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  1. 摧魔怨菩薩破他陳敵法 (摧魔怨菩薩破他陳敵法)
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転法輪菩薩摧魔怨敵法 (轉法輪菩薩摧魔怨敵法)

「轉法輪菩薩摧魔怨敵法」について

唐 · 底本の訳者:不空

1,518 字 · 約 5 分

唐代の高僧、不空三蔵が漢訳した『転法輪菩薩摧魔怨敵法』は、密教の経典であり、『大正蔵』の密教部に収録されています。この経典は、転法輪菩薩が魔の怨敵を降伏させ、正しい教えを護持するための修行儀軌と真言・呪文を説いており、唐代に密宗が隆盛した時期における、魔を降ろし法を護る思想の重視を反映しています。経中では、観想・供養・呪文誦持などの法門が詳述され、修行者が内外の障害を打ち破り、菩提を成就することを助けることを目的としています。密教における重要な儀軌文献として、この経典は、智慧と慈悲をもって怨敵を和らげるという仏教の核心的な教義を体現しており、唐代における密法の伝播と実践を研究する上で重要な手がかりを提供しています。


轉法輪菩薩摧魔怨敵法

転法輪菩薩が魔の怨敵を打ち破る法

大興善寺三藏沙門大廣智不空奉 詔譯

大興善寺三蔵沙門大広智不空 奉勅訳

爾時摧魔怨菩薩白佛言:「世尊!諸菩薩等各各已說祕密真言教法。世尊!我今為欲未來末法之時,護持國王及護國界諸有情故,說祕蜜祕勝最密中祕密摧魔怨敵法。唯願世尊哀愍聽許。」佛言:「便說。」「世尊!若有隣國擾侵國界,或自國內軍眾寡少或復怯弱,或有不臣起惡叛逆,即應取苦楝木而作一幢,長十二指周圓八指,削令極圓。如世尊所勅一切天龍八部,令護諸國護諸國王,及護國界一切有情,為除災禍令得安樂。若難起時,皆圖畫彼護國土神於幢上。

その時、摧魔怨菩薩は仏に申し上げました。 「世尊よ、諸菩薩たちはそれぞれ秘密の真言教法を説かれました。 世尊よ、私は今、未来の末法の時代に、国王を護り、国境とそこに住む一切の有情を守るために、最も秘密にされた中でも極秘の、魔怨敵を摧破する法を説きたいと存じます。 どうか世尊、哀れみをもってお聞き入れください。」

仏は言われました。 「説くがよい。」

「世尊よ、もし隣国が国境を侵し乱すことがあれば、あるいは自国の軍勢が少なく、また臆病で弱い場合、あるいは臣下に従わず悪逆を起こす者がいるならば、すぐに苦楝の木を取って一本の幢を作りなさい。 長さは十二指、周囲は八指とし、極めて円くなるよう削りなさい。 世尊がお命じになったように、一切の天龍八部に、諸国を護り、諸国王を守り、国境の一切の有情を護り、災いを除いて安楽を得させなさいと。 もし難が起こった時は、その国土を護る神々の姿を、この幢の上に描きなさい。」

「如此大唐護國土者,所謂毘首羯磨藥叉、劫比羅藥叉、法護藥叉、肩目藥叉、廣目藥叉、護軍藥叉、珠賢藥叉、滿賢藥叉、持明藥叉、阿吒縛俱藥叉(已上十大藥叉);嚩蘇枳龍王、蘇摩那龍王、補沙毘摩大龍王(已上三大龍王);訶利帝大天后、翳囉嚩蹉大天后、雙目大天后(已上三大天后),各有五千神將以為眷屬。

かくのごとく、大唐の国土を護る者とは、いわゆる毘首羯磨薬叉(びしゅかつまやくしゃ)、劫比羅薬叉(こひらやくしゃ)、法護薬叉(ほうごやくしゃ)、肩目薬叉(けんもくやくしゃ)、広目薬叉(こうもくやくしゃ)、護軍薬叉(ごぐんやくしゃ)、珠賢薬叉(しゅけんやくしゃ)、満賢薬叉(まんけんやくしゃ)、持明薬叉(じみょうやくしゃ)、阿吒縛倶薬叉(あちょうぶくやくしゃ)——以上の十大薬叉——である。 また、嚩蘇枳竜王(ばそきりゅうおう)、蘇摩那竜王(そまなりゅうおう)、補沙毘摩大竜王(ほしゃびまだいりゅうおう)——以上の三大竜王——であり、 さらに、訶利帝大天后(かりていたいてんご)、翳囉嚩蹉大天后(えいらばさだいてんご)、双目大天后(そうもくだいてんご)——以上の三大天后——である。 これらの者たちには、それぞれ五千の神将が眷属として従っている。

「所應畫者皆畫本形,執持幖幟圖於幢上,又於幢頂上書無礙王十字佛頂真言,末後吒字在輪臍中。所有怨敵叛逆主帥,當書彼名於輪輻間。於幢底圖畫一輪,具足八輻,如上吒字置輪臍中。若災難起時,應請一解法之人,於此教中曾稟受者,於其中夜圖一方壇,於方壇上重畫三角壇,立於此幢在壇中央,於壇四面著種種食飲并二閼伽,燒安悉香及然酥燈。其解法者面南而坐。

描くべきものは全て本来の姿を描き、標識を持たせて幡の上に図を描く。また幡の頂上には無礙王十字仏頂真言を書き、最後の「吒」の字は輪の中心に置く。すべての怨敵や謀反を起こす主将の名は、輪の輻の間に書く。幡の底には一つの輪を描き、八本の輻を具え、先述の「吒」の字を輪の中心に置く。もし災難が起こった時は、この教えを受けたことのある解法の者を一人招き、真夜中に四角い壇を描き、その上に重ねて三角の壇を描く。この幡を壇の中央に立て、壇の四面に様々な飲食と二つの閼伽を供え、安悉香を焚き、酥燈を灯す。解法の者は南を向いて座る。

「即結一切如來鉤印。以二手內相叉作拳,以右頭指為鉤。及誦真言稱名,請召十六大護及其眷屬、大威德諸神將等壇中供養。」

まず、一切如来の鉤印を結びます。 両手の指を内側に組み合わせて拳を作り、右手の人差し指を鉤の形にします。 そして真言を唱え、その名を称えながら、十六大護とその眷属、大威徳を持つ諸神将などを壇に召し出し、供養を行います。

「如來鉤真言曰:

如来の鉤真言は曰く:

「􄖩曩􄗰莫􄙺薩􄗥滿􆩖多􄙖沒􄦽馱􄕕喃􆿔噁􄙺娑􅞣嚩􄩟哆羅二合引􄪼鉢囉二合􄕙底􄚨賀􄕗哆􄕗怛􄕤佗引􄑘蘖􈂩擔􄑄俱􄙢舍􄗕冐􄕽地􄑼左􅝩哩野􄖵播􄙀哩􄖹布􄗽囉􄑀迦􅁥婆嚩二合􄚩賀引」

これは大悲心を象徴する陀羅尼(呪文)の一部であり、「帰依し奉る。真実に悟りを開いた方々に。全てを清め、智慧の光で照らし、善なる言葉と行いをもって、安らぎと祝福をもたらしますように」という意味が込められています。

「行者次當入三世勝金剛忿怒三摩地,觀威德熾盛,四面八臂,左蹈􆿉塢􄗥摩天后,右脚蹈摩醯首羅天。

修行者は次に、三世に勝る金剛の忿怒三摩地に入るべし。その威徳は熾盛にして、四面八臂、左足は烏摩天后を踏み、右足は摩醯首羅天を踏む姿を観想する。

「則結三世勝印。以二手金剛拳,檀慧互相鉤,直竪於進力。成已,誦真言三五或七遍。真言曰:

三世を結ぶ勝印を結びます。両手で金剛拳を作り、親指と小指を互いに絡めて、人差し指をまっすぐに立てます。印を結んだら、真言を三回、五回、または七回唱えます。真言は次の通りです。

「􇩂唵􈂼遜􆫌婆􄖫儞􈂼遜􆫌婆􇩴吽􄗁發􈁆吒􈃈吃哩二合􈁒賀拏二合􈃈吃哩二合􈁒賀拏二合􇩴吽􄗁發􈁆吒􈃈吃哩二合􈁒賀拏二合􄖵跛􄗱野􆿁吽􄗁發􈁆吒􆿆阿引􄖩娜􄗱野􈁟斛引􄗙婆􄑘誐􄙠鑁􄙖嚩􄦽日囉二合􆿁吽􄗁發􈁆吒」

オン・ウン・ソワカ・ハン・ソワカ・ウン・ハッタ・キリ・キリ・キャハナ・キャハナ・ウン・ハッタ・キリ・キャハナ・バ・ヤ・ウン・ハッタ・アー・ナ・ヤ・ホー・バ・ガ・バン・バ・バ・ジラ・ウン・ハッタ

「復次即結上方諸天教勅印。以二手各作金剛拳,二頭指互相旋繞。結印成已,而教勅言:『汝等十六大護大藥叉將等,受佛付囑護持國王及護國界一切有情,令得安樂,辟除災禍。今我國境有某難事,汝等大護助我軍陣摧破怨敵。汝等當令彼軍被縛迷悶,令某荒亂,使我軍兵強盛得勝。』作是勅已即誦真言三遍曰(已下召請諸天並同此結本印):

さらに、上方の諸天を教え勧める印を結びます。両手をそれぞれ金剛拳にし、両方の人差し指を互いに絡ませて回します。印を結び終えたら、次のように教え勧めます。

「汝ら十六大護の大薬叉将たちよ、仏より託されて国王を守り、国境とすべての有情を護り、安楽を得させ、災禍を除くことを受けよ。今、我が国境にこのような難事がある。汝ら大護よ、我が軍を助け、敵を打ち破らせよ。汝らは敵軍を縛り、混乱させ、彼らを荒れ乱れさせ、我が軍を強くし、勝利を得させよ。」

このように勧めた後、真言を三遍唱えます(以下、諸天を召請する際も同様にこの本印を結びます):

「􆿁吽􄖵跛􈁖里入􄕙底􇧹娜嚩二合􈁖里入􄕢多入􄙖嚩􄦽日囉二合􄑀羯􅞻灑􄚲唅􄓁若」

「オン・ウン・バ・リ・ニュウ・リュウ・テイ・ナ・ワ・バ・リ・ニュウ・タ・ワ・バ・ジ・ラ・カッ・シャ・ウン・ニャク」

「復次當結遊虛空諸天教勅印。以二手金剛縛,屈二頭指以甲相背,並竪二空押於二風。結印成已,一依前文而教勅已,即三遍誦真言曰:

次に、虚空を遊行する諸天を教え勧める印を結ぶべし。両手を金剛縛とし、二本の頭指を曲げて爪を背中合わせにし、二本の親指を並べて立てて二本の人差し指に押し当てる。印を結び終えたら、先の文に従って教え勧め、直ちに三遍真言を唱える。曰く、

「􇩂唵􄙖嚩􄦽日囉二合􄥟蘖囉二合􄖶跛􄓲拏􄗱野􄙖嚩􄦽日囉二合􈅼吽」

「オン・バザラ・ギャラ・ハル・ナヤ・バザラ・フーン」

「復次當結住虛空諸天教勅印。如降三世印,二食相繞,以印安於頂上即是。結印已,一依前文而教勅言,即誦真言三遍曰:

次に、虚空に住む諸天を教え導く印を結ぶこと。降三世印のように、両手の指を絡め合わせ、その印を頂上に置くこと。印を結んだ後、先の文に従って教え導く言葉を唱え、真言を三遍唱える。

「􇩂唵􄙖嚩􄦽日囉二合􄗥摩􄙋囉􄥟吃囉二合􄙠鑁」

「オン バザラ モーラ キリ バン」

「復次當結地居諸天教勅印。以二手金剛縛,舒二風頭相合,如金剛護菩薩印即是。結印已,一依前文而教勅言,即三遍誦真言曰:

次に、地上に住む天部を教え導く印を結びます。両手を金剛縛に組み、両方の人差し指を伸ばして先端を合わせます。これは金剛護菩薩の印と同じです。印を結んだら、先ほどの教え導く言葉を唱え、続いて真言を三回唱えます。

「􇩂唵􄙖嚩􄦽日囉二合􄙖滿􆩺馱􄚲憾」

「オン、バザラ、マンダ、カン」

「次結地底諸天教勅印。以二手各展令掌向外,二空頭相捻,二風相鉤,二火以頭相拄。以印安於眉間,一依前文而教勅言,即三遍誦真言曰:

次に、大地の底に住む諸天を教え導く印を結ぶ。両手をそれぞれ伸ばし、手のひらを外に向け、両手の親指の先を合わせ、両手の人差し指を互いに絡め、両手の中指の先を突き合わせる。この印を眉間に置き、先の文に従って教え導く言葉を唱え、真言を三回誦す。

「􇩂唵􄚩賀􄙂嚕􄑀迦􄙖嚩􄦽日囉二合􄙺娑􄗥摩􄗱野􄙺娑􅞣嚩􈇚努􆵋瑟吒二合􄙺娑􄗥麼􄗱野􈁃母􄩷捺囉二合􄪼鉢囉二合􈃽憾􄒶惹􄑀迦􆿁吽􄗁發􈁆吒」
「既啟告已,則結慧手作金剛拳,按於幢上,誦十字佛頂真言一百八遍。

お告げを済ませたら、智慧の手を金剛拳に結び、幡の上に置き、十字仏頂真言を百八遍唱えます。

「欲誦此十字佛頂真言,先應結印,誦之七遍。印以二手內相叉為拳,二空入於掌中,二風各屈拄二空背即是。誦真言曰:

この十字仏頂真言を誦えんと欲するには、まず印を結び、七遍誦すべし。印は、両手を内側に組み合わせて拳とし、両手の親指を掌中に入れ、両手の人差し指をそれぞれ曲げて、両親指の背に当てる。これが即ち印なり。真言を誦して曰く。

「􇩂唵􄙖嚩􄦽日囉二合􄙺薩􆪤怛舞二合􈃇瑟抳二合􄙮灑􆿁吽􄗁發􈁆吒」

「オン、バサラ、サタ、ウシュニシャ、ホウ、ハッタ」

「念誦已,即更焚香獻花。即捧閼伽,奉為帝王并及百姓發廣大利益安樂殊勝之願。即結金剛縛,竪合二火即成。誦金剛解脫真言三遍,送聖眾各還本宮。真言曰:

念誦を終えたら、すぐにまた香を焚き、花を捧げます。次に閼伽水を捧げ、帝王とすべての民のために、広大な利益と安楽、殊勝な願いを発します。そして金剛縛の印を結び、二本の指を火のように立てて完成させます。金剛解脱真言を三遍唱え、聖衆をそれぞれの本宮にお送りします。真言は次の通りです。

「􇩂唵􄙖嚩􄦽日囉二合􈂨穆」

「オン、バーザ、ム」

「法事已訖,則收幢於淨函或篋安置,供養食飲等依法送往河流之中。」

法要が終わりましたら、幡を清らかな箱や籠に収めて安置し、供物や飲み物などは、法に従って川の流れに送ります。

摧魔怨菩薩破他陳敵法

魔怨を摧破する菩薩の他陣敵破法

發軍時節依宿曜日量

軍を発する時は、宿曜の日を選び、その吉凶を量る。

貞享三年九月十九日一校正了

貞享三年九月十九日に校正を完了しました。

河南延命沙門淨嚴(四十有八)

河南の延命沙門・浄厳(四十八歳)


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