佛說却溫黃神呪經
仏説却温黄神呪経
聞如是:
このように私は聞きました。
一時,佛遊王舍城竹林精舍,與四部弟子大眾俱會,為說經法。
ある時、釈尊は王舎城の竹林精舎に滞在され、多くの出家・在家の弟子たちと共に集い、法の教えを説いておられた。
爾時,維耶離國屬疫氣猛盛,赫赫猶如熾火,死亡無數,無所歸趣,無方救療。於是,阿難長跪合掌白佛言:「彼阿耶離國遭溫氣疫毒,唯願世尊說諸聖術,却彼毒氣,令得安穩,離眾苦患。」
その時、ヴァイシャーリーの国に疫病が猛威を振るい、その勢いはまるで燃え盛る火のようでした。多くの人々が亡くなり、頼るべき場所もなく、救いの道もありませんでした。そこで阿難はひざまずいて両手を合わせ、仏樣に申し上げました。「かのヴァイシャーリーの国は、疫病の毒に悩まされております。どうか世尊よ、聖なる術をお示しください。その毒気を除き、人々を穏やかに安らかにし、あらゆる苦しみから遠ざけたまえ」と。
佛告賢者阿難:「汝當聽受之!有七鬼神常吐毒氣以害萬姓,若人得毒,頭痛寒熱,百節欲解,苦痛難言。人有知其名字者,毒不害人,是故吾今為汝說之。」
仏が尊者アーナンダに告げられた。「よく聞き、受け止めなさい。世には七種の鬼神がいて、常に毒気を吐いて人々を苦しめている。人がその毒に冒されると、頭痛や寒熱に悩まされ、体中の節々が砕けそうになり、その苦しみは言葉に尽くせない。しかし、もし人がそれらの鬼神の名前を知っていれば、毒はその人を害することができない。それゆえ、今、あなたのためにその名前を説こう。」
阿難言:「願欲聞之。」
阿難が申し上げました。「どうか、そのお言葉を聞かせていただきたく存じます。」
佛言:「若四輩弟子,欲稱鬼神名安之時,當言:『南無佛陀耶,南無達磨耶,南無僧伽耶,南無十方諸佛,南無諸菩薩摩訶薩,南無諸聖僧,南無呪師(某甲)!今我弟子所說神呪,即從其願。』如是神名,我今當說沙羅佉。三說沙羅佉已,便說呪曰:『夢多難鬼,阿佉尼鬼,尼佉尸鬼,阿佉那鬼,波羅尼鬼,阿毗羅鬼,波提棃鬼。』」
仏陀はおっしゃいました。「在家・出家の四種の弟子たちよ、鬼神の名を唱えて身を整えるときには、こう唱えなさい。『南無仏陀耶、南無達磨耶、南無僧伽耶、南無十方の諸仏、南無諸菩薩摩訶薩、南無諸聖僧、南無呪師(某甲)。今、我が弟子の説く神呪が、その願いのままに成就しますように。』このような鬼神の名を、これから私は沙羅佉として説きましょう。三度「沙羅佉」と唱えたならば、次の呪文を唱えなさい。『夢多難鬼、阿佉尼鬼、尼佉尸鬼、阿佉那鬼、波羅尼鬼、阿毘羅鬼、波提梨鬼。』」
佛言:「是七鬼神呪名字如是,若人熱病時,當呼七鬼神名字,言:『疾去疾去,莫得久住,我弟子身,令毒消滅,病速除愈!我弟子今歸依三寶,燒香禮敬,行是諸佛所說神呪,若有呪神不隨諸佛教者,頭破作七分,如阿棃樹枝。』若人得病一日、二日、三日乃至七日,熱病煩悶,先呪神水以與病者飲之,當三七遍誦此呪經,病毒五溫之病並皆消滅。若亦立門書,著氣病者,當額書七鬼神名字,復取五色縷線,各各結其名字,繫著門上,大吉祥也。若能勤誦此經,專心受持齋戒,不喫熏辛,誦此七鬼神名字,溫鬼永斷,不過門戶。自進至患家,鬼見皆走,一身永不染。天行,若能專心勸人書寫、受持、讀誦此經,消殃却害。若人不能誦,得竹筒盛,安門戶上,溫鬼不敢過門,亦得延年養壽,大吉祥也。」
仏が言われた。「これらの七鬼神の呪文の名はこの通りである。もし人が熱病にかかったなら、この七鬼神の名を呼び、こう唱えなさい。『疾く去れ、疾く去れ、長く留まることなかれ。わが弟子の身において、毒を消滅させ、病を速やかに癒したまえ。わが弟子は今、三宝に帰依し、香を焚いて礼拝し、諸仏の説かれたこの神呪を行ずる。もしこの呪いの神々が諸仏の教えに従わなければ、頭を七つに砕かれよ、阿梨樹の枝のように。』」
もし人が病にかかり、一日、二日、三日、あるいは七日におよび、熱病で煩悶するなら、まず神水を呪して病者に飲ませよ。この呪経を三七遍誦すれば、病毒や五温の病はすべて消滅する。
また、門に書きつけて気の病にかかった者には、額に七鬼神の名を書き、五色の糸でそれぞれの名を結び、門に掛ければ、大いに吉祥である。
もしこの経を勤めて誦し、専ら心に受け持って斎戒を守り、臭いものや辛いものを食べずに、この七鬼神の名を誦すれば、温鬼は永遠に断たれ、門を越えることはない。自ら患家に赴けば、鬼は見て逃げ去り、その身は決して感染しない。この天行(流行病)について、もし専ら心を込めて人に勧め、書き写させ、受け持たせ、読誦させれば、罪障を消し害を除くことができる。
もし誦することができない者があれば、竹筒に入れて門の上に安置せよ。温鬼はあえて門を越えず、寿命を延ばし養うことができ、大いに吉祥である。」
阿難叉手白佛言:「當何名此經,云何奉持?」
阿難が両手を合わせて仏に申し上げました。「この経典にはどのような名を付け、どのように奉持すればよろしいのでしょうか?」
佛言:「此經名為《却溫神呪》。」
仏陀は言われた。「この経典の名は『却温神呪』という。」
佛說如是,天龍、鬼神、一切大眾聞呪歡喜,作禮奉行。
このように仏が説かれると、天や竜、鬼神、すべての大衆がこの呪(まじない)を聞いて歓喜し、礼を捧げて実践したのである。
却溫神呪經
『却温神呪経』