佛說四無所畏經
仏説四無所畏経
西天譯經三藏朝散大夫試鴻臚卿傳法大師臣施護奉 詔譯
西天訳経三蔵・朝散大夫・試鴻臚卿・伝法大師 臣施護 奉詔訳
如是我聞:
このように、私はお釈迦さまから直接お聞きしました。
一時,佛在舍衛國祇樹給孤獨園。爾時,世尊告諸苾芻:「汝等諦聽!如來、應、正等覺,成就四無所畏,於大眾中,轉大法輪,如師子吼,自在無畏。」
ある時、お釈迦様は舎衛国の祇園精舎におられました。その時、世尊は比丘たちにこうおっしゃいました。
「よく聞きなさい。如来・応供・正等覚者は、四つの恐れなき境地を成就し、大衆の中で大いなる法の輪を転じ、獅子吼のように自在に恐れることなく説法するのです」
時諸苾芻,聞是語已,五體投地,頂禮佛足,合掌白言:「云何如來四無所畏?」
その時、比丘たちはこの言葉を聞くと、五体を地に投げ出し、仏の足を礼拝し、合掌して言いました。「いったい、如来の四無畏とはどのようなものなのでしょうか?」
佛告苾芻:「我於往昔在大眾中,而作是言:『如來成就正等正覺。』如是說時,沙門、婆羅門、魔梵、天人俱發言曰:『此所宣說,非依法教,未曾見聞有如是事。』爾時,世尊於彼眾中,無驚無怖,心得安樂,住無所畏。
仏陀は比丘たちに告げられた。「私はかつて大衆の中で、このように言いました。『如来は正等正覚を成就された』と。そのように説いた時、沙門や婆羅門、魔や梵天、天界や人間界の者たちが皆、口をそろえて言いました。『この説かれたことは、法の教えに基づくものではなく、このようなことは見たことも聞いたこともない』と。その時、世尊はその大衆の中にあって、驚くことも恐れることもなく、心は安らぎ、何ものも恐れない境地に安住されていました。」
「又復告言:『我身清淨,諸漏已盡。』如是說時,沙門、婆羅門、魔梵、天人俱發言曰:『此所宣說,非依法教,未曾見聞有如是事。』爾時,世尊於彼眾中,無驚無怖,心得安樂,住無所畏。
またこう告げました。「わが身は清浄であり、すべての煩悩は尽きている」と。このように語った時、沙門や婆羅門、魔や梵天、天界の人々までが一斉に言いました。「この説くところは、正しい教えに基づくものではない。このようなことは見たことも聞いたこともない」と。その時、世尊はその大衆の中にあって、驚くことも恐れることもなく、心は安らぎに満ち、何ものをも畏れない境地に安住しておられました。
「復次告言:『一障雜染,能障道果,此障若滅,聖道自現。』如是說時,沙門、婆羅門、魔梵、天人俱發言曰:『此所宣說,非依法教,未曾見聞有如是事。』爾時,世尊於彼眾中,無驚無怖,心得安樂,住無所畏。
さらにまた、こう告げられた。「一つの煩悩の染まりが道の果実を妨げる。この煩悩が滅すれば、聖なる道は自然に現れる。」このように説かれたとき、沙門や婆羅門、魔や梵天、天界や人間界の人々が一斉に言った。「これは正しい教えに基づく説き方ではない。このようなことは見たことも聞いたこともない。」その時、世尊はその大衆の中にあって、驚くことも恐れることもなく、心は安らぎ、何ものをも畏れない境地に安住しておられた。
「復次告言:『修戒定等,能出生死,盡諸苦報。』如是說時,沙門、婆羅門、魔梵、天人俱發言曰:『此所宣說,非依法教,未曾見聞有如是事。』爾時,世尊於彼眾中,無驚無怖,心得安樂,住無所畏。」
さらにまた、このようにお告げになりました。「戒律を守り、心を静める修行を積めば、生死の輪廻から抜け出し、あらゆる苦しみの報いを尽くすことができる」と。
このように説かれたとき、沙門や婆羅門、魔や梵天、天界の人々までもが一斉に言いました。「今お説きになったことは、正しい教えに基づくものではありません。このようなことがあるとは、これまで見たことも聞いたこともありません」と。
そのとき、世尊はその大衆の中にあって、少しも驚かず、恐れることもなく、心は安らかで、何ものをも畏れない境地におられました。
佛告苾芻:「是名如來轉大法輪四無所畏。
仏は比丘たちに告げられた:「これが如来の大法輪を転じる四無畏である。
「復次,苾芻!亦於八大眾中,具足成就,四無所畏。云何為八?昔於一處,有無數百沙門眾,或住、或立、或行、或坐,互相言曰:『往昔佛說如是法相,甚深難解,未曾見聞。為是為非?為虛為實?』爾時,如來聞彼言已,心無怯懼,身無毛竪,自在無畏,如山不動。
「復次無數百婆羅門眾,無數百剎帝利眾,無數百居士眾,無數百四天王眾,無數百忉利天眾,無數百魔王眾,無數百梵天眾。如是八眾,或住、或立、或行、或坐,互相言曰:『往昔佛說如是法相,甚深難解,未曾見聞。為是為非?為虛為實?』爾時,如來聞彼言已,心無怯懼,身無毛竪,自在無畏,如山不動。」
佛言:「苾芻!是名八部大眾之中,得無所畏。」即說頌曰:
仏は言われた。「比丘たちよ、これを八つの大きな集まりの中で、何の恐れもなくいられる境地というのである。」そして、次の偈を説かれた。
「如來自在轉法輪, 昔能成就四無畏,
天人魔梵及沙門, 聞師章句懷猶豫,
身心不動得無畏, 利樂一切諸有情,
令發無上菩提心, 恭敬修行到彼岸。」
如来は自在に法輪を転じ、 かつて四つの無畏を成就された。
天・人・魔・梵天・沙門たちも、 師の言葉を聞いてもなお迷いを抱く。
しかし如来は身心動じることなく無畏であり、 すべての生きとし生けるものを利益し楽しませ、 無上の悟りを求める心を起こさせ、 敬いながら修行して彼岸に至らせる。
爾時,諸大苾芻聞佛所說,信受奉行。
その時、大いなる修行者たちは仏の説法を聞き、心から信じ受け入れ、教えの通りに実践した。
佛說四無所畏經