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文殊師利耶曼徳迦呪法 (文殊師利耶曼德迦呪法)

「文殊師利耶曼德迦呪法」について

唐 · 宗叡將來 著

5,202 字 · 約 17 分

宗叡法師は日本の真言宗の高僧であり、唐代に中国に渡って仏法を求め、この経典を日本に持ち帰りました。この呪法は密教体系に属し、その核心は文殊師利菩薩の忿怒尊である耶曼徳迦明王が伝えた真言と修行の儀軌にあります。真言を唱え、観想を行い、印を結ぶなどの方法を通じて、障害を除去し、智慧を増長することを強調しています。密教の重要な文献として、唐代における密法の隆盛と日中仏教交流を体現しており、仏教の密乗において特別な地位を占め、唐密と文殊法門を研究する上で重要な典籍です。


文殊師利耶曼德迦呪法

文殊師利夜摩徳迦呪法

爾時世尊於王舍城內住竹林間,共文殊師利論說往昔值燃燈佛得授記因。爾時有大金剛藥叉將,於會眾中即從座起,偏袒右肩右膝著地,合掌向佛而白佛言:「世尊今共文殊師利所說法,往昔因中之事,世尊因地多久劫中修嗔怒王呪法?今且略說,於最後得佛名曰善惠,值定光如來授記,號為釋迦牟尼佛。却後於娑婆世界出現成佛之時,願我於此界土現大威力,降伏一切剛強要人故。定光佛即知我意,我今為當來世眾生,佛滅度後佛法滅時,大怖畏時惡世時,一切聲聞緣覺隱皆不見時,為護佛法故、為世界安住故、為止一切惡人故、治罰壞佛法者、為方便成就眾生故、為圓滿不思議菩薩行故、為不思議眾生業障除故,為後世眾生,佛法滅時,若此夜曼德迦嗔怒王呪法能如法受持者,此人決定即得成就。

その時、世尊は王舎城の竹林の中に住しておられた。文殊師利と共に、過去に燃灯仏に遇い、授記を得られた因縁について論じ合っておられた。

その時、大いなる金剛薬叉の将が、会衆の中から座を立って、右肩を偏袒し、右膝を地に着け、合掌して仏に向かって申し上げた。

「世尊が今、文殊師利と共に説いておられる過去の因縁についての教え、世尊は因地において、どれだけの劫の間、噴怒王の呪法を修行されたのでしょうか。今、ひとまず簡潔に申し上げます。最後に仏と成られた時の名を善惠と言い、定光如来に遇いて授記を受け、釈迦牟尼仏と名乗られました。その後、娑婆世界に現れて成仏される時、私がこの世界で大いなる威力を現し、全ての剛強な者たちを降伏させたいと願いました。定光仏はすぐに私の心を悟ってくださいました。私は今、未来の衆生のために申し上げます。仏の滅度の後、仏法が滅する時、大いに恐怖する時、悪しき世の時、全ての声聞や縁覚が隠れて見えなくなる時、仏法を護るため、世界を安住させるため、全ての悪人を止めさせるため、仏法を壊す者を治罰するため、方便をもって衆生を成就させるため、不可思議な菩薩行を円満にさせるため、不可思議な衆生の業障を除くため、後の世の衆生のために、仏法が滅する時、もしこの夜曼徳迦噴怒王の呪法を如法に受持するならば、この人は必ず即座に成就を得るでしょう。」

「爾時為治罰惡阿闍羅、為欲治罰不慈悲惡人者,元不為好人,唯治壞法人者,不為思欲向己者,為護佛法故說。」
爾時金剛說此法時,佛默然入佛變化三昧。時文殊師利童子亦皆默然不言。大地六種震動,一切大眾及諸天人悉皆怕怖,龍王、陀那鬼、神母、執鬼等,及一切惡人、布單那及者阿闍羅等,悉生怕怖歸依法王:「惟願世尊及文殊師利童子救護我等,慈愍故。此呪甚大可畏,燒煮困苦、迷悶躃地不知東西。」爾時文殊師利童子大聲告言:「汝等天龍八部、人及非人,勿生恐怖。我今於此欲立大教,一一依我教跡普行用之者,□大慈心,憶念釋迦牟尼如來兩足之尊化身耶曼德迦嗔怒王,若入奮迅三昧,十地菩薩上聖神通威光悉皆滅盡,何況汝等諸天龍八部人非人等一切吉祥者。若聞我大瞋怒王說大神呪,恐怖迷悶不知東西。佛所說呪皆憶佛頂呪,及毘盧遮那帝珠羅一字輪呪、社臾揭多毘,社臾烏瑟尼沙等呪,觀音菩薩呪,毘利俱胝、多羅、半拏羅、婆悉儞、摩訶稅尾多、耶輸跋底、訶耶揭利婆呪王等,是心名呪,最為第一。若能誦一字頂輪王呪,如上呪中最為第一,所有天龍八部人非人等任誦一遍,即耶曼德迦不能惱亂。汝今所說摩摩雞、商伽羅、悉佉囉、跋折羅、俱盧陀、母瑟底尼、羅禪荼等呪,金剛眷屬憶念,亦得擁護。常香王菩薩呪、普賢菩薩呪等,憶念亦得擁護及不怖畏。摩尼跋陀羅呪、聲聞辟支佛,亦須憶念供養,亦無恐怖。瑟利訶破羅天乃王無色等天離欲心者,憶念亦得無怖。常憶念供養三寶、常信佛法,如是之人終身無病,耶曼德迦不能為害此等諸人。能受持者,莫生退心。

その時、金剛がこの法を説いたとき、仏は黙って仏変化三昧に入られた。文殊師利童子もまた皆、黙って何も言われなかった。大地は六種に震動し、一切の大衆や天人はみな怖れおののいた。龍王、陀那鬼、神母、執鬼など、そして一切の悪人、布単那、阿闍羅なども、みな怖れて法王に帰依した。「どうか世尊と文殊師利童子が私たちを救い、慈しみ憐れんでください。この呪は非常に大きく畏れ多く、焼き苦しめ、悩ませ、迷い惑って地に倒れ、東西もわからなくなりました。」その時、文殊師利童子は大声で告げた。「あなたがた天竜八部、人や人ならざる者たちよ、恐れることはない。私は今ここに大いなる教えを立てようとしている。一人ひとりが私の教えの跡に従って広く行ずるならば、大慈の心を起こし、釈迦牟尼如来、両足の尊、その化身である耶曼徳迦・嗔怒王を念じなさい。もし奮迅三昧に入れば、十地の菩薩の聖なる神通と威光もすべて消え尽きる。ましてや、あなたがた天竜八部、人や人ならざる者たち、すべての吉祥なる者たちが、私の大いなる嗔怒王が大神呪を説くのを聞けば、恐怖して迷い、東西もわからなくなるのも無理はない。仏が説かれた呪は、すべて仏頂呪を念じなさい。また毘盧遮那帝珠羅の一字輪呪、社臾掲多毘、社臾烏瑟尼沙などの呪、観音菩薩の呪、毘利倶胝、多羅、半拏羅、婆悉儞、摩訶税尾多、耶輸跋底、訶耶掲利婆の呪王など、これらの心と呼ばれる呪が最も第一である。もし一字頂輪王の呪を誦することができれば、上に挙げた呪の中で最も第一となり、すべての天竜八部、人や人ならざる者たちが一度でも誦せば、耶曼徳迦も悩ませることができない。あなたがたが今説いた摩摩雞、商伽羅、悉佉羅、跋折羅、倶盧陀、母瑟底尼、羅禅荼などの呪は、金剛の眷属を念じれば、また守護を得られる。常香王菩薩の呪、普賢菩薩の呪などを念じれば、また守護を得て怖れることもない。摩尼跋陀羅の呪、声聞や辟支仏も、また念じ供養すべきである。そうすれば恐怖もない。瑟利訶破羅天や無色などの天の、欲望を離れた心を持つ者たちを念じれば、また怖れることなく過ごせる。常に三宝を念じ供養し、常に仏法を信じるならば、そのような人は生涯病気にかからず、耶曼徳迦も害することができない。このような人々は、よく受け持ち続けることができる。どうか退く心を起こさないでほしい。」

「畫像法。若有惡人滅佛法者,不論吉凶日亦不著星宿直,或黑月十四日或八日,取屍陀林中死人衣,或得婆羅門衣更甚良,取血染之,於後更洗曬乾。請一畫人令畫其像,其像自畫最為第一,容顏甚迅令人畏懼。於屍陀林中畫之,於三日內須畫了。黑月十五日取死人脂為燈,呪師面向南、像面向北,誦呪結界。呪師坐劫波作法,即於初夜念怨家惡人熱悶,第二更著虐心悶不知東西,第三更即畢拯之地。若呪師歡喜迴心,即得除差。若呪師不迴慈悲向惡人病困之處,其人唯加餘人浪論,此人身體枯乾死,并宅舍並皆破散。作法如是:其□像六面、六手、六脚,黑色腰細劫彼瓔珞。其面貌嗔怒奮迅,其髮直竪如火炎掣其向上,眼赤如血,虎皮縵𦜮,手執捧及種種器仗,而有三眼。其身烟色或黑雲色,作可畏相,身騎水牛,能令一切眾怖畏。畫此像時,用血和為綵色赤,牛脂人脂內却波頂骨中調和綵色,取死人髮為筆。畫像畢以,廣設供養。以紫檀木摩壇以,用赤花以為供養。取死人脂為燈,死人肉為香,一日三時供養。畫像了,首𮠪其功直,勿令畫人置怨,必須多與財物,於後呪師持呪,速得成就畢得圓滿。若不如法結果護□身作法持呪者,畢被損殺,及六親等滅門死盡。若得如法作以,即得擁護。常如法持者,然後所欲諸處作法悉得成就。若作法人只為滅佛法者作之,即得消滅無有餘殘。若為己小事,持不可作,現世速招橫報,後世招地獄果。欲得燒火法者,安像淨處,像面向北,其像前作一地火爐,大小任意,燒乾木棘針皂莿柴,誦耶曼德迦呪,請火天用閻羅王印。如是先以及燒滿一千八遍,皆須嗔心念惡人名,即得成就作法。第一更男女死,第二更婦死及眷屬等皆亦滅盡,第三更彼惡人死。更自身誦呪欲滅怨家著皆得滅門,夜半誦呪國土皆亦滅盡,或天上下火燒其國土、或多雨不晴、或外國他□罰彼國土、或飢餓劫起、或天霹靂殺人、或國疾病起、或阿闍羅身枯乾死、或鬼神傍宮室舍日夜惱亂睡眠不安,羅剎、夜叉、蟲狼虎豹終日不息常恒惱亂怕怖非分,大自在天、梵王、帝釋及世間不能作護救得之處。若誦呪師嗔心不息,無不人能救得前頭者。若誦呪晝夜不□口常念誦,誦呪不忘,滅得閻浮提等人。黑月十四日,安像於屍陀林中、安阿闌若處、或安逈獨樹下、或安石窟、或安空舍、或安大廟舍中、或安海岸上、或安獨住無人,於中安像。安像訖,任作法,得法不思議。此耶曼德迦嗔怒王呪法亦不思議,成就誦呪者亦不可思議,一切諸菩薩等亦不能護得耶曼德迦治罰惡人者,何況魔醯首羅等能護者,況一切聲聞緣覺亦不能奪□□曼德迦呪治罰惡人。若者呪師若嗔不迴,無有解脫。若者要須本呪師慈心向之,即得離苦。

<画像法> もしも仏法を滅ぼそうとする悪人がいるならば、吉日・凶日を問わず、星宿の吉凶も気にせず、黒月の十四日か八日に、屍陀林(しだりん:墓地)で死者の衣を得るか、バラモンの衣を得たらさらに良い。それを血で染め、その後で洗って乾かす。一人の絵師を招いてその像を描かせる。自ら描くのが最も良いとされる。その像の容貌は非常に荒々しく、人を畏怖させるものとする。

屍陀林の中で描き、三日以内に仕上げなければならない。黒月の十五日に、死者の脂を灯明とし、呪師は南を向き、像は北を向いて、呪を唱えて結界を張る。

呪師は劫波(こっぱ)の座に坐して作法を行う。すなわち初夜には怨みの悪人を熱苦しませ、二更(よなか)には虐げて心を悶えさせ、東西も分からなくさせる。三更(明け方)にはついにその命を根絶やしにする。もし呪師が喜び心を翻すならば、ただちに苦しみから除かれる。もし呪師が慈悲の心を悪人に向けず、病に苦しむそのままにしておくならば、その人は他の人々に無責任なことを言い、身体は枯れ乾いて死に、家宅もすべて破散してしまう。

作法はこのように行う。その像は六面・六手・六脚である。黒く、腰は細く、劫彼(こうひ)の瓔珞(ようらく:装身具)を身につける。その面貌は怒りに満ちて荒々しく、髪はまっすぐに逆立ち、炎が上に燃え上がるかのようである。眼は血のように赤く、虎の皮をまとう。手には棒やさまざまな武器を持つ。そして三つの眼がある。

その身は煙の色か、黒雲の色で、畏れをなす相をして、水牛に乗っている。一切の衆生を恐怖させる力がある。

この像を描くとき、血を混ぜて彩色を赤とし、牛脂と人脂を頂骨(死人のかしら骨)の中に入れて彩色を調和させる。死者の髪の毛を筆とする。

画像が描き終わったならば、広く供養を設ける。紫檀の木で壇(だん)をこすり磨き、赤い花で供養とする。死者の脂を灯明とし、死者の肉を香とし、一日に三度供養する。

画像ができたならば、その報酬を必ず払い、絵師に恨みを抱かせてはならない。必ず多くの財物を与えよ。その後、呪師は呪を唱えれば、速やかに成就し、満足を得るであろう。

もし作法のとおりに結界せず、身を護らずして呪を唱えるならば、必ず損なわれ殺される。また六親なども滅ぼされ、家は絶えて死に絶える。

もし作法を如法(にょほう:正しく)に行うならば、すなわち擁護を得る。常に如法に保つならば、その後、望むままの諸処の作法はすべて成就する。

この作法はただ仏法を滅ぼそうとする者のために行うものであり、そうすれば残ることなく消滅させる。もし自分の些細な私事のために行うならば、決してしてはならない。現世には速やかに横暴な報いを受け、後世には地獄の果報を受けることになる。

火焼の法を望むならば、像を清浄な場所に安置し、像を北に向ける。その像の前に地の火炉を一つ作る。大きさは任意でよい。乾いた木・棘(いばら)・針・皁莿(さいし)の柴を焼き、耶曼德迦(やまんだか:大威徳明王)の呪を唱え、火天(かてん)を請じて閻羅王(えんらおう)の印を用いる。

このように先に一千八遍を焼く。すべて瞋りの心をもって悪人の名を念じなければならない。そうすればすなわち成就する。

作法を行うと、第一更には男女が死に、第二更には婦人や眷属などもみな滅び尽くし、第三更にはその悪人が死ぬ。

さらに自ら呪を唱えて怨家を滅ぼそうとすれば、みな門ごと滅ぼされる。夜半に呪を唱えれば、国もすべて滅び尽くす。あるいは天上から火が降ってその国土を焼き、あるいは雨が降り続いて晴れず、あるいは外国の軍勢がその国を罰し、あるいは飢饉の劫(こう)が起こり、あるいは天の霹靂(へきれき)が人を殺し、あるいは国に疾病が起こり、あるいは阿闍梨(あじゃり)の身は枯れ乾いて死ぬ。あるいは鬼神が宮室に取り憑き、日夜惱乱して眠りを安からせず、羅刹・夜叉・虫・狼・虎・豹が終日休むことなく常に惱乱させ、恐怖は度を超える。大自在天・梵王・帝釈および世間の者たちも、救い護ることのできないところである。

もし呪師が瞋りの心を息めないならば、前に立ち向かって救える人は誰もいない。もし呪を唱えて昼夜怠らず、口に常に念誦し、誦呪を忘れなければ、閻浮提(えんぶだい)の人間をことごとく滅ぼすことができる。

黒月の十四日に、像を屍陀林の中に安置するか、阿蘭若(あらにゃ:閑静な修行所)の処、あるいは人里離れた一本の木の下、石窟、空き家、大きな祠の建物の中、海岸の上、あるいは誰もいない独りの場所に安置する。この中に像を安置して、安置し終わったならば、任に作法を行えば、不可思議な法を得る。

この耶曼德迦・瞋怒王(しんぬおう)の呪法もまた不可思議であり、呪を成就する者も不可思議である。一切の諸菩薩も、耶曼德迦が悪人を治罰することは護ることができない。ましてや魔醯首羅(まけいしゅら)などの護る者があろうか。ましてや一切の声聞・縁覚も、この耶曼德迦の呪が悪人を治罰することを奪うことはできない。

もし呪師が瞋りの心を翻さないならば、解脱はない。もしその者に、もとの呪師が慈心をもって向かうならば、すなわち苦しみを離れることができる。

「又法取苦練葉、白芥子、油、毒藥、人血、人肉、鹽、胡[木*(尤-尢+升)]、畢鉢、乾薑、芥子、䖥盃作末,酸棗子汁並酒、海鹽、那咄根、俱舍底計根、卑麻根、耶婆叉羅、大麥灰、江藍花、摩陀那根、䔉䓗波羅舍,如上藥皆等分,於像前一呪一燒滿一千八遍,能除怨家及眷屬。此藥法初夜作之,若到作法國土飢餓疫病起,及夜叉羅剎滿世界,火交起、雹子下殺,國邑村坊皆悉壞盡罰,本國種種皆悉不吉。

また、別の法(方法)として、苦練の葉、白芥子、油、毒薬、人血、人肉、塩、胡荽、畢鉢、乾薑、芥子、䖥盃を粉末にしたもの、酸棗子の汁、酒、海塩、那咄根、俱舍底計根、卑麻根、耶婆叉羅、大麦の灰、江藍の花、摩陀那根、蒜、葱、波羅舍を用意する。これらの薬をすべて等量ずつ混ぜ、像の前で 「一呪一焼(一つ呪文を唱えて、一つずつ焼く)」 を満千八回行えば、怨敵やその眷属(したがう者たち)を除くことができる。この薬の作法は、夜の初めに行う。もしこの作法を行った国の国土に飢餓や疫病が起こり、夜叉や羅刹が世の中に満ち、火災が同時に起こり、雹が降って人を殺し、国や村、町がすべて破壊され損なわれるなら、それは(呪いの)罰であり、その国では様々な不吉なことがすべて起こるであろう。

「又法取那咄根,一呪一燒滿一千八遍,惡人顛誑。又取三辛,還同如上呪一千八遍,即令惡人身心熱惱不知為計。又取酸思子,同上呪一千八遍,即令前人身體戰寒,或兩日或七日七夜,前人即當枯報。欲作火法,先作𮢮印。

また、ある法では、那咄根(なとつこん)を取って、一度呪文を唱えるごとに一度焼き、満一千八遍に達すれば、悪人は心が乱れ、惑わされる。また、三辛(さんしん)を取り、同じように上の呪文を一千八遍唱えれば、その悪人の身心は熱苦しみ、どう対処してよいか分からなくなる。また、酸思子(さんしし)を取り、同じように上の呪文を一千八遍唱えれば、その相手の身は震え、寒さに襲われる。あるいは二日、あるいは七日七夜、その人は枯れ果てた報いを受ける。火の法を用いようとするなら、まず𮢮印(印相)を結ぶこと。

「又法若人所屬天或所屬星,取屍陀林炭畫作星天神形,脚下書前人名,安畫像前。呪師以脚踏頭,嗔怒誦其呪,前人即得種種病或死,若不死其病重。或惡鬼神著,及眷屬亦然。」

また、ある法によれば、もしその人が属する天や星があるなら、屍陀林(墓地)の炭で星の天神の形を描き、その足の下にその人の名前を書き、画像の前に安置する。呪い師は足でその像の頭を踏み、怒りの心で呪いを唱えると、その人はさまざまな病気にかかったり、死んだりする。もし死ななければ、その病は重くなる。あるいは悪鬼神が取り憑くこともあり、その家族や眷属も同様である。

爾時耶曼德迦金剛於大眾中說以,頂禮佛足,默然而住。更復為眾生利益故,重說諸夜叉女呪法及成就法。為貪欲者、為求財寶者說、不能依佛教者、不解觀行者、不解生禪者、無始以來輪轉生死不能厭離者說。若見法性達道理者,不願此法。即說呪曰:

その時、夜曼徳迦金剛は大衆の中でこのように語り、仏の足元に礼拝して、静かにそのまま立っていた。さらに衆生の利益のため、再び夜叉女の呪法と成就法を説いた。貪欲な者のために、財宝を求める者のために説き、仏の教えに従えない者、観行を理解できない者、禅定を修めることを解しない者、無始の昔から生死の輪廻を巡りながらも厭離することができない者のために説いた。もし法性を見て道理を悟った者ならば、この法を願うことはない。そこで呪を説いて言った。

「唵(一)以唎瑟帝利(二)摩訶那伽儞(三)吽泮(四)莎嚩訶」

「オン・イリシテイリ・マカナキャニ・ウン・ハッタ・ソワカ」

「此法呪,每夜半以後常起誦呪,不限遍數。滿一月日以,更不睡眠至明,滿一月以後,夜叉羅剎女即到來,即為妻,所求即得圓滿,日日送二十五枚金錢,亦與長年仙藥。

この呪文は、毎日夜半(よなか)を過ぎたら必ず起きて唱えなさい。回数は決めなくてよい。一か月間、満ちるまで続けること。その間、眠らずに朝まで過ごすこと。一か月が過ぎた後、夜叉(やしゃ)や羅刹女(らせつにょ)がやって来て、あなたの妻となるでしょう。そして、願い事はすべて叶えられ、毎日二十五枚の金貨が贈られ、さらに長生きできる仙薬(仙薬)も与えられるでしょう。

「爾時無量百千夜叉羅剎夜叉女法悉得成就。但誦耶曼德迦呪,於像前作法,所須見神鬼願者皆悉集來、索者速得滿足。」爾時金剛菩薩頂禮佛足,於佛邊即說耶曼德迦呪,為治罰惡人調伏眾生故。即說呪曰:

その時、無量百千の夜叉や羅刹、夜叉女の法はすべて成就を得ました。ただ「ヤマーンタカの呪い」を唱えるだけで、像の前で作法を行えば、神鬼に会いたいと願う者は皆ことごとく集まってきて、求めるものは速やかに満たされるのです。」その時、金剛菩薩は仏の足もとに礼拝し、仏のそばで直ちにヤマーンタカの呪いを説きました。これは悪人を治め罰し、衆生を調伏するためのものでした。即座に呪いを唱えました:

「那牟娑曼多勃馱喃(一)阿婆縛娑縛(二合)婆(去)縛沒我多(去)喃(二)那牟鉢囉(二合)底伽勃陀(去)哩耶始囉縛迦(去)喃(三)那牟薩嚩菩提薩埵(去)喃(四)陀舍菩迷鉢囉(二合)布瑟耶帝舍囉菩提薩埵(去)喃(五)摩訶菩提薩埵(去)喃怛地他(七)唵(八)佉佉(九)佉佉醯醯突瑟吒(二合)薩埵陀摩迦(十一)阿私姥娑羅(十二)鉢羅(二)輸波舍訶娑哆遮(十三)覩盧菩闍(十四)遮覩嚧姥佉(十五)殺者囉拏(十六)伽伽伽車車(十七)摩訶比近那迦訶迦德毘訖唎哆那娜(十八)薩婆菩哆婆孕迦囉(十九)阿吒吒訶娑那地儞(二十)毘耶迦羅(二十一)摩摩儞摩娑那部多(二十二)俱嚕俱嚕(二十三)薩婆竭摩吽(二合)(二十四)瞋陀瞋陀(二十五)薩婆曼怛囉吽(二合)(二十六)頻陀頻陀頻陀(二十七)鉢囉(二合)姥馱囉吽(二合)(二十八)阿迦哩沙耶阿哩迦沙耶(二十九)薩婆菩陀吽(三十)儞唎麼陀儞唎麼陀(三十一)薩婆突瑟吒(三十二)薩怛鑁(三十三)鉢囉鞞舍耶(三十四)曼荼羅末第(三十五)陪以縛娑哆餌尾且哆羯囉(三十六)俱嚕俱嚕(三十七)麼麼迦哩近(三十八)陀呵陀陀呵陀(三十九)跋者跋者(四十)摩尾覽婆摩尾覽婆(四十一)娑麼耶(四十二)麼怒娑麼囉(四十三)吽吽(四十四)娑娑泮吒(四十四)娑普吒耶娑普吒耶(四十六)薩婆捨幡唎布囉迦(四十七)翳呬曳醯(四十八)婆伽畔(四十九)緊者囉夜私麼麼(五十)薩末嘌攤娑(去)陀耶(五十一)沙訶」

南無三満多勃駄喃<注>一</注>阿婆縛娑縛<注>二合</注>婆<注>去</注>縛沒我多<注>去</注>喃<注>二</注>南無鉢囉<注>二合</注>底伽勃陀<注>去</注>哩耶始囉縛迦<注>去</注>喃<注>三</注>南無薩嚩菩提薩埵<注>去</注>喃<注>四</注>陀舎菩迷鉢囉<注>二合</注>布瑟耶帝舎囉菩提薩埵<注>去</注>喃<注>五</注>摩訶菩提薩埵<注>去</注>喃怛地他<注>七</注>唵<注>八</注>佉佉<注>九</注>佉佉醯醯突瑟吒<注>二合</注>薩埵陀摩迦<注>十一</注>阿私姥娑羅<注>十二</注>鉢羅<注>二</注>輸波舎訶娑哆遮<注>十三</注>覩盧菩闍<注>十四</注>遮覩嚧姥佉<注>十五</注>殺者囉拏<注>十六</注>伽伽伽車車<注>十七</注>摩訶比近那迦訶迦徳毘訖唎哆那娜<注>十八</注>薩婆菩哆婆孕迦囉<注>十九</注>阿吒吒訶娑那地儞<注>二十</注>毘耶迦羅<注>二十一</注>摩摩儞摩娑那部多<注>二十二</注>倶嚕倶嚕<注>二十三</注>薩婆竭摩吽<注>二合</注><注>二十四</注>瞋陀瞋陀<注>二十五</注>薩婆曼怛囉吽<注>二合</注><注>二十六</注>頻陀頻陀頻陀<注>二十七</注>鉢囉<注>二合</注>姥駄囉吽<注>二合</注><注>二十八</注>阿迦哩沙耶阿哩迦沙耶<注>二十九</注>薩婆菩陀吽<注>三十</注>儞唎麼陀儞唎麼陀<注>三十一</注>薩婆突瑟吒<注>三十二</注>薩怛鑁<注>三十三</注>鉢囉鞞舎耶<注>三十四</注>曼荼羅末第<注>三十五</注>陪以縛娑哆餌尾且哆羯囉<注>三十六</注>倶嚕倶嚕<注>三十七</注>麼麼迦哩近<注>三十八</注>陀呵陀陀呵陀<注>三十九</注>跋者跋者<注>四十</注>摩尾覧婆摩尾覧婆<注>四十一</注>娑麼耶<注>四十二</注>麼怒娑麼囉<注>四十三</注>吽吽<注>四十四</注>娑娑泮吒<注>四十四</注>娑普吒耶娑普吒耶<注>四十六</注>薩婆舎幡唎布囉迦<注>四十七</注>翳呬曳醯<注>四十八</注>婆伽畔<注>四十九</注>緊者囉夜私麼麼<注>五十</注>薩末嘌攤娑<注>去</注>陀耶<注>五十一</注>沙訶

爾時大金剛告諸天言:「此瞋怒王耶曼德迦呪王,能攝閻羅王種種治罰調伏,亦能攝一切呪及諸天仙呪,及呪惡人非道理者,亦能攝十地菩薩呪、世間呪神爾時無量功力。此夜曼德迦嗔怒王,一切呪法所說功能成就。持此嗔怒王人,但誦此呪,亦能使得餘一切呪神等。此耶曼德迦嗔怒王呪,但專誦念即得成就。

その時、大金剛が諸天に告げて言った。「この忿怒の王、耶曼徳迦(ヤマーンタカ)の呪王は、閻羅王のさまざまな罰や調伏を自在に掌握し、またあらゆる呪や諸天仙の呪、道理に外れた悪人を調伏する呪をも掌握し、さらには十地の菩薩の呪、世間の呪神までも掌握することができる。その功徳は限りなく大きい。この夜曼徳迦忿怒王は、あらゆる呪法に説かれた功徳を成就させる。この忿怒王を護持する者は、ただこの呪を唱えるだけで、他のすべての呪神をも自在に働かせることができる。この耶曼徳迦忿怒王の呪は、ただひたすら唱え念ずるだけで、たちどころに成就するのである。」

「那牟薩婆勃陀步地娑哆嚩喃(一)阿鉢囉帝訶多舍娑那喃(二)唵(三)迦羅迦羅(四)俱嚕俱嚕(五)麼麼地里焰(二合)(六)囁婆囁婆(七)薩婆尾佉那(八)諾訶諾訶(九)薩婆拔折囉(二合)(十)毘那夜迦吽(十一)冐囉馱吒迦貳尾咀哆迦羅(十二)摩訶微訖哩(二合)哆嚕比那(十三)跋者跋者(十四)薩婆突瑟吒吽(二合)(十五)摩訶伽那鉢底(十六)視尾且哆羯囉(十七)畔馱畔馱(十八)薩婆揭囉恨(十九)沙木佉(二十)沙步遮(二十一)沙者拏(二十二)嚕囉那忙那野(二十三)𭤶瑟弩忙那野(二十四)末囉呵莽泥延泥縛那曩野(二十五)麼尾覽婆麼尾覽婆(二十六)囉呼囉呼(二十七)曼荼囉末地(二十八)鉢囉毘社耶(二十九)娑麼耶(三十)麼怒娑麼囉(三十一)吽吽吽吽吽吽(三十二)娑泮吒娑泮吒(三十三)莎縛訶」

「南無すべての仏陀と菩薩たちに帰依します。 〈一〉 障りなく広がる教えに帰依します。 〈二〉 オン。 〈三〉 働け、働け。 〈四〉 起こせ、起こせ。 〈五〉 私の願いのために。 〈六〉 砕け、砕け。 〈七〉 すべての障害を。 〈八〉 滅ぼせ、滅ぼせ。 〈九〉 すべての金剛の。 〈十〉 障害の神々よ、フーン。 〈十一〉 力強く打ち破る者よ。 〈十二〉 大いなる恐ろしい姿の者よ。 〈十三〉 進め、進め。 〈十四〉 すべての災いを、フーン。 〈十五〉 大いなるガネーシャよ。 〈十六〉 輝く姿の者よ。 〈十七〉 縛れ、縛れ。 〈十八〉 すべての敵を。 〈十九〉 その顔を。 〈二十〉 その歩みを。 〈二十一〉 その姿を。 〈二十二〉 騒がしい者を静めよ。 〈二十三〉 強い者を静めよ。 〈二十四〉 梵天や天の神々をも超えて。 〈二十五〉 砕け、砕け。 〈二十六〉 飲み込め、飲み込め。 〈二十七〉 曼荼羅の究極の境地へ。 〈二十八〉 完全なる悟りへ。 〈二十九〉 誓いを。 〈三十〉 思い出せ、その誓いを。 〈三十一〉 フーン、フーン、フーン、フーン、フーン、フーン。 〈三十二〉 打ち砕け、打ち砕け。 〈三十三〉 サワカー(願いが成就しますように)。」

(文殊師利根本呪,此法中常須用結界護身)

(文殊師利の根本呪文は、この修行の中で常に結界を施し、自身を守るために用いる必要があります。)

爾時大嗔怒金剛四面顧視,觀其大眾,更欲說嗔怒法,告言:「汝等諸天眾及所有鬼神等依止法界住者,欲作法時,先作𮢮印護身,速成證驗。即作火法,令一切鬼神魔等悉皆降伏不敢為害。作法之時,先取嗔怒畫像,於自在天廟中安置,取毒藥、赤芥子、脂、血和之,苦練葉供養畫像。取死人腸肚橫向,呪師自身取死人劫波。呪師誦呪時,左手拓前件劫波,右手頭奚刻自在天。呪師嗔怒想前件惡人欺陵己身及他人者、或富貴高心惡朋黨者、可畏者、足財寶者、大臣宰貴等人,即作前件法,閉門露形坐之。若俗人師,披頭左脚踏自在天,能誦呪,自在天身自然兩段。空中及出雄吼聲,呪師嗔勿怕之,牢自安心。即當日羅闍等被虎鬼著、或惡鬼羅剎等著,更誦呪乃至惡人皆悉捨命。若夜誦呪,家內眷屬等悉皆。

その時、大いなる怒りの金剛は四方を見渡し、その大衆を観察して、さらに怒りの法を説こうとして、こう告げた。「汝ら天の衆や、すべての鬼神など、法界に依って住する者たちよ。法を行じようとする時には、まず印章の印を結んで身を護り、速やかに験証を得よ。すなわち火の法を行じて、すべての鬼神や魔どもをことごとく降伏させ、害をなすことを敢えてさせないようにせよ。法を行ずる時には、まず怒りの絵像を取り、自在天の祠に安置せよ。毒薬、赤い芥子、脂、血を混ぜ合わせ、苦練の葉を絵像に供養せよ。死人の腸や腹を横たえて置き、呪師は自ら死人の劫波(骨や遺物)を取るのだ。呪師が呪を誦する時には、左手で先ほどの劫波を押さえ、右手で自在天の頭を刻む。呪師は、先ほどの悪人——自分や他人を虐げる者、あるいは富貴で高慢な悪党や仲間、恐ろしい者、財宝を十分に持つ者、大臣や貴人などのことを怒りの心で想い浮かべ、その上で先ほどの法を行う。門を閉ざし、裸形で座するのだ。もし俗人の師であれば、髪を振り乱し、左足で自在天を踏み、呪を誦することができれば、自在天の体は自然と二つに裂けるであろう。虚空より雄叫びの声が発せられても、呪師は怒りをもって恐れてはならない。しっかりと心を安らかに保て。すなわちその日に、羅闍らは虎鬼に取り憑かれ、あるいは悪鬼や羅刹などに取り憑かれてしまい、さらに呪を誦すれば、悪人に至るまでもが皆、命を落とすであろう。もし夜に呪を誦するならば、家の中の眷属たちも皆…」

「又法盡日向自在天廟處,一夜不食。黑月十四日取屍陀林木燃火,取赤芥子和血及毒藥等,一呪一燒,即空中有大聲出,時一切餓鬼悉集現呪師前,必不得畏懼。呪師報前件餓鬼言:『為我滅怨家惡人。』鬼等報呪師言:『必為如願。』即隱不現。惡人百千里不訜遠近,一切怨家等鬼皆悉為滅盡,一念頃悉皆得除差,及種族皆悉離散。如是等法無量作者皆悉成就。

また、この法を修めるには、一日中自在天の祠堂の場所で、一晩食事を絶つ。黒月の十四日に屍陀林の木を取って火を燃やし、赤芥子を取り、血や毒薬などと混ぜて、一つの呪文を唱えるたびに一つを火に投じる。すると、たちまち空中に大きな音声が現れる。その時、すべての餓鬼が集まり、呪師の前に現れる。決して恐れてはならない。呪師は前に現れた餓鬼たちに告げる。「私のために怨敵や悪人を滅ぼしてほしい。」鬼たちは呪師に答える。「必ず願いのままにしましょう。」そう言うと、たちまち姿を消す。悪人が百千里離れていようとも、遠近に関わらず、すべての怨敵や鬼たちはことごとく滅ぼされ、一瞬のうちにすべて除かれ、その種族も皆、離散してしまう。このような法等は、無量の行いをなす者も、すべて成就する。

「又法空宅舍清淨之處,著淨衣服,於中取白疊子,一呪一燒滿一千八遍。兩手掬取前件疊子灰,即淨衣中裹。取兩瓦椀,各合一團灰著,即誦呪作法護身,即將兩裹灰向死陀林中。黑月八日或十四日,呪師面向南,安兩瓦椀灰,安前頭著。呪師赤體披頭露形足嗔怒,誦呪一萬遍,即得成就。其中鬼神索前頭灰者,必不得與之。若鬼神強奪灰者,即憶念耶曼德迦一字呪。呪曰:

〈また別の行法〉

空き家や清らかな場所で、清浄な衣服を着て、白い布を用意し、一回の呪文ごとに一枚を焼いて、合計一千八回行う。

その後、両手でその灰をすくい取り、清らかな衣で包む。さらに瓦の碗を二つ用意し、それぞれに灰を一団ずつ入れて、呪文を唱えながら身を守る作法を行う。そして、その二つの灰の包みを持って、屍林(墓地)へ向かう。

黒月(月のない晦日)の八日または十四日に、呪師は南を向いて座り、二つの瓦の碗の灰を前に置く。呪師は裸で髪を振り乱し、怒りの形相で、一万回の呪文を唱えると、成就を得る。

その際、現れた鬼神が前に置いた灰を求めてきたら、決して与えてはならない。もし鬼神が無理やり灰を奪おうとするならば、耶曼德迦(ヤマーンタカ)の一字呪を心に念じなさい。その呪文は次の通りである。

「吽」

「フーン」

「作是聲,鬼神悉皆散滅,一切障礙悉皆淨盡。若把其灰,即記左右,必不得迷忘,皆題記左右。呪師勿得放逸,誦呪必須護身。到天明日出,即洗浴著淨衣,即還歸舍。到舍以然後右手所把藥以將護身。一切鬼人及四足者,一切眾生天龍藥叉等,即將此灰散於天龍鬼神人等上,即得降伏。左手所把灰,散上丈夫婦人,即得降伏。右手所把灰前件人,即令前人陰萎不起,由如黃門。若散人陰上,即不能行欲事。若散女人產門上,不能共丈夫行其欲事,產門閉塞。如本夫主行欲,其產門自開,餘者不可須開。爾時丈夫行事亦然。共人問自許,夫婦即得。若將此灰散一切男女,無問貴賤者此灰者,皆得降伏隨意所作。若婦人著此灰者,其產門以開降伏,隨意所作。若婦人著此灰而強行欲者,其婦人產門中蛆出,產門爛臭如死人氣,其婦人一月即便捨化。丈夫陰根還同婦人受苦一種,於後捨化。又此灰,呪師心生愛樂□得。若呪師隨方所有惡人及所求處,即將此灰隨其風道以手散灰,即得如意。若自作,遣人亦得。若坐臥之處,床敷机上一切莊嚴具,衣被氈褥所有一切,及屏障舍屋四壁等,呪師將灰散著此上,一切怨家皆得惡病,或身上虱出極嚙人、或壁虱出咬人身洪爛不得安穩,數日受苦,於後即到死地。一切醫師及天下藥不能療得此人苦痛,一切諸天呪力亦不能除,除我呪者餘皆不可救。若呪師迴心欲故,草麻、青蓮花、白檀香㨶以為末細研,以冷水和,塗藥前病人從頭至足,用文殊師利根本呪印,即得除愈。

こう唱えると、鬼神はすべて散り滅び、あらゆる障礙もすべて浄め尽くされます。もしその灰を手に取るなら、すぐに左右を心に記し、決して迷い忘れてはなりません。みな左右を書き記すのです。呪師は決して放逸であってはなりません。呪を誦すときは必ず身を護りなさい。夜が明けて日が昇ったなら、すぐに沐浴して清らかな衣をまとい、そして家へ帰りなさい。家に帰ったなら、右手に持った薬を身を護るために用いなさい。すべての鬼人や四足のもの、すべての衆生、天龍、薬叉などに対して、この灰を天龍・鬼神・人などの上に散らせば、たちまち降伏させることができます。左手に持った灰を、丈夫や婦人の上に散らせば、たちまち降伏させることができます。右手に持った灰を先の人の上に散らせば、その人の陰は萎えて起たなくなり、黄門のようになります。もし人の陰の上に散らせば、もはや欲事を行うことができません。もし女人の産門の上に散らせば、夫と共に欲事を行うことができず、産門は閉塞します。本来の夫が欲事を行おうとすれば、その産門は自然に開きますが、他の者は開くことができません。そのとき丈夫が事を行う場合もまた同様です。人と共に問い、自ら許せば、夫婦は事を成すことができます。もしこの灰をすべての男女に散らせば、貴賤を問わず、この灰によって、みな降伏させられ、意のままに所作を行うことができます。もし婦人がこの灰を身につければ、その産門は開いて降伏し、意のままに所作を行います。もし婦人がこの灰を身につけて無理に欲を行えば、その婦人の産門から蛆が涌き出し、産門は爛れて臭く、死人の気のようになり、その婦人は一月のうちにすぐに命を捨てます。丈夫の陰根もまた婦人と同じ苦しみを受け、後に命を捨てます。またこの灰は、呪師が心に愛楽すれば得ることができます。もし呪師が、どの方角にあっても悪人や求める所あるとき、この灰を風の道に随って手で散らせば、意のままに成就します。自分で行っても、人に遣わして行っても同じです。もし坐臥する所、床や敷物、机の上、すべての荘厳の具、衣・被・氈・褥のすべて、および屏障や舎屋の四壁などに、呪師が灰を散らせば、すべての怨家はみな悪病を得ます。あるいは身上に虱が涌いて激しく人を噛み、あるいは壁虱が涌いて身を咬み、洪爛して安穩を得ず、数日のうちに苦しみを受け、その後すぐに死地に至ります。すべての医師および天下の薬はこの人の苦痛を癒すことができず、すべての諸天の呪力もまた除くことができません。我が呪を除いて、他はみな救うことができません。もし呪師が心を回して癒そうと欲するなら、草麻・青蓮花・白檀香を搗いて末とし細かく研ぎ、冷水で和し、薬を病人の頭から足まで塗り、文殊師利根本呪印を用いれば、たちまち除癒を得ることができます。

「又法若心中思惟前無用女婦,以前件灰隨風散之,即得惡病,產門及以嬭房悉皆洪爛落盡。丈夫亦然,□陰根髮鬚及以嬭房爛盡。如是等法即無量能作惡事,若呪師自作前得,使又亦得。若愛怜者,不應作此法。若心不怜者,即作此法,勿令人知。呪師心思著如是病,即得此病。若觸頭頭痛,觸口口即生瘡,觸心心痛,觸脚脚痛。痛及氣疼,乃至遣死瘦損壞。及攝來向前遣調伏,若遠者亦攝來調伏。若嶮難處行心怖畏處,即將灰逐風散之。又以兩手把灰散於城墻門樓,此及人家墻皆悉崩倒或火起燒之。及以兵長等,逢此灰亦皆星散滅,或惡痛疫起,或城中人開門自逃散出。或他逼切罪,將灰逐風散,彼其軍得大勢病,或得虐等。其法能作種種惡,起心所作悉得如意,自家即得擁護,及同伴等亦得擁護。如上所說法欲除之者,即取夜曼德迦嗔怒畫像安壇中,取乳粥一椀,一呪一燒滿一千八遍,一切怨家等還復依舊無痛。以次即是所夜叉女羅剎女陵行之人。又耶曼德迦金剛大嗔怒王說心呪法。

また、ある法では、もし心の中で先の無用の女や婦人を思惟するなら、前の灰を風に乗せて散らすことで、即座に悪病を得る。産門および乳房はすべて大きく爛れ落ちる。男も同じであり、陰根・髪・鬚および乳房は爛れ落ちる。このような法は無量の悪事をなすことができる。もし呪師が自ら行えば、前述の結果を得る。また他人に対しても同じである。もし愛しい者であれば、この法を行うべきではない。もし心の中で愛しくない者であれば、この法を行い、人に知られてはならない。呪師が心の中でそのような病を思惟すれば、その者は即座にその病を得る。もし頭に触れれば頭痛、口に触れれば口に瘡が生じ、心に触れれば心痛、脚に触れれば脚痛となる。痛みや気の痛みも生じ、さらには死や痩せ衰え、損壊をもたらす。また、引き寄せて前に来させ、調伏させる。もし遠くにいても、引き寄せて調伏する。もし険難な場所を歩み、心に怖れがある場所であれば、灰を風に乗せて散らす。また両手で灰を掴み、城壁や門楼に撒けば、その人家の壁もすべて崩れ倒れ、あるいは火が起こって燃える。また兵士なども、この灰に逢えばすべて散り散りに滅びる。あるいは悪い疫病が起こり、あるいは城中の人が門を開けて自ら逃げ散る。あるいは他に迫られて苦しむ場合、灰を風に乗せて散らせば、その軍は大病を得、あるいは瘧などにかかる。その法は様々な悪事をなすことができ、心に起こした所想はすべて意のままになる。自身は即座に擁護を得、また同伴者なども擁護を得る。上述した法を取り除きたいならば、ヤマーンタカの忿怒の画像を取り、壇の中に安置する。乳粥を一碗取り、一呪一燒で満千八遍すれば、一切の怨敵などは元の通りに戻り、苦しみはない。次に、これは夜叉女・羅刹女が人に陵り行くものである。また、ヤマーンタカ金剛大忿怒王が心呪の法を説く。

「唵(一)仡里(二合)瑟窒哩(二合)𭤶訖里哆那娜(二)薩麼設咄嚕那捨耶(三)薩擔婆耶(四)泮泮泮(五)莎訶」

「オン、キリ、シッチリ、キリタナ、サマセツトルナシャヤ、サタンバヤ、パンパンパン、ソワカ」

「是心呪常誦勿令斷絕。每日發願言:『令突瑟吒種種作害者。』即令彼破□壞散滅無餘(同前用稍印)。

この心の呪文を常に唱え、絶やしてはなりません。毎日こう願いを込めて唱えなさい。「あらゆる害をなす者たちよ、その力を打ち砕かれよ」と。そうすれば、彼らはたちまち破られ、散り散りに滅ぼされ、何も残りません。(前と同じく、少しく印を用いること)

「又小心呪曰:

また、心を静めて、このように呪文を唱えなさい。

「唵窒哩(二合)迦羅嚕波(二)吽(三)欠莎訶」
是小心呪,亦同前𮢮印。復令時別誦一千八十遍,即得法成。

これは小心呪(しょうしんじゅ)といい、先ほどのものと同じ印を用います。さらに、別の時(きまった時間)に一千八十遍(せんはっぴゃくじゅうへん)を唱えれば、即座に成就(じょうじゅ)を得ることができます。

「又說最上一字心呪曰:

また、最も上の一字の心呪を説いて曰く、

「是一字心呪,亦用前鎙印。是呪能令諸佛所讚,亦能除一切惡邪見人等,復能調伏一切鬼神□□成就一切善事。每日常誦是呪一千八十遍,即速成就。是耶曼德迦呪,不論時,即但有難事即作之,凡作皆用黑月作之,或午時半夜作之,並得隨意

この一字の心呪(しんじゅ)は、先ほどの戟(げき)の印とともに用いる。この呪いは、諸仏の称賛を得ることができ、またあらゆる邪悪な見解を持つ者たちを除き、さらにすべての鬼神を調伏(ちょうぶく)し、あらゆる善い事柄を成就させる。毎日この呪いを1080遍誦(とな)えれば、すぐに成就するであろう。この耶曼德迦(ヤマーンタカ)の呪いは、時を選ばず、ただ障難(しょうなん)があればそのときに行うのがよい。すべて黒月(くろつき、陰暦の半月)のときに行い、あるいは正午や夜半に行うのも、思いのままに許される。

「又說心呪曰:

「また、心の呪文(しんじゅ)を説いて、次のように唱える。

「唵帝利路迦嚧波吽欠莎訶(此呪大威力有能成一切事)」

「オン テイリ ロカ ロウ ハ ウン ケン ソワカ(この呪文には大きな力があり、あらゆる願いを成就させることができる)」

耶曼德迦金剛以說印部諸印及護身縛一切印。

耶曼德迦金剛が、印の部分の諸々の印と、身を守るための一切の印について説かれた。

「先以左手無名指自向虎口出,右手亦然。以二小指相叉向名指孔中拾虎口外,竪二中指頭相跓,二頭指屈著中指上節文,二大指直竪中指中節文,是縛一切印。

左手の薬指をまず虎口のほうへ向けて出し、右手も同じようにします。二つの小指を交差させて、薬指の孔の中から虎口の外へ出します。二つの中指を立てて、先を互いにつけます。二つの人差し指を曲げて、中指の上の節のしわに当てます。二つの親指はまっすぐ立てて、中指の真ん中の節のしわに置きます。これが、すべてを縛る印です。

「召印,准前印,二頭指點下,是名召印。

召印(しょういん)とは、先ほどの印と同じ形で、両方の人差し指を下に向けて突くようにします。これを召印と呼びます。

「大叉印,准前印,開二頭指直竪去中指半寸,是名大叉印。

大叉印は、先ほどの印と同様に、二本の頭指(人差し指)を開いてまっすぐ立て、中指から半寸(約1.5センチ)離す。これを大叉印と名付ける。

「供養印,以左手中指苾於名指後,以大指捻名指上文,頭指少指少曲,右手頭指釣左頭指,右中指釣左小指,右無名指頭指曲入掌中大指押少指甲上,是名香爐印。

供養の印を結ぶには、左手の中指を薬指の後ろに置き、親指で薬指の上の方をつまむ。人差し指と小指は少し曲げる。右手の人差し指で左手の人差し指を引っ掛け、右手の中指で左手の小指を引っ掛ける。右手の薬指と人差し指は曲げて掌の中に入れ、親指で小指の爪の上を押さえる。これを香炉印という。

「互相陵印,二手相叉,五指屈在掌中,竪右大指左大指押無名指□節,是名互相陵觸印。

互いに押し合う印、両手を交差させ、五指を掌の中に曲げ、右の親指を立て、左の親指で無名指の関節を押さえる。これを互いに陵觸する印という。

「鎙印,准前互相陵印,唯竪二中指相著,是名鎙印。

鎙印(やりのはんにん)。先ほどの印と同様に、互いの指を組み合わせますが、ただ中指二本だけを立てて、その先を合わせるのです。これを鎙印といいます。

「調伏一切惡人印,准前,右大指屈入掌中,是名調伏一切惡人印。
「捧印,准前,改二大母指直竪,是名捧印。
「鐵箭印,治罰一切怨家用。准前捧印,二大指少開,是名鐵箭印。

鉄箭印は、あらゆる怨敵を調伏し罰するために用いる。先ほどの印と同様に捧げ持つが、両方の親指を少し開く。これを鉄箭印と名付ける。

「牙印,又二手相合,五指直竪,屈二無名指掌中以著大母指第二節,中指頭各近二小指一然。

牙印の印相です。両手を合わせ、五本の指をまっすぐ立て、両方の薬指を掌の中で曲げて、親指の第二関節に置きます。中指の先端は、それぞれ両方の小指のそばに近づけます。

「擲依印,又二手掌並合,五指直竪,當於胸前陵迴此印,向右邊作勢,向左□掣之。」

「依印を掲げ、さらに両掌を合わせて、五指をまっすぐに立て、胸前に当てて、この印をひねるようにして、右側に動かし、左側に引き戻します。」

文殊師利耶曼德迦法

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