曼殊室利焰曼德迦萬愛祕術如意法
曼殊室利焔曼徳迦万愛秘術如意法
一行撰譯
一行撰譯
夫真言教源,自護摩法無上也。此之中祕密教,愛法也。為求末世眾生敬愛,說一印真言,能利眾生故。先說像,其身六面、六臂、六足,乘水牛。所謂六面,頂上三面,中面菩薩形柔軟也,其面頂有阿彌陀佛。又六臂,所謂左一鉾、二輪索、三弓,右一劍、二寶杖、三箭,以彼弓鑄勢也。又六足,左三足立輪,右三足上彼輪下有木牛,牛四足立花座。復像背有火焰,如虹,又如吠瑠璃。其火中當,像右足下有寅神,次第十二神,但未申對面。復次壇水圓壇,其壇中置輪可修行,增益、敬愛、息災、調伏皆可置。其所口傳,又當身口傳。
真言教の源は、護摩法より上なるものはありません。この中の秘密教は、愛敬(愛され敬われること)の法です。末法の世の衆生が敬愛されることを求めるために、一つの印と真言が説かれました。それは衆生を利益するからです。
まず、本尊の姿について説きます。その身は六面・六臂・六足で、水牛に乗っています。
六面とは、頂上に三面あり、中にある面は菩薩の形で柔和です。その面の頂上には阿弥陀仏がおわします。
また六臂とは、左は一つ目の鉾、二つ目の羂索(なわ)、三つ目の弓。右は一つ目の剣、二つ目の宝杖、三つ目の矢です。その弓は引いて構えた姿をしています。
また六足とは、左の三足は車輪の上に立ち、右の三足はその車輪の下にある木牛の上にあります。牛の四足は蓮華の座に立っています。
また、像の背後には炎があり、虹のようであり、また瑠璃のようです。その炎の中ほどの、像の右足の下には寅の神があり、その次に十二神が並びます。ただし、未と申の二方は向かい合って配置されます。
さらに、壇について言えば、水の円形の壇を用います。その壇の中央に輪を置いて修行します。増益・敬愛・息災・調伏のどの目的であっても、皆これを置きます。
このことは口伝であり、また身をもって伝えるものです。
復次說一印口傳。呪曰:
次に、一印の口伝(くでん)を説きます。その呪(じゅ)は次の通りです。
唵瑟底哩迦羅嚕婆吽欠娑呵
オム・シティリ・カロウバ・ウン・カン・ソワカ
以是印呪向佛,成普禮,及次第觀念。
この印と呪いを仏に向けて唱えることで、すべての仏に礼拝することとなり、さらに順序立てて心を定めることができます。
復說曼陀羅法。內院明王,明王背有法形文殊。外院東方召請童子,其形如童子,髻上生,登以弓矢。東南方計設尼童子,如上形,左拳,右把三角鉾,左拳置腰。南方救護慧童子,如上形,左投輪,右施無畏右足上。西南方烏波計設尼童子,如上形,二手花鉢。西方光綱童子,左拳置腰,右捧孔雀尾。西北方地慧童子,右手把三𦙶,如金剛藏王。北方無垢光童子,如上形,左拳置腰,右索上。東北方不思議童子,左拳置腰,右劍地上物打勢也。一一身五色立輪,輪下一一有師子。如是說法。成就說法。高山頂造淨室,四十九日無言,斷火,如法百萬遍滿足,然後法成就獲得。
さて、曼荼羅の作法について説こう。
内院には明王を安置し、その明王の背後には法形の文殊菩薩を描く。
外院の東方には召請童子を配す。その姿は童子のようであり、髻(もとどり)の上に生じ、弓矢を携えている。
東南方には計設尼童子を配す。姿は先ほどの童子と同じであるが、左の拳は腰に置き、右手には三角の鉾を掲げ持つ。
南方には救護慧童子を配す。姿は同じく、左手は輪を投じる形を取り、右手は施無畏の印を結んで右足の上に置く。
西南方には烏波計設尼童子を配す。姿は同じく、両手で花を盛った鉢を捧げ持つ。
西方には光綱童子を配す。左手の拳は腰に置き、右手で孔雀の尾羽を捧げる。
西北方には地慧童子を配す。右手には三叉の戟(とがりほこ)を握り、金剛蔵王のごとくである。
北方には無垢光童子を配す。姿は先ほどの童子と同じで、左手の拳は腰に置き、右手は索(なわ)を上に掲げる。
東北方には不思議童子を配す。左手の拳は腰に置き、右手の剣で地上のものを打つ勢いを示す。
これらの童子は、それぞれ五色の光輪を身にまとい、その光輪の下には一頭ずつ獅子がいる。
このように説くのが成就の作法である。
成就を求めるならば、高い山の頂上に清らかな室を建て、四十九日の間、言葉を発せず、火を用いず、作法のとおりに百萬遍の念誦を満たすべし。そうすれば、やがて法は成就し、その功徳を得ることができるであろう。
復次法成就說符。
さらに、法が成就したことを示す教えのしるしについて。
加法 口傳地符
加法 口伝の地符
天符
天符(てんぷ)
如是說已,末世眾生信受奉行。
このように説かれたのち、末世の衆生は信じ受け、実践しました。
焰摩德迦萬愛法一卷
閻魔徳迦万愛法 一巻
保元二年七月二十三日於勸修寺西明院住房 一校了
保元二年七月二十三日、勧修寺西明院の住房にて 一校を終えました。
僧智海
僧侶の智海