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彰所知論 (彰所知論)

「彰所知論」について

元 · 發合思巴造 著 · 底本の訳者:沙羅巴

1.6 万字 · 約 52 分

『彰所知論』は、元代の帝師であり、チベット仏教サキャ派の高僧であるパクパ(別名パスパ)が皇太子チンギス(真金)のために著した仏教入門書であり、後に沙羅巴によって漢訳されました。本論はチベット仏教の体系を基盤とし、漢・チベット・インドの仏教思想を融合させ、器世界、有情世界、道法、果法、無為法といった仏教の基本的な概念と教義を体系的に解説しています。元朝という多民族文化交流・融合の背景の中で生まれ、モンゴル皇室に仏教の世界観を体系的に伝えることを目的としており、政治的・文化的に重要な意義を持ちます。この論は、元代の仏教やチベット・漢仏教交流を研究する上での重要文献であるだけでなく、仏教の知識論と体系的教育においても独自の地位を占めています。


器世界品第一
謂器世界所成之體,即四大種,種具生故。地堅、水濕、火煖、風動。是等大種,最極微細者曰極微塵,亦名隣虛塵,不能具釋。彼七隣虛為一極微,彼七極微為一微塵,彼七微塵為一透金塵,彼七透金塵為一透水塵,彼七透水塵為一兔毛塵,彼七兔毛塵為一羊毛塵,彼七羊毛塵為一牛毛塵,彼七牛毛塵為一遊隙塵,彼七遊隙塵為一蟣量,彼七蟣量為一蝨量,彼七蝨量為一麥量,彼七麥量為一指節,三節為一指,二十四指橫布為一肘量,四肘為一弓,五百弓量成一俱盧舍,八俱盧舍成一由旬。此是度量世界身相。成世界因,由一切有情共業所感。云何成耶?從空界中十方風起,互相衝擊堅密不動,為妙風輪。其色青白,極大堅實,深十六洛叉由旬,廣量無數。由暖生雲名曰金藏,降澍大雨,依風而住,謂之底海,深十一洛叉二萬由旬,廣十二洛叉三千四百半由旬。其水搏擊,上結成金,如熟乳停上凝成膜,即金地輪,故水輪減,唯厚八洛叉。餘轉成金,厚三洛叉二萬由旬。金輪廣量與水輪等,周圍即成三倍,合三十六洛叉一萬三百五十由旬。其前風輪娑婆界底,地、水二輪四洲界底。於地輪上復澍大雨,即成大海。被風鑽擊,精妙品聚成妙高山,中品聚集成七金山,下品聚集成輪圍山,雜品聚集成四洲等。其妙高體,東銀、南瑠璃、西玻瓈珂、北金所成;餘七唯金;四洲地等雜品所成;彼輪圍山唯鐵所成。其妙高量,入水八萬緰繕那,比於餘山皆悉高妙,名曰妙高。然後次第七金山者,一踰乾陀羅山,高四萬由旬。二伊沙陀羅山,高二萬由旬。三佉得羅柯山,高一萬由旬。四修騰娑羅山,高五千由旬。五阿輸割那山,高二千五百由旬。六毘泥怛迦那山,高千二百五十由旬。七居民陀羅山,高六百二十五由旬(藏論疏云:一持雙山、二持軸山、三檐木山、四善見山、五馬耳山、六象鼻山、七魚嘴山)。四大洲外有輪圍山,高三百一十二由旬半,彼等廣量各各自與出水量同。七金山間諸龍王等遊戲之處,名曰戲海。八山間七海近妙高者,一踰乾陀羅海,廣八萬由旬;二伊沙陀羅海,廣四萬由旬;三佉得羅柯海,廣二萬由旬;四修騰娑羅海,廣一萬由旬;五阿輸割那海,廣五千由旬;六毘尼怛迦那海,廣二千五百由旬;七尼民陀羅海,一千二百五十由旬,盈八功德水。八山七海其相咸方,外海味醎。尼民陀羅至輪圍山,二山相去三洛叉二萬二千由旬,其外海水雖無有分,由妙高色東海色白、南海色青、西海色紅、北海色黃,現是等色,故稱四海。是彼周邊三十六洛叉七百五十由旬。外輪圍山周圍三十六洛叉二千六百二十五由旬。其外海南贍部洲者,狀若車廂,狹向鐵圍三由旬半,餘三邊者各二千由旬,周圍六千三由旬半。有二中洲,東遮摩羅(此云猫牛),西婆羅摩羅(此云勝猫牛)。贍部中央摩竭陀國,三世諸佛所生之處。次此向北度九黑山,有大雪山名具吉祥,其山北邊有香醉山。是二山間有大龍王,名曰無熱,所居之池曰阿耨達(此云無熱)。其狀四方,面各五十由旬,周圍二百由旬,池內遍滿八功德水。從此池內出四大河,東𮀚伽河,從象口中流出銀沙,共五百河流歸東海;南辛渡河,從牛口中流出瑠璃沙,共五百河流歸南海;西縛芻河,從馬口中流出玻瓈珂沙,共五百河流歸西海;北悉怛河,從獅子口流出金沙,共五百河流歸北海。是彼四河,從無熱池右遶七匝隨方而流。是香山北度二十由旬,彼處有巖名難陀巖,面各五十由旬,周圍二百由旬,高三由旬半。又有八千小巖,其巖北邊度二十由旬,有娑羅樹王名曰善住,其根入地四十弓量,高八十弓量,七重行樹羅列圍遶。東邊度二十由旬,有緩流池,其狀圓相,廣五十由旬,周圍一百五十由旬。又有八千小池,盈八功德水,內有蓮華,葉若牛皮、其莖如軸、華若車輪、味美如蜜。是處又有帝釋臨戰所乘象王名曰善住,與八千象,寒四月時住金巖所,熱四月時住善住所,雨四月時住緩流池。無熱池側有贍部樹,果實味美其量如甕,熟時墮水出贍部音。龍化為魚吞噉是果,殘者遇流成贍部金,由此樹名故號贍部。此洲向西有烏佃國,大金剛宮持種所居,金剛乘法從彼而傳。南海之中山曰持船,觀音菩薩居止其頂,聖多羅母居止山下。東有五峯,文殊菩薩居止其上,有十六大國、千數小國,又有三百六十種人,有七百二十種異音。其外海東洲曰勝身,狀若半月,對妙高邊三百五十由旬,餘邊六十由旬,周圍六千三百五十由旬。其洲二邊有二中洲,北提訶(此云身)、南毘提訶(此云勝身)。是彼三洲,越餘洲等七多羅樹,或曰洲人相貌端嚴,其身勝故名曰勝身。其外海北洲曰鳩婁,其狀四角畟方相似,邊各二千由旬,周圍八千由旬。其洲二邊有二中洲,一名鳩婁(此云有勝)、二高羅娑(此云有勝邊)。彼洲人等所有受用出如意樹,臨歿七日其如意樹出不美音,報曰當七日死。或曰洲人卑舌,即割食肉鬼音,故曰鳩婁是不美音。其外海西州曰牛貨,形如滿月,徑二千五百由旬,周圍七千五百由旬。有二中洲,南舍𢮎(此云具諂)、北嗢怛羅曼怛哩拏(此云儀上)。彼洲人等多寶牛貨,故曰牛貨洲。海山等向下皆悉八萬由旬,近金地故。近贍部洲、星割棘洲、金洲、月洲等者,係贍部洲。餘大洲等小洲亦爾。次上空中四萬由旬,純淨無礙,勝堅風輪從右而旋,日月星宿空居天等依止而住。日輪者,火珠所成,徑五十一由旬,周圍百五十三由旬,厚六由旬零十八分。上有金緣,其上復有金、銀、瑠璃、玻瓈珂等秀成四角。日天子等所居宮殿,由風運行,一晝一夜遶四大洲。日行向北時日即長,南行時短,行南北間時晝夜停。由遊處光即有寒暑,為冬夏際。北行六月、南行六月,行至中道曰日月迴星輪,歷遍謂曰一歲。月輪者,水珠所成,徑五十由旬,周圍百五十由旬,厚六由旬零十八分,其上復有金、銀、瑠璃、玻瓈珂等秀成四角。月天子等所居宮殿,是彼日月相去遠近自影增減,由增一分即生上半,十五分畢謂曰圓滿,由減一分即生下半。自影覆彼十五分畢曰不圓滿,由增減故名曰宿空,由一晝夜名曰宿地。如是三十,名曰一月。諸星宿者,空居天宮諸寶所成,其狀皆圓,小一牛吼、中三牛吼、大六牛吼,周圍三倍係四王眾。其妙高山有四層級,始從水際向上相去十千由旬,即初層級;從妙高山傍出十六千由旬,向上相去一萬由旬,即二層級;傍出八千由旬,向上相去一萬由旬,即三層級;傍出四千由旬,向上相去一萬由旬,即四層級。傍出二千由旬,彼妙高山其頂四角各秀一峯,高四由旬半,廣百二十五由旬,周圍五百由旬,有藥叉神於中止住。是山頂上三十三天中央,城曰善見,純金所成,高一由旬半,面各二千五百由旬,周萬由旬。其城體金,俱用百一雜寶嚴飾。其地柔軟如兜羅綿。是城四面,有一萬六千寶柱寶桴、寶椽寶簷。四面四門,又有千數闕一小門,四大衢道有諸小衢。其四門側五百天子,皆服堅鎧守護是門。城中有帝釋殿,曰最勝處亦曰殊勝殿,其狀四方,高四百由旬半,面各二百五十由旬,周千由旬。百一却敵,一一却敵各有七樓,一一寶樓各七小樓,一一小樓各七池沼,一一池沼各七蓮華,一一華上各有七數童男童女,奏種種樂歌舞歡娛。善見城東有諸所乘曰眾車苑,高千由旬;南臨戰處曰麁惡苑,西諸行處曰相雜苑,北游戲處曰歡喜苑,縱廣同前。其苑等外度二十由旬,有善地曰眾車麁惡,相雜歡喜,量同四苑。善見東北有如意樹,名波利闍多亦名圓生樹,根深五十由旬,高百由旬,枝條傍布五十由旬,能施欲樂。下有盤石,曰阿㗚(二合)摩麗歌,色白如㲲,面各五十由旬,周二百由旬。善見西南諸天集處,名善法堂,周九百由旬,其狀圓相。是堂中央有帝釋座,純金所成,其座周圍有三十二輔臣之座,咸皆布列三十三天。向上度八萬由旬,於空界中依風而住,諸寶所成離諍天宮,量若妙高山頂二倍。上度一億六萬由旬,於空界中依風而住,諸寶所成兜率天宮,量如離諍,縱廣二倍。上度三洛叉二萬由旬,於空界中依風而住,諸寶所成化樂天宮,量如兜率,縱廣二倍。上度六洛叉四萬由旬,於空界中依風而住,諸寶所成他化自在天宮,量同化樂,縱廣二倍。此即欲界。上有初禪,如是四洲、七山、妙高、輪圍、欲界六天并初禪等,謂四洲界,一數至千為小千界,一小鐵圍山圍遶。此小千界一數至千,為中千界,一中鐵圍山圍遶。此中千界一數至千,為三千大千世界,一大鐵圍山圍遶。如是有百億數四洲界等,皆悉行布。鐵圍山等諸洲山間黑暗之處,無有晝夜,舉手無見。初禪天量等四洲界,二禪天量等小千界,三禪天量等中千界,四禪天量等三千大千世界,其相去量皆倍倍增,謂曰色界。無色界者,無別處所,若有生者何處命終即彼生處,住無色定故曰無色。

物質的な世界がどのように構成されているかを説明しよう。その体は「四大種」、すなわち地・水・火・風の四つの元素から成り立っている。地は堅く、水は湿り、火は温かく、風は動く性質を持つ。これらの元素の中で最も微細なものを「極微塵」または「隣虚塵」と言い、それ以上細かく説明することはできない。

その極微塵が7つ集まって1つの「極微」となる。その極微が7つで「微塵」、微塵が7つで「透金塵」、透金塵が7つで「透水塵」、透水塵が7つで「兔毛塵」、兔毛塵が7つで「羊毛塵」、羊毛塵が7つで「牛毛塵」、牛毛塵が7つで「遊隙塵」、遊隙塵が7つで「蟣(のみ)の大きさ」、その7倍が「蝨(しらみ)の大きさ」、さらに7倍が「麦粒の大きさ」、麦粒7つで「指の一節」、3節で「一指」、24指を横に並べた長さが「一肘」、4肘で「一弓」、500弓で「一俱盧舎」、8俱盧舎で「一由旬」となる。これが世界の大きさを測る単位である。

世界が生じる原因は、すべての生きとし生けるものの共通の業(行い)による。では、どのようにして世界は生じるのか。虚空の中で十方から風が起こり、互いに激しく衝突して堅固に密着し動かなくなる。これが「妙風輪」である。その色は青白く、非常に堅固で、深さは16洛叉(1洛叉は10万)由旬、広さは無数である。そこから暖かさによって「金蔵」と呼ばれる雲が生じ、大雨が降り注ぐ。その雨は風に支えられて「底海」となり、深さは11洛叉2万由旬、広さは12洛叉3434.5由旬である。その水が激しくぶつかり合い、上層が固まって金となる。これは、熱い乳を静めて置くと表面に膜ができるようなものである。これが「金地輪」である。そのため水輪は減り、厚さは8洛叉だけとなる。残った水は金に変わり、厚さは3洛叉2万由旬となる。金輪の広さは水輪と同じで、その周囲は3倍の36洛叉1万350由旬となる。

この風輪が我々の世界(娑婆世界)の底となり、地輪と水輪の二つが四大洲の底となる。その地輪の上に再び大雨が降り注ぎ、大海ができる。それが風に吹き回されることで、精妙な集まりが集まって「妙高山」を、中程度の集まりが「七金山」を、下等な集まりが「輪囲山」を、様々な集まりが「四大洲」などを形成する。

妙高山の体は、東方(に向いた面)は銀、南方は瑠璃、西方は玻璃珂(水晶)、北方は金でできている。残りの七つの金山はすべて金でできている。四大洲の大地などは様々な素材の混合物でできており、輪囲山は鉄だけでできている。

妙高山の高さは、水面下に8万由旬あり、他の山々と比べて非常に高く優れているため「妙高山」と呼ばれる。次に、七つの金山を列挙する。 1. 踰乾陀羅山(持双山):高さ4万由旬 2. 伊沙陀羅山(持軸山):高さ2万由旬 3. 佉得羅柯山(檐木山):高さ1万由旬 4. 修騰娑羅山(善見山):高さ5千由旬 5. 阿輸割那山(馬耳山):高さ2500由旬 6. 毘泥怛迦那山(象鼻山):高さ1250由旬 7. 居民陀羅山(魚嘴山):高さ625由旬

四大洲の外側には輪囲山があり、その高さは312.5由旬である。これらの山々の広さは、それぞれの山の水面下の深さと同じである。七金山の間は、竜王たちが遊ぶ場所であり、「戯海」と呼ばれる。八つの山(七金山と輪囲山)と七つの海で、妙高山に近い海から順に次の通りである。 1. 踰乾陀羅海:広さ8万由旬 2. 伊沙陀羅海:広さ4万由旬 3. 佉得羅柯海:広さ2万由旬 4. 修騰娑羅海:広さ1万由旬 5. 阿輸割那海:広さ5000由旬 6. 毘尼怛迦那海:広さ2500由旬 7. 尼民陀羅海(居民陀羅海):広さ1250由旬 これらの海は、八つの功徳を持つ水で満たされている。 これらの八山七海は全て正方形の形をしている。外側の海(第八の海)は塩辛い味がする。

尼民陀羅山から輪囲山までの二つの山の距離は、3洛叉2万2千由旬である。その外側の海(外海)は区分されているわけではないが、妙高山の色を映して、東の海は白、南の海は青、西の海は紅、北の海は黄色に見える。このため、これらの海は「四海」と呼ばれる。その周囲は36洛叉750由旬である。外側の輪囲山の周囲は36洛叉2625由旬である。

その外海の南にあるのが「贍部洲」である。形は馬車の箱のようで、鉄囲山に面した狭い方は3.5由旬、残りの三辺はそれぞれ2000由旬で、周囲は6003.5由旬である。二つの中洲(子島)があり、東は遮摩羅(猫牛洲)、西は婆羅摩羅(勝猫牛洲)である。贍部洲の中央にある摩竭陀国は、過去・現在・未来のすべての仏陀が生まれる場所である。

そこから北へ九つの黒山を越えると、大雪山(具吉祥山)がある。その山の北側には香酔山がある。この二つの山の間には、無熱という大竜王が住んでいる。その住処である池を阿耨達池(無熱池)という。形は四角形で、一辺が50由旬、周囲200由旬であり、池は八功徳水で満ちている。この池からは四大河が流れ出ている。 - 東の𮀚伽河(ガンジス川):象の口から銀の砂を流し、五百の支流と共に東海に注ぐ。 - 南の辛渡河(シンドゥ川またはインダス川):牛の口から瑠璃の砂を流し、五百の支流と共に南海に注ぐ。 - 西の縛芻河(オクサス川またはアムダリヤ川):馬の口から玻璃珂の砂を流し、五百の支流と共に西海に注ぐ。 - 北の悉怛河(シル川またはタリム川):獅子の口から金の砂を流し、五百の支流と共に北海に注ぐ。

これらの四大河は無熱池を右回りに七周してから、それぞれの方角へ流れてゆく。

この香山の北20由旬のところに「難陀巌」という岩山がある。一辺50由旬、周囲200由旬、高さ3.5由旬である。また、八千の小岩山がある。その岩山の北20由旬のところに、「善住」という名の娑羅樹王がある。根は地中に40弓、高さは80弓あり、七重の樹木が巡らされている。その東20由旬には「緩流池」がある。形状は丸く、直径50由旬、周囲150由旬である。また八千の小池があり、八功徳水で満ちている。池の中には蓮華があり、葉は牛皮のよう、茎は車軸のよう、花は車輪のようで、味は蜜のように甘い。

この場所には、帝釈天が戦いに臨む際に乗る「善住」という名の象王がいる。この象王は八千頭の象と共に、寒の四月は金巌に、暑の四月は善住(娑羅樹林)に、雨の四月は緩流池に住む。

無熱池のほとりには「贍部樹」という木がある。その果実は味が良く、大きさは甕(かめ)のようである。熟すと水中に落ち、「贍部」という音を発する。竜がそれに化けて魚となりその果実を食べるが、食べ残しが流れに乗ってやがて贍部金となる。この木の名前に由来して、この洲は「贍部洲」と呼ばれる。

この洲の西方には烏佃国(オディヤーナ)があり、大金剛宮があり、密教(金剛乗)の祖師たちが住んでいる。金剛乗の教えはここから伝わったと言われる。南海には持船山があり、観音菩薩がその頂上に、聖多羅母(ターラー)が山の麓に住んでいる。東方には五峰の山があり、文殊菩薩がその上に住んでいる。この洲には十六の大国、千もの小国があり、360種の民族、720種の言語がある。

外海の東の洲は「勝身洲」(プールヴァヴィデーハ)である。形は半月のように、妙高山に面した辺は350由旬、他の三辺はそれぞれ60由旬で、周囲は6350由旬である。この洲の両側には二つの中洲があり、北は提訶(身洲)、南は毘提訶(勝身洲)である。これらの三洲は、他の洲よりも七多羅樹(?)ほど勝れている。あるいは、この洲の人々は容姿が端正で、その身が勝れていることから勝身洲と呼ばれる。

外海の北の洲は「鳩婁洲」(クル洲、北俱盧洲)である。形は四角形で、一辺2000由旬、周囲8000由旬である。この洲の両側には二つの中洲があり、一つは鳩婁(有勝洲)、もう一つは高羅娑(有勝辺洲)である。この洲の人々は、如意樹からすべての必要なものが得られる。しかし、死ぬ7日前になると、その如意樹が「7日後に死ぬ」という不吉な音を発するという。またある説では、この洲の人々は舌が卑しく、人間の肉を食べる鬼のような音を出すため、「鳩婁(不美音)」と呼ばれるという。

外海の西の洲は「牛貨洲」(ゴーダーニヤ、西牛貨洲)である。形は満月のように丸く、直径2500由旬、周囲7500由旬である。二つの中洲があり、南は舎𢮎(具諂洲)、北は嗢怛羅曼怛哩拏(儀上洲)である。この洲の人々は多くの財宝や牛を取引することから、牛貨洲と呼ばれる。

海や山々は、その根元はすべて地下8万由旬の金地に達している。贍部洲の近くにある星割棘洲、金洲、月洲などは、全て贍部洲に属する小島である。他の大洲にも同様に小島が属している。

次に、上空4万由旬(地上4万由旬の高さ)までは、清らかで障害がなく、優れた堅固な風輪が右回りに回っている。日月や星宿、空に住む天人たちはこれに支えられて住んでいる。

**日輪**は火の珠でできている。直径51由旬、周囲153由旬、厚さは6由旬と少し(18分)である。上部には金の縁があり、さらに金、銀、瑠璃、玻璃珂などが美しく飾り立てて四角形に整えられている。日天子などが住む宮殿は風の力で運行し、昼夜の間に四大洲を一周する。太陽が北に進むと昼は長くなり、南に進むと昼は短くなり、南北の間(春分・秋分)にある時は昼夜の長さが等しくなる。軌道によって光が強くなったり弱くなったりするため、寒暖の差が生じて冬と夏の区別ができる。北に6ヶ月、南に6ヶ月進み、中央の道(冬至・夏至)に至ることを「日月星の輪が巡る」と言い、ひと巡りすることを「一年」という。

**月輪**は水の珠でできている。直径50由旬、周囲150由旬、厚さは6由旬と少し(18分)である。その上には金、銀、瑠璃、玻璃珂などが美しく飾り立てて四角形に整えられている。月天子などが住む宮殿がある。月と太陽の距離の遠近によって月自身の影が増減する。その影が1分増えると上弦となり、15分増えると満月となる。影が1分減ると下弦となり、15分減ると新月(不円満)となる。この満ち欠けによって、月は「宿空」と呼ばれ、一昼夜を「宿地」という。このようにして30日で一ヶ月となる。

**星宿**は、空に住む天宮であり、様々な宝でできている。形はすべて丸く、小さなものは一牛吼、中くらいは三牛吼、大きなものは六牛吼の大きさで、その周囲は三倍である。これらは四天王の眷属である。

**妙高山**には四つの層(段)がある。 1. 水際から上方に1万由旬のところにある第一層。妙高山の山腹から1万6千由旬張り出している。 2. そこから更に上方1万由旬のところにある第二層。張り出しは8千由旬。 3. さらに上方1万由旬のところにある第三層。張り出しは4千由旬。 4. さらに上方1万由旬のところにある第四層。張り出しは2千由旬。

妙高山の頂上には、四隅にそれぞれ高さ4.5由旬、広さ125由旬、周囲500由旬の峰があり、夜叉神がそこに住んでいる。

この山頂にある三十三天の中央には、「善見城」という城がある。純金でできており、高さ1.5由旬、一辺2500由旬、周囲1万由旬である。城の本体は金であり、百一種の様々な宝で飾られている。その地面は兜羅綿(コットンのようなもの)のように柔らかい。城の四方には、1万6千本の宝の柱、宝の梁、宝の軒がある。四方に門があり、それぞれ小さな門が千ずつある。四つの大きな通りには、多くの小さな通りがある。四つの門の側には、堅い鎧を着た五百の天子たちがいて門を守っている。

城の中には帝釈天の殿があり、「最勝処」または「殊勝殿」と呼ばれる。形は四角形で、高さ400.5由旬、一辺250由旬、周囲1000由旬である。百一の楼閣(却敵)があり、それぞれの楼閣には七つの高楼、その高楼には七つの小楼、その小楼には七つの池、その池には七つの蓮華があり、その蓮華の上にはそれぞれ七人の童男童女がいて、様々な楽器を奏で、歌い舞い楽しんでいる。

善見城の東には「衆車苑」、南には「麁悪苑」、西には「相雑苑」、北には「歓喜苑」という、様々な乗り物、臨戦、遊行、遊戯のための苑がある。その高さはいずれも1000由旬で、広さも同様である。これらの苑から20由旬離れたところに、同じ大きさの善地(衆車、麁悪、相雑、歓喜)がある。善見城の北東には如意樹(波利闍多樹、円生樹)があり、根は深さ50由旬、高さ100由旬、枝葉は周囲50由旬に広がり、望みのままの快楽を与えてくれる。その下には「阿㗚摩麗歌」という白い盤石があり、一辺50由旬、周囲200由旬である。善見城の南西には、諸天が集まる「善法堂」がある。周囲900由旬で、形は丸い。堂の中央には帝釈天の座があり、純金でできている。その周りには、三十二人の輔臣の座が整然と並べられている。これらが三十三天である。

上方8万由旬の空界には、風に支えられて、様々な宝でできた離諍天の宮殿がある。その大きさは妙高山の頂上の二倍である。さらにその上方1億6万由旬の空界には、風に支えられて、様々な宝でできた兜率天の宮殿がある。その大きさは離諍天と同じで、縦横はその二倍である。さらにその上方3洛叉2万由旬の空界には、風に支えられて、様々な宝でできた化楽天の宮殿がある。大きさは兜率天と同じで、縦横はその二倍である。さらにその上方6洛叉4万由旬の空界には、風に支えられて、様々な宝でできた他化自在天の宮殿がある。大きさは化楽天と同じで、縦横はその二倍である。これらが欲界の六天である。

この上に初禅天がある。このように、四大洲、七金山、妙高山、輪囲山、欲界六天、そして初禅天までを一つの「四洲界」という。この四洲界を千集めたものが「小千世界」であり、一つの小さな鉄囲山がそれを囲んでいる。この小千世界を千集めたものが「中千世界」で、一つの鉄囲山が囲む。この中千世界を千集めたものが「三千大千世界」であり、一つの巨大な鉄囲山が囲んでいる。このようにして、百億もの四洲界などが整然と配置されている。

鉄囲山や諸


彰所知論序
2 情世界品

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