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  1. 仏説大自在天因地経 (佛說大自在天因地經)
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仏説大自在天子因地経 (佛說大自在天子因地經)

「佛說大自在天子因地經」について

宋 · 底本の訳者:施護

3,197 字 · 約 11 分

仏説大自在天子因地経は、宋代の訳経僧・施護によって翻訳されました。本経は大乗仏教の経典に属し、大自在天子が過去に菩薩道を修行した因縁の物語を記し、すべての衆生が菩提心を発し、善法を修持することで解脱を証得できることを明らかにしています。経中では、因果の法則と菩薩行の実践に重点を置いて説かれ、慈悲と智慧の両方を重んじることを強調しています。この経典は、宋代における仏教訳経事業の隆盛を反映しており、大乗の菩薩思想体系を研究する上での重要な根拠を提供しています。漢伝仏教においては、信者が因果を深く信じ、精進して学び修行するための指導的価値を持ち、人々を啓発するものとされています。


佛說大自在天子因地經

仏説大自在天子因地経

西天譯經三藏朝散大夫試鴻臚少卿傳法大師臣施護奉 詔譯

施護が詔を奉じて訳す

如是我聞:

このように私は聞きました。

一時,佛在舍衛國祇樹給孤獨園。爾時,尊者大目乾連於其食時,著衣持鉢,以精進力運大神通放無數光,其光金色,遍照虛空。復以神力變化其身,或大、或小、或一、或多,如火光炎,往崑崙山。山峯如雪,其山頂內以金銀、瑠璃、真珠、碼碯、珊瑚、摩尼種種諸寶莊嚴其地,有諸宮殿,一切珍寶殊妙莊嚴。於其中間有大自在宮,廣二由旬、高五由旬,光明照曜,有六十大神恒常守護,百千天女圍繞四邊作七種妓樂。於宮四方,而有七殿,廣一俱盧舍,各以七寶而用嚴飾。復於四邊,各有浴池,甘露之水清淨彌滿。於其池中生白蓮華、俱母㮈花,如天白月,金銀摩尼莊嚴其上。彼大自在天子與烏摩天后於師子座上同座而坐,彼諸天眾恒來圍繞恭敬供養。其天忽聞琴樂之聲,音韻微妙,聞已愛著令心迷亂。

その時、仏は舎衛国(*1)の祇樹給孤独園(*2)におられた。ある日、尊者大目乾連(*3)は托鉢の時刻になり、衣を着け鉢を持ち、精進の力と大いなる神通力によって無数の光を放った。その光は金色で、虚空いっぱいに照らし渡った。さらに神通力でその身を変化させ、大きくしたり、小さくしたり、一人になったり、多数になったりし、火の光焔のように崑崙山へと向かった。その山頂は雪のように白く、山の内側は金・銀・瑠璃・真珠・碼碯(*4)・珊瑚・摩尼(*5)などの様々な宝で飾り立てられていた。そこには数々の宮殿があり、あらゆる宝が美しく荘厳していた。その中に大自在宮があり、広さは二由旬(*6)、高さは五由旬、光明が輝き、六十の大神が常に守護していた。百千の天女が四方を取り囲み、七種類の妓楽を奏でていた。宮殿の四方向には七つの殿があり、それぞれ広さは一俱盧舎(*7)、七宝で美しく飾られていた。さらに四方にはそれぞれ沐浴のための池があり、甘露の水が清らかに満ちていた。池の中には白蓮華や俱母㮈花(*8)が咲き、それは天の白月のように美しく、金、銀、摩尼で飾られていた。その大自在天の子は烏摩天后と共に師子座に同座し、天の衆が常に巡り集い、恭敬し供養していた。その天は、ふと琴の音を聞き、その音韻は微妙で美しく、それを聞いて愛着し心を迷わせたのである。

爾時,尊者大目乾連雖聞其樂,以無畏善根調伏其心,無所愛著,如妙高山出于大海安住不動,行精進妙行,受一切世間眾所供養,身相端嚴,威儀具足,手持鉢器。烏摩天后忽然見已,心生疑惑,告天子言:「此是何人?身被法服端嚴寂靜,調伏諸根威儀具足,圓光照曜如日初出,安然不動如妙高山?」

その時、尊者の大目乾連は、その音楽を聞いても、恐れを知らぬ善根によって心を調え、何ものにも執着せず、あたかも大海から現れた妙高山が安らかに動かないように、精進の妙行を実践し、あらゆる世間の人々から供養を受けていた。その姿は端麗で厳か、威儀も整い、鉢と衣を手にしていた。

すると、ウマー天后が突然それを見て、心に疑問を抱き、天の子たちに告げた。「この方は誰だろう? 法衣をまとい、端厳で静かに、諸々の感覚を調え、威儀が整い、その円い光は日が昇るようで、安らかに動かず、妙高山のようである。」

天聞言已,觀察尊者,而復告言:「天后!汝知識耶?」

天よ、この言葉を聞くと、尊者を観察して、さらにこう告げました。「天の后よ、あなたはそれを知っていますか?」

天后答言:「我昔未見,今亦不知。」

天尊はお答えになりました。「私は過去に見たこともなく、今も知りません。」

大自在天白言:「此是大福德離欲佛弟子,能破諸過,教化眾生與作安樂,因為乞食而來至此。」

大自在天が言いました。「これは大いなる福徳をそなえ、欲望を離れた仏の弟子です。あらゆる過ちを打ち破り、人々を教え導いて安らぎを与え、そのために托鉢に来られたのです。」

烏摩天后聞是語已,而白天曰:「彼師云何?具何色相?有何道德威力及未曾有法?我願樂聞。」

ウマ天后(天女)はこれらの言葉を聞いて、白く言った:「その師とはどのような方なのか?どのような姿形をしているのか?どのような道徳や威力、そしてかつてない法(教え)を持っているのか?私はぜひともお聞きしたい。」

自在天曰:「彼人之師於三無數劫,求大菩提廣修福力,於其世間難作能作,行檀波羅蜜,施於飲食、衣服、臥具、醫藥、金銀、珍寶、奴婢、車乘、城邑、聚落,及大寶藏國王之位,亦曾施諸婆羅門妻子、男女,於彼心中無其毫塵之許貪惜煩惱,亦無貪愛之名;又為悲愍眾生故,捨頭目、髓腦、鼻舌、身肉而無毫塵之許痛苦之想,亦無虛假之名,行真實施,為求菩提大威力果,具足檀波羅蜜;又於三無數劫為對種種境界相故,行戒波羅蜜,堅守禁戒,以持戒威德常得天人供養;復為冤親不等、違順情差,行忍辱波羅蜜,以八正道調伏其心,歡喜忍辱令心平等;復為上、中、下三品眾生,愍念、饒益、利樂彼故,行精進波羅蜜,於晝夜中策勤修進;復恐心意散亂、妄緣退故,行禪波羅蜜,令心決定、寂靜、輕安。復為出生智慧,讀誦分別微妙經典,行般若波羅蜜:如是三無數劫行六波羅蜜,求一切智智,今得佛位圓滿,降伏一切魔王,證寂滅理,色心微妙,具三十二相、八十種好,金色莊嚴,圓光如日,三界無等,出輪迴難,安樂解脫。」

自在天が言った。「かの者の師は、三つの無数の劫の間、大いなる菩提を求めて広く福徳の力を修め、この世において難しいことをよく行い、檀波羅蜜を実践しました。すなわち、飲食、衣服、寝具、薬、金銀、宝、奴婢、車馬、城邑、村々、さらには大宝蔵や王位までも施し、また婆羅門には妻や子までも施しました。その心には、わずかな貪りや惜しみの煩悩もなく、貪愛という名すらありませんでした。さらに、衆生を哀れむがゆえに、頭や目、脳や髄、鼻や舌、身や肉を捨てましたが、わずかな苦しみの思いもなく、偽りの名もありませんでした。真実の布施を行い、菩提という大いなる力の果報を求めて、檀波羅蜜を完全に成就したのです。

また、三つの無数の劫の間、様々な境界の相に対応するために戒波羅蜜を行い、戒律を堅く守り、その戒めの威徳によって常に天人からの供養を受けました。

さらに、恩讐の差や順逆の情の違いに対応するために忍辱波羅蜜を行い、八正道によって心を調え、喜んで忍び、心を平等にしました。

また、上・中・下の三種の衆生を哀れみ、彼らを益し楽しませるために精進波羅蜜を行い、昼夜を問わず励み努めました。

さらに、心が散乱し、誤った縁によって退転することを恐れて禅波羅蜜を行い、心を定め、寂静にし、軽やかに安らかにしました。

そして、智慧を生み出すために微細な経典を読誦し分別して、般若波羅蜜を行いました。このように三つの無数の劫の間、六波羅蜜を行い、一切智智を求めて、今や仏位を円満に成就し、一切の魔王を降伏し、寂滅の理を証得しました。色も心も微妙であり、三十二相、八十種好を備え、金色に荘厳され、円光は太陽の如く、三界に並ぶものはなく、輪廻を超えること難く、安楽な解脱を得たのです。」

時大自在天說是語已,烏摩天后聞復歡喜,布施等行所得大果今聞可解,復問:「於汝天自前因修何行業?願賜歡喜,為我略說。」

その時、大自在天がこれらの言葉を述べ終えると、ウマ天后はそれを聞いて再び喜び、布施などの修行によって得られる大きな果報について、今聞いて理解できました。 そして再びお尋ねしました。 「あなた、天自身は、過去にどのような行いを修められたのですか?どうか喜んで、私のために簡潔にお話しくださいますように。」

時大自在天而復白言:「汝今諦聽,而為汝說。天后!我於過去無數俱胝劫,於大牟尼佛所布施、供養、修福、持戒、薰習智慧,過是已來獲自在報,於八生身中得八種自在。我曾生生布施、持戒、苦行,求主宰自在、欲樂解脫乃至究竟寂滅,安樂亦然,是故布施、智慧觀察、一心守護修行不斷。」說是語已,大自在天於其宮內,以其金鉢滿盛百味殊妙香飯,詣目連前志心奉上。

そこで大自在天が再び言いました。「よく聞きなさい。あなたに説こう。天后よ、私は過去の数え切れないほどの劫の間、大牟尼仏のもとで布施、供養、福徳を積み、戒律を守り、智慧を磨いてきました。それ以来、自在の報いを得て、八つの生身の中で八種の自在を成就しました。私は生あるごとに布施し、戒律を守り、苦行を行い、主宰としての自在、欲望からの解脱、さらには究極の寂滅を求めてきました。安楽もまた同じです。それゆえに、布施と智慧の観察、そして一心に守り修行することを絶え間なく続けてきたのです。」こう言い終えると、大自在天は自分の宮殿の中で、金の鉢に百種類の素晴らしい香り高いご飯を満たし、目連の前に進み出て心を込めて捧げました。

目連尊者即受鉢飯,騰空欲迴。大自在天具宿命智,告目連曰:「尊者大目乾連!汝今暫住,諦聽我言。極久遠時,佛乃方出。我念過去生中,於此大地為其主宰,能生滅世間,為三界師,無人等我。汝聽此言,一心往彼香醉山中。」

目連尊者は鉢に盛られたご飯を受け取ると、空に舞い上がって戻ろうとしました。すると大自在天が前世の記憶の智慧を持って、目連尊者に語りかけました。「尊者・大目乾連よ、しばしお留まりになって、私の言葉をよくお聞きください。はるか遠い昔、仏がようやく世に現れました。私は過去の生涯を思い出しますが、この大地の主として、世の中の生と滅を司り、三界の師として、私に並ぶ者はいませんでした。この言葉を聞き、心を一つにして、あの香醉山にお出でください。」

時大目乾連運神通力,騰空而往香醉山中。彼山一面有聖跡池,名曰天水,於此池中即便洗浴。既洗浴已,坐香醉山上開其金鉢,其飯殊妙、色香具足,變成天食。目連食已,忽有天女奉上淨水。目連受已,於身五分而皆結淨,坐彼山上,繫意專心入定,作觀思惟:「自在天言:『極久遠時佛乃方出。』經於千生不能得知,百千生中亦不能知,經俱胝百千生中亦不能知。」從禪定起,往摩呬印捺囉山,入定思惟亦不能知;復入摩呬印捺囉山王窟,入定思惟亦不能知;從此遍歷七十諸山禪觀思惟,亦莫能知;又往三十二洲,寂坐思惟亦不能知。目連曰:「彼大自在天智慧所生言意,諸小聲聞、辟支佛亦非能知。」而乃一心告長老舍利弗:「尊者!諦聽!我於崑崙山頂見大自在天,而白我言:『極久遠時,佛乃出世。』我於此意終不能知。汝今尊者具大智慧,深鑒精微,其天降雨經三年三月知其點數,四大海水知其滴數,四大洲人知其心行。如是大智佛子,於此言意應可了知,唯願慈悲略為顯示。」

時に大目乾連は神通力を用いて、空に飛び上がり香酔山へと向かいました。その山の一面には「天水」と呼ばれる聖なる池があり、そこで身を洗いました。洗い終えると、香酔山の上に座り金の鉢を開けると、その飯は見事で香りも色も素晴らしく、天の食べ物に変わりました。目連が食べ終わると、突然天女が現れて清らかな水を差し出しました。目連はそれを受け取り、身の五つの部分を清め、その山に座って心を集中し禅定に入り、観想しました:「大自在天は『極めて遠い昔にのみ仏は現れる』と言った。千回の生を経ても知ることができず、百千回の生でも知ることができない。俱胝百千回の生でも知ることができない。」禅定から起きると、摩呬印捺囉山へ向かい、禅定に入って観想しましたが、やはり知ることはできませんでした。さらに摩呬印捺囉山王の窟に入り、禅定に入って観想しましたが、やはり知ることはできませんでした。そこから七十の諸山を巡り、禅観して観想しましたが、やはり知ることはできませんでした。また三十二の洲に渡り、静かに座って観想しましたが、知ることはできませんでした。目連は言いました:「あの大自在天の智慧から生まれた言葉の意味は、小さな声聞や辟支仏でも知ることはできない。」そこで一心に長老の舎利弗に告げました:「尊者よ、よくお聞きください。私は崑崙山の山頂で大自在天に会い、彼が私に『極めて遠い昔にのみ、仏が世に現れる』と言いました。この言葉の意味を私はついに知ることができません。あなたは今、尊者として大いなる智慧を備え、その精密さを深く見通しています。その智慧は、天が三年三ヶ月降らせる雨の滴数を知り、四大海の水の滴数を知り、四大洲の人々の心の行いを知るほどです。そのような大いなる智慧の仏子よ、この言葉の意味をきっと理解できるはずです。どうか慈悲をもって、少しだけ示してください。」

時,長老舍利弗聞是語已,即入禪定,經百千俱胝生,思惟此事而不能知。爾時,長老大迦葉白舍利弗曰:「大自在天所言之法,其意甚深,微妙難測。若汝得其佛力方乃了知;若以自力思惟,如持寸草量須彌山。」

そのとき、長老の舎利弗はこの言葉を聞いて、すぐに禅定に入りました。百千俱胝もの長い生を経て、このことを思いめぐらしましたが、それを知ることができませんでした。そこで、長老の大迦葉が舎利弗に申し上げました。「大自在天が説かれた法の意味は、誠に深遠で、微細精妙であり、測り知ることが難しいものです。もしあなたが仏の力を得れば、初めて理解できるでしょう。もし自分の力だけで考えようとすれば、それはまるで、草の一片を持って須弥山を測ろうとするようなものです。」

時大迦葉而自思惟:「若電影之間、剎那之頃,觀過去久遠之事如在掌中,唯佛大智乃能知之。」

そのとき、大迦葉はこう思惟しました。 「もしも影像の一瞬、刹那の間に、過去の遠い昔のことを掌の中にあるかの如くに見ることができるなら、それはただ仏の大いなる智慧だけがなし得ることである。」

於是大迦葉發無垢清淨之聲,告大目連曰:「若大自在天自行儀則,人間天上無人了知,唯三界無等一切智智即可證知。何以故?謂佛世尊於百千俱胝恒河沙數世界,所有過去、現在,一切眾生上、中、下品根宜心行,皆悉了知如觀掌內,如是名為一切智智。」

そこで大迦葉は、汚れのない清らかな声で大目連に告げました。

「もし大自在天が自らの行いの規範を示すなら、人間にも天上にもそれを完全に理解できる者はおりません。ただ、三界において比べる者なく、一切を悟る智慧(一切智智)のみがそれを証し得るのです。なぜなら、仏世尊は、百千那由他ものガンジス河の砂の数ほどの世界にわたって、過去・現在のすべての衆生の、上・中・下の根機に応じた心のあり方を、掌の中のものを見るように完全に知り尽くしておられるからです。これを一切智智と名付けます。」

是時,長老大目乾連、舍利弗、大迦葉同詣佛所,旋繞世尊,五體投地,一心敬禮,退坐一面。

そのとき、長老である大目乾連、舎利弗、大迦葉はともに仏のもとを訪れ、世尊の周りを歩み、五体投地して心を一つにして敬礼し、退いて一方に座りました。

爾時,世尊知彼心念,顧示微笑。時大目乾連讚佛功德:「佛面端嚴如金蓮開,慈顏適悅福相深厚,牙齒齊密身體殊妙,放大光明青黃赤白,普照世間,山川幽谷無不朗然——設使百千俱胝日月團聚,光明亦不能及——宣清涼法味三界普霑,一切眾生無不蒙益。」如是讚已,恭敬作禮,白言:「世尊!我於一時,持其鉢器往大自在宮,於彼乞食。時大自在天見我持鉢,如法施食,而告我言:『極久遠時,佛乃方出。』我於此言終不通達。佛具一切智,世間所有那臾多俱胝恒河沙世界,眾生心行差別,皆悉了知如視掌內,其舌廣長上覆面輪,唯願牟尼為決疑意。」

その時、世尊は彼の心の思いを知り、振り返ってほほえみを浮かべられた。すると大目乾連が仏の功徳を讃えて言った。「仏のお顔は、黄金の蓮華が開いたかのように端麗で、慈しみに満ちたお顔は和やかで、福徳は深く、歯は揃い、身体は殊勝に見事です。青・黄・赤・白の光明を放ち、世の中のあらゆるもの、山や川、深い谷に至るまで、もれなく照らし出されます。たとえ百千の日月が集まっても、その光は仏の光には及びません。さらに、清涼な法味を説き、三界に広く行き渡らせ、すべての生きとし生けるものに恩恵をもたらさないものはありません。」こう讃え終えて、恭敬に礼をし、申し上げた。「世尊よ、私はある時、鉢を持って大自在天の宮殿に赴き、そこで托鉢をいたしました。すると大自在天が私の鉢を見て、法のままに食を施し、こう言いました。『極めて久遠の昔に、ようやく仏がお出ましになるのだ。』私はこの言葉の意味が最後まで理解できませんでした。仏は一切智を備え、世の中にある無数の世界、すべての生きとし生けるものの心の働きの違いを、掌中のものを見るかのように完全にご存じです。その舌は広く長く、顔全体を覆っています。どうか牟尼よ、私の疑問を晴らしてください。」

爾時,世尊以微妙梵音告大目乾連:「汝今諦聽,善思念之!吾當為汝分別解說。彼於過去八萬四千劫前,彼時有佛、正等正覺出現世間,名功德海。有一大城亦名功德海,彼有婆羅門名曰寂靜,有其二子——一名商迦、二名魯支——漸次成長,聰明多智。俱厭生死,作禮父母,而白父言:『我欲入山於彼修道。』父母不從:『汝不得去。』復白父言:『須去修道。』如是三白,即離父母入於山谷,於其山間草菴而住。

爾(その)時、世尊は微妙な梵音をもって大目乾連に告げられました。「汝(なんじ)は今、よく聞き、よく考えなさい。わたしは今、あなたのためにはっきりと説明しよう。

彼は過去、八万四千劫(こう)の昔、その時、世に仏・正等正覚(しょうとうしょうかく)が出現し、その名を功徳海(くどくかい)といった。 また、大きな都があり、同じく功徳海と名づけられた。 そこにバラモンの寂静(じゃくじょう)という人がいた。彼には二人の子がいた――一人を商迦(しょうか)、もう一人を魯支(るし)という。 彼らは次第に成長し、聡明で智慧に優れていた。 共に生と死を厭い、両親に礼拝して申し上げた。 『わたしたちは山に入り、そこで道を修行したいと思います。』

しかし両親は許さず、『お前たちは行ってはならない』と言った。 子らは再び父に申し上げた。 『どうしても修行に行かなければなりません。』 こうして三度(みたび)請願すると、父母のもとを離れて山の中へ入っていった。 その山中に草の庵(いおり)を結んで住んだのである。」

「去菴十一步外,有老婆羅門修仙人之法,復有一人亦相隣近而自修行。忽因節日四人聚會,而復相問各自愛樂所求之事。魯支問老婆羅門曰:『汝修何行,求何果報?』老婆羅門曰:『我所修者,求梵天身、天上千歲。』問隣近修行者:『汝修何行,求何果報?』彼自答云:『我求三界之主、天上千歲。』商迦大仙而自告言:『我求天上千歲、世間愛敬。』魯支仙人具大智慧,而白彼言:『汝等三人所求成就得世間果報,我今所求為彼世間有色、無色,二足、四足、多足、無足,上、中、下等輪迴眾生,皆令解脫。』

庵の外、十一步ほどのところに、年老いたバラモンが仙人の道を修行していました。 また別の一人もその近くで、自ら修行に励んでいました。 ある時、祭日を機に四人が集まり、それぞれが愛し好む求めることについて尋ね合いました。

ルチ仙人(魯支)は年老いたバラモンに問いました。 「あなたはどのような行を積み、どのような果報を求めているのですか?」

年老いたバラモンは答えました。 「私が修行しているのは、梵天の身と天上での千年の寿命を求めてのことです。」

次に、近くで修行している者に尋ねました。 「あなたはどのような行を積み、どのような果報を求めているのですか?」

その者は答えました。 「私は三界の主となり、天上で千年生きることを願っています。」

すると、商迦(シャンカ)大仙が自ら言いました。 「私は天上での千年の寿命と、世間の人々からの愛と敬いを求めています。」

ルチ仙人は大いなる智慧を持つ者として、彼らにこう語りました。 「あなたがた三人の求めるものは、成就すれば世間の果報を得ることになります。 しかし、私が今求めているのは――この世の有色、無色、二足、四足、多足、無足、 上・中・下のあらゆる輪廻の生きとし生けるものを、すべて解脱へ導くことなのです。」

「如是後時,佛從天上與無數百千俱胝那臾多釋、梵、人、天凡聖之眾隨從圍繞。其佛安處金蓮之座,身著紅衣面如滿月,放吉祥光青黃赤白,降臨大地照諸有情,令心清淨。彼前四人修行之者來詣佛所。時,老婆羅門以白吉祥草花供養於佛,作禮旋繞,而發願言:『以我此善,為梵世主,五面端嚴,與無數眾生施願圓滿。』次一仙人以一鐵片用供養佛,復用香油塗佛足上,而發願言:『以我此善,得那羅延天身,為三界主宰。』次商迦仙人然燈三盞,施三條針,志心供養,而發願言:『獻此三燈三針,願具三眼得三股叉,於生生中恒行施願,為世間主宰得八自在,成就欲樂心識聰利。』爾時,魯支頭髻殊妙,髮長赤色,遂解頭髻布於道路,告世尊言:『願佛慈悲踏我髮過,佛之兩足於三界中得未曾有,千輻網鞔,有幢印、幡印、金剛杵印——如是印相紋同綺畫,妙善莊嚴!』佛遂踏過,而發願言:『以我此善,當得成佛,救諸輪迴一切眾生。』

そののち、仏は天より無数の百千・俱胝・那由多の帝釈天・梵天・人々・天衆・凡夫・聖者たちを従え、降臨された。仏は黄金の蓮華の座に安坐し、赤い衣をまとい、その御顔は満月の如く、青・黄・赤・白の吉祥の光を放ち、大地に降り立ちてすべての有情を照らし、その心を清らかにされた。

そこに、先に修行していた四人の者たちが仏のもとにやって来た。老婆羅門は白い吉祥草の花を仏に供養し、礼拝し、右繞して、次のように誓願を立てた。 「この私の善根によって、梵天の主となり、五つの顔を具え、無数の衆生に願いを満たすことを施し与えんことを。」

次に、一人の仙人が一枚の鉄片を仏に供養し、さらに香油を仏の足に塗り、次のように誓願を立てた。 「この私の善根によって、那羅延天の身を得て、三界の主宰とならんことを。」

次に、商迦仙人が三つの灯明を灯し、三本の針を施し、心を込めて供養し、次のように誓願を立てた。 「この三つの灯明と三本の針を献じます。どうか三つの眼を具え、三叉戟を得て、生まれ変わるたびに常に施しの願いを行じ、世間の主宰となり、八つの自在を得て、欲楽を成就し、心識は聡明にして鋭利ならんことを。」

その時、魯支は頭の髻が殊に妙なり。髪は長く、赤き色なり。そこで頭の髻を解き、道路に敷き広げて、世尊に申し上げた。 「願わくは、仏の御慈悲にて、我が髪の上を踏み越えたまえ。仏の両足は三界において未だ曾て有らず。千の輻を有し、網の如き鞔(おおい)あり。幢の印、幡の印、金剛杵の印あり。これらの印相は綺麗な絵の如く、妙なる良き荘厳なり。」

仏は踏み越えたまい、魯支は次のように誓願を立てた。 「この私の善根によって、必ず成仏し、輪廻するすべての衆生を救わんことを。」

「如是四人各發願後,其老婆羅門所修眾善,獲梵王身,具五頭面,為三界主,用吉祥花布施感手持天拂。若次修行者,所修善根得無邊福,獲那羅延天身,施鐵供養感手持輪寶,名曰妙現,能破一切修羅。第三商迦仙人,若施三燈感面生三目,施於三針感得三股叉,若旋繞世尊,得世間愛敬八種自在,為其主宰,能生滅世間。第四魯支者,布髮供養以願力故,當得離欲出過三界,成一切智智,號天中天。」

四人それぞれが願いを立てた後、老婆羅門は積んだ多くの善行により梵天の身を得て、五つの顔を持ち三界の主となった。吉祥花を布施した功徳で手に天の払子を持つ。次に修行した者は、善根により無辺の福を得て、那羅延天の身を得た。鉄の供養を施した功徳で手に輪宝を持ち、その名を妙現といい、すべての阿修羅を破ることができる。第三の商迦仙人は、三灯を施した功徳で顔に三つの目が生まれ、三針を施した功徳で三股叉を得た。世尊の周りを旋回した功徳で、世間からの愛敬と八種の自在を得て、その主宰者となり、世間の生滅を自在にできる。第四の魯支は、髪を広げて供養した願力により、欲を離れて三界を超え、一切智智を成就し、天中の天と号する。

爾時世尊欲重宣此義,而說頌曰:

その時、世尊はこの意味を重ねて説こうとされ、偈を唱えられた。

「最上吉祥花, 施已復旋繞,
當得梵王身, 稱為索訶主,
五面相莊嚴, 手持於天拂。
施鐵獲功德, 得那羅延天,
手持妙現輪, 能破於修羅。
燃彼三盞燈, 三針同供養,
面感三目生, 手執三股叉。
魯支大仙人, 布髮而供養,
以此妙善因, 當得成佛果。
自在天憶念, 過去無數劫,
彼等修行因, 其後當作佛,
出現於世間, 聲聞不能知,
唯佛無上覺, 曉了能分別。」
爾時,世尊告目連曰:「彼大自在天所生此身,甚為希有。彼從梵天下降人間,時寒林中有餓女鬼,名曰幻化,彼與鬼交,鬼即有娠。彼即託生在鬼腹內,後乃生身,面有三目,身有光明。其母見已怕怖而走,以彼福故,光照寒林一切鬼眾。是時鬼眾見光如日,心生疑懼而即問曰:『汝是何人?』彼即答云:『我是大自在天,名曰自生。』鬼眾聞已,恭敬禮拜,而乃讚言:『勝力精進,色相殊妙。』復有天人及彼梵天,俱來瞻仰。天人之眾見彼梵天具其五頭內一醜惡,眾懷驚恐心生熱惱,告大自在天:『可能為我截去彼頭。』大自在天告天眾曰:『若截彼頭,令我獲得殺梵天罪。』天眾復言:『如有過罪,我等分受。』時大自在天許之,言:『得。』尋即自變為大鷹身,以其手爪摘去一頭。是故,大自在天於其手中持梵天頭,一切天人、婆羅門眾普遍皆知。」

その時、世尊は目連尊者に告げられた。

「あの大自在天が生まれたこの身体は、まことに稀有なものである。彼は梵天から人間界に降り立った。その時、寒林の中に幻化という名の飢えた女鬼がいた。彼はその鬼と交わり、鬼は妊娠した。彼はその鬼の胎内に宿り、後に生まれた。その顔には三つの目があり、身には光があった。母である鬼はそれを見て恐れ逃げ去った。彼の福徳によって、その光は寒林のすべての鬼たちを照らした。その時、鬼たちは日のように輝く光を見て、心に疑いと恐れを抱き、彼に問うた『あなたは誰か?』。彼は答えた『私は大自在天であり、自ら生まれた者と名乗る』。これを聞いた鬼たちは敬い礼拝し、讃えて言った『勝れた力と精進を持ち、その姿は殊の外に美しい』。さらに天の人々や梵天自身もやって来て、彼を仰ぎ見た。ところが、天人の衆はその梵天に五つの頭があり、その内の一つが醜悪であるのを見て、皆恐れ驚き、心に熱悩を生じ、大自在天に請うた『どうか私たちのために、あの頭を切り落としてください』。大自在天は天の衆に告げた『もしあの頭を切り落とせば、私は梵天を殺す罪を得ることになる』。天の衆が再び言った『もし罪があるなら、私たちが分け合います』。その時、大自在天はこれを許し、『良いだろう』と言った。そしてすぐに大きな鷹の姿に変わり、その手の爪で一つの頭を摘み取った。それゆえ、大自在天はその手に梵天の頭を持ち、全ての天の人々やバラモンたちの間に広く知られることとなったのである。」

佛說是語,時長老大目乾連等,一心聽受,皆大歡喜。

お釈迦様がこのお言葉を説かれたとき、長老マハー・モッガラーナ尊をはじめとする者たちは、一心に聴き受け、皆、大いに喜びました。

佛說大自在天因地經

仏説大自在天因地経


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