刻成唯識論疏序釋題辭
唯識論疏序釋題辭
成唯識論者乃菩提薩埵甚㴱境界非是二乘異生之所測李唐三藏曾聚十釋為糅論大乘基師親受密誨為之疏以揚指外月雖然筆力古朴義趣幽𨗉學者尚不能卒曉故淄州樸揚之徒相繼撰述燈祕探索論疏微隱噫燈祕靈辯至不釋疏序古德亦悲矣爰本邦善珠僧正玅通三性之玄理朗曉八門之軌式大都所著章藻迨於一十餘部今序釋其一也惜舊本字蹤不全句讀難通余在南京學黌之日採眾本隨義訂正間亦至魯魚難辨乃存舊文一以不私既施訓於𠊓壽梓及之大方後之君子亦得好本再正焉是為法之一大幸也。
『成唯識論』は、菩薩の非常に深い境地であり、凡夫や二乗の者が推し量ることのできるものではない。唐代の三蔵法師(玄奘)は、十社の注釈を集めてこの論を編纂し、基(慈恩大師)は直接その教えを受け継ぎ、注釈書を著して、その深遠な教えを明らかにした。しかし、その文章は古風であり、その意味は極めて深遠で、学者でも容易に理解することはできなかった。そこで淄州の智周らの学者たちが相次いで注釈書を著し、その奥義を解き明かそうとした。しかし、彼らの注釈もあまりに厳密で、元の『成唯識論』の序文すら解釈できず、古人もこれを悲しんだ。我が国(日本)の善珠僧正は、三性の奥義を深く悟り、八識の教えを明らかにし、その著作は十数部に及んでいる。ここにその一つを解説しようと思う。しかし、古い写本は文字が欠けており、句読点もなく、読むのが難しい。私は南京の学問所にいた時、様々な版本を集めて、意味に従って訂正したが、中には判別し難い誤字もあり、そのまま古い文章を残した。すでに訓点を施し、版木に彫って広く世に送り出した。後の君子がさらに良い版本を得て、再度訂正してくれることを願う。これこそが、仏法にとって大きな喜びである。
元祿九年冬十月釋通印瑞玄誌于洛東禪林之寓舍
元禄九年の冬、十月のこと。釈通印瑞玄は、洛東の禅林にある仮の住まいにおいて、この書を記した。
成唯識論述記序釋
『成唯識論述記』序の解説
秋篠釋善珠集
秋篠釋善珠集