佛說十一面觀世音神呪經
仏説十一面観世音神呪経
周宇文氏天竺三藏耶舍崛多譯
周宇文氏 天竺三蔵 耶舎崛多 訳
如是我聞:
私はこのように聞きました。
一時佛在王舍城耆闍崛山中,與無量菩薩摩訶薩大眾俱前後圍繞。爾時觀世音菩薩摩訶薩,與無數持呪賢聖俱,前後圍繞來詣佛所。到佛所已,五體投地頂禮佛足。禮佛足已,繞佛三匝却坐一面。時觀世音菩薩白佛言:「世尊!我有心呪名十一面,此心呪十一億諸佛所說。我今說之,為一切眾生故,欲令一切眾生念善法故,欲令一切眾生無憂惱故,欲除一切眾生病故,為一切障難災怪惡夢欲除滅故,欲除一切橫病死故,欲除一切諸惡心者令調柔故,欲除一切諸魔鬼神障難不起故。世尊!我未曾見若天若魔若梵若帝釋、若沙門若婆羅門等,有能受持如是呪者,若讀若誦、書寫流布,或以此呪防護其身,或以此呪呪水澡浴其身。或入陣鬪戰、或為毒所中,誦此呪故,一切諸橫無所能為,唯宿殃不除。此呪一切諸佛所念,我此呪一切諸佛所說。世尊!我憶過恒河沙數劫外,有一佛名百蓮華眼頂無障礙功德光明王如來。我於爾時,在彼佛所作大持呪仙人中王,於彼佛所方得此呪。得此呪時,十方諸佛皆覩目前,覩見佛已忽然即得無生法忍。當知此呪有如是神力,亦能利益無量眾生。是故當知善男子善女人,有能晝夜殷懃讀誦勿令忘失,誦此呪時更莫他緣。於晨朝時洗浴其身,若不洗浴當漱口澡手,誦持此呪一百八遍,持此呪者現身即得十種果報。何等為十?一者身常無病;二者恒為十方諸佛憶念;三者一切財物衣服飲食自然充足恒無乏少;四者能破一切怨敵;五者能使一切眾生皆生慈心;六者一切蠱毒一切熱病無能侵害;七者一切刀杖不能為害;八者一切水難不能漂溺;九者一切火難不能焚燒;十者不受一切橫死。是名為十。現身復得四種果報。何者為四?一者臨命終時得見十方無量諸佛;二者永不墮地獄;三者不為一切禽獸所害;四者命終之後生無量壽國。世尊!我念過恒河沙數劫,復過恒河沙數劫,復過無量恒河沙數劫,爾時有佛名曼陀羅香如來。我於彼佛為優婆塞身,於彼佛所復得此呪。得此呪已,於四萬劫超生死際。說此呪時,得一切諸佛大慈大悲大喜大捨智慧藏法門。以此法門力故,能救一切眾生,一切牢獄繫閉、杻械枷鎖、臨當刑戮、水火等難種種苦惱,我恒救護令得解脫。一切夜叉羅剎,以此呪力,令此羅剎皆發善心功德具足,即發阿耨多羅三藐三菩提心。我此神呪有如是力。設復有人犯四波羅夷及五逆罪,能讀誦此呪一遍者,一切根本重罪悉得除滅。誦此呪者有如是功德,況復有人依此經教受持呪者,當知是人於萬萬億那由他那由他諸佛所曾聞此法今還得聞,況復受持讀誦晝夜不忘者。是人若心所念者,我滿其願。若復有人於十四日朝或十五日,以香湯洗浴其身,著新淨衣,一上廁一洗浴,如此淨衣不得上廁。行此法時竟日不食,至於明旦,其道場中置觀世音像,懸雜色幡蓋香華供養。初入道場時,必須殷重至心諸十方諸佛慇懃懺悔。懺悔已訖,在於像前敷一坐具,胡跪恭敬至心誦持此呪。行此法者,當知是人得四萬劫離生死際。世尊!我觀世音菩薩名字難可得聞。若復有人稱十萬億諸佛名字,或復有人稱觀世音菩薩名字者,彼二人福正等無異。」
ある時、仏は王舎城の耆闍崛山(ぎじゃくつさん)の中におられ、無量の菩薩摩訶薩の大衆とともに、前後に取り囲まれていました。その時、観世音菩薩摩訶薩は、無数の持呪の賢聖とともに、前後に取り囲まれて仏のもとへと参りました。仏のもとに到着すると、五体を地に投げて仏の足を頂礼しました。仏の足を礼した後、仏の周りを三度巡ってから、一方に退いて座りました。その時、観世音菩薩は仏に申し上げました。
「世尊!私は十一面という心呪を持っています。この心呪は十一億の諸仏が説かれたものです。私が今これを説くのは、一切の衆生のためであり、一切の衆生に善法を念じさせたいがためであり、一切の衆生を憂いと悩みから解放したいがためであり、一切の衆生の病を除きたいがためであり、一切の障難・災怪・悪夢を除き滅ぼしたいがためであり、一切の横死を除きたいがためであり、一切の悪しき心を持つ者を調和させ柔らかくしたいがためであり、一切の諸魔・鬼神の障難が起こらないようにしたいがためです。
世尊!私は、天であれ魔であれ梵であれ帝釈であれ、あるいは沙門であれ婆羅門であれ、この呪を受持する者を見たことがありません。読んだり誦したり、書写して流布したり、あるいはこの呪で身を防護したり、この呪で呪水を作って身を洗い清めたりする者です。あるいは戦陣に入って戦うとき、あるいは毒に中ったとき、この呪を誦すことによって、一切の横難は何もすることができません。ただ宿業による災いだけは除かれません。この呪は一切の諸仏が念じられるものであり、私のこの呪は一切の諸仏が説かれたものです。
世尊!私は思い起こします。恒河沙数劫を超えた昔、百蓮華眼頂無障礙功徳光明王如来という仏がおられました。私がその時、その仏のもとで大持呪仙人の中の王としておりましたとき、その仏のもとで初めてこの呪を得ました。この呪を得たとき、十方の諸仏が皆、目の前に現れました。仏を拝見した後、たちまち無生法忍を得ました。この呪がこのような神力を持ち、また無量の衆生を利益することもできると知るべきです。
ですから知るべきです。善男子・善女人で、昼夜にわたって熱心に読み誦し、忘れ失うことなく、この呪を誦すときには他のことを考えないでください。朝には身を洗い清め、もし洗い清めないときは口を漱ぎ手を洗い、この呪を百八遍誦持してください。この呪を持つ者は、現身において十種の果報を得ます。何が十かといいますと、
一には、身は常に病にかからない。 二には、常に十方の諸仏に憶念される。 三には、一切の財物・衣服・飲食が自然に充足し、常に乏しいことがない。 四には、一切の怨敵を破ることができる。 五には、一切の衆生に皆、慈しみの心を起こさせることができる。 六には、一切の蠱毒や一切の熱病が害を加えることができない。 七には、一切の刀杖が害を加えることができない。 八には、一切の水難に漂い溺れることがない。 九には、一切の火難に焼かれることがない。 十には、一切の横死を受けない。
これを十と名づけます。現身においてさらに四種の果報を得ます。何が四かといいますと、
一には、命終の時に十方の無量の諸仏を見ることができる。 二には、永遠に地獄に堕ちない。 三には、一切の禽獣に害されない。 四には、命終の後、無量寿国に生まれる。
世尊!私は思い起こします。恒河沙数劫を過ぎ、さらに恒河沙数劫を過ぎ、さらに無量の恒河沙数劫を過ぎた昔、曼陀羅香如来という仏がおられました。私はその仏のもとで優婆塞の身として、その仏のもとで再びこの呪を得ました。この呪を得てから、四万劫の間、生死の際を超えました。この呪を説くとき、一切の諸仏の大慈・大悲・大喜・大捨の智慧蔵法門を得ました。この法門の力によって、一切の衆生を救うことができます。一切の牢獄に繋がれ閉じ込められ、手枷・足枷・鎖に繋がれ、まさに刑戮を受けようとする者、水火などの難、種々の苦悩を、私は常に救護して解脱を得させます。一切の夜叉・羅刹は、この呪の力によって、この羅刹たちに皆、善心を起こさせ功徳を具足させ、すなわち阿耨多羅三藐三菩提の心を起こさせます。私のこの神呪にはこのような力があります。
たとえまた、四波羅夷や五逆罪を犯した人がいても、この呪を一度読誦する者は、一切の根本の重罪がことごとく除滅されます。この呪を誦す者にはこのような功徳があります。ましてや、この経教に依って受持し呪を唱える者がいるならば、この人は万万億那由他那由他の諸仏のもとでかつてこの法を聞き、今また再び聞くことができたのだと知るべきです。ましてや、受持し読誦して昼夜に忘れない者はなおさらです。この人が心に念じることは、私がその願いを満たします。
もしまた、十四日の朝あるいは十五日に、香湯で身を洗い清め、新しい清浄な衣を着て、一度厠へ行くごとに一度洗い清め、この清浄な衣のまま厠へ行ってはなりません。この法を行うときは、一日中食べずに、翌朝まで待ちます。その道場の中に観世音像を安置し、雑色の幡蓋・香華を懸けて供養します。初めて道場に入るときは、必ず殷重な至心をもって十方の諸仏に殷勤に懺悔します。懺悔が終わったなら、像の前に一つの坐具を敷き、胡跪して恭敬の心で至心にこの呪を誦持します。この法を行う者は、この人が四万劫の生死の際を離れることを得ると知るべきです。
世尊!私、観世音菩薩の名前は、聞くことが難しいものです。もしまた、十万億の諸仏の名前を称える人がいて、あるいはまた、観世音菩薩の名前を称える人がいるならば、その二人の福はまったく等しく異なりません。」
爾時觀世音菩薩白佛言:「世尊!若善男子善女人及一切眾生,晝夜慇懃稱我名者,皆得阿毘跋致地,現身得離一切苦惱,一切障難一切怖畏及三業罪悉得除滅。況復有人依此經教如法修行,當知是人即得阿耨多羅三藐三菩提心如在掌中。」佛告觀世音菩薩摩訶薩言:「善哉善哉!善男子!汝乃能於一切眾生起大慈大悲心。善男子!當知汝等以此神力救護一切眾生,必得成就阿耨多羅三藐三菩提心無有疑也。」佛告觀世音菩薩摩訶薩言:「善男子!如此神呪,我亦受持我亦印可。善男子!汝今說之。」爾時觀世音菩薩摩訶薩從坐而起,偏袒右肩胡跪合掌,右膝著地,五體投地頂禮佛足,禮佛足已却坐一面,白佛言:「世尊!我今當承佛神力而說呪曰:
その時、観世音菩薩が仏に申し上げました。 「世尊よ、もし善男子・善女人、および一切の衆生が、昼夜にわたり心を込めて私の名を称えるならば、皆が不退転の境地を得て、現世において一切の苦悩、一切の障りと困難、一切の恐れ、および三業の罪をことごとく除き滅ぼすことができます。ましてや、この経の教えに従って如法に修行する人があれば、その人が無上正等覚の菩提心を掌中にあるかのごとく得ることは明らかです。」
仏は観世音菩薩摩訶薩に告げられました。 「善いかな、善いかな。善男子よ、汝はよく一切衆生に対して大慈大悲の心を起こした。善男子よ、知るがよい。汝らはこの神力をもって一切衆生を救護すれば、必ずや無上正等覚の菩提心を成就することに疑いはない。」
さらに仏は観世音菩薩摩訶薩に告げられました。 「善男子よ、このような神呪を、私もまた受持し、私もまた認可する。善男子よ、汝は今、それを説くがよい。」
その時、観世音菩薩摩訶薩は座より立ち上がり、右肩をあらわにし、右膝を地につけて胡跪し、合掌し、五体を投げ出して仏足を頂礼しました。仏足を礼した後、一つの座に戻って坐り、仏に申し上げました。 「世尊よ、私は今、仏の神力によって呪を説きます。」
「南無佛陀耶 南無達摩耶 南無僧伽耶南無若那娑伽羅 毘盧遮那耶 多他伽多耶 南無阿利耶跋路 吉帝攝婆羅耶 菩提薩埵耶 摩訶薩埵耶 摩訶伽樓膩伽耶南無薩婆哆他伽帝毘耶 阿羅訶陀毘耶三藐三佛提毘耶 多姪他 唵陀羅陀羅地利地利 豆樓豆樓 壹知 跋知 遮離遮離 鉢遮離 鉢遮離 鳩蘇咩鳩蘇摩婆離 伊利彌利脂致 闍羅摩波那耶 冒地薩埵 摩訶伽 盧尼迦娑波呵」
南無仏陀よ 南無達磨よ 南無僧伽よ 南無智慧の海、毘盧遮那よ 如来よ 南無聖なる観自在菩薩よ 菩薩よ 大菩薩よ 大慈悲者よ
南無一切如来よ 阿羅漢よ 正等覚者よ
即ちこの真言を唱えよう オーン 陀羅陀羅 地利地利 豆楼豆楼 一知 跋知 遮離遮離 鉢遮離鉢遮離 鳩蘇咩鳩蘇摩婆離 伊利弥利脂致 闍羅摩波那耶 菩提薩埵 大慈悲者よ 成就あれ
爾時觀世音菩薩白佛言:「世尊!此呪有如是神力,最為上首。」復說呪曰:
その時、観世音菩薩が仏に申し上げました。「世尊よ、この呪文にはこのような神力があり、最も優れたものとなります。」さらに呪文を説かれました。
「南無阿利耶跋路吉諦 攝婆羅耶 菩提薩埵耶 摩訶薩埵耶 多姪他 呵呵呵呵 一離彌離脂離毘離詰離醯離 娑波呵」
南無、聖なる観自在菩薩、大菩薩に帰依いたします。 タディヤタ(即ち): ア ラ リ カ テイ シャ ラ ヤ ソワカ
時觀世音菩薩白佛言:「世尊!此呪名呪水呪衣呪。若復有人入道場時,先以此呪呪水七遍以浴其身,浴其身已復以此呪呪衣七遍著入道場。」
その時、観世音菩薩は仏に申し上げました。「世尊よ、この呪は水を呪う呪、衣を呪う呪と名付けられます。もしまた、人が道場に入る時には、まずこの呪で水を七回唱えてその身を洗い、身を洗い終えたら、さらにこの呪で衣を七回唱えて着てから道場に入るのです。」
「南無阿利耶 跋路吉氐攝婆羅耶 菩提薩埵耶 摩訶薩埵耶 多姪他 晝樓晝樓呵呵呵呵 娑波呵」
南無、聖なる観世音菩薩よ、 偉大なる菩薩よ、 この真言を唱えます。 シュルシュル、ハハハハ、スワーハー。
「此名呪香呪。初入道場時呪香七遍,然後乃燒。」
これを「呪香の呪」といいます。初めて道場に入る時、香を七回唱えてから、それから焚くのです。
「南無佛陀耶 南無達摩耶 南無僧伽耶南無阿利耶 跋路吉氐攝婆羅耶 菩提薩埵耶 摩訶薩埵耶 摩訶伽樓尼伽耶多姪他 私利私利地利 地利地利私利娑波呵」
南無仏陀よ 南無法よ 南無僧伽よ 南無聖者よ 観自在菩薩よ 菩提薩埵よ 大薩埵よ 大悲者よ
真言を唱えましょう シリ シリ ディリ ディリ ディリ ディリ シリ スヴァーハー
「此名呪華呪油呪。呪花散佛、呪油然燈,各呪百遍。」
これは呪華呪油の呪いです。花を呪って仏に散らし、油を呪って灯をともし、それぞれ百回ずつ呪います。
「南無佛陀耶 南無達摩耶 南無僧伽耶南無阿利耶 跋路吉氐攝婆羅耶 菩提薩埵耶 摩訶薩埵耶 多姪他娑第 娑第娑地娑地 藪茶藪茶 娑波呵」
南無仏陀よ、南無法よ、南無僧伽よ。 南無聖者よ、観音菩薩よ、菩薩よ、大菩薩よ。 真実の言葉を唱えます。 覚り、覚り、大いなる覚り。 成就せよ、成就せよ。
「此名呪食呪。獻佛食時,所有飲食及諸雜果,先呪二十一遍然後乃獻。」
これを「呪食の呪」といいます。仏さまにお供えする時は、すべての飲み物や食べ物、またさまざまな果物を、まず二十一回唱えてからお供えするのです。
「南無佛陀耶 南無達摩耶 南無僧伽耶南無阿利耶 跋路吉氐攝婆羅耶 菩提薩埵耶 摩訶薩埵耶 摩訶伽樓尼伽耶多姪他 訶私陀私 呼樓呼樓周樓 蘇樓蘇樓 娑波呵」
南無仏陀よ、南無達磨よ、南無僧伽よ。 南無聖者よ、一切の守護者よ、菩薩よ、大菩薩よ、大悲の主よ。 この真言を唱えます。 ハシタシ、フルフルシュル、スルスル、ソワカ。
「此名呪火呪。用蘇曼木然火,別以蘇曼木寸截三十一段,用酪酥蜜三種和之,取蘇曼木段塗酪酥蜜,呪之一遍擲著火中,盡三十一段次第而呪,呪已然後如法修行。」
これは呪火の呪いと呼ばれる。蘇曼の木で火を起こし、別に蘇曼の木を一寸ずつ三十一段に切り分ける。乳・酥・蜜の三種を混ぜ合わせ、蘇曼の木の切れ端に塗り、一回呪文を唱えては火中に投げ入れる。三十一段すべてを順に呪い終えた後、改めて正しい作法に従って修行を行う。
「南無佛陀耶 南無達摩耶 南無僧伽耶南無阿利耶 跋路吉氐攝婆羅耶 菩提薩埵耶 摩訶薩埵耶 摩訶伽樓尼伽耶多姪他 伊利 彌利 脂利彌利 提利醯利 娑波呵」
南無仏陀よ、南無達磨よ、南無僧伽よ。 南無聖者よ、南無観世音菩薩よ、南無菩薩よ、南無大菩薩よ、南無大慈悲者よ。
真言を唱えます。 イリ、ミリ、シリミリ、テリケイリ、ソワカ。
「此呪名結界呪。或呪水用之散著四方,或呪芥子散著四方,或呪淨灰散著四方,各呪七遍。」
この呪文は結界の呪いと呼ばれます。ある時は水を呪って四方に撒き、ある時は芥子を呪って四方に撒き、ある時は清浄な灰を呪って四方に撒きます。それぞれ七回ずつ唱えます。
「南無佛陀耶 南無達摩耶 南無僧伽耶南無阿利耶跋路 吉氐攝婆羅耶 菩提薩埵耶 摩訶薩埵耶 摩訶伽樓尼伽耶多姪他 賴致帝利脂致 伽車 伽車 婆伽畔 阿利耶跋路 吉氐攝婆羅耶 娑婆婆能 娑波呵」
南無仏陀よ 南無法よ 南無僧伽よ 南無聖なる 光明の守護者よ 南無菩薩よ 南無大菩薩よ 南無大慈悲の者よ かくのごとく唱えよ 頼りある尊き方 智慧の輝き 伽車 伽車 偉大なる功徳 聖なる 光明の守護者よ 願いを成就させ給え スヴァーハー
「行道訖竟,誦此呪七遍繞觀世音。此呪別更有神力。若有人患寒熱病者,或一日一發或二日一發或三日一發,以此呪之悉得除愈。
行を終えた後、この呪文を七回唱え、観世音菩薩を巡ります。この呪文には特別な力があります。もし寒熱の病(マラリアのような発熱性の病気)に悩む人がいて、一日おき、二日おき、あるいは三日おきに発作がある場合でも、この呪文を唱えることで、すべて治癒することができます。
「若被惡鬼打之,或被鬼子母所打,或被羅剎女打之,或被毘舍闍鬼打之,或被富單那鬼打之,或被顛鬼打之,或患丁腫或患漏,或體生瘡疱,或被蛇螫或蠍螫,一切毒蟲所螫之者,以黃土作泥呪之七遍,塗其螫處悉得除愈。若患風病,呪酥七遍,塗其患處并服之即得除愈。或患偏風耳鼻不通,以青木香用胡麻油,樺皮上煮之,并呪七遍,塗其患處即得除愈。所有疾病,用此呪治悉得除愈。此呪神力說不可盡,我依經教略而言之。」
もし悪鬼に打たれ、あるいは鬼子母に打たれ、あるいは羅刹女に打たれ、あるいは毘舎闍鬼に打たれ、あるいは富単那鬼に打たれ、あるいは狂鬼に打たれ、あるいは腫れ物ができ、あるいは漏れ病にかかり、あるいは体にできものができ、あるいは蛇に刺され、あるいは蠍に刺され、すべての毒虫に刺されたならば、黄土で泥を作り、七回呪文を唱えて、刺された場所に塗れば、すべて癒されます。
もし風の病にかかったならば、酥(乳製品)に七回呪文を唱え、患部に塗り、かつ服用すれば、すぐに癒されます。
もし半身不随や耳鼻が通じないならば、青木香を胡麻油で樺の皮の上で煮て、七回呪文を唱え、患部に塗れば、すぐに癒されます。
すべての病気は、この呪文で治療すれば、すべて癒されます。
この呪文の神力は、言葉では言い尽くせません。私は経典の教えに基づいて、簡略に述べたまでです。
爾時觀世音菩薩摩訶薩白佛言:「世尊!若有善男子善女人,有能依觀世音教作法者,彼善男子善女人須用白旃檀作觀世音像,其木要須精實不得枯篋,身長一尺三寸,作十一頭。當前三面作菩薩面,左廂三面作瞋面,右廂三面似菩薩面狗牙上出,後有一面作大笑面,頂上一面作佛面。面悉向前後著光。其十一面各戴花冠,其花冠中各有阿彌陀佛。觀世音左手把澡瓶,瓶口出蓮花。展其右手以串瓔珞施無畏手,其像身須刻出纓珞莊嚴。爾時其人造此像已,欲求心中所願者,從月一日入道場至十五日。入道場時一上廁一洗浴,須淨衣三具,一日之中三時換衣。於晨朝時著一具,中時著一具,向暮著一具。其淨衣不著上屏。行道之人一食長齋,不食餘味,唯食大麥乳糜。安道場之處必須淨室,泥拭鮮潔香泥塗地,復以香水灑地。在其室中量七肘地縱廣正等,四角竪柱,周匝懸幡。處中施一高座,置觀世音像,像面向西。以種種華散其道場,唯燒沈水、蘇合等香。從一日至七日,一日三時誦呪,晨朝誦一百八遍,中時一百八遍,向暮一百八遍,未須獻食。從八日中時至十三日,日別一獻種種飲食及餘果子。所獻之食不著槃上,唯敷淨草上置飲食。於十四日十五日,倍加上妙香華以為供養。種種餚饍及餘雜果,倍勝於前以為獻佛。其行者唯敷莎草為座,胡跪恭敬面正向像。於十四十五日,在其像前然旃檀火,須蘇摩油一升,淨銅器盛之,置行者前。復須沈水香麁細如筋,寸截滿一千八段。爾時行者從十五日中後,取一沈水段,塗蘇摩油呪之一遍,擲著旃檀火中。如是次第盡一千八段。爾時行者於其二日全不得食,至十五日夜,時觀世音來入道場,其旃檀像自然動搖。其像動時,三千大千世界俱時振動。其像頂上佛面出聲讚行者言:『善哉善哉!善男子!我來看汝。所有願者,今悉滿足。』時有四願。其四者何?一者願不離坐處即得騰空而去自在無礙;二者願在於一切賢聖中得無障礙;三者願作持呪仙人中王;四者願現身即得隨逐觀世音。是名四願。爾時行者於四願中隨意乞者,時觀世音即與一願。其四願中若不得已,至後月十五日朝更立道場,於道場中置像一軀,其中有舍利者。還以十一面觀世音像置舍利像邊,須花一千八莖。其行者在於像前敷草為坐胡跪恭敬,取其一花呪之一遍散著像上。如是次第盡一千八花。盡其花已,時觀世音像正前菩薩面出大雷聲,爾時行者安心定意不得恐怖。雷聲出時一切振動。爾時行者口常誦呪,雷聲出時即當乞願,發聲唱言:『南無觀世音!弟子何時能救一切眾生苦惱?何時當能滿一切眾生願?』時觀世音隨願即與。當與願時,天龍八部諸鬼神等無能障難。
その時、観世音菩薩摩訶薩が仏に申し上げました。「世尊よ、もし善男子・善女人が観世音の教えに従って行法を行おうとするならば、その善男子・善女人は白栴檀で観世音像を作る必要があります。その木はしっかりと充実したもので、枯れたり割れたりしているものは使ってはなりません。像の身長は一尺三寸とし、十一の頭を作ります。正面の三面は菩薩の顔とし、左側の三面は怒りの顔、右側の三面は菩薩の顔に似せて犬歯を上に出し、後ろの一面は大笑いの顔、頂上の一面は仏の顔とします。すべての顔は前方を向き、後ろには光を背負わせます。十一の面にはそれぞれ花冠を戴き、その花冠の中にはそれぞれ阿弥陀仏がいます。観世音は左手に水瓶を持ち、瓶の口から蓮華を出します。右手は伸ばして瓔珞を持ち、無畏の手印を結びます。像の身には瓔珞の荘厳を刻み出します。その人がこの像を作り終えた後、心中の願いを求めようとするならば、月の一日から十五日まで道場に入ります。道場に入る時は、一度トイレに行ったら一度沐浴し、清浄な衣を三着用意し、一日のうちに三回衣を替えます。朝のうちに一着、昼に一着、夕方に一着とします。その清浄な衣は上座に着用してはなりません。行道する人は一日一食の長斎を守り、他の味は食べず、大麦の乳粥だけを食べます。道場を設ける場所は必ず清浄な室とし、泥で拭き清め、香りのよい泥で床を塗り、さらに香水を地面に撒きます。その室の中に七肘四方の正方形の場所を設け、四隅に柱を立て、周囲に幡を懸けます。中央に一つの高座を設け、観世音像を置き、像は西を向かせます。さまざまな花を道場に散らし、沈香や蘇合香などの香だけを焚きます。一日から七日まで、一日三回呪文を唱えます。朝に百八遍、昼に百八遍、夕方に百八遍唱え、その間は供物を捧げる必要はありません。八日の中時から十三日まで、毎日さまざまな飲食や果物を一度ずつ供えます。供える食物は皿の上に載せず、清浄な草の上に敷いて飲食を置きます。十四日と十五日には、さらに上等な香華を倍にして供養します。さまざまな料理や果物も、前よりも倍増して仏に献じます。行者は莎草を敷いて座とし、胡跪して恭敬に像の正面を向きます。十四日と十五日には、像の前で栴檀の火を焚き、蘇摩油一升を清浄な銅器に入れて行者前に置きます。さらに沈香を筋ほどの太さに切り、一寸ずつに刻んだものを千八段用意します。その時、行者は十五日の中時以降、一段の沈香を取り、蘇摩油を塗り、呪文を一遍唱えて栴檀の火中に投げ入れます。このように順番に千八段を尽くします。その時、行者はこの二日間は全く食事をせず、十五日の夜になると、観世音が道場に入って来られ、その栴檀像が自然に揺れ動きます。像が動く時、三千大千世界が同時に震動します。像の頂上の仏面が声を出し、行者を讃えて言います。『善哉、善哉、善男子よ。私はあなたを見に来ました。あなたの願いはすべて今、満たされます。』その時、四つの願いがあります。その四つとは何か。一つ目は、座った場所から離れることなく、即座に空中に昇り、自在無碍に行き来できること。二つ目は、一切の賢聖の中にあって、障礙なく過ごせること。三つ目は、呪術を持つ仙人の中の王となること。四つ目は、この身のままで観世音に随従できること。これが四つの願いです。その時、行者は四つの願いの中から随意に一つを乞うと、観世音は即座に一つの願いを与えます。四つの願いの中で得られないものがあれば、次の月の十五日の朝に再び道場を設け、道場の中に一体の像を置きます。その中に舎利がある場合は、十一面観世音像を舎利像の傍らに置き、千八本の花を用意します。行者は像の前に草を敷いて座り、胡跪して恭敬に、一本の花を取り、呪文を一遍唱えて像の上に散らします。このように順番に千八本の花を尽くします。花を尽くした時、観世音像の正面の菩薩面から大いなる雷音が発せられます。その時、行者は心を安らかに定め、恐怖してはなりません。雷音が出る時、一切が震動します。その時、行者は常に口で呪文を唱え、雷音が出た時、即座に願いを乞い、声を上げて唱えます。『南無観世音よ、弟子はいつ一切衆生の苦悩を救うことができましょうか。いつ一切衆生の願いを満たすことができましょうか。』その時、観世音は願いに従って即座に与えます。願いを与える時、天龍八部や諸鬼神など、誰も障礙することができません。
「若月蝕時,用赤銅鉢盛牛酥三兩,於其路地在觀世音像前,以黃土泥塗地,團圓一尺五寸,酥鉢置上。從初蝕時誦呪,乃至是月還生如故,然後始休。取其酥食,須食盡竟,不得留餘。食此酥已,身中疾病悉得除愈。
月が欠ける時は、赤銅の鉢に牛の酥(バター)三両を盛り、道端の観世音菩薩像の前に、黄土で泥を作り直径一尺五寸の円を塗り、その上に酥の鉢を置きます。月食が始まった時から呪文を唱え、月が元通りに戻るまで続け、それからやめます。その酥を取り、食べきるまで食べ、残してはいけません。この酥を食べると、体の病気はすべて治ります。
「用石雄黃、雌黃二種等分置草葉上,在觀世音像前誦呪一千八遍。呪已和其暖水洗浴其身,一切障難、一切惡夢、一切疫病皆得除愈。
雄黄と雌黄を等分に取り、草の葉の上に置き、観世音菩薩の像の前で真言を千八回唱えます。真言を唱え終えたら、それを暖かい水に溶かして体を洗い流します。すると、すべての障りや困難、すべての悪夢、すべての疫病が除かれ、癒されます。
「若有他方怨賊欲來侵境,以此觀世音像面正向之,種種香華而為供養,取烟脂大如大豆,誦呪一千八遍,塗像左廂瞋面,令彼怨敵不能前進。若有國土人民疫病起時,或有雜類一切畜生疫病死時,安置道場,用白芥子押取脂使得一升,取紫橿木大如筆管,寸截滿一千八段。先於像前然紫橿木,其人取紫橿一段,塗白芥子脂呪之一遍,擲之火中。盡其段數,皆呪一遍擲著火已,能使一切疫病悉得除愈。若有人被他厭禱蠱道呪咀因即成病,如是病者在於像前,用其緋綖一呪一結,呪之七遍使作七結,繫著像頂逕由一宿,取繫病人頸即得除愈。若有人卒得狂病,用其白綖作二十一結呪二十一遍,在於像前更呪一百八遍,繫著此像正前面頂上,逕由一宿取繫病人頸。若過二日不差,還取呪索更呪一百八遍,絞著像頸,復逕一宿,取繫病人即得除愈。若有惡鬼入人宅中,須薰陸香一百八顆,在於像前每顆呪一遍置著火中。盡此香已,所有惡鬼自然散走不敢停住。
もし他方より怨敵や賊が侵攻しようとするならば、この観世音像の面を正面に向けて、種々の香や花を供養し、大豆ほどの大きさの臙脂を取り、呪文を千八遍唱え、像の左側の怒りの面に塗れば、その怨敵は前進することができなくなる。
もし国土で疫病が流行し、あるいは様々な家畜が疫病で死ぬ時は、道場を設け、白芥子から油を搾り取り一升を得て、筆管ほどの大きさの紫橿木を一寸ずつ切り千八段にする。まず像の前で紫橿木を燃やし、その人が紫橿木の一片を取り、白芥子の油を塗り、呪文を一遍唱えて火中に投げ入れる。すべての段数を尽くし、皆一遍ずつ呪文を唱えて火に投げ入れたならば、すべての疫病はことごとく除かれ癒される。
もし人が他人の呪いや蠱毒、呪詛によって病を得たならば、その病者は像の前に置き、緋色の糸を用いて一呪一結とし、七遍唱えて七つの結び目を作り、像の頂上に一晩かけて結びつけ、その後病人の首に結びつければ、病は癒される。
もし人が突然狂病にかかったならば、白い糸を用いて二十一の結び目を作り、二十一遍呪文を唱え、像の前でさらに百八遍唱え、像の正面の頂上に一晩かけて結びつけ、その後病人の首に結びつける。もし二日を過ぎても癒えなければ、再び呪文を唱えた糸を取り、さらに百八遍唱え、像の首に絞りつけ、再び一晩かけて病人に結びつければ、病は癒される。
もし悪鬼が人の家に入り込んだならば、薰陸香を百八粒用意し、像の前で一粒ずつ呪文を一遍唱えて火中に置く。この香をすべて尽くせば、すべての悪鬼は自然に散り去り、留まることができなくなる。
「若有怨讎伺求人便,取其白綖,在於像前結作一百八結,呪之一百八遍,繫像左廂瞋面頂上逕由一宿。解取此索,稱彼怨讎名字,一稱一截,乃盡一百八結恒稱是人名字,所作不成。若有人相瞋恨者,取五色綖作呪索在於像前呪之,繫著左廂瞋面頂上逕由一宿,解取自繁,令彼瞋者自然和解。若有人欲求善事,取五色綖結作呪索,在於像前呪之七遍,繫著正前面頂上逕由一宿,解取繫自身,所求如意。若有人自知身中有障難者,須種種和香塗其像身,復以香水洗浴其像,洗浴像已還取此水呪之一百八遍自浴其身,自浴身已一切障難自然消滅。」
もし怨みや恨みを持つ者が人の隙をうかがい、その機会を狙っているならば、白い糸を取り、像の前で百八の結び目を作り、百八回呪文を唱えます。その後、像の左側にある忿怒の面の頂上に一晩かけて結びつけます。この紐を解いて取り、その怨敵の名前を唱え、一唱えるごとに一つの結び目を断ち切ります。百八の結び目がすべて断ち切られるまで、常にその人の名前を唱えると、その者の企みは成就しません。
もし人と互いに憎しみ合っているならば、五色の糸で呪いの紐を作り、像の前で呪文を唱え、左側の忿怒の面の頂上に一晩かけて結びつけます。解いて自分で身につけると、その憎しみ合う者同士は自然に和解します。
もし善きことを求めようとする者がいるならば、五色の糸で呪いの紐を結び、像の前で七回呪文を唱え、正面の面の頂上に一晩かけて結びつけます。解いて自分自身に結ぶと、求めることはすべて思いのままになります。
もし自らに障りや難があると知っているならば、さまざまな良い香りを混ぜて像の身体に塗り、さらに香水で像を洗い清めます。像を洗い清めた後、その水を取り、百八回呪文を唱えて自分自身を洗います。自分自身を洗い清めると、すべての障りや難は自然に消え去ります。
說此品時,一切大眾同時讚言:「善哉善哉!觀世音大士!乃能救護一切眾生說大神呪。我等大眾亦當受持。」
この品を説かれた時、すべての大衆は同時に讃えて言いました。「善きかな、善きかな!観世音大士よ!よくもかくも一切の衆生を救い護る大いなる神呪を説かれた。我等大衆もまた、必ずや受持いたしましょう。」
說此經已,彼諸大眾一時俱起,繞佛三匝,作禮而去。
この経典を説き終わると、そこにいた大勢の人々は一斉に立ち上がり、仏陀の周りを三度巡り、礼拝して去っていきました。
佛說十一面觀世音神呪經
仏説十一面観世音神呪経
此經名金剛大道場神呪經,十萬偈成部,略出十一面觀世音一品。
この経典の名は『金剛大道場神呪経』といい、十万の偈で成る大部の経典です。ここではその中から「十一面観世音」の一品を略出いたします。