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  1. 仏説聖大総持王経 (佛說聖大總持王經)
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仏説聖大総持王経 (佛說聖大總持王經)

「佛說聖大總持王經」について

宋 · 底本の訳者:施護

1,561 字 · 約 5 分

仏説聖大総持王経は、宋代の訳経僧・施護によって翻訳されました。本経は密教経典に属し、インド密教の興隆期に誕生し、後に中国に伝わりました。経文の核心は大総持法門を説き、特定の陀羅尼(真言)を誦持することによって一切の仏法を総持し、災いを消し厄を解き、智慧を増長させ、世俗と出世間のあらゆる利益を成就できることを強調しています。この経典は、密教が音声と総持を重視する特徴を体現しており、漢伝仏教において唐宋時代の密法と陀羅ニ信仰を研究する重要な文献として、仏法が万法を摂持する円融の智慧を示しています。


佛說聖大總持王經

仏説聖大総持王経

西天譯經三藏朝散大夫試鴻臚少卿傳法大師臣施護奉 詔譯

施護が詔を奉じて訳す

如是我聞:

このように私は聞きました。

一時世尊在舍衛國祇樹給孤獨園。是時阿難安居異處守夏既滿,從彼默然來詣佛會。至佛會已,五體投地禮佛雙足,退坐一面顒俟佛誨。

あるとき、世尊は舍衛国の祇樹給孤独園におられました。ちょうどそのころ、阿難は別の場所で夏安居を過ごし、その期間が満ちると、静かにそこを発って仏のもとへと向かいました。仏のもとに着くと、五体投地して仏の両足を礼拝し、退いて一方に座り、仏の教えを仰ぎ望んで待ちました。

爾時世尊告阿難言:「阿難!我今為欲利益一切有情故,說大陀羅尼章句,汝當諦聽。」是時阿難受佛教勅,身心凝然合掌而住。

そのとき、世尊は阿難に告げられました。「阿難よ、私は今、すべての生きとし生けるものの利益のために、大いなる陀羅尼の章句を説こう。よく聴きなさい。」そこで阿難は、仏の仰せをいただき、身も心も静かに落ち着けて、合掌してその場にとどまりました。

佛言:「阿難!我有摩訶陀羅尼大總持王,乃是過去七十七俱胝如來之所宣說,我亦隨喜。阿難!此大陀羅尼章句,能令有情得大安樂,威德勢力悉皆具足。若有善男子善女人獲得值遇者,作是思惟:『此大陀羅尼希有難遇,譬若如來應正等覺出現於世難得值遇,亦如優曇鉢花希有難見。』當作是念,諦信供養。」

仏がおっしゃいました。「阿難よ、私には摩訶陀羅尼大総持王というものがあり、これは過去七十七俱胝の如来たちが説かれたもので、私もこれを喜びます。阿難よ、この大陀羅尼の章句は、生きとし生けるものに大きな安楽を与え、威徳と勢力をすべて具えさせるものです。もし善男子や善女人がこれに出会うことができたなら、こう思うべきです。『この大陀羅尼は希有で出会いがたい。ちょうど如来・応正等覚が世に現れることが得がたいように、また優曇鉢花が希有で見がたいように。』このように思い、深く信じて供養しなさい。」

爾時世尊復謂阿難言:「若有善男子善女人,於此大陀羅尼章句志心受持讀誦供養者,刃不能傷、毒不能中、火不能燒、水不能漂、王法不加、永無夭歿,至於天人、阿修羅、摩嚕多、迦樓羅、乾闥婆、緊曩羅、摩睺羅伽、夜叉、羅剎畢哩多、毘舍遮、鳩槃茶、布單曩、阿波三摩嚕諸如是等造作惡法行不饒益者亦不能侵害,乃至幻術邪明諸惡法等亦不能嬈亂。又復瘧病,一日二日三日四日或復多日或復須臾,或復風癀、或復痰癊,乃至頭痛,如是等病亦不能為害。」

そのとき、世尊はふたたび阿難に告げて言われた。「もし善い男子や善い女子が、この大陀羅尼の章句を心から受け持ち、読み誦し、供養するならば、刃物は傷つけることができず、毒は害することができず、火は焼くことができず、水は流すことができず、王法も及ぼされることがなく、永遠に夭折することもない。また、天人、阿修羅、摩嚕多、迦樓羅、乾闥婆、緊曩羅、摩睺羅伽、夜叉、羅剎畢哩多、毘舍遮、鳩槃茶、布單曩、阿波三摩嚕といった、悪法を作り、利益をもたらさない行いをする者たちも害を加えることができない。さらに、幻術や邪悪な明呪などの悪法も乱すことができない。また、瘧病が、一日、二日、三日、四日、あるいは多くの日、あるいはまたたく間に、あるいは風癀、あるいは痰癊、さらには頭痛、このような病も害をなすことができない。」

爾時世尊即說陀羅尼曰:

そのとき、世尊はただちに陀羅尼を説かれた。

「怛儞也(二合)他(引)(一)入嚩(二合)隷摩訶入嚩(二合)隷(二)入嚩(二合)羅儞摩訶入嚩(二合)羅儞(三)怛波儞摩訶怛波儞(四)入嚩(二合)隷帝(五)郁枳目枳(六)三半儞摩訶三半儞娑嚩(二合引)賀(引)(七)」

ただに他に、入嚩隷、摩訶入嚩隷、入嚩羅儞、摩訶入嚩羅儞、怛波儞、摩訶怛波儞、入嚩隷帝、郁枳目枳、三半儞、摩訶三半儞、娑嚩賀。

「阿難!我先語汝,此大陀羅尼章句乃是七十七俱胝諸佛如來之所宣說,我今復說。阿難!若有善男子善女人,於此大陀羅尼章句信心受持、若讀若誦及以思惟、種種供養,得宿命通知七生事,於菩提心永不退轉。」

「阿難よ、私は先にあなたに話した。この大陀羅尼の章句は、七十七俱胝の諸仏如来によって説かれたものであり、私も今また説く。阿難よ、もし善男子・善女人が、この大陀羅尼の章句を信じる心で受け持ち、読んだり誦んだり、また思い巡らしたり、さまざまな供養を捧げるならば、宿命通を得て七生のことを知り、菩提心から永遠に退くことはない。」

爾時世尊復說陀羅尼曰:

そのとき、世尊はさらに陀羅尼を説かれました。

「怛 儞也(二合)他(引)(一)按抳摩抳(二)乞叉(二合)彌乞叉(二合)摩曳(三)摩曩禰(引)(四)阿曩努(五)護隷(引)摩賀(引)護隷(引)(六)怛曩計(引)(七)儼鼻哩(引)(八)努鉢囉(二合)娑呬娑呬娑嚩(二合)訶(引)(九)」

ただにゃた あにまに きしゃみ きしゃまえい まなねい あなぬ ごれい まがごれい たなけい ごんびり ぬはら さしさし さわか

「阿難!此大陀羅尼章句,乃是過去八十八俱胝諸佛如來之所宣說,我亦隨喜,今復宣說。阿難!若有善男子善女人,於此大陀羅尼章句信心受持、或讀或誦、思惟供養,是人得宿命通知十四生事,於菩提心永不退轉。」

阿難よ、この大陀羅尼の章句は、過去八十八倶胝の諸仏如来が説かれたものであり、私も随喜して、今また説く。阿難よ、もし善男子・善女人が、この大陀羅尼の章句を信じて受持し、あるいは読み、あるいは誦し、思惟し供養するならば、その人は宿命通を得て十四生の事を知り、菩提心から決して退転しない。

爾時世尊又說陀羅尼曰:

そのとき、世尊はまた陀羅尼を説いて言われた。

「怛 儞也(二合)他(引)(一)桉致(引)挽致(引)(二)姹計(引)姹囉計(引)(三)姹計(引)姹囉計(引)(四)阿悉迦(引)悉麼(引)迦(引)悉(五)伊隷彌隷(六)底隷彌隷(七)撓(引)囉吠摩賀(引)撓(引)囉吠(引)(八)部旦誐彌(引)(九)部多波囉野拏(轉聲呼)底彌孕(二合)誐隷(引)(十)摩賀(引)底彌孕(二合)誐隷(引)(十一)三婆吠(引)摩賀(引)三婆吠(引)娑嚩(二合)訶(引)(十二)」

だにやた あんち ばんち たけ たらけ たけ たらけ あしきゃ しゅま きゃ し いれい みれい たいれい みれい のうらべい まか のうらべい ぶたん ぎゃみ ぶた はらや のう たいみょう ぎゃり まか たいみょう ぎゃり さんばべい まか さんばべい そわか

「阿難!此大陀羅尼章句,具大威德力勢無量。若有善男子善女人,信心受持、或讀或誦、思惟供養者,得宿命通知二十一生之事,於菩提心永不退轉。」

阿難よ、この大陀羅尼の章句は、大きな威徳と力を持ち、その勢いは測り知れません。もし善い男子や善い女子が、信じる心でこれを受け持ち、あるいは読み、あるいは唱え、思いを巡らせて供養するならば、宿命通を得て二十一の生の出来事を知り、菩提心から決して退くことはありません。

爾時世尊又說陀羅尼曰:

そのとき、世尊はまた陀羅尼を説いて言われた。

「怛 儞也(二合)他(引)(一)阿計隷(引)嚩計隷(引)(二)嚕隷(引)摩賀(引)嚕隷(引)(三)烏賀儞謨(引)賀儞謨(引)賀儞(四)昝婆儞娑旦(二合)婆儞娑嚩(二合)訶(引)(五)」

タニヤタ アケレ ワケレ ルレ マハールレ ウハニム ハニム ハニ チャンバニ サダンバニ サンハ

「阿難!此大陀羅尼具大威德、有大力勢,功德無量,倍勝於前,能與有情作大利益。若有善男子善女人,發誠信心不生疑惑,於此大陀羅尼受持讀誦,或為他人而作擁護、或為救濟或為息災者,當使彼人刀杖不傷、毒不能中,一切惡事無能損害。若復有人為自擁護,以此陀羅尼書於素帛帶持身臂,所獲功德無量無邊。又復智者持此陀羅尼,於枯樹下為作救濟,而彼枯樹尋復穌活,根葉重生作珊瑚色,華實茂盛人所愛樂。

「阿難!この大陀羅尼は大きな威徳を備え、大きな力勢があり、功徳は無量で、前のものよりもはるかに優れており、生きとし生けるものに大きな利益をもたらすことができます。もし善い男子や善い女子が、誠実な信の心を起こして疑いを抱かず、この大陀羅尼を受持し読誦し、あるいは他人のために擁護し、あるいは救済し、あるいは災いを鎮めるならば、その人は刀や杖で傷つけられず、毒も身に及ばず、すべての悪しき事が損なうことができません。また、もし人が自分のために、この陀羅尼を白い布に書いて身や腕に帯びるならば、得られる功徳は無量無辺です。また、智者がこの陀羅尼を持して、枯れた木の下で救済を行うと、その枯れ木はたちまちよみがえり、根も葉も生まれ変わって珊瑚のような色となり、花や実が茂って人々に愛されます。

「阿難!若有智者,恒常受持,悔於先身所作罪業,若復志心懺悔無不消滅。何以故?阿難!譬如日月威光廣大能照世間,以陀羅尼威德力故由能墮落;又如四大海水,眾流所聚深廣無比,以陀羅尼威德力故亦能乾竭;至於大地無量無邊,以陀羅尼威德力故可分千段,何有罪業而不滅耶?

阿難よ、もし智慧ある者が、いつもこの陀羅尼(ダラニ)を保ち続け、前世で犯した罪を悔い改め、心から懺悔するならば、消えない罪はありません。なぜでしょうか。阿難よ、たとえば日月の威光は広大で世間を照らしますが、陀羅尼の威徳の力によって、それさえも堕ちることがあります。また四大の海水は、多くの流れが集まって深く広く比べようもありませんが、陀羅尼の威徳の力によって、それさえも涸れ果てることがあります。大地に至っては量り知れないほど広大ですが、陀羅尼の威徳の力によって千の断片に分けることもできます。ましてや罪業が消えないことなどありえましょうか。

「阿難!如是等大陀羅尼章句所在之處,當須尊重恭信供養,不得輕慢勿復違逆。若有天、龍、夜叉、羅剎、畢哩多、毘舍遮、鳩槃茶、布單那、羯吒布單那、阿波三摩囉、吠多拏、人及非人諸如是等造作惡法於諸世間行不饒益者,若於此大陀羅尼章句有所違逆而不隨順者,彼持國天王現極怒相,光焰不散都為一聚,以熱鐵輪破彼頭頂分作七分如阿梨樹枝。又彼帝釋天主亦大忿怒,光焰熾盛都為一聚,以金剛杵而破彼頂分作七分如阿梨樹枝。又金剛手大藥叉主,亦以金剛杵擊破彼頂如阿梨樹枝。又復彼等若有違逆此大陀羅尼章句者,雖住天中,永不能得水精王宮功德水用。」

阿難よ、このような大陀羅尼の章句があるところでは、尊重し、恭敬し、信じ、供養しなければなりません。軽んじたり、逆らったりしてはなりません。

もし天・龍・夜叉・羅刹・畢哩多・毘舎遮・鳩槃荼・布単那・羯吒布単那・阿波三摩囉・吠多拏、あるいは人や人ならざる者などが、悪法を行い、世間の人々を害しようとするならば、この大陀羅尼の章句に逆らい従わない者があれば、持国天王はすさまじい怒りの相を現し、光の炎を一つに集め、熱く焼けた鉄の輪でその頭頂を砕いて七つに分け、阿梨樹の枝のようにされます。また帝釈天主も大いに怒り、光の炎を盛んに一つに集め、金剛杵でその頭頂を砕いて七つに分け、阿梨樹の枝のようにされます。また金剛手大薬叉主も、金剛杵でその頭頂を打ち砕き、阿梨樹の枝のようにされます。また、それらの者たちがこの大陀羅尼の章句に逆らうならば、たとえ天の中に住んでいても、永遠に水精王宮の功徳水を使うことはできないでしょう。

佛說是經已,時阿難及是會大眾,天、人、阿修羅、乾闥婆、人非人等,聞佛所說,歡喜奉行,禮佛而退。

仏がこの経を説き終えると、そのとき阿難とこの法会の大衆、すなわち天、人、阿修羅、乾闥婆、人非人などは、仏の説かれた教えを聞いて、喜び、その教えを実践しようとし、仏に礼拝して退出した。

佛說聖大總持王經

仏説聖大総持王経


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