序偈
序偈
一
一つ
救護者大仙 生轉百億次
唯為世間人 行無限利益
救護者たる大仙は、百億もの生まれ変わりを経て、ただ世の人々のために限りなき利益をもたらした。
二
二つ
禮拜大仙足 於法合掌禮
敬禮諸一切 崇敬之器僧
礼拝し大仙の足を 法において合掌し礼す
敬礼す、すべての 尊ばるべき器たる僧に
三
敬禮此三寶 功德由此生
依彼之威光 除去諸障礙
敬礼この三宝、功徳はこれによって生じ、 その威光によって、すべての障碍を除きたてまつる。
四
四(し)
大仙有光輝 彼乃此由來
本生無戲論 說古本生語
大仙は光輝あり、その来たる所以はここにあり。 本生(ほんしょう)には戯論(けろん)なく、古の本生の言葉を説く。
五
五
教主之導師 念世之救濟
久遠實踐行 成就菩提資
教主の導き手 世の救い主 永きにわたる実践行 悟りへの糧を成就す
六
六
法藏集成者 寄集總為一
此等為結集 本生古話名
法蔵の集成者は、すべてを一つに集めました。これらの物語をまとめて、前世の物語(ほんじょう)と呼びます。
七
七
願此佛種姓 系統永住世
〔大寺〕之長老 利見來乞予
願わくば、この仏の種姓(仏となる種)が、系統として永遠にこの世に住み続けんことを。 〔大寺〕の長老が、利益を見るために、私に請い求めて来られた。
八
八
常住無他雜 其心成靜寂
弟子有上智 覺友亦同乞
常住にして他雜なし 其の心靜寂を成す 弟子に上智あり 覺友も亦同じく乞う
九
9
比丘之所屬 系統化地部
清淨智方便 覺天亦同乞
比丘の所属は、系統化された部派に属する。 清らかな智慧と方便によって、覚天もまた同じく乞い求める。
一〇
一〇
大士之行蹟 威光不思議
本生之古話 〔說明〕其釋義
大士の行いとその足跡は、その威光、測り知れず。 本生の古い物語、(その)意味を説き明かす。
一一
「一一」(いちいち)は、「それぞれ」「
大寺住者語 予則說其道
善良之佳士 聽予說其事
三之因緣:此本生之釋義,分為遠因緣、不遠因緣、近因緣之三因緣古話,加以說明,使聞者十分知此因緣後,對本生古話始善了解。然者,今先述此三因緣古話,然後再說明本生古話。
三つの因縁について:この本生(ほんじょう)の解釈は、遠因縁・不遠因縁・近因縁という三つの因縁の古い話に分けて説明します。これを聞く人々がこれらの因縁を十分に理解した上で、本生の古い話を正しく理解できるようにするためです。そこで、まずこの三つの因縁の古い話を述べ、その後に本生の古い話を説明することにします。
於是首先應知此因緣古話之段落。由大士伏於提槃迦羅〔燃燈〕佛之足下,〔以將來必定成佛〕之決心及為度一切之身而死,至出生於兜率天都,此間之話題為遠因緣古話。由兜率天降生世間至在菩提道場得一切智,此間之話題名為不遠因緣古話。至近因緣古話,則為佛住於各處之話題。
そこで、まずこの因縁の物語の区分を知るべきである。大士が提槃迦羅(燃燈)仏の足もとに伏し、〈将来必ず成仏する〉という決意と、一切を度するための身を捨てる心から、兜率天に生まれるまでの間の話を「遠因縁の物語」という。兜率天からこの世に降り立ち、菩提道場において一切智を得るまでの間の話を「不遠因縁の物語」という。そして「近因縁の物語」とは、仏が各地に滞在された間の話を指す。
現述遠因緣古話如下:
ここに、遠い昔の因縁の古い話を述べましょう。