瑜伽集要救阿難陀羅尼焰口軌儀經
瑜伽集要救阿難陀羅尼焰口儀軌經
唐三藏沙門不空奉 詔譯
唐三蔵沙門不空、詔を奉じて訳す
爾時世尊在迦羅城尼俱律那僧伽藍所,與諸比丘并諸菩薩無數眾會,前後圍遶而為說法。爾時阿難獨居靜處念所受法,即於其夜三更已後,見一餓鬼名曰焰口,其形醜陋身體枯瘦,口中火然咽如針鋒,頭髮髼亂牙爪長利,甚可怖畏。住阿難前,白阿難言:「汝却後三日命將欲盡,即便生於餓鬼之中。」是時阿難聞此語已,心生惶怖,問餓鬼言:「大士!若我死後生餓鬼者,我今行何方便得免斯苦?」爾時餓鬼白阿難言:「汝於來日晨朝,若能布施百千那由他恒河沙數餓鬼飲食,并餘無量婆羅門仙、閻羅所司業道冥官及諸鬼神先亡久遠等所食飲食,如摩伽陀國所用之斛各施七七斛飲食,并為我等供養三寶,汝得增壽,令我等輩離餓鬼苦、得生天上。」阿難見此焰口餓鬼身形羸瘦枯燋極醜,口中火然其咽如針,頭髮髼亂毛爪長利,又聞苦語,甚大驚怖身毛皆竪,即至晨朝從座而起往至佛所,右遶三匝,頂禮佛足,身體戰慄而白佛言:「大悲世尊!願救我苦。所以者何?昨夜三更經行靜處念所受法,見焰口鬼而語我言:『汝過三日必當命盡,生餓鬼中。』我問鬼言:『云何令我得免斯苦?』餓鬼答言:『汝若能施百千萬億那由他恒河沙數無量餓鬼、婆羅門仙、閻羅所司業道冥官,及諸鬼神侍從眷屬、先亡久遠,平等普施餓鬼飲食,汝等增壽。』」白言:「世尊!云何能辦無量飲食充足?」佛告阿難:「汝今勿怖。我念過去無量劫中曾作婆羅門時,於觀世音菩薩摩訶薩邊受得陀羅尼,名曰無量威德自在光明如來陀羅尼法。」佛告阿難:「汝若善能作此陀羅尼法加持七遍,能令一食變成種種甘露飲食,即能充足百千俱胝那由他恒河沙數一切餓鬼、婆羅門仙、異類鬼神,上妙飲食皆得飽滿。如是等眾,一一各得摩伽陀國所用之斛。此食此水量同法界,食之無盡,皆獲聖果,解脫苦身。」佛告阿難:「汝今受持此陀羅尼法,令汝福德壽命增長,餓鬼生天及生淨土,受人天身,能令施主轉障消災、延年益壽,現招勝福當證菩提,發廣大心普為有情。積劫已來多生父母、列宿天曹、幽司地府、焰摩鬼界、蜫微蠢動一切含靈,普設無遮廣大供養,悉來赴會。乘佛威光洗滌身田,獲斯勝利受人天樂。唯願諸佛般若菩薩金剛天等,及諸業道無量聖賢,以無緣慈證我所行。是故我等為欲滿足弘誓願故,欲為弘護令濟有情無退失故,為摧諸業令清淨故,為欲精進求無上道速成就故,為欲拔濟惡道眾生永拋苦海登彼岸故,如經所說無邊世界六道四生,其中所有為於主宰統領上首之者,皆是住不可思議解脫菩薩慈悲誓願,分形布影示現化身,在六道中同類受苦,設於方便不被煩惱隨煩惱壞,分別諸業令發道意。常自剋責悔身造作,調伏教化一切眾生,為大導師摧滅三塗,淨諸業道斷截愛流,不捨行願處於苦海為善知識,成熟利樂一切有情證大涅槃。若有施主深信大乘、渴仰瑜伽,願樂見聞陀羅尼藏甘露法門,為諸有情興拔濟心,殷勤稱讚捨大財寶,三請於師方許檀法。平等一如離怨憎想,常行布施無有悔恨,親近善友勇猛精進,無有怯弱至求大道,稱讚三寶撫育生命,方便拔濟皆令解脫,不以惡求而養身命,常自利他。彼善男子是真善友、行菩薩行,普為三塗諸惡趣中一切餓鬼、焰魔王等、婆羅門仙、虛空諸天、釋梵四王、列宿天曹、龍神八部、日月、須彌、修羅、外道、六欲魔眾、水火風空、山林窟穴、舍宅宮殿、伽藍、大地江河流泉浴池、廟宇吉凶遊行神眾、抄錄善惡神通無礙、毛羽飛空水族游鱗、披毛角類蠢動含靈、曠野遊魂鞭屍苦澁、多生冤恨相繫未免、歷劫怨魂負於財命、亡過僧尼未證果者、多生父母眷屬親戚,乘如來教得出三塗,無量地獄發菩提心,各願放捨解脫冤結,遞相讚念如父母想,到此道場證知護念心懷踊躍,如優曇花甚難可值。由自造作處於人間,識情難定多隨妄起,積為苦源,未獲聖果旋生過患。又復依王水土、住佛慈光,常思曩緣猶懷今果,日夜剋責何報殊私。或為眷屬親戚父母,幾曾翻覆顛倒攀緣,改形換面豈將便識?唯願今日承斯佛力,駕逈飛空到此道場,慈光拂體,各隨形類懺滌塵尤,發菩提心納斯供養。」
その時、世尊は迦羅城の尼倶律那僧伽藍(にくるりなそうぎゃらん)におられ、多くの比丘たちや無数の菩薩たちとともに、大勢の会衆に前後を囲まれながら説法しておられた。
その時、阿難(あなん)は独り静かな場所にいて、受けた教えを心の中で念じていた。その夜、三更(さんこう)を過ぎた頃、一匹の餓鬼(がき)を見た。名を焔口(えんく)といい、その姿は醜く、身体は枯れ細り、口からは炎が燃え上がり、喉は針の先のように細く、髪は乱れ、牙や爪は長く鋭く、非常に恐ろしい姿であった。彼は阿難の前に立ち止まり、阿難にこう言った。
「あなたは、この後の三日で寿命が尽きるでしょう。そして、餓鬼の世界に生まれることになるのです。」
その時、阿難はこの言葉を聞いて、心に恐怖を抱き、餓鬼に尋ねた。
「大士よ! もし私が死後に餓鬼に生まれるのなら、今どのような方法を用いれば、この苦しみを免れることができるでしょうか?」
その時、餓鬼は阿難に答えて言った。
「あなたは明日の朝、もし百千那由他恒河沙(ひゃくせんなゆたごうがしゃ)の数の餓鬼たちに飲食を施し、またその他無量の婆羅門の仙者たち、閻羅王(えんらおう)の配下で業道を司る冥官たち、そしてすべての鬼神、先に亡くなった遠い昔の者たちなどに食べ物を施し、摩伽陀国(まかだこく)で使われる斛(こく)の単位で、それぞれ七十七斛の飲食を施し、さらには私たちのために三宝(さんぼう)に供養するならば、あなたは寿命が延び、私たちも餓鬼の苦しみを離れて、天に生まれることができるでしょう。」
阿難はこの焔口の餓鬼が、身体は痩せ細り枯れ果てて非常に醜く、口からは炎が燃え、喉は針のように細く、髪は乱れ、毛や爪は長く鋭いのを見て、またその苦しげな言葉を聞いて、非常に驚き怖れ、身の毛がよだつ思いであった。そこで晨朝(しんちょう)になると、座から立ち上がって仏のもとへ向かい、右に三度廻って、仏の足に頭を付けて礼拝し、身体は震えながら仏に申し上げた。
「大悲の世尊よ! どうか私の苦しみを救ってください。なぜならば、昨夜三更に静かな場所を歩きながら受けた教えを念じていた時、焔口の鬼を見て、こう言われたのです。『あなたは三日を過ぎれば必ず命が尽きて、餓鬼の中に生まれるだろう。』 私はその鬼に尋ねました。『どうすればこの苦しみを免れることができるでしょうか?』 餓鬼は答えました。『あなたがもし百千万億那由他恒河沙の数の無量の餓鬼たち、婆羅門の仙者たち、閻羅王の配下で業道を司る冥官たち、そしてすべての鬼神の従者や眷属、先に亡くなった遠い昔の者たちに、平等に広く餓鬼のための飲食を施すならば、あなたの寿命は延びるでしょう。』」
そして言った。「世尊よ! どうすれば無量の飲食を用意して十分に満たすことができるでしょうか?」
仏は阿難に告げた。「あなたは今、恐れてはなりません。私は過去の無量の劫(こう)の中において、かつて婆羅門(ばらもん)であった時、観世音菩薩摩訶薩のもとで陀羅尼(だらに)を受けたことがあります。名を『無量威徳自在光明如来陀羅尼法』といいます。」
仏は阿難に告げた。「あなたがもしこの陀羅尼法をよく修行し、七回にわたって加持(かじ)するならば、一つの食べ物を様々な甘露の飲食に変えることができ、百千俱胝那由他恒河沙の数のすべての餓鬼たち、婆羅門の仙者たち、異類の鬼神たちに、上等の妙なる飲食を満足させることができるでしょう。このような者たちは、一人ひとりがすべて摩伽陀国で使われる斛(こく)の分を得ることができます。この食べ物と水は法界と同じ量であり、食べても尽きることがなく、皆が聖なる果報を得て、苦しみの身から解脱するでしょう。」
仏は阿難に告げた。「あなたは今、この陀羅尼法を受持しなさい。そうすればあなたの福徳と寿命は増大し、餓鬼たちは天に生まれ、また浄土に生まれ、人や天の身を受けることができます。また施主(せしゅ)の災いを転じ、障りを消し、寿命を延ばし、現在において勝れた福を招き、未来には菩提(ぼだい)を証するでしょう。広大な心を発して、すべての有情のために、長い劫を経てきた多くの父母、列宿の天曹、幽司の地府、焔摩の鬼界、微細な虫や蠢くものまで、すべての生きとし生けるもののために、無遮(むしゃ)の広大な供養を設け、すべて来集して会することでしょう。仏の威光に乗って、身の田を洗い清め、この勝れた利益を得て、人天の楽しみを受けるのです。唯々、諸仏・般若の菩薩・金剛・天など、およびすべての業道の無量の聖賢たちが、無縁の慈悲をもって、私の行いを証明してくださることを願います。それゆえに、私たちは広大な誓いの願いを満たすために、広く護り、有情を済度して退失させないために、すべての業を摧いて清浄にするために、無上の道を求めて精進し速やかに成就するために、悪道の衆生を抜き済度して永く苦海を捨てて彼岸に登らせるために、経典に説かれる通り、無辺の世界の六道四生、その中のすべての主宰者・統領者・上首たる者は、みな不可思議な解脱の菩薩の慈悲の誓願によって、形を分け影を布き、化身を示し、六道の中で同じように苦しみを受け、方便を施して、煩悩や随煩悩に壊されることなく、それぞれの業を分別して道心を発させるのです。常に自らを戒め責め、身の造作を悔い、すべての衆生を調伏し教化して、大導師となり、三塗(さんず)を摧き滅し、諸々の業道を清め、愛欲の流れを断ち切り、行願を捨てることなく苦海の中にいて善知識となり、すべての有情を成熟させ利益楽しませて大涅槃を証せしめるのです。もし施主が大乗を深く信じ、瑜伽(ゆが)を渇仰し、陀羅尼の蔵である甘露の法門を見聞することを願い楽み、諸々の有情のために救済の心を興し、殷勤に称賛して大きな財宝を捨て、三度師に請うて、はじめて檀法(だんぼう)を許されるならば、平等にして一つのように怨みや憎しみの想いを離れ、常に布施を行って悔恨することがなく、善き友に親しみ、勇猛精進して、怯弱(きょうじゃく)なく大道を求め、三宝を称賛し、生命を撫育し、方便をもって救い済度して皆を解脱させ、悪しき求めによって身と命を養うことなく、常に自利利他を行う。その善男子こそ真の善友であり、菩薩の行を行う者である。広く三塗のすべての悪趣の中の一切の餓鬼たち、焔魔王など、婆羅門の仙者たち、虚空の諸天、釈梵四王、列宿の天曹、龍神八部、日月、須弥、修羅、外道、六欲の魔衆、水・火・風・空、山林・窟穴、舎宅・宮殿、伽藍、大地・江河・流泉・浴池、廟宇・吉凶・遊行の神衆、善悪を抄録し神通無礙なる者たち、毛羽を飛ばす空のもの、水に遊ぶ鱗のもの、毛を披き角を生やす類、蠢動含霊(しゅんどうがんれい)のものたち、野原を彷徨う遊魂、鞭打たれ苦しむ者たち、多生の怨み恨みが相繫がって免れない者たち、歴劫の怨魂が財や命に負う者たち、亡くなった僧尼で未だ果を証しない者たち、多生の父母・眷属・親戚の者たちよ。如来の教えに乗って三塗を出ることができ、無量の地獄の者たちも菩提心を発し、それぞれが怨みの結び目を放ち捨てて解脱し、互いに称賛し念じて父母の想いのごとくし、この道場に来て、私のことを証知し護念して、心は踊り上がって喜ぶこと、優曇華(うどんげ)のように、めったに値うことのないものだ。自らの造作によって人間にあり、識情は定まり難く、多くは妄りに起こることに随い、積もって苦の源となり、未だ聖果を得ずして、やがて過患を生じる。また王の水土に依り、仏の慈光に住し、常に昔の縁を思い、今の果報を懐き、日夜にわが身を責めて、どうしてこの特別な恩に報いることができようか。あるいは眷属や親戚・父母のために、幾度となく翻覆し顛倒して攀縁し、形を改め面を換えても、どうしてすぐに識ることができようか。唯々、今日この仏の力に乗じて、遥か遠くを翔け飛び虚空を渡ってこの道場に来り、慈光が身を払い、それぞれが形類に随って塵や過ちを懺い清め、菩提心を発してこの供養を受け入れんことを願う。」
佛告阿難:「若欲受持施食之法,須依瑜伽甚深三昧阿闍梨法。若樂修行者,應從瑜伽阿闍梨學發無上大菩提心,受三昧戒,入大曼拏羅得灌頂者,然許受之。受大毘盧遮那如來五智灌頂,紹阿闍梨位,方可傳教也。若不爾者,遞不相許。設爾修行,自招殃咎,成盜法罪,終無功効。若受灌頂,依於師教,修習瑜伽威儀法式,善能分別了達法相,故名三藏阿闍梨,方得傳斯教也。若欲作法,先自護持,弟子亦爾。定知日已,選擇淨地,精華大舍、間靜園林、鬼神愛樂流泉浴池、江河山澤福德之地,堂舍亦得,如法塗摩,用香水泥,隨施主力方圓大小,四角竪幖,如法莊嚴,用五色綵。安火焰珠,又於珠內安置佛頂大悲隨求尊勝,東北佛頂,東南大悲,西南隨求,西北尊勝。又於四柱如法莊嚴殊特妙好名吉祥幢,令百由旬無諸衰患,即成結界。風吹影拂、土散水霑,罪障消亡獲大福利,眼見耳聞普皆利濟。次復周圍懸繒旛蓋,寶扇白拂布列位。次其於(壇法聖眾位次別在教文,從師稟受)阿伽香水、妙花、燈塗、飲食湯藥、種種果味及餘物等,以法淨除,勿令觸穢。莊嚴若了,手執香爐右遶道場遍以觀照,不周備處重添安排。莊嚴事畢,與諸弟子香湯洗浴、著新淨衣,出外中庭如法掃灑,香泥塗地如法莊嚴,名三昧耶壇(是與弟子及鬼神受戒壇也)。於道場外敷淨薦褥,嚴整威儀作禮三拜,面東胡跪手執香爐,作啟請法。
仏は阿難に告げられた:「もし施食の法を受持しようと望むならば、瑜伽の甚深三昧の阿闍梨の法に依らなければならない。もし修行を楽しむ者がいるならば、瑜伽阿闍梨に従って無上の大菩提心を発起し、三昧戒を受け、大曼荼羅に入って灌頂を受けるべきである。そうして初めてこれを許されるのである。大毘盧遮那如来の五智灌頂を受け、阿闍梨の位を継いで、初めて教えを伝えることができるのである。もしそうでなければ、互いに許されない。たとえ修行しようとしても、自ら災いを招き、盗法の罪を犯し、結局は効き目がないのである。もし灌頂を受けたならば、師の教えに依って、瑜伽の威儀や法式を修習し、善く分別して法の相を理解し、その故に三蔵阿闍梨と名づけられ、初めてこの教えを伝えることができるのである。もし作法しようとするならば、まず自ら護持し、弟子もまた同じである。日を定めたならば、清浄な地を選び、精華ある大いなる舎、静かな園林、鬼神が愛楽する流泉や浴池、江河や山沢の福德ある地を選ぶ。堂舎でもよく、法の通りに香泥で塗り摩る。施主の力に随って方円大小を定め、四隅に旗を立て、五色の綵を用いて法の通りに荘厳する。焔珠を安置し、また珠の中に仏頂・大悲・随求・尊勝を安置する。東北に仏頂、東南に大悲、西南に随求、西北に尊勝である。また四本の柱を法の通りに荘厳して、殊特妙好な名づけて吉祥幢とし、百由旬の内に諸々の衰患なしとすれば、すなわち結界が成るのである。風に吹かれ影に払われ、土が散り水が沾るならば、罪障は消え去り大いなる福利を得る。目に見え耳に聞こえるもの、すべて利済されるのである。次に周囲に幡蓋を懸け、宝扇や白拂を列べ置く。次にその阿伽香水、妙花、灯明、塗香、飲食、湯薬、種々の果味やその他の物などを、法によって清め淨め、触穢せしめない。荘厳が終わったならば、香炉を手に取り、道場を右遶して遍く観照し、備わらない所があれば重ねて整え置く。荘厳の事が終わったならば、諸弟子と共に香湯で沐浴し、新しい清浄な衣を着て、外の中庭に出て法の通りに掃き清め、香泥で地を塗って法の通りに荘厳する。これを三昧耶壇と名づける(これは弟子と鬼神に戒を受ける壇である)。道場の外に清浄な薦と褥を敷き、威儀を整えて三礼し、東面して胡跪し、手に香炉を執って、啓請の法を行うのである。
「啟告十方一切諸佛般若菩薩金剛天等,及諸業道無量聖賢。我今以大慈悲、乘佛神力,召請十方盡虛空界三塗地獄諸惡趣中曠劫飢虛一切餓鬼,閻羅諸司、天曹地府、業道冥官、婆羅門仙、久遠先亡、曠野冥靈、虛空諸天及諸眷屬異類鬼神。唯願諸佛、般若菩薩、金剛天等無量聖賢及諸業道,願賜威光悲增護念。普願十方盡虛空界天曹地府、業道冥官、無量餓鬼、多生父母、先亡久遠、婆羅門仙、一切冤結負於財命、種種類族異類鬼神各及眷屬,乘如來力,於晨朝時(日沒時亥時諸天眾歡喜降臨,作法驗爾)決定降臨,得受如來上妙法味清淨甘露,飲食充足滋潤身田,福德智慧發菩□□,永離邪行歸依三寶,行大慈心利益有情,求無上道不受輪迴諸惡苦果,常生善家離諸怖畏,身常清淨證無上道。如是三白啟告已竟,即以香華燈塗運心供養諸佛、般若菩薩、金剛天等無量聖賢及諸業道,唯願慈悲降臨攝受微分供養。禮三拜已,承迎聖眾入於壇內,右遶三帀,還復面東作禮聖眾,即以香華燈塗種種法事供養。次即發露己身所有罪咎,懺悔已竟,還禮聖眾,即以塗香戒度塗掌(運心入觀)方可作法。次結破地獄印。二羽金剛拳,檀慧而相鉤,進力竪側合,心想開地獄。三誦三掣開。真言曰:
私は十方のすべての諸仏、般若菩薩、金剛天などの聖賢、そしてすべての業道の無量の聖賢たちに告げます。私は今、大いなる慈悲の心を持ち、仏の神力に乗って、十方の虚空の果てまで、三塗の地獄や諸悪趣にある、長い劫の間飢えに苦しむすべての餓鬼、閻羅の諸司、天曹や地府、業道の冥官、婆羅門の仙人、遠い昔の先亡者、野原の霊、虚空の諸天とその眷属、異類の鬼神たちを召請いたします。願わくば、諸仏、般若菩薩、金剛天などの無量の聖賢、そしてすべての業道の方々が、威光を賜り、慈悲をもって護念してください。あまねく十方の虚空の果てまで、天曹・地府、業道の冥官、無量の餓鬼、多生の父母、先亡の遠い昔の人々、婆羅門の仙人、すべての怨結や財命の負い目がある者、種々の種族や異類の鬼神、それぞれの眷属が、如来の力に乗って、晨朝の時(日没時や亥時には諸天の衆が喜びもてなして降臨し、作法が効験を現す)に必ず降臨し、如来の最上の妙法の味と清らかな甘露を受け、飲食が満ち足りて身を潤し、福徳と智慧が発って菩提の心を生じ、永遠に邪行を離れて三宝に帰依し、大いなる慈悲の心を行じて利益を衆生に施し、無上の道を求めて輪廻の諸悪の苦果を受けず、常に善い家に生まれて諸々の怖れを離れ、身常に清浄にして無上の道を証得しますように。このように三度白く告げ終わったなら、すなわち香・華・燈・塗を用いて心を運んで諸仏、般若菩薩、金剛天などの無量の聖賢、そしてすべての業道に供養し、願わくば慈悲をもって降臨し、微少な供養を受納してください。三拝して礼したなら、聖衆を壇内に迎え入れ、右に三巡して、また東を向いて聖衆に礼し、すなわち香・華・燈・塗などの種々の法事で供養します。次に己の身にあるすべての罪咎を発露し、懺悔し終わったら、また聖衆に礼し、すなわち塗香をもって戒度をもって掌に塗り(心を運んで観想に入る)、しかる後に作法を始めます。次に破地獄印を結びます。両手で金剛拳を作り、檀慧の指を鉤のようにつなぎ、進力の指を立てて側面で合わせ、心に地獄が開くことを想います。三度誦じて三度引いて開きます。真言は次のとおりです。
「娜謨阿瑟吒(二合)試帝南三弭也(二合)三沒馱俱胝南唵(引)惹𭔞(二合)曩嚩婆細地哩地哩吽」
「ナモウ アセッタ(二合) シテイナン サンミヤ(二合) サンブッタ グチナン オン(引) ジャパ(二合) ナワバシ ジリジリ ウン」
「由此印呪威力故,所有諸趣地獄之門隨此印呪豁然自開。
この印と呪いの威力によって、あらゆる境地や地獄の門は、この印と呪いとともに、ぱっと自然に開かれるのです。
「次結召請餓鬼印。左羽作無畏相,右羽向前竪,四度微曲進度鉤召。真言曰:
次に、餓鬼を召請する印を結びます。左手は施無畏の印(手のひらを前に向けて差し出す形)を取り、右手は前へまっすぐに立て、四度、指をわずかに曲げて招き寄せます。真言は次の通りです。
「唵(引)𡁠曩𡁠迦曀呬曳(二合)呬娑嚩(二合)賀」
「オン<注>引く</注>シャナ シャカエ ヒエ<注>二合</注>ヒ ソワカ」
「既召請已,普皆雲集。以愍念心讚歎慰喻,令歡喜已,渴仰於法。
召請が終わると、すべての者が雲のように集まりました。その者たちを慈しみ深い心で讚歎し、慰め励まし、喜びを得させた後、彼らは法を熱心に求めるようになりました。
「次結召罪印。二羽金剛縛,忍願伸如針,進力曲如鉤。召罪真言曰:
次に、罪を招き寄せる印を結びます。両手を金剛縛(こんごうばく)に組み、忍願(にんがん)の指を針のように伸ばし、進力(しんりき)の指を鉤のように曲げます。罪を招き寄せる真言は次のとおりです。
「唵(引)薩嚩播跛羯哩灑(二合)拏尾戍馱曩嚩日囉(二合)薩怛嚩(二合)三摩耶吽弱(入聲)」
「オン、サルバ・パパ・カリシャナ・ビシュダナ・バジュラ・サットヴァ・サマヤ・フーン・ジャク」
「次結摧罪印。八度內相叉,忍願如前竪。摧罪真言曰:
次に、罪を破る印を結ぶ。八度を内側で交叉させ、忍願(指)を先のように立てる。罪を破る真言は次の通りである。
「唵嚩日囉(二合)播抳尾娑普(二合)吒耶(一)薩嚩播野滿馱曩𭔞(二)鉢囉(二合)謨乞叉(二合)耶(三)薩嚩播耶誐底毘藥(二合)(四)薩嚩薩怛嚩(二合)(五)薩嚩怛他誐多(六)嚩日囉(二合)三摩耶(七)吽(八)怛囉(二合)吒(九)」
「オン・バザラ・パニ・ビスプ・タヤ・サルバ・パヤ・マンダナ・ケイ・プラ・モクシャヤ・サルバ・パヤ・ガティ・ビヤ・サルバ・サットバ・サルバ・タタガタ・バザラ・サマヤ・フーン・トラ・タ」
「次結定業印。二羽金剛掌,進力屈二節,禪智押二度。淨業真言曰:
次に、定業の印を結びます。両手を金剛掌にし、人差し指と中指を二節曲げ、親指でその二本の指を押さえます。浄業の真言は次の通りです。
「唵嚩日囉(二合)羯麼(一)尾戍馱野(二)薩嚩嚩囉拏儞(三)母馱薩底曳(二合)曩(四)三摩耶吽(五)」
「オン・バジュラ・カルマ・ビシュダヤ・サルヴァ・ヴァラナニ・ムタ・サティヤナ・サマヤ・フーン」
「次結懺悔滅罪印。
次に、懺悔して罪を滅する印を結びます。
「二羽金剛縛,進力屈二節,禪智押二度。懺悔真言曰:
両手の指を金剛の結びに組み、力を込めて二つの指を曲げ、心を静めて二度押し当てる。懺悔の真言は次のとおり。
「唵薩嚩播跛(一)尾娑普(二合)吒(二)那賀曩(三)嚩日囉(二合)野(四)娑嚩(二合)賀」
「オーム・サルヴァ・パーパ・ヴィサンプラ・タ・ナハナ・ヴァジュラヤ・スヴァーハー」
「諸佛子等既懺悔已。
仏の子らよ、すでに懺悔(さんげ)を終えたならば。
「百劫積集罪,一念頓蕩除,如火焚枯草,滅盡無有餘。
百劫に積み重ねた罪も、一つの念によってたちまち消え去る。それは枯れ草を焼き尽くす火のように、残ることなく全て滅ぼすのだ。
「次結妙色身如來施甘露印。即以左羽轉腕向前,力智作聲。施甘露真言曰:
次に、妙色身如来の甘露を施す印を結びます。すなわち、左手の翼(手)を手首を回して前方に向け、力と智慧を込めて音を立てます。甘露を施す真言は次の通りです。
「曩謨素嚕播耶(一)怛他誐哆野(二)怛儞也(二合)他唵(引)(四)素嚕素嚕(五)鉢囉(二合)素嚕(六)鉢囉(二合)素嚕(七)娑嚩(二合)賀(八)」
「誦真言時,想於忍願上有一鑁字,流出般若甘露法水,彈洒空中,一切餓鬼異類鬼神普得清涼,猛火息滅、身田潤澤,離飢渴想。
真言を唱えるとき、忍願の上に「鑁」の字があることを観想し、そこから般若の甘露の法水が流れ出て、空中に弾き撒かれる。すると、すべての餓鬼や様々な鬼神たちが、みな清凉を得て、猛火は消え去り、身の田畑は潤い、飢えや渇きの思いから離れるのである。
「次結開咽喉印。左羽想持蓮花,右羽忍禪彈作聲,隨誦而彈之。開咽喉真言曰:
次に咽喉を開く印を結びます。左手で蓮の花を持つことを観想し、右手の指(忍禅の指)で弾いて音を出します。真言を唱えながら弾くのです。咽喉を開く真言は次の通りです。
「曩謨婆誐嚩帝(一)尾補攞誐怛囉(二合)野(二)怛他誐多野(三)」
南無世尊(一)広大無辺の仏陀(二)如来(三)
「語諸佛子:『今與汝等作印呪已,咽喉自開,通達無礙,離諸障難。』
諸仏の子らに告げた。「今、汝らに印呪を授け終えたならば、喉は自然と開かれ、滞りなく通じ、あらゆる障りや難から離れるであろう。」
「『諸佛子等!我今為汝稱讚如來吉祥名號,能令汝等永離三塗八難之苦,常為如來真淨弟子。
「仏子たちよ。私は今、あなたたちのために如来のめでたい名号を称え讚える。これによってあなたたちは、三途(さんず)の苦しみや八つの難儀から永遠に離れ、常に如来の真実で清らかな弟子となることができるであろう。
「『南無寶勝如來(若有大眾,一時為稱)。
南無宝勝如来(もし大勢の人々が、一時に唱えるならば)。
「『諸佛子等!若聞寶勝如來名號,能令汝等塵勞業火悉皆消滅。
「仏の子らよ、宝勝如来の御名を聞くならば、汝らの煩悩という業の火はすべて消え去るであろう。
「『南無離怖畏如來(准前為稱,下皆例此)。
「南無離怖畏如來(以前面的方式稱呼,以下皆同)。
「『諸佛子等!若聞離怖畏如來名號,能令汝等常得安樂,永離驚怖,清淨快樂。
「仏の子らよ。もし離怖畏如来の名を聞くならば、汝らは常に安らぎを得て、永遠に恐れや驚きから離れ、清らかで楽しい境地に至るであろう。
「『南無廣博身如來。
南無広博身如来。
「『諸佛子等!若聞廣博身如來名號,能令汝等餓鬼針咽業火停燒,清涼通達,所受飲食得甘露味。
「仏子たちよ、もし広博身如来の名号を聞くならば、その力によって、お前たち餓鬼の針のように細い喉も、業の火も消え去り、涼やかで心地よく、通ることができるようになり、受ける飲食物は甘露の味を得るであろう。
「『南無妙色身如來。
南無妙色身如來。
「『諸佛子等!若聞妙色身如來名號,能令汝等不受醜陋,諸根具足,相好圓滿,殊勝端嚴,天上人間最為第一。
「皆さん、仏の子らよ。もし妙色身如来の名号を聞くならば、その力であなたたちは醜い姿になることなく、すべての感覚器官が完全にそろい、美しい相と好ましい姿を備え、最も優れて端正で、天界や人間界の中で最も優れた者となるでしょう。
「『南無多寶如來。
南無多宝如来。
「『諸佛子等!若聞多寶如來名號,能令汝等具足財寶,稱意所須受用無盡。
「諸佛子らよ、もし多宝如来の名号を聞くならば、その功徳によって、あなたたちは豊かな財宝をそなえ、思いのままに必要なものを得て、尽きることなく受け用いることができるであろう。
「『南無阿彌陀如來。
南無阿彌陀如來。
「『諸佛子等!若聞阿彌陀如來名號,能令汝等往生西方極樂世界,蓮花化生入不退地。
「仏子たちよ、もし阿弥陀如来の名号を聞くならば、その力によって、あなたがたは西方極楽浄土に生まれ変わり、蓮の花の上で化身として生まれ、退転しない境地に入ることができるであろう。
「『南無世間廣大威德自在光明如來。
「南無世間広大威徳自在光明如来。
「『諸佛子等!若聞世間廣大威德自在光明如來名號,能令汝等獲得五種功德。一者於諸世間最為第一;二者得菩薩目端嚴殊勝;三者威德廣大超過一切外道天魔,如日照世,顯於大海,功德巍巍;四者得大自在所向如意,似鳥飛空而無阻礙;五者得大堅固智慧光明,身心明徹如瑠璃珠。諸佛子等!此七如來以誓願力,拔濟眾生永離煩惱,脫三塗苦安隱常樂。一稱其名,千生離苦,證無上道。
「諸佛子等よ、もし世間広大威徳自在光明如来の名号を聞くならば、あなたがたは五つの功徳を得ることができるであろう。一つには、世間において最も第一となること。二つには、菩薩の目を得て、端厳にして殊勝なること。三つには、威徳広大にして、すべての外道や天魔を超え、あたかも太陽が世を照らし、大海に顕れるが如く、その功徳は巍々として高大なること。四つには、大いなる自在を得て、向かうところ意の如く、鳥が空を飛んで妨げられることがないようなものであること。五つには、大いなる堅固な智慧の光明を得て、身心は明らかに徹り、瑠璃の珠のようであること。諸佛子等よ、この七如来は誓願の力をもって、衆生を救い導き、永遠に煩悩を離れ、三塗の苦しみを脱して、安穏にして常に楽しい境地に至らしめるのである。ひとたびその名を称えるならば、千生の苦しみを離れ、無上の道を証するであろう。」
「『次與汝等歸命三寶。
それでは、あなたがたとともに三宝に帰依いたします。
「『歸依佛,兩足尊;歸依法,離欲尊;歸依僧;眾中尊(三說)。
「仏に帰依します。仏は、智慧と慈悲を完全に備えた、最も尊い方です。法に帰依します。法は、悩みや執着から離れるための、最も尊い教えです。僧に帰依します。僧は、修行に励む人々の集まりの中で、最も尊い存在です。」(これを三回唱えます)
「『汝等佛子歸依佛竟、歸依法竟、歸依僧竟(三說)。
「あなたたち仏の子らよ、仏に帰依し終え、法に帰依し終え、僧に帰依し終えたり。(三度唱える)。
「『汝依三寶故,如法堅護持。
あなたは三宝をよりどころとするがゆえに、その教えのままに、しっかりと守り続けなさい。
「『次為汝等發菩提心。汝等諦聽。』作金剛掌忍願如蓮葉,以印心上。真言曰:
「さあ、あなた方のために菩提心を起こしましょう。あなた方はよくお聞きなさい。」金剛掌を作り、忍願を蓮の葉のようになして、その印を心の上に置く。真言は次のとおりである。
「唵(引)冐地唧多(一)母怛跛(二合)(二)娜野弭(三)」
「オーン、チチタ、モタバ、ナヤミ」
「『今為汝等發菩提心竟。
では、あなたがたのために菩提心を発すことを、今ここに完結しました。
「『諸佛子等!當知菩提心者從大悲起,成佛正因、智慧根本,能破無明煩惱惡業,不被染壞。
「仏子たちよ、知るべきである。菩提心は大いなる慈悲から生じるものであり、成仏の正しい因、智慧の根本である。それは無明や煩悩、悪しき業を打ち破り、汚れに染まることも壊されることもない。
「『次為汝等受三昧耶戒印。』以二羽縛忍願申如針。真言曰:
「次に、あなたがたのために三昧耶戒の印を授けます。」 両手を組み、忍願の二指(人差し指)を針のように立てて申します。真言は次の通りです。
「唵(引)三昧耶薩怛鑁(二合)」
「オン、サマヤ・サッタ(ヴァン)」
「『今為汝等受三昧耶戒竟。從今已去,能令汝等入如來位。是真佛子,從法化生,得佛法分。』
「今、あなたがたに三昧耶戒をお授けしました。これより後、あなたがたを如来の位に入らせることができます。あなたがたは真の仏の子であり、法から生まれ変わり、仏の教えの一部を得たのです。」
「次結無量威德自在光明如來印。左羽想持器,右羽彈忍禪。想於左羽掌中有一鑁字,流出種種無量甘露法食,即誦施食真言曰:
次に、無量威徳自在光明如来の印を結ぶ。左手で器を持つことを思い浮かべ、右手で親指と人差し指を弾く。左手の掌の中に「鑁」の文字があり、そこから無量の甘露の法食が流れ出ることを観想する。そして、施食の真言を唱える。
「唵(引)薩嚩怛他誐多(一)嚩路枳帝鑁(二)婆囉婆囉(三)三婆囉三婆囉(四)吽(五)」
おん さるば たたぎゃた ばろきてい ばん ばらばら さんばらさんばら うん
「語諸佛子:『今與汝等作印呪已,變此一食為無量食,大如須彌、量同法界,終無能盡。』
「仏子たちに告げる。『いま、あなたたちのために印と呪(じゅ)を結び終えました。この一つの食を無量の食に変じ、その大きさは須弥山のごとく、広がりは法界そのものと等しく、ついに尽きることがありません。』」
「復以前印誦此真言曰:
(先ほどの印のまま、この真言を唱えなさい。)
「曩謨三滿多沒馱喃鑁(一)」
南無三満多没駄喃鑁(一)
「語諸佛子:『今與汝等作印呪已。由此印呪加持威力,想於印中流出甘露成於乳海,流注法界,普濟汝等一切有情充足飽滿。』是時行者即以右羽持甘露器,面向東立,瀉於壇前(或淨地上、或大石上、或所淨瓦盆亦名盂蘭盆,生臺亦得)或泉池江海長流水中。不得瀉於石榴、桃樹之下,鬼神懼怕,不得食之。若聖眾壇中明王諸天,若施飲食(置生臺上是本法也)、若供養諸佛聖眾,於上五更晨朝日出是供養時。若鬼神法,當於人定,子時亦得(人定最上)。本阿闍梨法,若於齋時盡於一日,但加持飲食水等布施飛空鳥獸水族之類,不揀時節但用施之。若作餓鬼施食之法,當於亥時,是施食時。若於齋時施餓鬼食者,徒設功勞,終無効也。不是時節,妄生虛誑,鬼神不得食也。不從師受,自招殃咎,成盜法罪。
諸仏の子らに告げる。「今、汝らと共に印呪を作し終えたり。この印呪の加持の威力により、印の中より甘露が流れ出でて乳海と成り、法界に流注し、普く汝ら一切の有情を済度して、飽満を充たさんと思え。」その時、行者はただちに右手で甘露器を持ち、東を向いて立ち、壇の前に注ぐ。(あるいは清浄な地の上、あるいは大石の上、あるいは清めた瓦の盆——これは盂蘭盆とも呼ぶ。生臺(供え台)でもよい)あるいは泉、池、江、海、長く流れる水の中に注ぐ。ざくろの木や桃の木の下には注ぐべからず。鬼神が恐れ懼れて、それを食することができないからである。聖衆の壇の中の明王や諸天に対しては、もし飲食を施すならば(生臺の上に置くのが本法である)、あるいは諸仏・聖衆に供養するならば、上の五更(明け方)から朝日に至るまでが供養の時である。もし鬼神の法であれば、人の定まる時(人定)に行うべきであり、子の時でもよい(人定が最も勝れる)。そもそも阿闍梨の法としては、斎の時において一日を尽くし、ただ飲食や水などを加持して、飛び空にいる鳥や獣、水に棲む類いに布施する。時節を選ばず、ただ施すのみである。もし餓鬼に施食する法を作すならば、亥の時に行うべきであり、これが施食の時である。もし斎の時に餓鬼に食を施すならば、ただ徒らに功労を設けるのみで、終に効き目がない。時節に合わず、妄りに虚誑を生ずれば、鬼神も食することができない。師から受けずに行えば、自ら災いや咎を招き、盗法の罪を成すのである。
「『諸佛子等!雖復方以類聚,勿以嗔恨。然我所施一切無礙,無高無下、平等普遍、不擇冤親。今日勿得以貴輕賤、倚強凌弱,擁遏孤幼令不得食、使不均平、越佛慈濟。必須互相愛念、猶如父母一子之想。』語諸佛子:『汝等各有父母、兄弟姊妹、妻子眷屬、善友親戚,或有事緣來不得者,汝等佛子慈悲愛念,各各賫持飲食錢財物等,遞相布施充足飽滿、無有乏少,令發道意,永離三塗、長越四流,當捨此身速超道果。又為汝等將此淨食分為三分:一施水族,令獲人空;二施毛群,令獲法寂;三施他方稟識陶形悉令充足,獲無生忍。』
「仏子たちよ。たとえ群れをなして集まっていても、怒りの心を持ってはならない。私が施すものには一切の障りがなく、高いも低いもなく、平等に行き渡り、怨みも親しみも選ばない。今日は、身分の高い者が低い者を軽んじ、力の強い者が弱い者を脅かし、孤児や幼い者を押しのけて食べ物を得られなくさせ、平等を欠き、仏の慈愛の救いに背いてはならない。互いに愛し慈しみ合い、父母が一人の子を思うように心掛けなさい。」
仏子たちに告げる。「あなたがたにはそれぞれ父母、兄弟姉妹、妻子、眷属、善友、親戚がいる。あるいは用事があって来られない者もいるだろう。あなたがた仏子は慈しみをもって、それぞれ食べ物や飲み物、金銭や品物を持ち寄り、互いに施し合って、満ち足りて十分に行き渡り、乏しい者がないようにしなさい。そして彼らが道心を起こし、永遠に三つの悪道を離れ、四つの流れを超え、この身を捨てて、速やかに悟りの果てに至るようにさせなさい。
また、あなたがたのために、この清らかな食を三分に分ける。第一は水の生き物に施し、人空を獲得させん。第二は毛のある群れに施し、法寂を獲得させん。第三は他方に生まれ、意識を備え、形を保つ者たちに施し、すべてを満ち足らせ、無生法忍を獲得させん。」
「次結普供養印。作金剛合掌,置印當心。真言:
次に、普供養の印を結びます。金剛合掌を組み、その印を心の前に置きます。真言:
「唵(引)誐誐曩三婆嚩嚩日囉(二合)斛」
「オン、ガガナ、サンババ、バジュラ、コウ」
「『諸佛子等!從來所受飲食,皆是人間販鬻生命酒脯錢財、血肉腥膻葷辛臭穢。雖復受得如是飲食,譬如毒藥損壞於身,但增苦本,沈淪苦海無解脫時。我某甲依如來教,精誠罄捨,設此無遮廣大法會。汝等今日遇茲勝善,戒品霑身,於過去世廣事諸佛,親近善友供養三寶。由此因緣,值善知識發菩提心,誓願成佛不求餘果。先得道者遞相度脫。又願汝等晝夜恒常擁護於我,滿成所願。以此施食所生功德,普將迴施法界有情,共諸有情同將此福盡皆迴施無上菩提一切智智,勿招餘果,願速成佛。』
「諸佛子たちよ!これまで受けてきた飲み物や食べ物は、すべて人間の世界で売買されている命、酒や肉、金銭、血や肉の生臭さ、臭気を放つものばかりであった。たとえそのような飲食を受けたとしても、それは毒薬のようなもので、身を傷つけ、ただ苦しみの根源を増すだけで、苦しみの海に沈み続け、解脱の時はないのである。私は某かが如来の教えに従い、誠心をもってすべてを捧げ、この限りなく広い大法会を設けた。あなたたちは今日、このすばらしい善き機会に遇い、戒めの品が身に触れたのである。過去世において多くの仏に仕え、善き友に親しみ、三宝に供養してきたのだ。この因縁によって、善き知識に遇い、菩提心を起こし、仏に成ることを誓い、他の果を求めないのである。先に道を得た者は順に互いを救い渡すのだ。またあなたたちには、昼も夜も常に私を守り護り、私の願いを満たし、成就させてほしいと願う。この施しの食によって生じた功徳を、すべて法界の生きとし生けるものに回向し、すべての生きとし生けるものとともに、この福をすべて無上の菩提である一切智智に回向し、他の果を招かず、速やかに仏に成らんことを願うのである。」
「次結奉送印。二羽金剛拳,進力二相鉤,隨誦而掣開。金剛解脫真言曰:
次に、奉送の印を結びます。両手で金剛拳(こんごうけん)を組み、人差し指(進力)を絡めるようにして鉤(かぎ)の形を作ります。この印を解き放つとき、南無(なむ)と唱えながら、金剛解脱(こんごうげだつ)の真言を唱えます。
「唵(引)嚩日囉(二合)穆乞叉(二合)穆」
「オン、ヴァジュラ、ムクシャ、ム」
佛告阿難:「若當來世苾芻、苾芻尼、烏波索迦、烏波斯迦,每於晨朝或於齋時及一切時,常以此法及諸真言、七如來名,加持飲食施諸餓鬼等,修行行者當於齋時及一切時,為諸餓鬼及餘鬼神出於飲食,盛淨器內,候於人定,加持布施無量餓鬼及餘鬼神(一切時者,但有淨食未曾受用留取布施)便能具足無量福德,則同供養百千俱胝如來功德等無差別,壽命延長、增益色力、善根具足,一切非人夜叉、羅剎、諸惡鬼神不敢侵害,又能成就無量威德。若欲能施諸餓鬼等、婆羅門仙、閻羅所司業道冥官,及諸鬼神、先亡久遠等,以淨飲食滿盛一器,作前印呪投於淨流水中。如是作已,即為天仙美妙飲食。供養俱胝恒河沙數餓鬼、婆羅門仙、閻羅所司業道冥官及諸鬼神、先亡久遠等,得加持食印呪威力,各成就根本所願諸善功德,各各同時發誓願言,呪願施主壽命延長、福德安樂,又令其人心所見聞正解清淨、具足善根,速證無上正等菩提。又同供養百千恒河沙如來功德等無有異,一切冤讎不能侵害。若苾芻、苾芻尼、烏波索迦、烏波斯迦,若欲供養佛法僧寶,應以香花燈塗、上妙飲食,以前印呪加持奉獻,諸佛菩薩一切賢聖歡喜讚歎種種功德,恒為諸佛憶念稱讚,諸天善神常來擁護,是人即為滿足檀波羅蜜。」佛告阿難:「汝隨我語如法修行、廣宣流布,令諸短命薄福眾生普得見聞常修此法,壽命延長、福德增長。」是時佛說:「為阿難及救拔焰口餓鬼一切眾生陀羅尼經,以是名字,汝當奉持。」一切大眾及阿難等,聞佛所說,一心信受,歡喜奉行。
仏は阿難に告げられた。「もし未来の世において、比丘・比丘尼・優婆塞・優婆夷が、毎朝、斎の時、あるいは常に、この法と真言、七如来の名号をもって、飲食を加持して餓鬼などに施すならば、修行者は斎の時やあらゆる時に、餓鬼やその他の鬼神のために飲食を取り出し、清らかな器に盛り、人定の時を待って、加持し、無量の餓鬼やその他の鬼神に施すがよい(あらゆる時とは、清らかな食物でまだ受用されていないものを取り分けて布施することである)。そうすれば、無量の福徳を具足し、百千の倶胝の如来を供養するのと同じ功徳を得て、違いはない。寿命は延び、色力は増し、善根は具足し、すべての非人・夜叉・羅刹・諸々の悪鬼神も、敢えて害することができない。また、無量の威徳を成就する。もし餓鬼や婆羅門仙、閻羅の所司たる業道の冥官、および諸々の鬼神、久しく亡くなった先人などに施そうと思うなら、清らかな飲食を一器に満たし、先の印呪を作して清らかな流れる水に投じよ。このようにすれば、ただちに天仙の美妙な飲食となる。倶胝の恒河沙ほどの数の餓鬼、婆羅門仙、閻羅の所司たる業道の冥官、および諸々の鬼神、久しく亡くなった先人などに供養することとなり、加持された飲食の印呪の威力によって、それぞれが根本の願いである諸々の善い功徳を成就する。それぞれが同時に誓願を発して、施主の寿命が延び、福徳があり安楽であることを呪願し、またその人に、心に見聞するところが正しく解し清らかで、善根を具足し、速やかに無上の正等菩提を証得せしめんと願う。また、百千の恒河沙の如来を供養するのと同じ功徳を得て、異なることはない。すべての怨敵も害することができない。もし比丘・比丘尼・優婆塞・優婆夷が、佛法僧の三宝を供養しようと思うなら、香・花・灯明・塗香や上妙な飲食を用い、先の印呪をもって加持して奉献すべきである。諸仏・菩薩・一切の賢聖は歓喜して種々の功徳を讚歎し、常に諸仏に憶念され稱賛され、諸天の善神が常に來て擁護する。この人はすなわち檀波羅蜜を満足するのである。」仏は阿難に告げられた。「あなたは私の言葉に従って、法の如く修行し、広く宣揚し流布しなさい。短命で福の薄い眾生たちが、あまねく見聞し、常にこの法を修して、壽命が延び、福徳が增長するようにしなさい。」その時、仏は説かれた。「この経を『阿難及び焔口の餓鬼を救拔する一切眾生陀羅尼經』と名づける。この名をもって、あなたは奉持しなさい。」すべての大眾と阿難らは、仏の説かれたことを聞いて、一心に信受し、歓喜して奉行した。
瑜伽集要救阿難陀羅尼焰口軌儀經
瑜伽集要救阿難陀羅尼焰口儀軌經