緣起第一
縁起第一
夫諸佛菩薩愍念羣迷。不啻如母憶子。故種種方便。教出苦輪。而眾生不了業報因緣。罔知斷惡修善。淨信日微。五濁增盛。由此劇苦機感。倍關無緣慈應。爰有當機。名堅淨信。諮請世尊。曲垂悲救。佛乃廣歎地藏功德。令其建立方便。於是以三種輪相。示善惡差別。以二種觀道。歸一實境界。仍誡業重之人。不得先修定慧。應依懺法。得清淨已。然後修習二觀。尅獲無難。此誠末世對症之神劑。而方便中之殊勝方便也。予悲障深。丁茲法亂。律教禪宗。淆訛匪一。幸逢斯典。開我迷雲。理觀事儀。昭然可踐。竊以諸懺十科行法。詳略稍殊。一一鬮陳。纖疑始決。罔敢師心。廼述緣起。
諸仏菩薩は、衆生を憐れみ思いやる心は、母が子を思う思いに劣りません。それゆえ、さまざまな方便を用いて、苦しみの輪廻から救い出そうと教え導かれます。しかし、衆生は業報の因縁を理解せず、悪を断ち善を修めることを知らず、清らかな信心は日に日に薄れ、五濁はますます激しくなっています。このような激しい苦しみの機縁に応じて、無縁の慈悲が倍増して現れます。ここに、その機縁にふさわしい者、堅淨信という名の者が現れ、世尊に教えを請い、慈悲をもって救いを垂れるよう懇願しました。
そこで仏は、地蔵菩薩の功徳を広く称え、方便を立てることをお示しになりました。こうして、三種の輪相によって善悪の差別を示し、二種の観道によって一実の境界に帰することを教えられました。そして、業の重い人々には、まず定慧を修めることを戒め、懺悔の法に依って清浄を得た後に、二観を修習すれば、難なく成就できると説かれました。これはまさに末法の世における対症の霊薬であり、方便の中でも殊勝な方便です。
私は業障が深く、この法乱の世に生きています。律教や禅宗においても、誤りや混乱は少なくありません。幸いにもこの経典に出会い、私の迷いの雲を晴らすことができました。理観と事儀が明らかに示され、実践できる道が開かれています。諸々の懺悔の行法には十の科目があり、詳略の差はあれど、一つひとつを明らかに述べ、細かい疑問も解き明かしています。自らの心を師とすることなく、ただ縁起を述べるにすぎません。