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  1. 転法輪経 (轉法輪經)
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転法輪経 (轉法輪經)

「轉法輪經」について

底本の訳者:岫廬

1,109 字 · 約 4 分

転法輪経は仏教の重要経典の一つであり、仏陀が鹿野苑において初めて説法を行った記録と伝えられ、仏陀の初転法輪を象徴する経典とされる。作者は後世の弟子たちによる結集であり、初期仏教経典に属する。内容は四聖諦、八正道などの核心的教義を説き、仏教の基本的な思想体系を確立している。本経は仏教史上において崇高な地位を占め、南伝・北伝仏教ともに尊崇され、原始仏教を研究するための重要な文献である。岫廬版は現代の校勘本の一つであり、テキストの正確性と読みやすさを重視し、現代の学修者による研鑽に資することを目的としている。


轉法輪經

転法輪経

民國岫廬譯

民国時代、岫廬による訳

如是我聞.一時佛在波羅奈國.鹿野苑中.仙人住處.

私はこのように聞きました。ある時、仏は波羅奈国(バーラーナシー国)の鹿野苑の中、仙人が住んでいた場所におられました。

爾時世尊.告五比丘.汝等比丘求遠世間.應離二邊.云何為二.

そのとき、世尊は五人の比丘に告げられました。「比丘たちよ、あなたがたは世間を遠く離れることを求めるならば、二つの極端から離れるべきです。二つとは何でしょうか。

即彼根門放逸.粗鄙.下劣.有損.無益世俗樂邊.及彼妄抑有損.無益徒自苦邊.

かの感官の門を放縦にし、粗野で下劣で、損なうところがあり、益のない世俗の楽しみの極端、および、その誤った抑圧により損なうところがあり、益のない、いたずらに自らを苦しめる極端です。

比丘.如來現已止息二邊.契會中道.以無比智.發現寂滅.清淨安穩等覺涅槃.

比丘たちよ、如来は今すでに二つの極端を止め、中道にかなっています。比類なき智慧によって、寂滅、清浄にして安穏なる等覚の涅槃を現じ悟られたのです。

比丘.如來緣何止息二邊.契會中道.以無比智發見寂滅清淨安隱等覺涅槃.彼名即是八種聖道.正見.正思惟.正語.正業.正命.正精進.正念.正定.如來緣此止息二邊.契會中道.以無比智發見寂滅清淨安隱等覺涅槃.

比丘たちよ、如来はなぜ二つの極端を止息し、中道にかなうのでしょうか。この上ない智慧によって、寂滅し清浄で安穏な、等覚の涅槃を見出されるのです。それはすなわち八つの聖なる道です。正見、正思惟、正語、正業、正命、正精進、正念、正定です。如来はこの道によって二つの極端を止息し、中道にかなうのです。この上ない智慧によって、寂滅し清浄で安穏な、等覚の涅槃を見出されるのです。

比丘.此苦聖諦.生苦.老苦.病苦.死苦.怨憎會苦.愛別離苦.求不得苦.及彼無常五取蘊苦.

比丘よ、これが苦聖諦です。生の苦しみ、老いの苦しみ、病の苦しみ、死の苦しみ、怨憎会苦、愛別離苦、求不得苦、そして無常なる五取蘊の苦しみです。

比丘.此苦集聖諦.即彼有情.縱貪.愛.喜.結生生緣.流轉諸趣.所謂欲愛.有愛.無有愛.

比丘たちよ、これが苦集聖諦です。すなわち、それらの有情が貪りをほしいままにし、愛し、喜び、結縛して、生まれ生まれの縁となり、諸趣を流転するものです。いわゆる欲愛、有愛、無有愛です。

比丘.此苦滅聖諦.謂即從彼喜愛貪等捨棄.離欲.寂滅.解脫.

比丘たちよ、これが苦滅聖諦です。すなわち、かの喜愛や貪などを捨て去り、欲を離れ、寂滅し、解脱することです。

比丘.此苦滅道跡聖諦.即彼八種正中之道.所謂正見.正思惟.正語.正業.正命.正精進.正念.正定.

比丘たちよ、この苦の滅に至る道という聖なる真理とは、すなわちかの八つの正しい道です。いわゆる正見、正思惟、正語、正業、正命、正精進、正念、正定です。

比丘.此苦聖諦.前所未曾聞法.當正思惟時.於我生眼.智.明.覺.

比丘たちよ、この苦聖諦は、これまでに聞いたことのない法です。それを正しく思惟するとき、私には眼が生じ、智が生じ、明が生じ、覚が生じました。

復次.比丘應知.此苦聖諦前所未曾聞法當正思惟時.於我生眼.智.明.覺.

次に、比丘たちよ、知るべきです。この苦聖諦は、これまでかつて聞いたことのない法であり、それを正しく思惟するとき、私には眼が生じ、智が生じ、明が生じ、覚が生じました。

復次.比丘.已知.此苦聖諦前所未曾聞法.當正思惟時.於我生眼.智.明.覺.

次に、比丘たちよ、すでに知られたこの苦聖諦は、かつて聞いたことのない法です。正しく思惟するとき、私に眼が生じ、智が生じ、明が生じ、覚が生じました。

比丘.此苦集聖諦前所未曾聞法當正思惟時於我生眼.智.明.覺.

比丘たちよ、この苦集という聖なる真理は、これまでに一度も聞いたことのなかった法です。それを正しく思惟したとき、私には眼が生じ、智が生じ、明が生じ、覚が生じました。

復次比丘.應斷.此苦集聖諦前所未曾聞法當正.思惟時於我生眼.智.明.覺.

次に、比丘たちよ、この苦集という聖なる真理を断つべきである。かつて聞いたことのない法について正しく思い巡らしたとき、私には眼が生じ、智が生じ、明が生じ、覚が生じました。

復次比丘.已斷.此苦集聖諦前所未曾聞法當正思惟時於我生眼.智.明.覺.

次に、比丘たちよ、すでに断たれたこの苦集聖諦について、これまでに一度も聞いたことのない法として正しく思惟したとき、私には眼が生じ、智が生じ、明が生じ、覚が生じました。

比丘.此苦滅聖諦前所未曾聞法當正思惟時於我生眼.智.明.覺.

比丘たちよ、この苦の滅という聖なる真理は、かつて聞いたことのない法です。これを正しく思惟するとき、私には眼が生じ、智が生じ、明が生じ、覚が生じました。

復次.比丘.應證.此苦滅聖諦前所未曾聞法當正思惟時於我生眼.智.明.覺.

次に、比丘たちよ、この苦滅聖諦は、かつて聞いたことのない法であるが、それを正しく思惟するとき、私(ブッダ)には眼と智と明と覚が生じたのである。

復次.比丘.已證.此苦滅聖諦前所未曾聞法當正思惟時於我生眼.智.明.覺.

次に、比丘たちよ、すでに証されたこの苦の滅という聖なる真理について、かつて聞いたことのない法を正しく思惟したとき、私には眼が生じ、智が生じ、明が生じ、覚が生じました。

比丘.此苦滅道跡聖諦前所未曾聞法當正思惟時於我生眼.智.明.覺.

比丘たちよ、この苦滅道跡という聖なる真理は、これまでに聞いたことのない法です。これを正しく思惟するとき、私には眼が生じ、智が生じ、明が生じ、覚が生じました。

復次.比丘.應修.此苦滅道跡聖諦前所未曾聞法當正思惟時.於我生眼.智.明.覺.

次に、比丘たちよ、この苦滅に至る道跡という聖諦について、これまでに聞いたことのない法を、正しく思惟するとき、私には眼が生じ、智が生じ、明が生じ、覚が生じました。

復此.比丘.已修.此苦滅道跡聖諦前所未曾聞法當正思惟時.於我生眼.智.明.覺.

また、この比丘が、この苦滅道跡の聖諦をすでに修め、かつて聞いたことのない法を正しく思惟したとき、私には眼と智と明と覚が生じました。

比丘.此四聖諦.三轉十二行於我不生眼.智.明.覺者.我終不得於諸天.魔.梵.沙門.婆羅門.天.人.聞法眾中為解脫.為出.為離.亦不自證得阿耨多羅三藐三菩提.

比丘たちよ、この四聖諦について、三度の転法輪と十二行が、私に眼・智・明・覚を生じさせなかったならば、私はついに、諸天・魔・梵・沙門・婆羅門・天・人の、法を聞く者たちの中で、解脱のため、出離のため、離脱のためであると示すことはできず、また自ら阿耨多羅三藐三菩提を証得することもできなかったでしょう。

比丘.我已於此四聖諦三轉十二行生眼.智.明.覺故.我於諸天.魔.梵.沙門.婆羅門.天.人.聞法眾中得出.得脫自證.得成阿耨多羅三藐三菩提.

比丘たちよ、私はすでにこの四聖諦について三度の転と十二の行を観じて、眼と智と明と覚を生じたので、諸天・魔・梵・沙門・婆羅門、そして天と人との聞法の衆の中で、よく出で、よく脱れ、みずから証して、阿耨多羅三藐三菩提を成じ遂げたのです。

所以然者.我已如實通達了知法出離相證心解脫.獲不退轉.於未來法.成不生故.

なぜなら、私はすでに如実に法の出離の相を貫き知り、心の解脱を証し、不退転を得て、未来の法において不生を成就したからです。

佛說此經已.五比丘聞佛所說.皆大歡喜.讚言善哉.得未曾有.彼尊者憍陳如遠塵離垢.得法眼淨.於緣起法.悟無生忍.

仏がこの経をお説きになると、五人の比丘は仏の説かれた教えを聞き、みな大いに喜び、善哉と讃えて、これまでにないことを得ました。かの尊者憍陳如は遠塵離垢し、法眼浄を得て、縁起の法において無生忍を悟りました。

爾時地神聞佛說是轉法輪經已.舉聲唱言.今者世尊於波羅奈國仙人住處鹿野苑中說此諸沙門婆羅門諸天魔梵所未曾轉三轉十二行微妙法輪.利安天人.

そのとき、地神は仏がこの転法輪経を説かれたのを聞いて、声をあげて唱えました。「今、世尊は波羅奈国の仙人の住むところ、鹿野苑において、もろもろの沙門・婆羅門・諸天・魔・梵のまだ転じたことのない、三転十二行の微妙な法輪を説かれました。これは天と人とを利益し安んじるものです。」

地神唱已.其聲聞於四大王天.三十三天.燄摩天.兜率天.化樂天.他化自在天.須臾之間達於梵天.亦各唱言.今者世尊於波羅奈國仙人住處鹿野苑中說此諸沙門婆羅門諸天魔梵所未曾轉三轉十二行微妙法輪.利安天人.於是其聲剎那無間.周遍梵世.搖撼震吼動千世界.天諸身光.交相輝映.此界他方.悉皆大明.

地神がこのように唱えると、その声は四大王天、三十三天、焔摩天、兜率天、化楽天、他化自在天に聞こえ、またたく間に梵天にまで届きました。それぞれの天もまた、こう唱えました。「今、世尊は波羅奈国の仙人たちの住む鹿野苑において、あらゆる沙門や婆羅門、諸天、魔、梵の誰もまだ転じたことのない、三転十二行の微妙な法の輪を説かれました。それは天と人とを利益し安楽にするものです。」そこでその声は、刹那も間を置かずに梵世界の隅々まで届き、千の世界を揺り動かし、震わせ、轟かせました。もろもろの天の身の光は互いに照り映え、この世界も他方の世界も、ことごとく大いに明るくなりました。

爾時世尊告尊者憍陳如知法未.憍陳如白佛已知.世尊復告尊者憍陳如知法未.憍陳如白佛已知.尊者憍陳如已知法故.是故名阿梵拘鄰尊者(譯註阿若義同知.拘鄰義等憍陳如.)

そのとき、世尊は尊者憍陳如に「法を知ったか」と告げられました。憍陳如は「すでに知りました」と仏に申し上げました。世尊は再び尊者憍陳如に「法を知ったか」と告げられました。憍陳如は「すでに知りました」と仏に申し上げました。尊者憍陳如はすでに法を知ったため、それゆえ阿梵拘鄰尊者と呼ぶのです。(訳注:阿若の意味は「知る」と同じです。拘鄰の意味は憍陳如に等しいです。)


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