牧牛序五
牧牛の序章 五
前思纔起。後念相隨。由覺故以成真。在迷故而為妄。
前の思いがわずかに起これば、後の念が相次いで続く。 覚っているがゆえに真となり、迷っているがゆえに妄となる。
不唯由境有。惟自心生。鼻索牢牽。不容擬議。
ただ外の世界だけにあるのではなく、自分の心から生まれるのです。鼻に通された綱がしっかりと引かれ、議論の余地はありません。
頌曰。
頌に曰く。
鞭索時時不離身 恐伊縱步入埃塵
相將牧得純和也 羈鎻無抑自逐人
鞭は常に手元を離さず、彼が塵に足を踏み入れぬよう見守る。 共に純粋な調和を育み、鎖は解かれても自ら人に従う。
和。
和。
共分山林寄此身 有時亦踏馬蹄塵
不曾犯者人苗稼 來往空勞背上人
山林に身を寄せて暮らす日々 時には馬の蹄の塵を踏むこともある 人の苗を荒らすことは決してせず ただ背に乗る人を空しく行き来させるだけ
又。
また、
牧來純熟自通身 雖在塵中不染塵
弄來却得蹉跎力 林下相進笑殺人
牧い慣れて身に通じれば、塵の中にあっても塵に染まらず。 弄んで却ってつまずく力を得て、林の下で相い進む、笑って人を殺さんばかり。