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  1. 舎利弗陀羅尼経 (舍利弗陀羅尼經)
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舎利弗陀羅尼経 (舍利弗陀羅尼經)

「舍利弗陀羅尼經」について

梁 · 底本の訳者:僧伽婆羅

3,521 字 · 約 12 分

『舎利弗陀羅尼経』は、南朝梁代の僧・僧伽婆羅によって漢訳された、初期密教に属する経典です。本経は、仏陀が舎利弗のために陀羅尼の呪を説き、呪を保持することによって災いを消し、障害を取り除き、功徳を積むことができると強調しています。その内容は、大乗の菩薩道の思想と密呪の修持を融合させており、仏教が顕教から密教へと移行する歴史的な流れを反映しています。この経典は、中国における密教の発展を研究する上で重要な文献であり、中国初期の陀羅ニ経典の代表作の一つとして、仏教の密法伝承において基礎的な地位を占めています。


舍利弗陀羅尼經

舎利弗陀羅尼経

梁扶南三藏僧伽婆羅譯

梁の扶南三蔵僧伽婆羅訳

如是我聞:

このように私はお聞きしました。

一時佛住毘舍離國大林精舍,與大比丘眾一千二百五十人俱。爾時佛念却後三月當入涅槃,即告長老目揵連:「汝當至千世界,告比丘僧,令到佛所。」是時目連受佛教旨,於一念間到須彌山頂,發大音聲遍告一千世界。爾時大林精舍,有四十億萬比丘眾俱到佛所,頂禮佛足,退坐一面。

ある時、仏は毘舎離国(ヴァイシャーリー)の大林精舎に、千二百五十人の大比丘たちと共におられた。その時、仏は三か月後に涅槃に入られることをお悟りになり、長老の目犍連(モッガラーナ)に告げられた。「あなたは千の世界に赴き、比丘たちに呼びかけ、皆を私のもとに集めなさい。」

目連は仏の教えを受け、一瞬のうちに須弥山(スメル山)の頂に立ち、大声で千の世界に知らせを伝えた。その結果、大林精舎には四十億万もの比丘たちが集まり、仏の足に頭を付けて礼拝し、席に戻って座った。

爾時長老舍利弗一心思惟:「我當以神通之力,遍令三千大千世界有比丘眾處,皆使集此大林精舍。」即以神通,遍令三千大千世界若聲聞眾、若緣覺眾、若菩薩眾一時來集,到已,頂禮佛足。

その時、長老の舎利弗は一心に考えた。 「私は神通力をもって、三千大千世界のあらゆる比丘たちがいる場所から、皆をこの大林精舎に集めよう。」 そうして神通力により、三千大千世界の声聞の衆、縁覚の衆、菩薩の衆を一時に集めさせた。彼らは到着すると、仏の足に頭を触れて礼をした。

爾時世尊於一念頃告諸菩薩,其名曰善見菩薩、文殊師利菩薩、除惡趣菩薩、斷闇冥菩薩、出一切境界竟菩薩、伏諸蓋菩薩、觀世音菩薩、香象菩薩、樂說頂菩薩、彌勒菩薩:「善男子!汝當到於十方恒河沙等諸佛世界,有諸菩薩,一生補處菩薩、阿鞞跋致菩薩、已得無生法忍菩薩,汝當遍告,皆來集此。」是時諸菩薩聞佛此語,答言:「善哉善哉!」即便受教,於一念頃以神通力遍集十方恒河沙等諸佛世界一切菩薩,皆悉集此大林精舍。百千三十萬億那由他一生補處菩薩、阿鞞跋致、已得無生法忍菩薩,百千萬億那由他一生補處菩薩,三十萬億那由他不退無生法忍菩薩,一切皆集,俱禮佛足,却坐一面。
是時舍利弗見諸菩薩大眾,一心思惟:「我今當問如來正遍知所未聞法。以此問故,諸菩薩等當得無疑、當無障礙樂說智慧、當聞恒河沙世界諸佛說法,乃至未得阿耨多羅三藐三菩提常憶宿命。當得菩薩四種清淨。云何為四?眾生清淨、法清淨、樂說清淨、佛土清淨。復得四妙好法。云何為四?身妙好、口妙好、心妙好、生處妙好。復得入四種陀羅尼門。云何為四?謂無盡受持陀羅尼門、入眾生諸根方便陀羅尼門、業果報方便無礙陀羅尼門、深法忍陀羅尼門。」如所思惟次第發問,如寶摩尼珠,白佛言:「世尊!我今欲次第發問,令諸菩薩德行清淨,唯願世尊當為我說。」佛告舍利弗:「諸菩薩摩訶薩若欲到一切諸法而無所著者,當說此呪:

その時、舎利弗は大菩薩の集いを見て、一心に考えた。 「今こそ、如来・正遍知に対して、まだ聞いたことのない法を問うべきである。この問いによって、菩薩たちは疑惑を断ち、妨げられることのない自在な智慧を得ることができる。また、ガンジス河の砂の数ほどの世界の諸仏が説法するのを聞き、ついには無上正等覚を得るまでも、常に過去世を記憶することができるようになる。 さらに、菩薩は四つの清浄を得る。その四つとは何か。衆生清浄・法清浄・説法の清浄・仏土清浄である。 また、四つの妙好な法を得る。その四つとは何か。身体の妙好・言葉の妙好・心の妙好・生まれる場所の妙好である。 さらに、四つの陀羅尼門に入ることができる。その四つとは何か。尽きることなく受持する陀羅尼門・衆生の諸々の根機を自在に知る陀羅尼門・業と果報の因縁を自在に理解する陀羅尼門・深い法に忍び入る陀羅尼門である。」 このように考え、次第に問いを発しようとして、宝の摩尼珠のごとくに、仏に申し上げた。 「世尊よ、私は今、次第に問いを発し、菩薩たちの行いを清らかにしたいと願います。どうか世尊、私のために説いてください。」 仏は舎利弗に告げられた。 「諸々の菩薩摩訶薩が、もし一切の諸法に達して、何ものにも執着しないことを望むならば、この呪を説くべきである。」

「脩尼脩𠷠摩𠷠沙萬多母𠷠育底尼育底尼鹿底婆羅鞞喜(吳音)隷柯羅波柯羅波死娑隷婆羅婆底喜羅 喜履喜隷 喜履隷喜羅 喜隷際(吳音)底遮婆彌遮羅 遮羅禰遏多底阿羅禰尼摩第尼跋多禰尼持 耶底尼訶隷比摩隷輸婆禰婆羅尼履底雉波禰婆婆 毘呵婆禰婆阿僧祇陀弭毘富蠟 婆羅鞞僧柯羅里沙禰地隷 地地隷摩訶地地隷耶奢婆底珊遮隷阿遮隷摩遮隷婆摩遮隷地履陀地宿婆恥底阿僧伽毘訶隷阿僧伽尼訶隷尼訶羅毘摩隷尼訶羅輸頗尼持梨他須弭娑他弭婆他摩婆底摩訶波羅陛娑曼多婆羅陛毘富羅 波羅陛毘富羅 賴沙彌娑羅多木唘薩婆多羅阿㝹伽底阿那 支第陀羅尼陀羅尼尼柁多瞿諦隷莎呵」
「舍利弗!若有菩薩修行此陀羅尼呪,不思惟有為無為法、不說此法、不觀此法、不著此法、不作此法、不為得此法、不斷此法、不為增減、不見相應法不相應法、不見生滅、不見三世、不見退法不見聚散法、亦無所說,唯修念佛,不念色、不念相好不念非相好、不念戒不念非戒,定慧解脫解脫知見亦如是;不念種姓親友眷屬、住處非住處、至非至、不分別陰界入、不念智非智、不念自他清淨、眾生清淨非眾生清淨、不為自義不為他義、不念三業清淨、不念現在未來行清淨。舍利弗!此謂念佛,名取入一切諸法,名得一切諸法行方便陀羅尼,亦名修行第一義,亦名滿所樂此定,名一向為得菩提,亦名一切善根不由他修行法藏性,亦名覆相好陀羅尼,亦名覓方便陀羅尼,亦名度魔陀羅尼。舍利弗!此陀羅尼無邊行願,若當來菩薩得此義,成不退轉阿耨多羅三藐三菩提,當速得無上道。何以故?此是一切諸佛功德藏,此是分別諸眾生行,故此陀羅尼名無所得行。」爾時世尊說此祇夜:

「舎利弗よ。もしも菩薩がこの陀羅尼の呪を修行するならば、有為の法や無為の法について思いを巡らせず、この法を説かず、この法を観察せず、この法に執着せず、この法を作為せず、この法を得ようとせず、この法を断じず、増減を為さず、相応する法と相応しない法を見ず、生滅を見ず、三世を見ず、退く法や集まり散じる法を見ず、また説くところもない。ただひたすらに仏を念じ、色を念じず、相好を念じず、非相好を念じず、戒を念じず、非戒を念じない。定、慧、解脱、解脱知見もまた同じである。種姓、親友、眷属、住處、非住處、至る、至らないを念じず、陰・界・入を分別せず、智と非智を念じず、自己の清浄と他者の清浄、衆生の清浄と非衆生の清浄を念じず、自己のためにも他者のためにも為さず、三業の清浄を念じず、現在と未来の行の清浄を念じない。

舎利弗よ、これを仏を念ずると謂う。これを「すべての法に取り入る」と名づけ、「すべての法を得る行の方便の陀羅尼」と名づけ、また「第一義を修行する」と名づけ、また「楽しむところを満たすこの定」と名づけ、「もっぱら菩提を得るためのもの」と名づけ、また「すべての善根が他によることなく修行する法蔵の性質」と名づけ、また「相好を覆う陀羅尼」と名づけ、また「方便を求める陀羅尼」と名づけ、また「魔を度する陀羅尼」と名づける。

舎利弗よ、この陀羅尼には限りない行と願いがある。未来の菩薩がこの義を得れば、退転することなく阿耨多羅三藐三菩提を成就し、速やかに無上の道を得るであろう。なぜならば、これはすべての諸仏の功徳の蔵であり、これはすべての衆生の行を分別するものであるからだ。故に、この陀羅尼を『無所得の行』と名づけるのである。」

その時、世尊はこの伽陀(詩句)を説かれた。

「汝等莫樂著, 一切諸法空,
於諸佛菩提, 亦莫起分別。
不計一切法, 有過及無過,
若能修此行, 速得陀羅尼。
聽此修多羅, 無盡亦無滅,
習智慧眾具, 當得無上道。
菩薩受持此, 陀羅尼法門,
能聞十方佛, 所說微妙教。
次知第一法, 文字及句義,
如日月光明, 遍照無不盡。
菩薩了諸法, 其相亦復然,
此陀羅尼門, 攝一切諸法。
眾生有疑惑, 一切諸問難,
持陀羅尼者, 悉皆能解說。
於此菩薩智, 未曾有退減,
此是佛真子, 速得至菩提。
持陀羅尼者, 諸佛之所念,
眾生所尊重, 持陀羅尼故。
現身能得見, 八千萬億佛,
諸佛手所摩, 慰喻令安隱。
能於一日月, 受持陀羅尼,
億千劫中罪, 一切皆滅盡。
於無數劫中, 修習諸功德,
一月陀羅尼, 功德等於彼。
一切諸天魔, 無有能留難,
持此陀羅尼, 定慧諸功德。
一切諸佛法, 悉皆能總持,
說陀羅尼門, 有人決定信,
於未來世中, 必得無上道。
昔者然燈佛, 聞陀羅尼故,
為諸佛所記, 成道號然燈。
樂於一念頃, 見恒河沙佛,
亦樂知十方, 諸佛所說法。
受持陀羅尼, 悉得果所樂,
其人必有力, 淨諸佛國土,
光明及相好, 眾事皆具足。
無相無所著, 不求餘果報,
唯願與眾生, 速得無上道。
是故汝今日, 修行勤聽受,
未來必定得, 無上三菩提。」

「あなたがたは、執着して楽しんではなりません。一切の諸法は空だからです。 諸仏の悟りに対しても、また区別の心を起こしてはなりません。 一切の法について、過失があるとか過失がないとか、考えてはなりません。 もしこの行いを修めることができれば、速やかに陀羅尼(総持)を得るでしょう。 この経典を聴聞することは、尽きることもなく滅びることもありません。 智慧を習い身に備えれば、やがて無上の道を得るでしょう。 菩薩がこの陀羅尼の法門を受持すれば、 十方の仏の説かれる微妙な教えを聞くことができます。 次に、第一の法である文字や句の意味を知れば、 日月の光がすべてを余すところなく照らすように、 菩薩は諸法を了知し、その相もまた同じです。 この陀羅尼の門は、一切の諸法を摂め持つのです。 衆生に疑惑や様々な問いかけや難問があっても、 陀羅尼を受持する者は、すべてを説き明かすことができます。 この菩薩の智慧は、決して退き減ることなく、 この者は仏の真の子であり、速やかに悟りに至ります。 陀羅尼を受持する者は、諸仏に念じられ、 衆生から尊重される。陀羅尼を受持するからです。 現身のままで、八千万億の仏に会うことができ、 諸仏に手で摩され、慰められて安らぎを得ます。 一日一ヶ月の間に陀羅尼を受持すれば、 億千劫の罪もすべて消え尽くします。 無数の劫の間に様々な功徳を積むことと、 一ヶ月の陀羅尼の功徳は、それに等しいのです。 一切の諸天や魔も、妨げることはできません。 この陀羅尼を受持する者は、定と慧の諸功徳をそなえます。 一切の諸仏の教えをすべて総持することができ、 この陀羅尼の門を説いて、ある人が確かに信じるならば、 未来の世において、必ず無上の道を得るでしょう。 昔、燃灯仏は陀羅尼を聞いたことにより、 諸仏から授記され、成道して燃灯と名乗られました。 一瞬のうちに、ガンジス河の砂の数の仏を見ることを楽しみ、 また十方の諸仏の説かれる法を知ることを楽しみます。 陀羅尼を受持すれば、その楽しみの果をすべて得、 その人は必ず力を持ち、諸仏の国土を清め、 光明や相好、あらゆる事柄がすべてそろうでしょう。 相もなく執着もなく、他の果報を求めず、 ただ眾生と共に速やかに無上の道を得ることを願うのです。 ですから、あなたは今、励んで修行し、聴聞し受持しなさい。 未来において、必ず無上の三菩提を得るでしょう。」

佛告舍利弗:「若菩薩成就四法,當得陀羅尼。云何為四?不樂愛欲、不嫉妬、於一切眾生能捨一切、日夜思惟諸法無有惱恚。舍利弗!若菩薩成就此四法,得此陀羅尼。」爾時世尊說此祇夜:

仏は舎利弗に告げられた。「もし菩薩が四つの法を成就するならば、陀羅尼を得ることができる。その四つとは何か。愛欲を好まないこと、嫉妬しないこと、すべての衆生に対して一切を施すこと、日夜あらゆる法を思惟して悩みや怒りを持たないことである。舎利弗よ、もし菩薩がこの四つの法を成就するならば、この陀羅尼を得るのである。」その時、世尊は次の偈を説かれた。

「愛欲嫉妬, 是魔王法, 當入地獄,
行人應捨。 財法二種, 以施眾生,
日夜思惟, 不起惱恚。 若能如是,
得陀羅尼。」

「愛欲や嫉妬は、魔王の領域である。地獄に落ちるものであり、修行者はこれを捨て去るべきだ。 財物と教えの二つを、人々に施し与え、日夜、心をめぐらせて、怒りや恨みを起こしてはならない。 このように行じることができれば、陀羅尼(悟りの力)を得ることができる。」

「復次舍利弗!若菩薩成就四法!得此陀羅尼。何等為四?修阿蘭若行、持深法忍、不樂利養名聞、所受之物一切能捨乃至身命。菩薩成就此四法,得陀羅尼。」佛說此祇夜:

「また、舎利弗よ。もし菩薩が四つの法を成就するならば、この陀羅尼を得る。その四つとは何か。閑静な場所で修行すること、深い法に対して忍び持つこと、利益や名声を求めないこと、受け取ったものを全て捨てることができること、たとえ自身の身や命までも。菩薩がこの四つの法を成就することで、陀羅尼を得る。」仏はこの偈を説かれた。

「修行阿蘭若, 善人所讚歎,
身心寂不動, 常住於林中。
燒頭不放逸, 藥起深法忍,
名聞及利養, 一切無所著。
清淨無染心, 以求無上道,
能捨諸所重, 妻子及身命,
不生悔悋心, 終當歸磨滅。
菩薩勤精進, 修上四種行,
如上陀羅尼, 不久必能得。」

「修行者は、人里離れた静かな所(阿蘭若)にこもる。 善き人々からは称賛される。 心身ともに静かに動かず、常に林の中に住む。

頭を焦がすような激しい修行も怠らず、深い法への忍耐(忍辱)を起こす。 名声や利益(利養)には一切執着しない。

清らかで汚れのない心で、無上の悟りの道(無上道)を求める。 大切なものすべて——妻や子、自分の命でさえも——を施すことができる。

後に悔やんだり惜しんだりする心を起こさない。 すべてのものはやがて滅びてしまうと知っているからだ。

菩薩は熱心に努力して、この四つの行いを修める。 そうすれば、上述の陀羅尼(悟りの力)を、遠からず必ず得ることができるだろう。」

「復次舍利弗!若菩薩成就四法,得此陀羅尼。云何為四?入八字義。云何八字?婆字入一切諸法無我義。羅字入相好無相好法身義。娑字入二義,愚人法智人法義。闍字入生老病死、不生不老不病不死,不生不滅義。舸字入度業果報義。他字入持陀羅尼法,度空無相無作法界義。沙字賒摩他、毘婆舍那,賒摩他、毘婆舍那者,入如真實一切法義。屣字入一切諸法念念生滅、不盡不破,本來寂靜故。此八字義可知可入,此謂初入義。此陀羅尼法總名書已當受持,此第二入義。此法總名當半月半月誦憶,此第三入義。菩薩當以此陀羅尼教化讚歎今他歡喜,此第四入義。舍利弗!以此四法,令菩薩得此陀羅尼。」佛說此祇夜:

「さらに、舎利弗よ。もし菩薩が四つの法を成就するならば、この陀羅尼を得る。その四つとは何か。それは八字の意味に入ることである。八字とは何か。 「婆(バ)」の字は、あらゆる諸法に我なしという意味に入る。 「羅(ラ)」の字は、相好のない法身の相に入る。 「娑(サ)」の字は、二つの意味、すなわち凡夫の法と賢者の法の意味に入る。 「闍(ジャ)」の字は、生老病死、不生不老不病不死、不生不滅の意味に入る。 「舸(ガ)」の字は、業と果報を超える意味に入る。 「他(タ)」の字は、陀羅尼の法を保ち、空・無相・無作の法界を超える意味に入る。 「沙(シャ)」の字は、奢摩他(しゃまた)と毘婆舎那(びばしゃな)である。奢摩他と毘婆舎那とは、真実のままにすべての法に入る意味である。 「屣(シ)」の字は、あらゆる諸法が刹那ごとに生滅しながらも尽きず壊れず、もとより静寂であるがゆえに、という意味に入る。

この八字の意味は、理解し体得することができる。これを第一の入る意味という。 この陀羅尼の法を総じて書写したならば、まさに受け持って唱えるべし。これを第二の入る意味という。 この法を総じて、半月ごとに誦し記憶すべし。これを第三の入る意味という。 菩薩はまさにこの陀羅尼をもって教え導き、称賛して、他をして喜ばしむべし。これを第四の入る意味という。

舎利弗よ、この四つの法によって、菩薩はこの陀羅尼を得るのである。」 そこで仏はこの伽陀(うた)を説かれた。

「書寫及受持, 思惟上八字,
半月常習誦, 教化諸眾生,
得近無上道, 最勝智慧處,
常見諸如來, 亦聞說妙法。」
「若有諸菩薩受持陀羅尼,獲四功德。云何為四?十方諸佛世尊常所護念、不為魔王之所障礙、身口意惡悉皆滅除、得無盡樂說。舍利弗!若有菩薩受持陀羅尼,得此四種功德。」佛說此祇夜:

「もしも菩薩たちが陀羅尼を受持すれば、四つの功徳を得ることができる。その四つとは何か? 十方の諸仏・世尊が常に守り護念し、魔王による妨げを受けることがなく、身・口・意の悪がことごとく滅除され、尽きることない弁才を得る。</s>舎利弗よ、もし菩薩が陀羅尼を受持すれば、この四種の功徳を得るのである。」仏はこの偈を説かれた。

「有諸佛護念, 眾魔不能沮,
三惡業消滅, 樂說辯無邊。」

多くの仏たちが見守り、守ってくださるので、 あらゆる悪魔も妨げることはできません。 身・口・意の三つの悪業は消え去り、 喜んで語る弁舌は広く果てしなくなるのです。

爾時佛告舍利弗:「乃往古昔無數阿僧祇劫,是時有佛名寶吉光王如來應供正遍知,十號具足,出興於世教化眾生。此佛滅度,有轉輪聖王名持光明,七寶具足。彼王有子,名不可思議功德吉,年十六歲。彼佛滅後,聞說此陀羅尼,即於七萬世中不睡眠懈怠,七萬世中不貪王位、不惜身命及餘財物,七萬世中未曾寢臥一向坐禪,常聞九十億萬那由他諸佛所說法。既聞法已,佛記出家,過九十萬世得陀羅尼名取無邊門。得已為眾生說,於一生中教化八十億百千萬那由他眾生令住不退地,當得阿耨多羅三藐三菩提。是時眾中有長者子名曰月蓋,從彼聞說取無邊門陀羅尼。聞已隨喜,以隨喜功德,為九十億萬佛之所授記:『汝於受持陀羅尼中最為第一,一切眾生聞汝所說悉皆愛樂,諸有問難無能壞者。汝於來世過三阿僧祇劫,教化諸眾生皆得阿耨多羅三藐三菩提。』舍利弗!於汝意云何?彼時不可思議功德吉王子,豈異人乎即?無量壽佛是。長者子月蓋,然燈佛是。舍利弗!我昔及諸菩薩,聞說此陀羅尼聞已隨喜,以此善根四百萬劫不生惡趣。是故舍利弗!若菩薩摩訶薩樂速得菩提,當隨喜此取無邊門陀羅尼及勤精進。何以故?菩薩成就住不退地,當得三菩提故。何況有人書寫讀誦受持解說,唯除諸佛無能說此功德邊際。」佛說此祇夜:

その時、仏は舎利弗に告げられた。「遥か昔、数え切れないほどの劫の昔、その時に宝吉光王如来・応供・正遍知と呼ばれる、十の称号を全て備えた仏が世に現れ、衆生を教化しておられた。この仏が入滅された後、持光明という名の転輪聖王が現れ、七宝を全て備えていた。その王には、不可思議功徳吉祥という名の王子がおり、年は十六歳であった。その仏が滅された後、この王子はこの陀羅尼を聞くと、七万もの長い間、眠らず怠けず、七万もの間、王位を貪らず、身命やその他の財物を惜しまず、七万もの間、横にならずに一心に座禅し、常に九十万億の那由多の諸仏が説く法を聞いた。法を聞いた後、仏は彼に出家を記別し、九十万物を経て、取無辺門という名の陀羅尼を得た。得た後、衆生のために説法し、一生のうちに八十億の百千万の那由多の衆生を教化し、不退転の位にとどまらせ、やがて無上正等覚を得させた。

その時、その会衆の中に月蓋という名の長者の子がいて、彼から取無辺門陀羅尼を聞いた。聞いてすぐに歓喜し、その歓喜の功徳によって、九十億万の仏から授記された。『あなたは陀羅尼を受持する者の中でも最も優れた第一の人となり、全ての衆生はあなたの説法を聞いて皆愛好し、あらゆる問いや難題もあなたを打ち負かすことはできない。あなたは未来世において三阿僧祇劫を過ぎ、全ての衆生を教化して、皆に無上正等覚を得させるであろう。』

舎利弗よ、あなたはどう思うか。あの時の不可思議功徳吉祥王子とは、他ならぬ無量寿仏である。長者の子・月蓋とは、燃灯仏である。舎利弗よ、私は昔、諸々の菩薩と共に、この陀羅尼を聞き、聞いて歓喜した。この善根によって、四百万劫もの間、悪趣に生まれることがなかった。それ故に、舎利弗よ、もし菩薩摩訶薩が速やかに菩提を得たいと望むなら、この取無辺門陀羅尼に歓喜し、かつ精進に励むべきである。なぜなら、菩薩は不退転の地を成就して、初めて三菩提を得るからである。ましてや、これを書写し、読誦し、受持し、解説する者については言うまでもない。その功徳の限界は、諸仏を除いては、誰も説き尽くすことはできない。」

仏はこの偈(祇夜)を説かれた。

「過去無數劫, 有寶吉如來,
出世化眾生, 有無量利益。
彼佛涅槃後, 有轉輪聖王,
子名功德吉, 年始十六歲。
於如來滅後, 聞說陀羅尼,
即於七萬世, 無睡眠懈怠,
不貪著財物, 王位及身命。
聞九十億萬, 那由他諸佛,
所說妙法門, 一心能聽受。
如來即記彼: 過九十萬世,
得陀羅尼法, 名取無邊門。
得已為人說, 利益無數眾,
皆令住不退, 無上三菩提。
長者子月蓋, 聞說陀羅尼,
起隨喜功德, 諸佛為受記:
汝受陀羅尼, 是最為第一。
若為他人說。 無不愛樂者,
若人有問難, 無有能破壞。
汝於未來世, 過三僧祇劫,
所可化眾生, 當得無上道。
長者子月蓋, 然燈如來是;
先所說法師, 即無量壽佛。
我及諸菩薩, 昔聞陀羅尼,
四百萬劫中, 不生諸惡趣。
菩薩若欲得, 無上遍知道,
當勤行精進, 隨喜陀羅尼。
所以然者何? 住不退轉故。
若能隨喜者, 功德已如斯,
何況書讀誦, 解說其義者。
假設有七寶, 滿恒沙世界,
如此布施福, 不可得相比。
是故有智人, 應當勤精進,
聽受陀羅尼, 以求無上道。」
「舍利弗!若菩薩受持此陀羅尼,有八夜叉住在雪山,日夜守護為增壽命。云何為八?勇猛夜叉、堅固夜叉、自在夜叉、那羅延力夜叉、法用夜叉、不可繫夜叉、曲齒夜叉、善肩夜叉。舍利弗!是八夜叉常守護彼。受持陀羅尼人,若淨洗浴著新染衣,常習經行,於諸眾生不生害心,常自思惟此總持法,彼諸夜叉速來守護。復有八大菩薩在欲天住,彼當護念受持陀羅尼者,其名曰:光明菩薩、慧光明菩薩、日光明菩薩、教化菩薩、令一切意滿菩薩、大自在菩薩、宿王菩薩、行意菩薩,彼諸菩薩得陀羅尼。若菩薩得陀羅尼,當成實願知恩。菩薩若持陀羅尼,當得真實法與眾生共之。若菩薩受持陀羅尼,當具足功德,成就深慧。」佛說此法,三十百千億那由他菩薩得此取無邊門陀羅尼,不退阿耨多羅三藐三菩提。八毘婆羅數諸天及人,發阿耨多羅三藐三菩提心。

舎利弗よ、もし菩薩がこの陀羅尼を受持するならば、雪山に住む八人の夜叉がいて、昼夜を問わずその者を守護し、寿命を延ばすであろう。その八人とは誰か?勇猛夜叉、堅固夜叉、自在夜叉、那羅延力夜叉、法用夜叉、不可繫夜叉、曲歯夜叉、善肩夜叉である。舎利弗よ、これらの八夜叉は常にその者を守護する。陀羅尼を受持する者が、身を清らかに洗い、新しい染めた衣をまとい、常に経行に励み、あらゆる生きとし生けるものに対して害心を起こさず、常にこの陀羅尼の法を心に思うならば、これらの夜叉たちは速やかにやって来て守護するのである。

また、欲界の天に住む八大菩薩がいる。彼らは陀羅尼を受持する者を護り、心にかけるであろう。その名は、光明菩薩、慧光明菩薩、日光明菩薩、教化菩薩、令一切意満菩薩、大自在菩薩、宿王菩薩、行意菩薩である。これらの菩薩たちは陀羅尼を得ている。もし菩薩が陀羅尼を得るならば、必ず真実の願いを成就し、恩を知るであろう。菩薩が陀羅尼を保つならば、真実の法を得て、それをすべての衆生と分かち合うであろう。菩薩が陀羅尼を受持するならば、功徳を具え、深い智慧を成就するであろう。

仏がこの教えを説かれたとき、三十百千億那由他の菩薩たちがこの「取無辺門陀羅尼」を得て、阿耨多羅三藐三菩提(無上正等覚)から退転しなくなった。また、八毘婆羅の数にのぼる諸天や人々が、阿耨多羅三藐三菩提の心を発した。

長老舍利弗白佛言:「世尊!云何名此經?云何受持?」佛告舍利弗:「此經名取無邊門陀羅尼,汝當受持。亦名菩薩一向所行,汝當受持。亦名除一切諸魔,汝當受持。亦名得一切智,汝當受持。」爾時舍利弗及諸菩薩、天、龍、夜叉、揵闥婆、阿修羅、迦樓羅、緊那羅、摩睺羅伽、人非人等,聞佛所說,歡喜奉行。

長老大舎利弗が仏に申し上げました。「世尊よ、この経の名前は何と申しますか。どのようにして受け持つべきでしょうか。」 仏は舎利弗に告げられました。「この経は『無辺門陀羅尼を取る』と名づける。汝はこれを受け持ちなさい。また『菩薩の一向所行』とも名づける。汝はこれを受け持ちなさい。また『一切の諸魔を除く』とも名づける。汝はこれを受け持ちなさい。また『一切智を得る』とも名づける。汝はこれを受け持ちなさい。」 その時、舎利弗や諸々の菩薩、天、竜、夜叉、乾闥婆、阿修羅、迦楼羅、緊那羅、摩睺羅伽、人ならざる者たちは、仏の説法を聞いて、喜びの心で実践しました。

舍利弗陀羅尼經

舎利弗陀羅尼経


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