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永嘉証道歌 (永嘉證道歌)

「永嘉證道歌」について

唐 · 玄覺撰 著

2,175 字 · 約 7 分

永嘉証道歌は唐代の高僧玄覚によって著された仏教経典であり、8世紀初頭に成立した。玄覚は禅宗六祖恵能の弟子であり、この作品は詩歌の形式で禅宗の頓悟思想を説く。全文は247句からなり、七言を主とし、内容は般若空観、不二法門、明心見性などの核心教義を包括し、直指人心・見性成仏という禅宗の宗旨を強調する。初期禅宗の重要文献として、この歌訣は言語簡潔、意境深遠であり、南宗禅法の要義を体系的に示し、後世の禅宗発展に深遠な影響を与えた。現在は『大正蔵』第48冊に収録され、中国禅宗思想史研究の鍵となるテキストであり、仏教文学史上も重要な地位を占める。


永嘉證道歌

永嘉証道歌

唐慎水沙門玄覺撰

唐慎水沙門玄覚撰

君不見。 絕學無為閒道人。 不除妄想不求真。
無明實性即佛性。 幻化空身即法身。 法身覺了無一物。
本源自性天真佛。 五陰浮雲空去來。
三毒水泡虛出沒。 證實相無人法。 剎那滅却阿鼻業。
若將妄語誑眾生。 自招拔舌塵沙劫。
頓覺了如來禪。 六度萬行體中圓。 夢裏明明有六趣。
覺後空空無大千。 無罪福無損益。
寂滅性中莫問覓。 比來塵鏡未曾磨。 今日分明須剖析。
誰無念誰無生。 若實無生無不生。
喚取機關木人問。 求佛施功早晚成。 放四大莫把捉。
寂滅性中隨飲啄。 諸行無常一切空。
即是如來大圓覺。 決定說表真僧。 有人不肯任情徵。
直截根源佛所印。 摘葉尋枝我不能。
摩尼珠人不識。 如來藏裏親收得。 六般神用空不空。
一顆圓光色非色。 淨五眼得五力。
唯證乃知難可測。 鏡裏看形見不難。 水中捉月爭拈得。
常獨行常獨步。 達者同遊涅槃路。
調古神清風自高。 貌顇骨剛人不顧。 窮釋子口稱貧。
實是身貧道不貧。 貧則身常披縷褐。
道則心藏無價珍。 無價珍用無盡。 利物應機終不悋。
三身四智體中圓。 八解六通心地印。
上士一決一切了。 中下多聞多不信。 但自懷中解垢衣。
誰能向外誇精進。 從他謗任他非。
把火燒天徒自疲。 我聞恰似飲甘露。 銷融頓入不思議。
觀惡言是功德。 此即成吾善知識。
不因訕謗起冤親。 何表無生慈忍力。 宗亦通說亦通。
定慧圓明不滯空。 非但我今獨達了。
恒沙諸佛體皆同。 師子吼無畏說。 百獸聞之皆腦裂。
香象奔波失却威。 天龍寂聽生欣悅。
遊江海涉山川。 尋師訪道為參禪。 自從認得曹谿路。
了知生死不相關。 行亦禪坐亦禪。 語默動靜體安然。
縱遇鋒刀常坦坦。 假饒毒藥也閒閒。
我師得見然燈佛。 多劫曾為忍辱仙。
幾迴生幾迴死。 生死悠悠無定止。 自從頓悟了無生。
於諸榮辱何憂喜。 入深山住蘭若。 岑崟幽邃長松下。
優游靜坐野僧家。 閴寂安居實蕭灑。
覺即了不施功。 一切有為法不同。 住相布施生天福。
猶如仰箭射虛空。 勢力盡箭還墜。
招得來生不如意。 爭似無為實相門。 一超直入如來地。
但得本莫愁末。 如淨瑠璃含寶月。
既能解此如意珠。 自利利他終不竭。
江月照松風吹。 永夜清宵何所為。 佛性戒珠心地印。
霧露雲霞體上衣。 降龍鉢解虎錫。 兩鈷金環鳴歷歷。
不是標形虛事持。 如來寶杖親蹤跡。
不求真不斷妄。 了知二法空無相。 無相無空無不空。
即是如來真實相。 心鏡明鑒無礙。
廓然瑩徹周沙界。 萬象森羅影現中。 一顆圓光非內外。
豁達空撥因果。 莽莽蕩蕩招殃禍。
棄有著空病亦然。 還如避溺而投火。 捨妄心取真理。
取捨之心成巧偽。 學人不了用修行。
深成認賊將為子。 損法財滅功德。 莫不由斯心意識。
是以禪門了却心。 頓入無生知見力。
大丈夫秉慧劍。 般若鋒兮金剛焰。 非但空摧外道心。
早曾落却天魔膽。 震法靁擊法鼓。
布慈雲兮灑甘露。 龍象蹴踏潤無邊。 三乘五性皆醒悟。
雪山肥膩更無雜。 純出醍醐我常納。
一性圓通一切性。 一法遍含一切法。 一月普現一切水。
一切水月一月攝。 諸佛法身入我性。
我性同共如來合。 一地具足一切地。
非色非心非行業。 彈指圓成八萬門。 剎那滅却三祇劫。
一切數句非數句。 與吾靈覺何交涉。
不可毀不可讚。 體若虛空勿涯岸。 不離當處常湛然。
覓即知君不可見。 取不得捨不得。
不可得中只麼得。 默時說說時默。 大施門開無壅塞。
有人問我解何宗。 報道摩訶般若力。
或是或非人不識。 逆行順行天莫測。 吾早曾經多劫修。
不是等閒相誑惑。 建法幢立宗旨。
明明佛勅曹溪是。 第一迦葉首傳燈。 二十八代西天記。
法東流入此土。 菩提達磨為初祖。
六代傳衣天下聞。 後人得道何窮數。 真不立妄本空。
有無俱遣不空空。 二十空門元不著。
一性如來體自同。 心是根法是塵。 兩種猶如鏡上痕。
痕垢盡除光始現。 心法雙忘性即真。
嗟末法惡時世。 眾生福薄難調制。 去聖遠兮邪見深。
魔強法弱多恐害。 聞說如來頓教門。
恨不滅除令瓦碎。 作在心殃在身。 不須冤訴更尤人。
欲得不招無間業。 莫謗如來正法輪。
旃檀林無雜樹。 欝密森沈師子住。 境靜林間獨自遊。
走獸飛禽皆遠去。 師子兒眾隨後。 三歲便能大哮吼。
若是野干逐法王。 百年妖怪虛開口。
圓頓教勿人情。 有疑不決直須爭。 不是山僧逞人我。
修行恐落斷常坑。 非不非是不是。
差之毫釐失千里。 是則龍女頓成佛。 非則善星生陷墜。
吾早年來積學問。 亦曾討疏尋經論。
分別名相不知休。 入海算沙徒自困。
却被如來苦訶責。 數他珍寶有何益。 從來蹭蹬覺虛行。
多年枉作風塵客。 種性邪錯知解。
不達如來圓頓制。 二乘精進勿道心。 外道聰明無智慧。
亦愚癡亦小騃。 空拳指上生實解。
執指為月枉施功。 根境法中虛揑怪。 不見一法即如來。
方得名為觀自在。 了即業障本來空。
未了應須還夙債。 饑逢王饍不能飡。
病遇醫王爭得瘥。 在欲行禪知見力。 火中生蓮終不壞。
勇施犯重悟無生。 早時成佛于今在。
師子吼無畏說。 深嗟懵懂頑皮靼。 秖知犯重障菩提。
不見如來開祕訣。 有二比丘犯婬殺。
波離螢光增罪結。 維摩大士頓除疑。 猶如赫日銷霜雪。
不思議解脫力。 妙用恒沙也無極。
四事供養敢辭勞。 萬兩黃金亦銷得。 粉骨碎身未足酬。
一句了然超百億。 法中王最高勝。
恒沙如來同共證。 我今解此如意珠。 信受之者皆相應。
了了見無一物。 亦無人亦無佛。
大千沙界海中漚。 一切聖賢如電拂。 假使鐵輪頂上旋。
定慧圓明終不失。 日可冷月可熱。
眾魔不能壞真說。 象駕崢嶸謾進途。 誰見螗蜋能拒轍。
大象不遊於兔徑。 大悟不拘於小節。
莫將管見謗蒼蒼。 未了吾今為君訣。

あなたは見えないか、学びを捨て、作為のない閑道人を。 妄想を除かず、真実も求めない。

無明の真実の性質こそが仏性であり、 幻の如き仮の身体こそが法身である。 法身は悟れば、何物もない。 本来の源泉、自性は天真の仏。 五陰は浮雲のように、空しく去来する。

三毒は水泡のように、虚ろに現れては消える。 実相を証すれば、人も法もない。 瞬時にして阿鼻地獄の業を滅ぼす。 もし妄語をもって衆生を欺くなら、 自ら舌を抜かれる劫を招くであろう。

頓かに悟る、これ如来禅。 六度万行、体中に円かである。 夢の中では、はっきりと六つの境涯があるが、 覚めた後は、空しく大千世界もない。 罪も福もなく、損も益もない。 寂滅の性の中では、問い求めようとしてはいけない。

これまで塵の鏡は磨かれたことがなかったが、 今日こそはっきりと剖析しなければならない。 誰に念がなく、誰に生がないのか。 もし真に無生ならば、生じないものは何もない。 からくり人形を呼び寄せて問いてみよ。 仏を求めて功を施せば、いつ成就するのか。

四大を放ち、執着するな。 寂滅の性の中で、飲み食いに任せよ。 すべての行いは無常であり、一切は空である。 これこそが如来の大いなる円覚である。 はっきりと言い切る、これが真の僧。 認めない者が、気の向くままに問い詰めるならば、 根源を直截に断つ、これ仏の印可。 枝葉を摘み求めることは、私にはできない。

摩尼の珠、人は知らない。 如来蔵の中に、親しく収められている。 六つの神妙な働き、空にして空にあらず。 一つの円い光、色にして色にあらず。 五つの眼を清め、五つの力を得る。 ただ証して初めて知る、計り知れないこと。 鏡の中に形を見るのは難しくないが、 水中の月を掴むのは、どうして得られようか。

常に独り行き、常に独り歩む。 達した者は共に涅槃の道を遊ぶ。 調べは古く、神は清らかで、風は自ずと高い。 貌はやつれ骨は剛く、人は顧みない。 貧しい釈子、口では貧しいと言うが、 実は身は貧しくとも、道は貧しくない。 貧しければ、身は常にぼろをまとうが、 道においては、心に無価の宝を蔵する。 無価の宝、用いて尽きることなく、 物を利し機に応じて、ついに惜しむことがない。

三身・四智、体中に円かである。 八解脱・六神通、心の地で印する。 上の者は一たび決すれば、すべて了る。 中の下の者は多く聞いても、多く信じない。 ただ自ら胸中の垢衣を解くだけで、 誰が外に向かって精進を誇れようか。 他人の誹謗に任せ、他人の非難に任せよ。 火を以て天を焼こうとしても、徒らに疲れるだけだ。

私が聞けば、ちょうど甘露を飲むが如く、 融け込んで頓に不可思議に入る。 悪口を観じて功徳と為す、 これ即ち我が善知識となる。 誹謗によって怨み親しみを起こさなければ、 何をもって無生の慈忍の力を示そうか。 宗旨も通じ、説法も通じ、 定慧円明にして空に滞らない。

私だけが今、独り達したわけではない。 恒沙の諸仏、体はすべて同じである。 師子吼、恐れのない説法、 百獣は之を聞いて皆、脳を裂く。 香象は奔走して威を失い、 天竜は静聴して欣悦を生じる。

江海を遊び、山川を渡り、 師を尋ね道を訪ねて、参禅する。 曹谿の路を認めてからは、 生死は関わらないことを了知する。 行くも禅、坐するも禅。 語るも黙するも、動くも静かも、体は安然である。 たとえ刃に遭っても常に坦坦、 たとえ毒薬もまた閑閑である。

我が師は然燈仏に見え、 多劫の間、忍辱の仙人であった。 幾度か生まれ、幾度か死ぬ。 生死は悠々として止むことがない。 頓悟して無生を了知してからは、 諸々の栄辱に何の憂喜があろうか。

深山に入り、蘭若に住む。 峰は高く幽邃、長松の下、 悠々と静坐する野僧の家。 ひっそりと安居する、実に瀟洒である。 悟れば即ち了る、功を施さない。 一切の有為法は同じではない。 相に住んで布施すれば天の福を生じるが、 それはまるで仰向けに矢を虚空に射る如し。 勢いが尽きれば、矢はまた墜ちる。 来生には不如意を招く。 どうして無為実相の門に比べられようか。 一超して直ちに如来の地に入る。

ただ根本を得よ、末を憂うるな。 清浄な瑠璃が宝月を含むが如く。 すでにこの如意の珠を解することができれば、 自利利他、尽きることがない。 江の月が照り、松の風が吹く。 永夜の清宵、何を為そうか。 仏性戒珠、心の地に印する。 霧露雲霞、体の上衣である。

龍を降す鉢、虎を解く錫。 両の鈷金環、歴々と鳴る。 これは形を標榜する虚ろなことではない。 如来の宝杖、親しく跡を残す。 真を求めず、妄を断たず、 二法は空にして相なしと了知する。 相無く、空無く、空ならざる無し。 これ即ち如来の真実の相である。

心の鏡は明らかに、照らして礙げなし。 廓然として瑩徹、沙界に周る。 万象森羅、影の中に現じ、 一つの円光、内外にあらず。 豁達に空を撥無し、因果を撥無す。 莽莽蕩蕩として、災禍を招く。 有を棄てて空に著する病もまた同じ、 水難を避けて火に投ずるが如し。

妄心を捨てて真理を取る。 取捨の心は巧偽を成す。 学人が了らずして修行を用いる、 深く賊を認めて子と為す。 法財を損じ、功徳を滅ぼす。 この心意識による所以である。 是を以て禅門は心を了し、 頓に無生に入る知見の力。

大丈夫、慧の剣を秉る。 般若の鋒、金剛の焰。 ただ外道の心を摧くのみならず、 早くも天魔の胆を落とす。 法雷を震い、法鼓を撃ち、 慈雲を布き、甘露を灑ぐ。 龍象は蹴踏して、潤すこと無辺。 三乗五性、皆覚醒する。

雪山の肥膩、さらに雑なく、 純粋に醍醐を出す、私は常に納める。 一性は一切性に円通し、 一法は一切法を遍く含む。 一月が普く一切の水に現じ、 一切の水月は一月に摂められる。 諸仏の法身、我が性に入る。 我が性は共に如来と合する。

一地は一切地を具足する。 色にあらず、心にあらず、行業にあらず。 弾指して八万の門を円成し、 刹那に三祇劫を滅ぼす。 一切の数句は数句にあらず。 我が霊覚と何の交渉があろうか。 毀るべからず、讃めるべからず。 体は虚空の如く、際涯なし。 当処を離れず、常に湛然としている。 求めるなら、君には見えないことを知るがよい。 取ることも得ず、捨てることも得ず。

不可得の中に、ただ得る。 黙する時は説き、説く時は黙する。 大施の門は開かれて、塞がることがない。 人が私に問う、「何の宗旨を解するのか」と。 答えて報ずる、「摩訶般若の力なり」と。 あるいは是、あるいは非、人は知らない。 逆行・順行、天も測れない。 私は早くに多劫の修行を経てきた。 等閑に人を誑かし惑わすのではない。

法幢を建て、宗旨を立てる。 はっきりと仏の勅、曹渓が是である。 第一の迦葉、初めて灯を伝える。 二十八代、西天の記録。 法は東に流れてこの土に入る。 菩提達磨、初祖と為る。 六代衣を伝う、天下に聞こえる。 後人、道を得ること、何限りがあろうか。

真は立たず、妄は本来空。 有無ともども遣りて、空を空とせず。 二十空門、元より著せず。 一性、如来の体、自ずから同じ。 心は根、法は塵。 二つのもの、なお鏡の上の痕の如し。 痕垢尽き除かれれば、光が始めて現ずる。 心法ともに忘れれば、性即ち真。

ああ、末法、悪しき時世。 衆生は福薄く、調御し難い。 聖人を離れて久しく、邪見深し。 魔は強く法は弱く、恐れ害多し。 如来の頓教の門を聞けば、 恨んで滅除し、瓦の如く砕かんことを欲する。 作は心にあり、殃は身にあり。 怨み訴えて、さらに人を責めるな。 無間の業を招かざらんと欲すれば、 如来の正法輪を謗るな。

栴檀の林、雑樹なし。 鬱密森沈、獅子の住むところ。 境静かな林間に、独自に遊ぶ。 走獣飛禽、皆遠く去る。 獅子の子、衆に従い、 三歳にして大いに哮吼することを能くす。 もし野干が法王を逐うならば、 百年の妖怪、虚ろに口を開く。

円頓教、人の情を交えず。 疑いあって決しなければ、直ちに争うべし。 山僧が人我を逞しくするのではない。 修行して断常の坑に落ちることを恐れるからだ。 非なるも非にあらず、是なるも是にあらず。 差は毫釐、千里を失う。 是ならば、竜女は頓に成仏し、 非ならば、善星は生けて陥ち墜ちる。

我、早年より学問を積み、 また疏を討ち、経論を尋ねた。 名相を分別して休むことを知らず、 海に入って砂を数える、徒に自ら困る。 しかし如来に苦く呵責された。 他人の珍宝を数えて何の益あろうか。 従来、蹭蹬して、虚しく行くことを覚る。 多年、枉げて風塵の客と作る。

種性邪にして、知解を誤る。 如来の円頓の制に達せず。 二乗は精進するも、道心なし。 外道は聰明なるも、智慧なし。 また愚癡であり、また小騃である。 空拳の指の上に、実解を生じる。 指を執って月と為す、枉げに功を施す。 根境の法の中に、虚しく奇怪を作り出す。

一法も見ざる、これ即ち如来。 方(はじ)めて名づけて観自在と為す。 了すれば、即ち業障は本来空なり。 了らざれば、応(まさ)に夙債を還すべし。 飢えて王の膳に逢うも、食うこと能わず。 病に医王に遇うも、どうして癒えようか。

欲の中に在りて禅を行ず、知見の力。 火の中に生ずる蓮、終に壊れず。 勇施は重罪を犯して無生を悟り、 早くに成仏して、今に在り。 師子吼の無畏説、 深く嗟く、懵懂として頑皮なる靼よ。 ただ知る、重罪を犯せば菩提を障ると。 如來の祕訣を開くを見ず。

二比丘あり、婬殺を犯す。 波離の螢光、罪結を増す。 維摩の大士、頓(やが)て疑いを除く、 赫日が霜雪を消すが如し。 不可思議の解脱力、 妙用は恒沙にも極まりなし。 四事の供養、敢えて労を辞せず。 万両の黄金もまた、消化し得る。

骨を粉にし身を砕けども、酬いるに足らず。 一句了然、億を超ゆ。 法中王、最も高勝。 恒沙の如来、共に証す。 我れ今この如意の珠を解く、 信受する者、皆相応す。

了了として見れば、一物もなし。 また人もなく、また仏もなし。 大千の沙界は海中の泡、 一切の聖賢は電の払うが如し。 たとい鉄輪が頂の上に旋っても、 定慧円明、終に失せず。 日は冷たくなるべく、月は熱くなるべく、 衆魔、真説を壊すこと能わず。

象駕、峥嶸として、みだりに途に進む。 誰か見る、螗蜋が轍を拒むことを。 大象は兎の径を遊ばず。 大悟は小節に拘わらず。 管見をもって蒼蒼を謗ることなかれ。 了らざる者は、今、君のために決する。

永嘉證道歌(終)

永嘉証道歌(終)

無相大師行狀

無相大師行状

翰林學士朝散大夫行左司諫知制誥同修國史判史判館事柱國南陽郡開國侯食邑一千一百戶賜紫金魚袋楊億 述

翰林学士・朝散大夫・行左司諫・知制誥・同修国史・判史館事・柱国・南陽郡開国侯・食邑千一百戸・紫金魚袋賜与・楊億が述べました。

溫州永嘉玄覺禪師者。永嘉人也。姓戴氏。丱歲出家。遍探三藏精天台旨。觀圓妙法門。於四威儀中。常冥禪觀。後因左谿朗禪師激勵。與東陽策禪師。同詣曹谿。初到振錫携瓶。繞祖三匝。祖曰。夫沙門者。具三千威儀八萬細行。大德自何方而來生大我慢。師曰。生死事大無常迅速。祖曰。何以體取無生。了無速乎。曰體即無生。了本無速。祖云。如是如是。于時大眾。無不愕然。師方具威儀參禮。須臾告辭。祖曰。返太速乎。師曰。本自非動豈有速耶。祖曰。誰知非動。曰仁者自生分別。祖曰。汝甚得無生之意。曰無生豈有意耶。祖曰。無意誰當分別。曰分別亦非意。祖歎曰。善哉善哉。少留一宿。時謂一宿覺矣。策公乃留師。翌日下山迴溫江。學者輻湊。號真覺大師。著禪宗悟修圓旨。自淺之深。慶州刺史魏靜。緝而成十篇。目為永嘉集。及證道歌一首。並盛行於世云爾。

これは、温州永嘉の玄覚禅師のお話である。永嘉の出身で、姓は戴氏。幼い頃に出家し、三蔵を広く学び、天台宗の教えを深く極め、円妙な法門を観じた。行住坐臥の四威儀の中で、常に禅観に没頭しておられた。

その後、左谿の朗禅師に励まされ、東陽の策禅師と共に、曹谿へと向かわれた。初めて訪れた時、錫杖を振り瓶を携え、祖師の周りを三度回った。祖師が言われた。「沙門たる者は、三千の威儀、八万の細行を具えるものだ。大徳はどちらから来られて、そんなに大いなる慢心を起こされるのか。」

師は答えた。「生死の事は大きく、無常は速やかでございます。」

祖師が言われた。「どうして無生を体得し、速やかなることの無いことを悟るのか。」

師が答えた。「体得すれば即ち無生、悟れば元より速やかなることはございません。」

祖師が言われた。「その通り、その通り。」この時、大衆は皆、驚きを禁じ得なかった。

師はようやく威儀を整えて参拝した。しばらくして辞去しようとすると、祖師が言われた。「帰るのがあまりに速すぎはしないか。」

師が答えた。「元より動くものではございません。どうして速さがありましょうか。」

祖師が言われた。「誰が動かざることを知るのか。」

師が答えた。「仁者が自ら分別を生じておられます。」

祖師が言われた。「汝はよく無生の意を得た。」

師が言った。「無生にどうして意がありましょうか。」

祖師が言われた。「意が無ければ、誰が分別するのか。」

師が答えた。「分別もまた意ではございません。」

祖師は嘆息して言われた。「善いかな、善いかな。しばし一晩留まりなさい。」当時、人々はこれを「一宿覚」と呼んだ。

策禅師は師を留め、翌日、山を下りて温州へと帰られた。学者たちは辐湊のように集まり、「真覚大師」と称された。『禅宗悟修円旨』を著し、浅いところから深いところへと導いた。慶州刺史の魏静がこれを編纂して十篇とし、『永嘉集』と名付けた。さらに『証道歌』一首を加え、共に世に広く行き渡ったのである。


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