不退轉品第十一
不退転の章 第十一
於時寶女!即以十億百千貴價珠瓔,貢上大聖,口宣斯言:「唯然,世尊!其有菩薩遵修奉順此法行者,則具佛法悉能普備。如茲受決,處佛道場,降伏眾魔怨敵之讎,以不退轉印而印之,當造斯觀。」
その時、宝女は十億百千もの高価な真珠の首飾りを聖者に捧げ、こう述べました。「尊き方よ、この教えに従い、実践する菩薩は、仏の教えを完全に身につけることができます。このようにして授記を受け、仏の悟りの場に立ち、すべての悪魔や敵対するものを打ち負かし、不退転の印を押されたのです。このように観じるべきです。」
時,舍利弗謂寶女曰:「汝豈能知諸菩薩行不退轉印所可印乎?」
その時、舎利弗が宝女に尋ねました。「あなたは、すべての菩薩が不退転の悟りを得る印について、どのようなものかを知っていますか?」
於時寶女答舍利弗以偈頌曰:
「人界及法界, 審諦解平等;
了斯無二際, 則不退轉印。
其過去諸佛, 當來并現在;
法界皆平等, 逮成不退轉。
諸所有境界, 并無為之界;
寂寞轉空議, 覺成不退轉。
本際無崖底, 不得及邊畔;
一時等能解, 覺了不退轉。
其有方俗法, 如行之所趣;
智慧觀平夷, 覺了不退轉。
如魔之境界, 佛界則平等;
相應為一類, 以是印見印。
其婬怒癡者, 欲塵不可限;
覺了諸想著, 達解不退轉。
生死及無為, 道教則寂然;
等解於滅度, 覺了不退轉。
五陰道如之, 有二分別慧;
猶如幻貌像, 明哲無思想。
計於四種者, 猶如虛空界;
曉了無可取, 真印而見印。
覺眼則為道, 解空無所著;
若眼道如之, 以等上平等。
諸入皆如是, 道空常平均;
當作是了知, 以此印見印。
眾生之所念, 一心悉知之;
則無所罣礙, 斯故不退轉。
一切群萌根, 卑劣妙中間;
于彼度無極, 逮成不退轉。
辯才無罣礙, 無逝無所住;
億劫中誦說, 其法不可盡。
虛空尚可盡, 風可尚執持;
彼明辯才慧, 則不可盡極。
總持行如斯, 攬攝一切法;
名德不違心, 不失于博聞。
其十方諸佛, 導師所說法;
皆得于總持, 慧心念不忘。
於過去千劫, 所聞大聖法;
諮問真諦教, 善學於總持。
斯等總持然, 辯才亦如之;
智惠及諸根, 逮成不退轉。
以空印諸法, 無著無所拔;
以印印於空, 故曰不退轉。
虛空印諸法, 清淨無所有;
曉了此本際, 以印不退轉。
諸因緣法無, 因緣其惟行;
因緣則非真, 諦相一切法。
諸法相猶幻, 猶如虛空相;
以是相印之, 印於不退轉。
一切眾生行, 色聲之禮節;
一時普能現, 覺了不退轉。
於施捨無量, 功德常無盡;
供養虛空界, 至誠命為一。
禁戒高無極, 懷來致佛戒;
無限無有量, 等遊若虛空。
一切眾生禁, 學不學緣覺;
及不退轉戒, 十六分無倫。
忍辱悉盡極, 遵修無所生;
成就此忍辱, 逮成不退轉。
精進無限量, 方便不可極;
悅可群萌類, 精進為大仙。
常為專志定, 無亂善謹慎;
普見一切法, 無諍定三昧。
逮無礙智惠, 淨除所覩處;
得佛之尊行, 淨土令成就。
慧飛度無極, 善學於善權;
以佛印見印, 遵修于道行。
其行不可知, 志性何所療?
積行無邊際, 開化于眾生。
諸聲聞緣覺, 一切魔異學;
緣不能及知, 大人之所行。
彼不著諸行, 感動神足定;
解空無所有, 皆讀逮所興。
來過而出生, 示現佛形像;
坐於佛樹下, 則轉于法輪。
普現諸國土, 面見十方佛;
譬若如日月, 等遊于虛空。
示現取滅度, 隨大信樂乘;
不違示斯印, 其印不退轉。
無限如虛空, 智慧普若斯!
不退轉之法, 曉了道如斯!」
「人界と法界、 審らかに諦めて平等と解し、 これに二際なしと了れば、 則ち不退転の印を得ん。
過去の諸仏、 未来及び現在も、 法界は皆平等にして、 不退転を成就す。
諸ある境界、 及び無為の界も、 寂寞として空議に転ず、 覚りて不退転を成ず。
本際に崖底なく、 辺畔に及ぶこと得ず、 一時に等しく解き得て、 覚りて不退転を了ず。
其の方俗の法あり、 行く所の趣きの如く、 智慧は平らかに観じ、 覚りて不退転を了ず。
魔の境界の如く、 仏の界も則ち平等、 相応して一類となり、 是を以て印を印にて見る。
婬・怒・痴の者も、 欲塵限りなしと、 諸の想いを覚り了して、 達解し不退転を成ず。
生死及び無為も、 道教は則ち寂然、 滅度を等しく解し、 覚りて不退転を了ず。
五陰の道是の如く、 二分別の慧あり、 猶お幻の貌像の如く、 明哲には思想なし。
四種を計る者は、 猶お虚空界の如し、 取るべきなしと暁了し、 真の印をもって印を見る。
眼を覚れば則ち道なり、 空は無著と解し、 若し眼と道と是の如くならば、 等しくして上平等を以てす。
諸の入は皆是の如し、 道と空とは常に平均なり、 当に是の如く了知すべし、 此の印をもって印を見る。
衆生の念う所に、 一心に悉く之を知る、 則ち罣礙あることなし、 是故に不退転なり。
一切の群萌の根、 卑劣・妙・中間、 彼に於て度無極に達し、 不退転を成就す。
弁才に罣礙なく、 逝かず住する所なし、 億劫の中に誦説すれども、 其の法は尽きること不可。
虚空すら尚お尽くすべく、 風すら尚お執持すべし、 彼の明弁・才慧は、 則ち尽き極むこと不可なり。
総持の行是の如く、 一切法を攬摂す、 名徳は心に違わず、 博聞を失わず。
其の十方の諸仏、 導師の説きたもう法、 皆総持を得、 慧心は念じて忘れず。
過去千劫に於て、 聞く所の大聖の法、 真諦の教えを諮問し、 善く総持を学ぶ。
斯等の総持然り、 弁才も亦た是の如し、 智慧及び諸根、 不退転を成就す。
空を以て諸法に印し、 著なし、抜く所なし、 印を以て空に印す、 故に曰く不退転。
虚空は諸法に印す、 清浄にして所有なし、 此の本際を暁了し、 印を以て不退転す。
諸因縁の法は無し、 因縁は其れ惟だ行なり、 因縁は則ち真ならず、 諦相は一切法なり。
諸の法相は猶お幻の如く、 猶お虚空の相の如し、 是の相を以て之に印する、 不退転に印す。
一切衆生の行、 色声の礼節を、 一時に普く能く現ず、 覚りて不退転を了ず。
施に於て捨つこと無量、 功徳は常に尽きず、 虚空界を供養し、 至誠に命を一とす。
禁戒は高くして無極、 懐来して仏戒に至る、 無限にして量あることなし、 等しく遊ぶこと虚空の若し。
一切衆生の禁、 学・不学・縁覚、 及び不退転の戒、 十六分の倫なし。
忍辱は悉く尽極し、 遵修して無所生、 此の忍辱を成就し、 不退転を成就す。
精進は限量なし、 方便は極むべからず、 群萌の類を悦可し、 精進して大仙となる。
常に専志の定の為、 乱れず善く謹慎、 普く一切法を見、 無諍の定三昧。
無礙の智慧に達し、 覩所の処を浄除し、 仏の尊行を得て、 浄土を令て成就す。
慧は飛度して無極、 善く善権を学ぶ、 仏印を以て印を見て、 道行を遵修す。
其の行は知るべからず、 志性は何をか療せん? 積行は辺際なく、 衆生を開化す。
諸の声聞・縁覚、 一切の魔・異学、 縁りて能く知るに及ばず、 大人の行う所。
彼は諸の著なし、 感動の神足定、 空を解して所有なし、 皆読みて所興に達す。
来過して出生し、 仏の形象を現じ、 仏樹の下に坐し、 則ち法輪を転ず。
諸の国土に普く現じ、 十方の仏を面見す、 譬えば日月の若く、 等しく虚空に遊ぶ。
現じて滅度を取り、 大信楽の乗に随う、 斯の印に違わず示現す、 其の印は不退転。
無限にして虚空の如く、 智慧普く斯の若し! 不退転の法を、 道を暁了すること斯の如し!」
於是寶女說此頌已不退轉印時,三千大千世界為大震動,五千菩薩得不退轉受別之印。世尊則讚彼寶女曰:「善哉善哉!快說斯言,能演菩薩不退轉印」。