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仏説地蔵菩薩発心因縁十王経 (佛說地藏菩薩發心因緣十王經)

「佛說地藏菩薩發心因緣十王經」について

唐 · 藏川述 著

4,739 字 · 約 16 分

『仏説地蔵菩薩発心因縁十王経』は、唐代の蔵川法師によって記された仏教経典であり、主に地蔵菩薩が衆生を救おうと発心された因縁と、十王信仰の内容を説いています。経文は、地蔵菩薩の大願と十殿閻王の審判体系を結びつけ、因果応報と輪廻の思想を強調し、衆生に善行を積み徳を重ねて地獄の苦しみから解脱するよう導いています。この経典は中国仏教において重要な位置を占め、特に民間信仰に深い影響を与え、地蔵信仰と十王信仰が融合する鍵となる文献となりました。唐代の仏教学者である蔵川法師の著述は、唐宋時代の仏教における地獄観念を研究する上で重要な根拠を提供しています。


佛說地藏菩薩發心因緣十王經

仏説地蔵菩薩発心因縁十王経

成都麻大聖慈恩寺沙門 藏川 述

成都麻大聖慈恩寺の僧 蔵川 述

如是我聞:一時,佛在鳩尸那城䟦提河邊沙羅雙樹入涅槃處。諸大聲聞前後圍遶,無量菩薩皆悉集會,天人大會五十二類皆來雲集,前分之後,遺教之前。

私はこのように聞きました。ある時、仏はクシナガラ城の跋提河のほとりにある沙羅双樹の間、涅槃に入られる場所にいました。多くの大いなる声聞(弟子たち)が前後に取り囲み、無数の菩薩たちも皆集まっていました。天人や人間、五十二種の者たちが雲のように集まり、これは教えが説かれる前半の後、遺教が説かれる前のことです。

爾時,世尊放大光明,照閻魔國,嘿然而住。時閻魔王、十大王眾、獄司侯官、司命令神、司錄記神、閻魔使者、羅剎娑、無量異類、無數鬼神、部類從屬,忽然涌出,恭敬供養,合掌向佛。爾時,世尊還內光明,告閻魔法王言:是娑婆國一切眾生,根鈍障重,不孝父母,不信因果,以心為師,造作五逆、四重、十惡,皆悉墮在閻魔地獄,冥途中間都不覺知。非我,世尊!誰人起慈?孔雀等經與百年壽,雖然終盡人間八苦,猶如深樂冥塗受苦,極苦中苦我今略說。

その時、世尊は大きな光を放ち、閻魔の国を照らして、静かに座っておられた。すると、閻魔王、十大王の者たち、獄司や役人、命令を司る神、記録を司る神、閻魔の使い、羅刹、無数の異類、数えきれない鬼神、その眷属たちが忽然と現れ、敬い供養し、合掌して仏に向かった。

その時、世尊は光を収めて、閻魔法王に告げられた。「この娑婆世界の一切の衆生は、根が鈍く障りが重く、父母に孝行せず、因果を信じず、自らの心を師として、五逆・四重・十悪を造り、皆ことごとく閻魔の地獄に堕ちている。冥途の途中にあっても、まったく気づくことなく過ごしている。私、世尊をおいて、誰が慈悲を起こすことができようか。経典などによって百年の寿命を与えても、ついには人間の八苦が尽きることはない。あたかも深く冥途の苦しみを楽しむかのようであり、極苦の中の極苦である。私は今、その一端を簡略に説こう。」

爾時,閻魔法王及諸王等從座而起,合掌向佛而白佛言:世尊!善哉,善哉!釋迦牟尼法王!能以平等大慈大悲,為我等說照三塗闇。

その時、閻魔法王と諸々の王たちが座より立ち上がり、合掌して仏に向かい、こう申し上げました。「世尊よ、なんと素晴らしいことでございます。釈迦牟尼法王は、平等の大いなる慈しみと大いなる悲しみをもって、私たちのために三つの悪道(三塗)の闇を照らす教えを説いてくださいました。

爾時世尊告閻魔王及秦廣王等言:一切眾生各有六識、八識、九識,義如前說。今此經中唯有二說:魂識說三、魄識說七。三種魂識:一名胎光業魂神識、二名幽精轉魂神識、三名相靈現魂神識。於阿賴耶識開為三魂,心性、心相如水中波,不二而二。性者,三身法、報、應性。本覺如來無一眾生而不具足三身如來,依我此覺智覺樹成道,依我此理雙樹示滅。相者,三魂隨善惡業流轉生死,受苦受樂無有間斷,依造惡業受三塗苦。如今眾生依我修善令得佛道,一切眾生亦復如是。七種魄識:一名雀陰魄神識、二名天賊魄神識、三名非毒魄神識、四名尸垢魄神識、五名臭肺魄神識、六名除穢魄神識、七名伏尸魄神識。於七轉識分別性相,准魂可知。一切眾生臨命終時,閻魔法王遣閻魔卛:一名奪魂鬼、二名奪精鬼、三名縛魄鬼,即縛三魂至門關樹下。樹有荊棘宛如鋒刃,二鳥栖掌,一名無常鳥、二名䟦目鳥:我汝舊里化成𪇖𪈜,示怪語鳴別都頓宜壽(此鳥近吳語,云析家命鳴);我汝舊里化成烏鳥,示怪語鳴阿和薩加(此鳥遠吳語,病來將命盡)。爾時知否?亡人答曰:都不覺知。爾時二鳥忿怒熾盛,呵亡人曰:汝在人間不恐罪業,我為懲惡心不飲歠腦;汝在人間不恐罪業,我為懲惡心不食拔汝眼。然通樹門閻魔王國,塊死天山南門。亡人重過,兩莖相逼,破[勝-力+天]割[虎-儿+肉],析骨漏髓。死天重死,故言死天。從此亡人向入死山險坂,尋杖路石願鞋。然即男女於葬送具,三尺杖頭書地藏狀,并隨求陀羅尼具鞋一具,置魄神邊(墓處名也)。輕過亡人如通大穴,微善亡人兩莖不礙,死天冥塗間五百臾繕那。

時に、世尊は閻魔王と秦広王らに告げられた。 「すべての衆生には、六識、八識、九識がある。その意味は先に説いた通りである。 さて、この経典では二つの説き方がある。魂識については三つと説き、魄識については七つと説く。 三種の魂識とは、第一に胎光業魂神識、第二に幽精転魂神識、第三に相霊現魂神識である。 阿頼耶識(あらやしき)からこの三つの魂が開かれる。 心の本性(心性)と心の姿(心相)は、水面の波のようなものであり、不二でありながら二つである。 本性(心性)とは、三身、すなわち法身・報身・応身の本性である。 本来悟っている如来(本覚如来)は、一人の例外もなく、すべての衆生にこの三身の如来を備えさせている。 私(釈迦)がこの覚りの智慧によって菩提樹の下で悟りを開いたのは、この理に依るものである。 私がこの理によって沙羅双樹の間で涅槃に入ったのも、この理に依るものである。 姿(心相)とは、三つの魂が善悪の業に従って生死を流転し、苦しみや楽しみを絶え間なく受け、悪業を造ったゆえに三悪道の苦しみを受けることである。 今、すべての衆生が、私の教えに従って善を修め、仏道を得るならば、その通りになるのである。 七種の魄識とは、第一に陰魄神識、第二に天賊魄神識、第三に非毒魄神識、第四に尸垢魄神識、第五に臭肺魄神識、第六に除穢魄神識、第七に伏尸魄神識である。 この七つの転識について、その本性と姿を分別するのは、先の魂のたとえによって知ることができる。 すべての衆生が命の終わりに臨む時、閻魔法王は閻魔の率いる者たちを遣わす。 その名は、第一に奪魂鬼、第二に奪精鬼、第三に縛魄鬼である。 彼らは即座に三つの魂を縛り上げ、門関の樹の下へ連れて行く。 その樹には棘が生い茂り、まるで刃のようである。 二羽の鳥が枝にとまっている。一羽を無常鳥といい、もう一羽を跋目鳥という。 「我、汝の旧里に化して𪇖𪈜となり、怪しげな言葉をなして鳴く。『別都頓宜寿』と」 <注>この鳥は、呉の地方の言葉に近く、「家の命を断つ」と鳴く、と解釈される。</注> 「我、汝の旧里に化して烏鳥となり、怪しげな言葉をなして鳴く。『阿和薩加』と」 <注>この鳥は、遠くの呉の地方の言葉で、「病が来て命が尽きる」と鳴く。</注> 「その時、お前は知っていたか。」 亡者は答える。「まったく気づきませんでした。」 そこで二羽の鳥は激しく怒り、亡者を叱りつける。 「お前は人間界で罪業を恐れなかった。我々は悪を懲らしめるために、お前の脳を飲み食いするのだ。」 「お前は人間界で罪業を恐れなかった。我々は悪を懲らしめるために、お前の目を引き抜いて食らうのだ。」 そして、この樹の門を通って閻魔王の国、塊死天山の南門に至る。 亡者はそこで再び苦しみを受ける。二本の茎に挟み打たれ、身は砕かれ、骨は折られ、髄が漏れ出る。 死の山においてさらに死ぬ。ゆえに「死天(死に重なる死)」と言うのである。 ここから亡者は死の山の険しい坂道へと入り、杖を頼りに道を探し、石の上を歩き、履物を求める。 そこで、現世の男女は葬送の具として、三尺の杖の先に地蔵の姿を書き、その杖に随求陀羅尼を納め、履物一足をそろえて、魄神のそばに置くのである。 <注>これは墓地の場所を指す。</注> 罪の軽い亡者は、大きな穴を通るように通り抜けられる。 わずかな善行がある亡者は、二本の茎に妨げられることなく進める。 死天の冥い道のりは、五百由旬(約九千キロメートル)に及ぶのである。

爾時,秦廣王告亡人言:哀哉!苦哉!吊苦頌曰:

時に秦広王は亡者に向かって言いました。「哀れなことよ!苦しいことよ!」と。そして、苦しみを悼む歌を詠みました。

汝去過死山, 漸近閻魔王, 山路無衣食,
飢寒苦何忍。

あなたは死の山を越え、 閻魔大王に近づいてゆく。 その山道には食べ物も着る物もなく、 飢えと寒さの苦しみを、どうして耐えられようか。

爾時,天尊說是偈言:

その時、天の尊い方は次のような偈を説かれました。

一七亡人中陰身, 駈將墜墯數如塵,
且向初王齊撿點, 由來未度奈河津。
召於亡人坐門關, 死天山門集鬼神。
殺生之類先推問, 銕杖打體難通申。

亡者の数は塵のように無数であり、中陰の身はあの世へと追い立てられ、奈落へと堕ちていきます。

まず最初の王(秦広王)の前で一人ひとりが裁かれますが、もともと罪を免れた者は一人もおらず、誰もが奈河の渡し場を越えられないのです。

門関に召された亡者たちは座らされ、死出の山の門前には無数の鬼神が集まっています。

殺生の罪を犯した者たちが真っ先に問い詰められ、鉄の杖で打たれても、言い訳を申し立てることすらできません。


第一秦廣王(不動明王)

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