摩醯首羅天法要
摩醯首羅天の法要
爾時摩醯首羅天於天上與諸天女遊戲化樂作諸伎樂,忽然於髮中化出一天女,容顏端正伎藝第一,諸天之眾無能過者,而說呪曰:
その時、摩醯首羅天は天界において天女たちと共に遊戯し、音楽や舞踏を楽しんでいた。すると突然、その髪の間から一人の天女が現れた。その姿は美しく、技芸は天界で最も優れており、他のどの天女も彼女に及ばなかった。そして、この天女が呪文を唱えた。
「曩謨欝爾灑摩毘藥(二合)尸佉地毘也(二合)鉢囉(二合)鉢底(丁以反)野式伽羅者僧(去)林僧(去)林但儞也(二合)他濕嚩(二合)諾底兼跋囉麼諾哩儞吽泮吒(半音)」
「帰命します。ウルサマビヤ、シカディビヤ、プラパティヤ、シカラシャン、ソンラン、ソンラン。すなわち、すなわち、シュヴァノーテイ、ケンバラマノリニ、フム、パッタ。」
「持誦此呪者,不問淨與不淨、有妻無妻、食五辛酒肉與不食,常誦持者一切善願悉得成就,況三業清淨人早成悉地更有何疑?若有人日沒之時,誦此呪一百八反,即有効驗。
この呪いを唱える者は、清らかであろうとなかろうと、妻がいようといまいと、五辛や酒や肉を食べようと食べまいと、常に唱え続けるならば、あらゆる善い願いがすべて成就する。ましてや、身・口・意の三つの行いが清らかな人が成就を得るのは早いこと、何の疑いがあろうか。もし人が日没のときにこの呪いを百八回唱えるならば、すぐに効き目が現れるであろう。
「次畫像法。先畫摩醯首羅天像,容顏奇特端正殊妙,從髮際化出一天女,端正第一垂妙瓔珞,兩手絡環釧,左手捧天花,與天王相視喜媚之容,右手向下捻裙之勢,於左膝上坐摩登伽天。
次に、画像の描き方について説く。まず摩醯首羅天(まけいしゅらてん)の像を描く。その容貌は奇特で、端正かつ殊妙である。髪の生え際から一人の天女が化現する。端正さはこの上なく、美しい瓔珞(ようらく)を垂らし、両手には環や釧(くしろ)を絡めている。左手には天の花を捧げ持ち、天王と見つめ合い、喜び媚びるような表情を浮かべている。右手は下に向けて裙(もすそ)を摘むような形をしている。その天女は左の膝の上に座っている。これが摩登伽天(まとうがてん)である。
「次說手印相。二羽外相叉左押右成縛,檀惠進力竪,禪智申相合禪庾為請召。真言曰:
次に手印の形を説きます。両手を外側で交差させ、左手を右手の上に置いて結び、薬指と小指を立て、人差し指と親指を伸ばして合わせ、親指と人差し指を重ねて招きの印とします。真言は次の通りです。
「唵尾跢羅娑(上)柅跛羅摩哩馱抳瞋馱抳瞋馱抳頻馱尼頻馱抳娑嚩(二合)賀」
「オン ビダラ サネ パラマリダニ チンダニ チンダニ ビンダニ ビンダニ ソワカ」
「若有人日日受持此印真言供養摩醯首羅天者,種種得驗。亦每作是印呪供養一切諸佛,諸佛生歡喜,兼療一切諸病有驗。
もし毎日この印(いん)と真言(しんごん)を保ち、摩醯首羅天(まけいしゅらてん)を供養する人があれば、さまざまなご利益(りやく)を得ることができるでしょう。また、この印と呪(じゅ)を結んで、すべての仏(ほとけ)を供養するならば、仏たちは喜び、そのうえ、あらゆる病(やまい)を治すという功徳(くどく)も得られるのです。
「若誦滿一千反,令婦人生歡喜。若誦二千反,令一切人生歡喜。若誦三千反,得非人愛樂。誦四千反,一切毘那多羅鬼皆歡喜。誦五千反,一切龍女生歡喜心。乃至誦一萬反,一切天、龍、藥叉、五通神仙皆悉歡喜。若人欲見本身者,取燒死人殘柴,誦呪一百八反招之,即得見本身。又法若能降伏怨家者,取赤土畫其形,書其姓名,以左脚踏之,誦呪一百八反,不論遠近彼人自然來向所降伏。又法若欲令夫婦相愛,畫其形、書姓名,准前法踏之,即相愛敬。又法若欲欲得國王大臣一切諸人敬愛者,准前法作之。若療鬼病者,取伽陀木截作二十一段,呪二十一反,一呪一燒,病差。若神病,取阿魏、安悉香、雄黃、青木香、苦練葉各等分,擣篩和水為丸,誦呪燒之,病即差。若狐媚病,取雄黃、安悉香、芎藭、獨頭萩、𡱝角、羝羊尿、白馬懸蹄、驢夜等,各分此八味為朱燒之,薰入鼻孔及塗身上。若欲成結界者,以水呪七反,散灑四方,隨意遠近如法成結界。」
「もし一千遍誦えれば、女性に喜びを与えることができる。二千遍誦えれば、全ての人々を喜ばせることができる。三千遍誦えれば、人間ではない存在(鬼神など)から愛され楽しみを得る。四千遍誦えれば、全ての毘那多羅鬼(びなたらき)が喜ぶ。五千遍誦えれば、全ての龍女(りゅうにょ)が喜びの心を起こす。さらに一万遍誦えれば、全ての天、龍、薬叉(やくしゃ)、五通(ごつう)の神仙が皆喜ぶ。
もし人が自分の本来の姿を見たいと思うなら、焼死体の残り薪を取り、この呪文を一百八遍誦えて招けば、すぐに自分の元の姿を見ることができる。
また、もし怨敵を降伏させたいなら、赤土でその人の形を描き、その姓名を書き、左足で踏み、呪文を一百八遍誦えれば、遠い近いにかかわらず、その人は自然にやって来て降伏する。
さらに、夫婦が互いに愛し合うようにしたいなら、その形を描き姓名を書き、前の方法と同じように踏み、呪文を誦えれば、互いに愛し敬うようになる。
また、国王や大臣、全ての人々から敬愛されたいなら、同じ方法で行う。
鬼の病を治すには、伽陀木(かだぼく)を切り取って二十一段にし、呪文を二十一反誦え、一回誦えるごとに一つを焼けば、病は治る。
神の病には、阿魏(あぎ)、安悉香(あんじつこう)、雄黄(ゆうおう)、青木香(せいもっこう)、苦練葉(くれんよう)をそれぞれ等量に取り、細かく砕いて水と混ぜて丸薬にし、呪文を誦えながら焼けば、病は治る。
狐に魅入られた病には、雄黄(ゆうおう)、安悉香(あんじつこう)、芎藭(きゅうきゅう)、独頭萩(どくとうしゅう)、犀角(さいかく)、牡羊の尿、白馬の蹄の下の肉(懸蹄)、驢馬の夜の尿など、この八種の薬を朱と共に焼いて、その煙を鼻孔に吸い込み、また身体に塗る。
もし結界を張りたいなら、水に呪文を七反誦えて、四方に散布すれば、遠近は心のままに、正しい方法で結界が完成する。」
摩醯首羅天王法要
摩醯首羅天王の法要
此法中摩醯首羅者,東北伊舍那天也。
この教えにおいて、摩醯首羅とは、北東の方角を守護する伊舎那天のことである。