示全菴進上座
全菴上座に示す
進上座事我十年不動竿頭每為齩破拇指夏初入大雄室聞舉一歸何處話直下透脫須念自利易利人難深心大心終身誓居學地所謂證無量聖身猶未是泊頭處也。
上座であるあなたは、十年もの間、竿の先にとどまって動かず、そのために親指を噛み破るほどの苦しみを味わった。初夏に大雄の部屋に入り、「一はどこに帰するか」という公案を聞いて、その場ですべてを透き通り、解脱した。しかし、自らの利益を図ることは易く、他者を利益することは難しいと深く思うべきである。深い心と広い心をもって、生涯をかけて学びの境地に身を置くと誓いなさい。いわゆる、無量の聖なる身体を証得しても、それはまだ船を停めるための港ではないのである。