菩薩訶色欲法經
菩薩が色欲を戒める法の経
後秦三藏鳩摩羅什譯
後秦の三蔵法師鳩摩羅什訳
女色者,世間之枷鎖,凡夫戀著,不能自拔。女色者,世間之重患,凡夫困之,至死不免。女色者,世間之衰禍,凡夫遭之,無厄不至。行者既得捨之,若復顧念,是為從獄得出,還復思入;從狂得正,而復樂之;從病得差,復思得病。智者怒之,知其狂而顛蹶,死無日矣!
女色は、世の枷であり、凡夫はそれに執着して、自ら抜け出せない。女色は、世の重い患いであり、凡夫はそれに囚われて、死ぬまで免れない。女色は、世の衰えと禍であり、凡夫はそれに遭えば、あらゆる災厄が訪れる。修行者はこれを捨てたならば、もし再び顧みるならば、それは牢獄から出たのに、また入ろうと考えるようなもの。狂気から正気に戻ったのに、再びそれを楽しもうとするようなもの。病が癒えたのに、また病を得ようとするようなもの。智者はこれを怒り、その狂気と倒錯を知り、死の日が近いと悟るのである。
凡夫重色,甘為之僕,終身馳驟,為之辛苦。雖復鈇質寸斬,鋒鏑交至,甘心受之,不以為患。狂人樂狂,不是過也。行者若能棄之不顧,是則破枷脫鎖,惡狂厭病,離於衰禍,既安且吉,得出牢獄,永無患難。
凡夫は色に執着し、甘んじてその僕となり、一生を駆け回り、そのために苦労する。たとえ鉄の刃で寸断され、鋭い矢が降り注ごうとも、喜んでそれを受け入れ、患いとは思わない。狂人が狂気を楽しむのも、これ以上ではない。修行者がもしこれを捨て去り顧みなければ、枷を破り鎖を脱ぎ、狂気を憎み病を厭い、衰えと災いから離れ、安らかでかつ吉祥を得て、牢獄から出て、永遠に患難なくなる。
女人之相,其言如蜜,而其心如毒,譬如:停淵澄鏡,而蛟龍居之;金山寶窟,而師子處之;當知此害不可近。室家不和,婦人之由;毀宗敗族,婦人之罪。實是陰賊,滅人慧明;亦是獵圍,尠得出者。譬如高羅,群鳥落之,不能奮飛;又如密網,眾魚投之,刳腸俎肌;亦如暗坑,無目投之,如蛾赴火。是以智者知而遠之,不受其害;惡而穢之,不為此物之所惑也。
女の姿は、その言葉は蜜のようだが、心は毒のようだ。例えるならば、静かな淵や澄んだ鏡のようでありながら、その中には蛟龍が住んでいる。金山や宝窟のようでありながら、その中には獅子が潜んでいる。この害は近づくべきではないと知るべきである。
家庭の不和は、女の原因による。宗族を滅ぼし、一族を敗るのは、女の罪である。彼女らはまさに陰の賊であり、人の智慧の光を消し去る。また狩りの囲いのようであり、そこから逃れられる者はほとんどいない。
高い網のように、群れをなす鳥が落ちれば、飛び立つことができない。密な網のように、多くの魚がかかれば、内臓をえぐられ、身を裂かれる。また暗い穴のように、目が見えずに落ちれば、蛾が火に飛び込むがごとし。
それゆえ、智者はこれを知って遠ざけ、その害を受けない。これを憎み、穢れたものとして、このものに惑わされることはない。
菩薩訶色欲法經
菩薩が色欲を戒める法の経