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法華曼荼羅威儀形色法経 (法華曼荼羅威儀形色法經)

「法華曼荼羅威儀形色法經」について

唐 · 底本の訳者:不空

3,586 字 · 約 12 分

法華曼荼羅威儀形色法経は、唐代密教の高僧・不空によって漢訳された重要な仏典であり、密教における法華経系の修行儀軌に属します。不空は開元の三大士の一人として、玄宗皇帝の時代に数多くの密教経典を中国にもたらし、この経典もその訳業の一つです。経文には、法華曼荼羅の構造、諸尊の姿形、供養の作法、そして実践方法が詳しく説かれており、法華思想と曼荼羅の実践を融合させた密教の特色が表れています。この経典は中国密教において重要な位置を占め、唐代の密教における法華信仰と曼荼羅芸術を研究する上で貴重な文献となっています。また、後の日本天台密教など、さまざまな流派にも深い影響を与えました。


法華曼荼羅威儀形色法經

法華曼荼羅威儀形色法経

證成妙法自蓮華經王八葉蓮華上湧出寶塔中兩足婆誐鑁八大菩薩等及三重方壇三摩耶眷屬妙威儀形色滿願會方位幖幟曼荼羅八平等大會成就法花三昧現世入初地決定證菩提法經(從青流自)。

妙法を証明する「自蓮華経王」、 八葉の蓮華の上に湧き出る宝塔の中に、 両足の尊き聖者(婆誐鑁)、八大菩薩たち、 そして三重の方壇の三摩耶の眷属、 その見事な威儀と形、色、 願いを満たす会の方位と標識、 曼荼羅の八つの平等の大会、 「法華三昧」を成就し、 現世にて初地(初めての悟りの段階)に入り、 確実に菩提(悟り)を証する法の経。(『青流』より。)

中京大興善寺大廣智不空奉 詔譯

大興善寺の大広智・不空、勅を奉じて訳す

爾時毘盧遮那婆誐鑁告持金剛祕密手菩薩言:「佛子!志心聽說證成妙法大曼荼羅相及諸尊等滿願會方位乃至威儀形色法。所謂內心曼荼羅,彼身地即是法界自性,真言密印加持而加持之。本性清淨,四大金剛所護持故,淨除一切塵垢,我、人、眾生、壽者、意生、儒童、株杌過患。紺瑠璃地黃金界場,微妙蓮華普散其上,方壇面門西向通達周旋界道,內現意生八葉花王,柚莖敷[芷/(止*止)/糸],綜絢端妙,鮮白如雪,放素皓光色超世間,葩間三鍸。其花胎上湧出七寶大率都婆寶塔,高妙五百由旬,維廣正等各三百五十由旬。其樓閣上住如意珠,焰鬘圍繞。張金剛鎖、普懸寶鐸,種種雜珍嚴飾之。五千欄楯,千萬龕室,懸無數幡。七寶瓔珞、五寶鐸鈴處垂烈四面,皆出多摩羅跋旃檀之香。遍大千界,天雨寶花,繽紛供養。爾時塔中師子座上,釋迦、多寶兩足聖尊半跏半座,而各同坐八葉花上。八大菩薩,一切世間最尊特身,超身語意,至於心地違得殊勝□逮意之里。於八葉,從東北隅為首,右旋布列安置八大菩薩,初彌勒菩薩,次文殊師利菩薩、藥王菩薩、妙音菩薩、常精進菩薩、無盡意菩薩、觀世音菩薩、普賢菩薩。於此內院四隅角內,初東北隅摩訶迦葉,東南須菩提,西南舍利弗,西北大目犍連。次於第二院,於其東門置金剛鎖菩薩,南門置金剛鈴菩薩,當塔前金剛鉤菩薩,北門金剛索菩薩。東門北置得大勢菩薩,門南置寶手菩薩。次於南門東置寶幢菩薩,門西置星宿王菩薩。次於西門南置寶月菩薩,北置滿月菩薩。次於北門西置勇施菩薩,東置一切儀成就菩薩。又於東北隅角內置供養花菩薩,東南隅供養燈菩薩,西南隅置塗香菩薩,西北隅供養燒香菩薩。次於第三重院,東門置持國天王,南門置毘樓勒叉天王,西門置毘樓博叉天王,北門置大梵天王。門南置天帝釋。於南門東置大自在天,門西置難陀龍王。於西門南置妙法竪那羅王,門北置樂音乾闥婆王。於北門西置羅喉阿修羅王,門東置如意伽樓羅王。於東北隅聖烏芻沙摩金剛,東南方隅置聖軍吒利金剛,西南方隅置聖不動尊金剛,西北隅置聖除三世金剛。於壇四面畫飲食界道,又畫四門。於其壇上張設天蓋,四面懸幡二十四口。又於四角各竪幢幡、四智賢瓶底黑者盛滿香水,於瓶口內插鮮妙花。其壇四門兩邊各置二閼伽器,盛滿香水,中著欝金、泛諸時花,極香潔之。又於四門置四香爐,燒五味香以用供養。又其四隅各置銅燈臺,蘇油為明。於四角外釘佉陀木橛,如無此木,鑄銅作橛代之亦得。具現成就妙法蓮華經王瑜伽觀智儀軌,是一法說威儀形色及一印方位。

爾時、毘盧遮那世尊は、金剛手菩薩に告げられた。「仏子よ、心を込めて聞け。成就をもたらす妙なる法、大曼荼羅の相、および諸尊を満願会に配する方位、さらにその威儀・形色について説こう。

いわゆる内心の曼荼羅とは、その人の身体こそが法界の自性であり、真言と密印の加持によってさらに清められるものである。本来清らかであり、四大金剛が護持するがゆえに、あらゆる塵や垢を除き去る。我・人・衆生・寿者・意生・儒童・株杌といった過ちからも離れるのだ。

紺瑠璃の地に黄金の界場があり、その上に微妙な蓮華が広く散り敷かれている。方壇の正面は西向きであり、通路は巡るようにして界道を形づくる。内には意生の八葉の花王が現れ、その花梗や茎は見事に伸び、艶やかで美しい。色は真っ白で雪のようであり、素晴らしい白光を放ち、世間のあらゆる色を超えている。花びらの間には三つの宝珠がある。

その花の中心からは、七宝でできた大率都婆(ストゥーバ)の宝塔が湧き出ている。高さは五百由旬、縦横はそれぞれ三百五十由旬である。その楼閣の上には如意宝珠が安置され、炎の鬘が周囲を囲む。金剛の鎖が張り巡らされ、宝鐸があまねく懸けられ、さまざまな珍宝で厳かに飾られている。

五千の欄干、千万の龕室があり、無数の幡が懸けられている。七宝の瓔珞、五宝の鈴鐸が四方に垂れ下がり、どこからも栴檀の香りが漂う。その香りは大千世界に満ち、天からは宝の花が降り注ぎ、豊かに供養がなされる。

その時、塔の中の師子座に、釈迦牟尼仏と多宝仏の二尊が、それぞれ半跏の座を組み、同じく八葉の花の上に並んで坐しておられた。八大菩薩は、一切世間において最も尊く特別な身であり、身・語・意を超え、心の境地に至って、殊勝な悟りを得る。

八葉の上には、東北隅を起点として右旋に、八大菩薩が安置される。すなわち、弥勒菩薩、文殊師利菩薩、薬王菩薩、妙音菩薩、常精進菩薩、無尽意菩薩、観世音菩薩、普賢菩薩である。

この内院の四隅の内側には、東北隅に摩訶迦葉、東南に須菩提、西南に舎利弗、西北に大目犍連が安置される。

次に第二院には、東門に金剛鎖菩薩、南門に金剛鈴菩薩、塔の前に金剛鉤菩薩、北門に金剛索菩薩を置く。東門の北側には得大勢菩薩、門の南側には宝手菩薩を置く。南門の東側には宝幢菩薩、門の西側には星宿王菩薩を置く。西門の南側には宝月菩薩、北側には満月菩薩を置く。北門の西側には勇施菩薩、東側には一切儀成就菩薩を置く。また、東北隅の内側には供養花菩薩、東南隅には供養燈菩薩、西南隅には塗香菩薩、西北隅には供養焼香菩薩を安置する。

次に第三重院には、東門に持国天王、南門に毘楼勒叉天王、西門に毘楼博叉天王、北門に大梵天王を置く。門の南側には帝釈天を置く。南門の東側には大自在天、門の西側には難陀龍王を置く。西門の南側には妙法の堅那羅王、門の北側には楽音乾闥婆王を置く。北門の西側には羅睺阿修羅王、門の東側には如意伽楼羅王を置く。東北の隅には聖烏芻沙摩金剛、東南の隅には聖軍荼利金剛、西南の隅には聖不動尊金剛、西北の隅には聖除三世金剛を安置する。

壇の四面には飲食の界道を描き、さらに四門を描く。その壇の上には天蓋を張り、四面には二十四本の幡を懸ける。さらに四隅にはそれぞれ幢幡を立て、四智の賢瓶(底の黒いもの)を置き、香水を満たし、瓶の口には美しい花を挿す。

壇の四門の両側には、それぞれ二つの閼伽器を置く。香水を満たし、中には欝金を入れ、季節の花を浮かべ、極めて香り高く清らかにする。また、四門には四つの香炉を置き、五味の香を焚いて供養とする。さらに、四隅にはそれぞれ銅の燈台を置き、蘇油を灯明とする。四隅の外側には佉陀木の釘を打つ。もしこの木がなければ、銅を鋳て釘の代わりとしてもよい。

ここに、成就する妙法蓮華経王の瑜伽観智の儀軌が明らかにされた。これが一つの法において説かれる威儀・形色、並びに一印の方位である。」

「既說曼荼羅中儀式及一層寶塔莊嚴相已,今說塔中二體聖尊威儀形色。

すでに曼荼羅の中の儀式と一層の宝塔の荘厳なる相を説き終えたので、今から塔の中の二体の聖尊の威儀と形色を説こう。

「多寶如來:

多宝如来

「烏瑟紺髮冠, 眉間索毫光,
普照於一切, 身相黃金色。
定惠智拳印, 跏趺右押左,
垂下左輻輪, 身被袈裟衣。
安住大蓮花, 常遊滿月輪,
光明靡不遍。 湧現寶塔中,
證成妙法輪, 常令不斷絕,
廣度眾生類。」

烏のごとき紺青の髪を頂き、眉の間には白毫の光を放ち、 あまねく一切を照らし、御身の相は黄金の色。 定と慧の智の拳印を結び、結跏趺坐で右足を左の上に重ね、 左の掌には輻輪の相を現し、袈裟の衣をまとい給う。 大いなる蓮華の上に安住し、常に満月の輪の上に遊び、 その光明は至らぬところなく、宝の塔の中に湧き現れ、 妙なる法の輪を証し完成し、絶えることなく常に説き続け、 あらゆる衆生を広く救い導き給う。

「釋迦如來:

お釈迦様

「膩沙紺青髺, 眉間白毫光,
照東方八萬, 身相黃金色。
左定結拳印, 右惠開外方,
屈無明小指, 敘中頭大指。
跏趺左押右, 垂下右輻輪,
被服袈裟衣。 安住白蓮華,
恒遊月輪中, 光明赫赫輝。
為令教流布, 住彼而說法,
三昧眾圍繞, 各□經持者。」

頭には紺青の髪をいただき、 眉間からは白毫の光が放たれる。 その光は東方八万世界を照らし、 御身は黄金の色に輝く。

左の手は定印を結び、 右の手は施無畏印を開く。 無名指と小指を曲げ、 中指、人差し指、親指を伸ばす。

足は左を上にして組まれ、 右の足の裏には輪の文様がある。 袈裟をまとい、 白蓮華の上に座しておられる。

常に月輪の中に遊び、 光明は赫々と輝く。 教えを広めるために、 その場にとどまり説法される。

三昧の衆が周りを取り囲み、 それぞれが経典を保ち持つ。

「既說二體如來色相,今說八大菩薩相好。其八葉花王從東北隅葩右旋,以彌勒為首。

すでに二種の如来の色相を説き終えましたので、ここでは八大菩薩の相好についてお話しします。その八葉の花王は、東北の隅の花びらから右回りに進み、彌勒を先頭としています。

「第一彌勒菩薩:

第一弥勒菩薩は言われました。

「頂上妙寶冠, 紺髺垂兩肩,
身相亦肉色。 左定紫蓮華,
其上有鐸持, 右惠按摩膝,
跏趺右押左, 大慈大悲相。
身被袈裟衣, 珠鬘寶瓔珞,
鐶釧為臂玉。 千色妙天衣,
細軟以要中, 妙裳赤朱色。
莊嚴相好身, 具相三十二,
月光商佉色。 其光無不遍,
最花以為座, 住大月輪中。」

頭上には美しい宝冠を戴き、 紺色の髪は両肩に垂れています。 お身体の色はまた肉色です。 左手には紫の蓮華を静かに持ち、 その上に鈴が飾られています。 右手は穏やかに膝に置かれています。 足を組んで右足を左の上に置き、 大いなる慈しみと悲しみの相をされています。 袈裟のお衣を身にまとい、 宝珠の数珠や瓔珞を飾り、 腕輪や釧を腕の飾りとされています。 千の色に輝く美しい天衣、 柔らかく細やかな布地を身にまとい、 鮮やかな赤紫色の素晴らしい裳をお召しです。 このように荘厳された相好を持つお身体は、 三十二の相を完全に備えています。 月のように白く、法螺貝のような輝きです。 その光はあらゆるところに届きます。 最上の蓮華を座として、 大いなる月輪の中におられます。

「第二文殊師利菩薩:

第二の文殊師利菩薩

「頂上五髮冠, 紺髮以垂眉,
身相黃金色。 左定青蓮華,
其上有三釰, 跏趺右押左,
慈悲引接相。 身被袈裟衣,
花鬘妙瓔珞, 鐶釧為臂玉。
微妙寶天衣, 綵綾以腰中,
著裳赤光色, 嚴飾上妙身。
身光如秋虹, 寶花以為座,
安住月輪中。」

頭の上に五つの髪を結い上げ、 紺青の髪は眉の辺りに垂れている。 御姿は黄金色に輝き、 左手には青い蓮華を静かに捧げ持ち、

その上には三つの剣をのせて、 両足を組み、右の足を左の上に置き、 慈悲の心で人々を導くお姿である。 身には袈裟をまとい、

花の鬘(かずら)や美しい瓔珞(ようらく)、 腕輪や釧(くしろ)で飾られている。 微妙な宝の天衣をまとい、 美しい綾(あや)の帯を腰に巻き、

裳(も)は赤く光り輝き、 この上なく尊い御身を飾っている。 御身の光は秋の虹のようで、 宝の花を台座として、

月の輪の中に安らかにおられる。

「第三藥王菩薩:

第三薬王菩薩

「頂上妙寶冠, 紺髮垂耳側,
身相朝日色。 左定拳著膝,
右惠雲上日, 跏趺右押左,
大悲救世相。 身被妙花鬘,
天衣及瓔珞, 鐶釧為臂玉。
細錦以腰中, 赤綾為妙裳,
莊嚴相妙身。 身光遍暉曜,
寶蓮以為座, 安住月輪海。」

頂上には見事な宝冠を戴き、 紺色の髪を耳の側に垂らし、 その姿は朝日のように輝く。 左手は定印を結び膝の上に置き、 右手は施無畏印を結び雲の上に日を捧げるかのよう。 右足を左の上に重ねた結跏趺坐の姿は、 大いなる慈悲をもって世を救う相。 その身は美しい花の鬘(かざり)で飾られ、 天衣と瓔珞(ようらく)をまとい、 腕輪や釧(くしろ)が腕を飾る。 細やかな錦を腰に巻き、 赤い綾(あや)の見事な衣をまとう。 かくも荘厳な、見事なる御身。 その体から放つ光はすべてを照らし、 宝蓮華(ほうれんげ)を座として、 月輪の海上に安住しておられる。

「第四妙音菩薩:

第四の菩薩は、妙音菩薩です。

「頂上大寶冠, 紺髮垂耳下,
身相赤黃色。 左定未開蓮,
右惠拳押膝, 跏趺右押左,
哀愍救世相。 花髮及瓔珞,
袈裟妙天衣, 玉環為臂飾。
萬色為腰布, 著裳頻婆色,
莊嚴萬德身。 身光遍一切,
蓮華以為座, 安住滿月輪。」

頭上には大いなる宝冠を戴き、 紺碧の髪は耳の下に垂れている。 その身の姿は赤みがかった黄色。 左手は、まだ開かぬ蓮華を持ち、 右手の拳は膝の上に置かれている。 両足を組み、右足を左の上に重ね、 世を救う慈悲の相を示しておられる。 花の飾りや首飾り、 美しい天衣の袈裟、 腕飾りには玉の環。 腰には無数の色を帯びた布をまとわれ、 その衣は美しい紅蓮の色。 あらゆる功徳を備えた尊いお姿。 身体の光はすべての隅々にまで届き、 蓮華の座におられ、 満月の輪の上に安住している。

「第五常精進菩薩:

第五 常精進菩薩

「頂上妙寶冠, 紺髮垂兩耳,
身相白肉色。 左定摩膝相,
右惠摩尼寶, 跏趺右押左,
憐愍一切相。 珠鬘及天衣,
袈裟妙瓔珞, 臂玉甚希有。
綾羅為腰巾, 著裳深赤色,
嚴身百福身。 圓光如熾蟙,
寶蓮以為座, 安住月輪殿。」

頭上には見事な宝冠を戴き、 黒く美しい髪は両耳へと垂れています。 その御身は白く透き通るようなお肌で、 左手は膝の上で瞑想の印を結び、 右手は如意宝珠を捧げ持っています。 足は右を左の上に組む、蓮華座の姿勢です。 全ての生きとし生けるものを慈しむ姿。 数珠の鬘や天人の衣を身にまとい、 さらに袈裟と美しい瓔珞、腕輪はこの上なく珍しいものです。 綾織の絹を腰に巻き、裳は深い赤色。 百の福徳を具えたその身は、 光の輪が燃え盛る太陽のように輝き、 宝蓮華を座として、月輪の宮殿に安住しています。

「第六無盡意菩薩:

第六に無尽意菩薩。

「妙冠嚴五髮, 紺髮垂兩肩,
身相赤肉色。 左定蓮花鬘,
右惠拳押膝, 跏趺右押左,
大慈大悲相。 寶鬘及天衣,
袈裟妙瓔珞, 鐶釧為臂玉。
百福為腰巾, 妙裳朱光色。
圓光周遍體, 寶蓮以為座,
安住月輪中。」

「見事に冠をいただき、五本の髪は美しい藍色で両肩にたなびいています。 お体は赤く色づいています。 左手には蓮の花飾りを静かに置き、 右手の拳は膝の上に置かれています。 足を組んで、右が左の上に重なっています。 大いなる慈しみと、大いなる悲しみの相をされています。 宝の飾りや天の衣、 袈裟や見事な瓔珞(ようらく)、環や釧(くしろ)が腕を飾っています。 百の福徳を帯びた腰布、 見事な衣は朱色の光を放っています。 円光が全身を巡り、 宝の蓮華が座となり、 月輪の中に安らかにおられます。」

「第七觀世音菩薩:

第七観音菩薩:

「寶冠嚴頂上, 中現無量壽,
紺髮垂兩肩, 十度開敷蓮。
鐶釧為臂玉, 細綾為腰巾,
服裳深赤色, 莊嚴慈悲體。
圓光遍世間, 寶花承兩足,
安住月輪殿。」

宝冠を頭の上にいただき、 その中に無量寿の仏が現れる。 紺色の髪は両肩に垂れ、 十の指は開く蓮の花のよう。

腕輪や釧は腕の飾りとなり、 細やかな綾の布は腰に巻かれる。 衣は深い赤色に染まり、 慈しみと悲しみの姿を飾る。

光の輪は世界中に広がり、 宝の蓮が両足を受け止めている。 月の輪のような殿に安らかに座しておられる。

「第八普賢菩薩:

第八普賢菩薩について

「妙冠嚴髺髮, 紺髮垂耳側,
身相淺紫色。 左定蓮上劍,
右惠拳押膝, 大悲憐愍相。
珠鬘及袈裟, 天衣妙瓔珞,
鐶鈌為臂玉。 千色為腰巾,
妙裳赤光色。 身光如虹色,
寶蓮以為座, 安住月輪海。」

「その御姿はまことに尊く、 紺青の髪が両耳のそばに垂れています。 御身は淡い紫色に輝き、 左手には蓮華の上に剣を立て、 右手は拳を結んで膝の上に置き、 限りない大いなる慈悲の相を示しています。

宝珠の数珠と袈裟、天人の衣、 見事な瓔珞(ようらく)を身にまとい、 腕には環や釧(くしろ)が飾りとして輝き、 腰には千種の色が織り込まれた帯を巻き、 裳(も)は美しい紅色の光を放っています。 御身から放たれる光は虹のよう。

宝の蓮華を座として、 月輪の海に安らかにおられるのです。」

「既說八大菩薩色相,今說四大聲聞像。其八葉外內院四隅(始從東北)。

すでに八大菩薩の姿を説きましたが、次に四大声聞の像について説きます。その八葉の外側、内院の四隅(北東から始まる)に位置します。

「第一摩訶迦葉,第二東南須菩提,第三西南舍利弗,第四西北大目犍連(四大聲聞各白肉色比丘形)。

第一に摩訶迦葉、第二に東南の須菩提、第三に西南の舎利弗、第四に西北の大目犍連(四大声聞は、それぞれ肉色の比丘の姿をしている)。

「既說四大聲聞色相,今說第二院十六菩薩威儀形色。

四大声聞の色相を説き終えたので、次に第二院の十六菩薩の威儀と形色を説こう。

「第二重院東門金剛鎖菩薩:

第二重院の東門にあります、金剛鎖菩薩(こんごうさぼさつ):

「頂上妙寶冠, 身相白肉色,
左定結拳印, 右惠金剛鎖,
身被鬘瓔珞, 跏趺右押左。」

頭には見事な宝の冠を戴き、 御身体は白く輝く肌色をしている。 左手は定印(静けさの印)を結び、 右手には知恵の金剛杵(金剛鈴の手)を持つ。 身体は華鬘(けまん)や瓔珞(ようらく)で美しく飾られ、 足を組んで座り、右の足を左の足の上に重ねている。

「南門金剛鈴菩薩:

なんもんこんごうれいぼさつ

「頂上妙寶冠, 身相大青色,
左定結拳印, 右惠金剛鈴。」

頭には見事な宝の冠を戴き、 その体は荘厳な青色に輝いています。 左手は定印に結び、右手には金剛鈴を持っておられます。

「西門金剛鉤菩薩:

西門金剛鉤菩薩は、智慧の鉤をもって迷いを引き寄せ、悟りへと導く力を表します。

「頂上妙寶冠, 身相大黑色,
左定結拳印, 右惠金剛鉤。」

頂上には妙なる宝冠を戴き、 身体の相は大いなる黒色である。 左の定の手は拳印を結び、 右の慧の手は金剛の鉤を持つ。

「北門金剛索菩薩:

北門金剛索菩薩は、金剛索を持ち、全ての衆生を縛って仏道へと導く力を象徴しています。

「頂上妙寶冠, 身相白黃色,
左定金剛索, 右惠拳押膝。」

頭上には見事な宝冠を戴き、 その身の色は白く、あるいは黄色く輝いています。

左手は金剛索の印を結び、 右手は拳を作り、膝の上に置いています。

「東北隅供養花菩薩:

東北の隅に花を供養する菩薩

「頂上妙寶冠, 身相白黃色,
空惠持鮮花, 跏趺右押左。」

頭上には見事な宝冠を戴き、 体の色は白く、ほのかに黄色を帯びている。

虚空蔵菩薩は清らかな花を手に持ち、 足を組んで、右の足を左の足の上に重ねて座しておられる。

「西南塗香供養菩薩:

西南に塗香を供養する菩薩。

「頂上妙寶冠, 身相大青色,
定惠塗香器, 以及身如上說。」

頂上には妙なる宝冠を戴き、 からだは大きな青色の相をそなえている。 定と慧をあらわす塗香の器、 その身については、すでに説いたとおりである。

「東南供養燈菩薩:

「東南供養燈菩薩:

「頂上妙寶冠, 身相大黑色,
定惠燒香器, 嚴身同彌勒,
以及如上說。」

頂には見事な宝冠を戴き、 その身の姿は大いなる黒色。 定恵は焼香の器を持ち、 その荘厳は弥勒と同じ。 これらは先に述べた如くである。

「西北燒香供養菩薩:

北西の方向で香を焚いて菩薩に供養する。

「頂上妙寶冠, 身相大黑色,
定惠燒香器, 以及如上說。」

頭上には素晴らしい宝の冠をいただき、 御身体は大いなる黒色の相を現わし、 定力と智慧の香炉を手に持ち、 それは先に述べた通りであります。

「東門北得大勢菩薩:

東門の北には大勢至菩薩がいらっしゃいます。

「頂上五髮冠, 冠中住鍕持,
身定白蓮華, 滋茂而未敷,
圍繞以圓光, 右惠說法印,
以及身如普賢。」

頭の上には五つの髪を結った冠をいただき、 その冠の中には軍持(水瓶)が納まっています。 体は白い蓮華の上に座して、 瑞々しく茂りながらも未だ開いていません。 背後には円い光が巡り、 右手は施無畏・説法の印を結び、 その姿は普賢菩薩のようにあります。

「南寶手菩薩:

南宝手菩薩

「頂上五髮冠, 身相白肉色,
左定說法印, 右惠大蓮華,
其上跋折羅, 達寶珠焰鬘。」

頂上の五つの髪の冠をつけ、 その身は白き肉色。 左手は定の説法印を結び、 右手は恵みの大蓮華を持つ。 その上に金剛杵(ばざら)を安置し、 宝珠の焔の鬘(かざり)が届く。

「南門東寶幢菩薩:

南門東の宝幢菩薩

「頂上五髻冠, 身相白肉色,
左定大蓮華, 其上有幢幡,
右惠持寶珠, 焰鬘以圍繞,
百千種瓔珞, 以及身如普賢。」

頭上には五つの髻(もとどり)を頂き、 体の色は白く清らかであります。

左手には大きな蓮華を静かに持ち、 その上には幢幡(どうばん)が美しく立っています。

右手には宝珠を智慧の手で携え、 炎の花飾りが周りを優しく包みます。

百千ものさまざまな瓔珞(ようらく)を身にまとい、 その姿はあたかも普賢菩薩のようです。

「西星宿菩薩:

西星宿菩薩

「頂上五髻冠, 身相赤黃色,
左定拳押膝, 右惠蓮上鉢。」

頭の上には五つの髻を頂き、 体の色は赤みを帯びた黄色。

左手は定印を組み膝の上に置き、 右手は施無畏の印を結び、蓮華の上の鉢を持つ。

「西門南寶月菩薩:

西門南寶月菩薩

「頂上五髻冠, 身相茂黃色,
左定縛日羅, 右惠拳押膝。」

頭上には五つの髻(もとどり)をいただき、 からだの色は輝く黄金色。

左手は決して動かず、金剛杵(こんごうしょ)を握りしめ、 右手は智慧の拳(こぶし)で膝を押さえている。

「北滿月菩薩:

北満月菩薩

「頂上五髻冠, 身相深黃色,
左上青雲月, 古惠施無畏。」

頭の上には五つの髻を戴き、 その身の姿は深い黄色。 左上には青雲と月をいただき、 古よりの智慧で、施しと無畏の心を示す。

「北門東一切儀成就菩薩:

北門の東にいる一切儀成就菩薩:

「頂上五髻冠, 身相黃金色,
左定掘金輪, 右惠持蓮華。」

頂上には五つの髻(もとどり)をいただき、 その姿は黄金色に輝く。 左手は定の印に金輪を掘り、 右手は智慧の手で蓮華を執る。

「西勇施菩薩:

西勇施菩薩(さいゆうせぼさつ)の

「頂上五髻冠, 身相白肉色,
左定蓮上經, 右惠拳押膝。」

頭の上には五つの髻(もとどり)をのせた宝冠をいただき、 お体の色は白く清らかです。

左手は静かに印を結び、その上に蓮華と経典をのせ、 右手は智慧の拳(こぶし)を組み、膝の上に置かれています。

「以上十六菩薩,嚴身如彌勒。」

以上の十六の菩薩たちは、その身を荘厳すること、弥勒菩薩のごとくであった。

「既說十六大菩薩各各威儀嚴身,今說第三重院儀式。

すでに十六大菩薩がそれぞれの威儀で身を厳かに飾ることを説きました。次に、第三重の院の作法を説きましょう。

「第三院東門持國天王:

持国天王:

「寶冠嚴髮髻, 面門青肉色,
左定執利鉾, 身妙散瓔珞,
袈裟及天衣, 金剛寶甲專,
右惠著腰相, 瞋怒威德相,
跏趺右押左, 蓮葉以為嚴。

宝冠は髪の髻を飾り、 顔は青く、肉厚で色鮮やか。

左手は静かに鋭い矛を持ち、 体には美しい瓔珞が散りばめられている。

袈裟と天衣をまとい、 金剛宝の甲冑をしっかりと身につける。

右手は知恵の印を結び、腰に置かれ、 怒りの相でありながらも威厳と徳を備えている。

足を組み、右を左の上に重ね、 蓮の花びらを敷いて荘厳としている。

「南門毘樓勒叉天王:

南門の毘樓勒叉天王

「頂冠嚴髮髻, 面門赤肉色,
左定拳押膝, 右惠金剛釰。

頂には冠があり、髪は結い上げられ、 顔は赤みを帯びた肉色である。

左手は定印の拳を組み、膝を押さえ、 右手は慧剣(金剛剣)を握る。

「西門毘樓博叉天:

西門の毘楼博叉天よ。

「寶冠嚴髮髻, 面門白黃色,
左定捧寶塔, 右惠持寶釰。

宝冠は髪の髻を飾り、 顔は白く優しい輝きを放つ。

左手は定印を結び宝塔を捧げ持ち、 右手は智慧の宝剣を携える。

「以上四大天王威儀嚴身同持國天王。

以上のように、四人の天王はみな威厳ある姿で身を飾り、皆、同じく国を護る天王である。

「東門南天帝釋:

東門の南、天帝の釈。

「寶冠嚴頂上, 戴持三鈷杵,
面門白黃色。 左定結拳印,
右惠持一鈷。 百千種瓔珞,
袈裟天飛衣, 定住妙高座。」

宝冠は頭の上を飾り、 三鈷杵(さんこしょ)を戴き持つ。

顔は白く黄色みを帯び、 左手は定印を結び拳を作り、 右手には一鈷杵(いっこしょ)を握る。

百千もの瓔珞(ようらく)を身に飾り、 袈裟と天人の飛衣(とびえ)をまとい、 妙高山の座に安住している。

「北大梵天王:

大梵天王よ、

「四面髮髻冠, 面門白肉色,
每面三目相, 四手惠持花,
次惠持數珠, 定上執鐸持,
定下手側掌, 屈風餘甲直。
身散妙瓔珞, 袈裟及天衣,
圓光遁寶身, 國持七我車。」

四面には髪を結い上げた冠をいただき、 その顔は白く、なめらかで美しい。

一つの面には三つの眼があり、 四本の手を持つ。右手は花を捧げ持ち、 もう一つの右手は数珠を握る。

左手の上の手は鈴を持ち、 左手の下の手は手のひらを横に向け、 人差し指を曲げ、他の指はまっすぐに立てている。

全身には見事な瓔珞(ようらく)を散りばめ、 袈裟と天衣(てんね)をまとう。

光の輪は、その宝のからだを包み込み、 車に乗って国土を支え、守る。

「南門東大自在天:

南門の東にいる大自在天

「頂上妙天冠, 面門紫蓮華,
定惠把利鉾, 垂大黑牛水。
上妙寶瓔珞, 天衣及飛衣,
嚴身微妙色, 安住月輪海。」

頭には見事な天の冠を戴き、 顔は紫の蓮の花のよう。

定と慧という智慧の鉾を携え、 黒い牛のような大いなる水を垂らす。

首には見事な宝の瓔珞、 天の衣と飛天の衣をまとい、

身体は微妙な色で厳かに飾られ、 月輪の海に安住しておられる。

「西難陀龍王:

私の子、西難陀よ、よく聞きなさい。

「頂上九頭龍, 身相白肉色,
左定結拳印, 右惠持羂索,
瞋怒降伏相, 蓮華以為座。」

頭上には九つの頭を持つ龍がおわし、 その御身は白い肉色をしておられる。

左の手は定印を結び、右の手には羂索を持ち、 怒りの相をもってすべてを調伏される。

蓮華の上に座しておられる。

「西門南妙法緊那羅王:

南門に妙法緊那羅王(みょうほう きんならおう)

「麞鹿馬頭面, 身相赤肉色,
執持音聲器, 又身裸形相。」

鹿や馬のような頭を持ち、 その体は赤い肉の色をしている。

音を奏でる器を持ち、 また、その姿は裸の形をしている。

「北樂乾闥婆王:

北楽乾闥婆王

「頂上以角冠, 身相赤肉色,
身如大牛王, 左定執簫笛,
右惠持寶釰, 具大威力相。」

頭の上には角の冠をいただき、 体の色は赤い肉色であり、 その姿は大いなる牛の王のよう。 左手には箫笛(しょうてき)を握り、 右手には宝剣を持ち、 大いなる威力の相を備えている。

「北門東如意迦樓羅王:

北門の東、如意迦楼羅王

「頂上如意珠, 鳥頭觜二翼,
身相青黑色, 口吹螺唄笛。」

頭上には如意宝珠を戴き、 鳥の頭とくちばし、そして二枚の翼を持ち、 体の色は青みがかった黒、 口では法螺貝や笛を吹き鳴らす。

「西羅睺阿修羅王:

西の羅睺阿修羅王

「頂上髮髻冠, 身相青黑色,
右修羅智印, 面門忿怒相,
左定金剛水, 風絞空輪上。」

頭頂には、髻を飾った冠をいただき、 御身の相は青黒く輝いている。

右手には、修羅の智慧の印を結び、 お顔は忿怒の相を示している。

左手には、金剛の水を定め、 風の指を絞りて、空輪の上に置く。

「東北烏蒭沙摩:

東北の方角に烏蒭沙摩(うすさま/うっくさま)がいます。

「髮髻遶自地, 身相大青色,
金剛寶瓔珞, 甚大忿怒相。
左定執羂索, 右理寶數珠,
右惠執三𮣸, 右智滿願印,
以惠方願屈, 智力直加哺。
以獸皮為衣, 右有兩赤蛇,
蟠絞垂胸臆, 令膽本尊面。
亦四臂兩膊白, 有一蛇遶之,
其色甚青白, 住寶池蓮上。」

髪は髻を結い、地に垂れる。 身の相は大いなる青色。 金剛の宝の瓔珞(ようらく)を身にまとい、 非常に大きな忿怒(ふんぬ)の相をしている。

左手(定の手)は羂索(けんさく)を握り、 右手(理の手)は宝の数珠を持つ。 右手(恵の手)は三𮣸(さんけん)を執り、 右手(智の手)は満願の印を結ぶ。

恵の方の指を願いの形に曲げ、 智の力の指を直に伸ばして口元に添える。 獣の皮を衣とし、 右には二匹の赤い蛇がいる。

からみつき、胸元に垂れて、本尊の顔を正面から見せる。 また四本の臂(ひじ)は白く、 一匹の蛇がそれに巻きついている。

その色は非常に青白く、 宝の池の蓮の上に坐している。

「東南聖軍荼利:

東南の聖なる軍荼利尊者

「髮髻髑髏冠, 雷電玄雲色,
三目怖畏相, 八臂操器拭。
左定掘金輪, 左理持戰銷,
左定金剛鉤, 右惠執三釰,
右智拳押脇, 先作金剛拳,
直竪戒風輪, 當右脇之下,
右惠施無畏, 定惠大願印,
先以右惠腕, 押左定腕睡,
各作金剛拳, 定惠戒風輪,
各直竪當胸。 金剛寶瓔珞,
左八臂八蛇, 遶八臂為珠,
二蛇遶二膞, 二蛇遶二耳,
獸王皮為衣, 白蓮承兩足,
威怒耳焰鬘。」

「髪を高く結い上げ、髑髏を冠とし、 稲妻のように黒く、雲にも似た色。 三つの目は恐ろしい相を持ち、 八本の腕が武器を手にする。

左の定の手は金輪を掴み、 左の理の手は戦いの矛を持つ。 左の定の手に金剛鉤を握り、 右の恵の手は三つの剣を執る。

右の智の手は拳を脇の下に当て、 まず金剛拳を作り、 そのまま人差し指を立てて風の輪とし、 右の脇の下に置く。

右の恵の手は施無畏印を結び、 定の手と恵の手で大願の印を作る。 まず右の恵の手首を 左の定の手首に重ね、

それぞれ金剛拳を作り、 定と恵の手、人差し指を立てて風の輪とし、 それぞれ胸の前にまっすぐ立てる。 金剛の宝の瓔珞を身にまとい、

左の八本の腕には八匹の蛇が巻きつき、 八腕を巡って珠となる。 二匹の蛇は両腕に巻きつき、 二匹の蛇は両耳に巻きつく。

獣王の皮を衣とし、 白い蓮の花が両足を受け、 威厳と怒りに満ちて、耳から炎の鬘が立ち上る。」

「東南聖不動尊:

東南の聖なる不動尊

「髻上八葉蓮, 頂髻垂左肩,
一目而諦觀, 面門水波相,
大忿怒白牙, 左定掘羂索。
金剛寶瓔珞, 一切寶嚴飾,
威怒身火鬘, 住七寶𮎔右。」

髻の上に八葉の蓮(はちようのれん)あり。 頂髻(ちょうけい)は左肩に垂る。 一つの目で深く観じ、 顔の門には水波の相あり。 大いなる忿怒(ふんぬ)の白き牙、 左手には定めて羂索(けんさく)を掘り持つ。 金剛の宝の瓔珞(ようらく)、 すべての宝をもって厳(おごそ)かに飾る。 威怒(いど)の身には火の鬘(かまん)をまとい、 七宝の𮎔(が)の右のごとく住す。

「西北聖降三世:

北西の聖なる降三世。

「髑髏大髻冠, 夏時雨雲色,
三面三三目, 呵吒吒微咲,
極大忿怒相。 左定執乾銷,
左理把寶弓, 左定金剛索,
右惠跋折羅, 右智持寶箭,
理智救世印。 先以左定腕,
押右惠腕上, 以右禪地輪,
叉左禪地輪, 猶如懸連鉤,
左定進水輪, 及以忍火輪,
相屈入掌中, 亦以戒風輪,
檀惠輪直竪, 各各相附頭,
臂如鳥兩觜, 右惠亦如定。
金剛寶瓔珞, 莊嚴上妙身,
身光𮦾靂電, 焰鬘靡不商,
摩醯及何妃, 兩身以為座。」

頭には髑髏の大きな冠をいただき、 その色は夏の雨雲のよう。 三つの顔に三つずつの目を持ち、 「ハータタ」と微かに笑い、 限りなく怒りの相をあらわす。 左の定の手には乾鏘(けんしょう)を持ち、 左の理の手には宝弓を携え、 左の定の手には金剛索(こんごうさく)を、 右の慧の手には跋折羅(ばざら、金剛杵)を、 右の智の手には宝箭(ほうせん)をとる。 理と智によって世を救う印を結ぶ。 まず左の定の手首を、 右の慧の手首の上に重ね、 右の禅の地の指で、 左の禅の地の指を交差する。 それはあたかも鉤(かぎ)が連なっているかのよう。 左の定の進の水の指、 および忍の火の指を、 曲げて掌の中に入れる。 また、戒の風の指と、 檀の慧の指はまっすぐに立てて、 それぞれの先端を合わせる。 その腕は鳥の二つのくちばしのよう。 右の慧の手も左の定の手と同じようにする。 金剛の宝の瓔珞(ようらく)で、 見事なからだを荘厳し、 その身の光は稲妻のように輝き、 炎の鬘(かずら)は一面に広がる。 大自在天(まけい)とその后(妃)の、 二つのからだを座とする。

「既說三重方壇諸尊等方位及威儀形色已,說壇形:次內院地色紺瑠璃色,第二院地赤真珠色,三院淺赤色。從內院至二院間吠瑠璃地,五釰文。從二院至三門紫磨蓮華金地,三釰文。從三院至蓮華門赤黃金地,獨釰文。

「先に、三重の方形の壇上の諸尊の方位や威容、形、色について述べました。続いて、壇の形について説きます。まず内院の地の色は紺瑠璃色、第二院の地の色は赤真珠色、第三院の地の色は浅い赤色です。内院から第二院の間は吠瑠璃の地に五つの剣の文様があります。第二院から第三の門までは紫磨蓮華の金地に三つの剣の文様があります。第三院から蓮華門までは赤黄金の地に一つの剣の文様があります。」

「次四方蓮華門(白肉色),四隅金剛木橛,十字跋折羅也,又云乾陀木橛。四方四隅青蓮華圍遶。」

次に、四方には蓮華の門があり、その内側は白く肉色を帯びています。四隅には金剛木の杭があり、十文字に跋折羅(金剛杵)を配します。また、乾陀木の杭とも呼ばれます。四方・四隅は青蓮華によって囲まれています。

時婆誐鑁說是經已,平等大會一乘曼荼攞滿願會一切諸菩薩金剛手等,聞佛所說,心大歡喜,信受奉行。

そのとき、尊き世尊はこの経を説き終えられた。すると、平等の大法会である一乗の曼荼羅(まんだら)の満願の集いにおいて、あらゆる菩薩たちや金剛手(こんごうしゅ)などの皆が、仏の説法を聞いて、心から大いに喜び、深く信じて受け入れ、その教えの通りに実践したのである。

法花曼荼攞威儀形色法經

法華曼荼羅の威儀形色法経

交了 空契本

空契本を渡しました。


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