二十八藥叉大將名號
二十八薬叉大将の名号
不空譯抄之
不空訳写本
東方四藥叉名:
東方の四薬叉の名は、
你你逸反伽去(一),蘇寗怛落二合(二),布羅拏迦(三),劫比攞(四)。
一反逸伽を去る(一)、蘇し、寗を怛落に(二)、布羅を拏迦に(三)、劫に比攞を(四)。
南方四藥叉名:
南方の四人の薬叉の名は次のとおりです。
僧思孕反賀(一),𢞬跛僧賀(二),餉企攞(三),難上那(四)。
1つ目は(一)、僧思孕反(そうしいんぽん)よる「賀」ということ。 2つ目は(二)、覚慧跛(かくえは)よる僧賀(そうが)ということ。 3つ目は(三)、覚餉企攞(かくしょうきら)ということ。 4つ目は(四)、難那(なんな)の上に「𭿬」(なん)を置くということ。
西方四藥叉名:
四方向の夜叉の名は次の通り。
賀落(一),賀哩計爍(二),鉢羅二合僕(三),氷伽羅(四)。
抜け落ちたものを清め、清めたものをさらに清め、 全てを清らかにする者、尊き方よ。 二度と汚れることのない、あの清らかな境地へと、 私を導いてください。
北方四藥叉名:
北方の四薬叉の名前は、次のとおりです。
駄羅拏(一),駄羅難弩(二),嗢你庾二合業播路(三),尾瑟弩(四)。
ダラーニャ(一) ダラニャンヌ(二) オンユギョウハロ(三) ビジヌ(四)
四維藥叉名:
四方に住む薬叉の名は次の通りです。
半止脚(一),半者攞巘拏(二),娑跢儗哩(三),彥麼嚩多(四)。
半身を止める、片足を上げる(一)。 半身の者は、羅睺羅と阿脩羅を取る(二)。 また、娑跢儗哩(三)を讃え、毘摩質多羅(四)を称える。
地四藥叉名:
四番目の薬叉の名は、
步莫(一),蘇上步莫(二),迦引落(三),𢞬波迦引羅(四)。
一歩、進んではいけません。 二歩、ただ立ち止まりなさい。 三歩、空の彼方へと歩みなさい。 四歩、智慧の完成へと至りなさい。
空四藥叉名:
四人の薬叉が名を空にした者とは、
素哩野二合(一),素謨(二),阿儗𩕳二合(三),嚩引庾(四)。
素哩野(一)、素謨(二)、阿儗𩕳(三)、嚩引庾(四)。
具如本經文略抄之。
本経の文のとおりに、簡略に書き写したものである。
師曰:護摩壇唱禮之時,可唱此二十八部藥叉之名(云云)。
師は言われた。「護摩の壇で唱礼する時には、この二十八部の薬叉の名を唱えるべきである。」
或人云:半之迦是正了知也(云云),是極謬也。正了知與半只迦是遙異也,全不可云同。故最勝王經正了知之外列半之迦,故知是應別藥叉(云云),是極僻事也。
ある人が言うには、「半之迦(はんしか)とは『正了知(しょうりょうち)』のことである」と。しかし、これは全くの誤りである。「正了知」と「半之迦」はまったく別ものであり、同一視することは到底できない。なぜなら、『最勝王経』では「正了知」とは別に「半之迦」が挙げられているからであり、したがってこれらは異なる薬叉(やしゃ)であると知るべきである。このような解釈は、実に道理に外れたものである。
久安五年五月二十日,朝移點校勘了。
久安5年5月20日、朝に移して校合を終えました。
比丘彌伊記之
比丘弥伊記之(びく みいき これをおさむ)