのでしょうか?」

爾時世尊告言:「大王!曠野者喻於無明長夜曠遠,言彼人者喻於異生,象喻無常,井喻生死,險岸樹根喻命,黑白二鼠以喻晝夜,齧樹根者喻念念滅,其四毒蛇喻於四大,蜜喻五欲,蜂喻邪思,火喻老病,毒龍喻死。是故大王!當知生老病死,甚可怖畏,常應思念,勿被五欲之所吞迫。」

その時、世尊は王に告げられました。「大王よ、『広野』とは無明の長き夜の果てしなき広がりを喩えたものです。『あの人』とは凡夫を喩え、『象』は無常を、『井戸』は生死を、『危険な岸の木の根』は命を、『黒白の二匹の鼠』は昼と夜を喩えています。木の根をかじることは刹那刹那の滅びを、『四匹の毒蛇』は四大(地水火風)を、『蜜』は五欲を、『蜂』は邪な思いを、『火』は老いと病を、『毒龍』は死を喩えているのです。ゆえに大王よ、生老病死が実に恐ろしいものであることを知り、常に心に留め、五欲に飲み込まれることのないようにせよ。」

爾時世尊重說頌曰:

その時、世尊は偈を説いて言われた。

「曠野無明路, 人走喻凡夫,
大象比無常, 井喻生死岸;
樹根喻於命, 二鼠晝夜同,
齧根念念衰, 四蛇同四大;
蜜滴喻五欲, 蜂螫比邪思,
火同於老病, 毒龍方死苦。
智者觀斯事, 象可厭生津,
五欲心無著, 方名解脫人。
鎮處無明海, 常為死王驅,
寧知戀聲色, 不樂離凡夫。」

広野に明かりなき道あり、人は走りて凡夫に譬え、 大象は無常に比べ、井戸は生死の岸辺に譬えられたり。 樹の根は命に譬え、二匹の鼠は昼夜を同じくし、 根をかじりて念念に衰え、四匹の蛇は四大に同じ。 蜜の滴りは五欲に譬え、蜂の刺しは邪思に比べられ、 火は老いと病いに同じく、毒龍はまさに死の苦しみ。 智者この事を観れば、象は生の流れを厭うべく、 五欲に心とらわれず、まさに解脱の人と名づけられん。 無明の海に沈み鎮まり、常に死の王に駆られつつ、 いかにして声と色に恋い慕い、凡夫を離れんと楽しまざらん。

爾時勝光大王聞佛為說生死過患,得未曾有,深生厭離,合掌恭敬,一心瞻仰,白佛言:「世尊!如來大慈,為說如是微妙法義,我今頂戴。」
佛言:「善哉,善哉!大王!當如說行,勿為放逸。」
時勝光王及諸大眾,皆悉歡喜,信受奉行。
佛說譬喻經

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