大乘大集地藏十輪經卷第二
大乗大集地蔵十輪経 巻第二
三藏法師玄奘奉 詔譯
三蔵法師玄奘奉詔訳
十輪品第二
十輪品第二
爾時,地藏菩薩摩訶薩從座而起,整理衣服,頂禮佛足,偏袒一肩,右膝著地,合掌恭敬,而白佛言:
その時、地蔵菩薩摩訶薩は座より立ち上がり、衣を整え、仏の足を頂礼し、一肩を袒ぎ、右膝を地につけ、合掌して恭敬し、仏に申し上げた。
「我今問世尊, 無量功德海,
唯願賜開許, 為解釋除疑。」
私は今、世尊に問います。 無量の功徳の海について、 どうかお許しを賜り、 疑いを解き明かしてください。
世尊告曰:「汝真善士!於一切法智見無礙,為欲饒益他有情,故請問如來。隨汝意問,吾當為汝分別解說,令汝心喜。」
世尊がおっしゃいました。 「あなたは本当によき人です。すべての法について、智慧による見方が妨げられることなく、他の人々の利益を願って如来に質問されます。あなたの思うままに質問しなさい。私があなたのために詳しく説き明かし、あなたの心を喜ばせましょう。」
於是地藏菩薩摩訶薩,以頌問曰:
そこで、地蔵菩薩摩訶薩は、次の偈(うた)でお尋ねになりました。
「我曾十三劫, 已勤修苦行,
為一切有情, 除三災五濁。
多俱胝佛所, 已設無邊供,
曾見大集會, 清信眾和合;
聰哲勤精進, 皆來同會集,
未曾見如是, 無諸雜穢眾。
云何此佛國, 穢惡損淨善,
智者皆遠離, 惡行者同居;
多造無間罪, 誹謗於正法,
毀聖起惡見, 妄說斷常論;
具造十惡業, 不畏後世苦,
多遠離三乘, 臭穢向惡趣;
無明蔽其目, 貪嫉多姦矯?
云何轉佛輪, 度此眾生類?
云何破相續, 如金剛煩惱?
云何得總持, 果能如是忍?
今我見導師, 大集甚希有,
未曾見餘處, 具如是眾德。
具杜多功德, 勤修菩提道。
云何處愚眾, 能開示佛輪?」
「私は十三劫の長きにわたり、 修行に励み苦行を積んできました。 すべての生きとし生けるもののために、 三つの災いと五つの濁りを取り除いてきました。
多くの仏のもとで、 限りない供養を捧げ、 かつて大いなる集いを見ました。 清らかな信者たちが和合している様を。
聡明で勤勉に精進する者たちが、 皆、集まりに参加していました。 しかし、このように雑ざりや濁りのない集いを 見たことはこれまでにありません。
どうしてこの仏の国は、 穢れて悪に満ち、清らかな善を損ない、 智者たちは皆、遠ざかり、 悪行をする者たちが共に住んでいるのでしょう。
多くは無間の罪を犯し、 正しい教えを誹謗し、 聖者を毀り、悪しき見解を起こし、 虚しく断見や常見を説いています。
十の悪行をことごとく作り、 来世の苦しみを恐れず、 多くは三乗から遠ざかり、 臭く穢れた悪趣へと向かっています。
無明が彼らの目を覆い、 貪りや嫉妬、多くの偽りがあるのに、 どうやって仏の法輪を転じて、 このような眾生を救うことができるのでしょう。
どうやって金剛のように堅固な煩悩を 断ち切ることができるのでしょう。 どうやって総持を得て、 その結果、このような忍びの境地に至れるのでしょう。
今、私は導師を見ました。 この大いなる集いは非常に稀であり、 これほど多くの徳を備えた集いを 他で見たことはありません。
頭陀の功徳を具え、 菩提の道を勤め修める者たちです。 どうして愚かな眾生の中にあって、 仏の法輪を開き示すことができるのでしょう。」
世尊告曰:「善哉,善哉!善男子!汝於過去殑伽沙等諸佛世界,五濁惡時,已曾請問殑伽沙等諸佛世尊,如是法義。汝於如是所問法義,已作劬勞,已善通達,已到圓滿眾行彼岸;已得善巧方便妙智。今為成熟一切有情,令得利益、安樂事故;為令一切菩薩摩訶薩,善巧、方便、聖行、伏藏、施等六種波羅蜜多,成熟一切有情,勝行一切智智,功德大海速圓滿故;為轉一切剎帝利王諸暴惡行,使不墮落三惡趣故;為令此土三寶種姓,威德熾盛,久住世故;復問如來如是法義。諦聽諦聽,善思念之!吾當為汝,分別解說。」
世尊がお告げになりました。「善きかな、善きかな。善き男子よ。汝は過去において、ガンジス川の砂の数ほどの多くの仏の世界が、五濁の悪しき時代にあったとき、すでに同じくガンジスの砂の数ほどの多くの仏世尊に、このような法の意味を問うたのである。汝は、その問うた法の意味について、すでに労苦を積み、すでに正しく通達し、すでに完全なる修行の彼岸に達し、すでに巧みな方便という妙なる智慧を得ている。 今、すべての有情を成熟させ、利益と安楽をもたらすために、また、すべての大菩薩が、巧みな方便と聖なる行いの宝庫として、布施などの六つの波羅蜜多によって、すべての有情を成熟させ、すべての智の海という功徳を速やかに圆满させるために、さらに、すべてのクシャトリヤ王たちの暴悪な行いを転じ、三悪趣に堕ちないようにするために、そして、この国土において仏・法・僧の三宝の種が威光と徳を輝かせ、長く世に住まうために、再び如来にこのような法の意味を問うたのである。よく聞き、よく聞き、よく心に念じなさい。私は今、汝のために分別して説き明かそう。」
「唯然!世尊!願樂欲聞。」
「はい、尊き方よ。どうかお聞かせください。私たちは喜んでお聴きいたします。」
爾時,佛告地藏菩薩摩訶薩言:「善男子!如來由本願力,成就十種佛輪。居此佛土五濁惡世一切有情,退沒一切白淨善法、匱乏所有七聖財寶、遠離一切聰敏智者、斷常羅網之所覆蔽;常好乘馭諸惡趣車,於後世苦不見怖畏;常處遍重無明黑闇,具足十種不善業道,造五無間、誹謗正法、毀呰賢聖、離諸善法、具諸惡法。我住如是雜惡土中,得安隱住、得無驚恐、得無所畏。自稱我處大仙尊位,轉於佛輪,降諸天魔、外道、邪論,摧滅一切諸眾生類,猶如金剛堅固煩惱,隨其所樂,安置一切有力眾生,令住三乘不退轉位。
その時、仏は地蔵菩薩摩訶薩に告げられた。「善き男子よ。如来は本願の力によって、十種の仏の輪を成就した。この仏土の五濁悪世に生きる全ての有情は、あらゆる清らかな善法から退き失せ、七種の聖なる財宝を欠き、全ての聡明な智者から遠ざかり、断見と常見の網に覆われている。常に悪趣の車を乗りこなすことを好み、来世の苦しみを怖れず、常に厚い無明の闇に包まれ、十種の不善の業道を具え、五無間罪を犯し、正法を誹謗し、賢聖を謗り、善法を離れ、悪法を満たしている。
わたしはこのような雑穢の悪土にありながら、安穏に住し、恐慌なく、恐れのない境地を得ている。自ら大仙の尊位にあると称し、仏の輪を転じて、あらゆる天魔、外道、邪論を降伏し、全ての衆生の、金剛のように堅固な煩悩を摧き滅ぼす。そして、その者の望みに従って、力ある衆生を安置し、三乗の不退転の位に住まわせるのである。」
「善男子!譬如有國,時虛君位,其中所有一切人民、自軍、他軍、更相侵害,憂愁擾亂,人眾不安。有無量種鬪訟違諍、互相欺凌,諂言、妄語、麁惡、乖離、誣誷、矯亂;種種疾病、盲瞖昏闇、寒熱瘧疾、溫氣疫癘、癲癎乾枯、飲食不消;其心狂亂,諸根不具,支體缺減,乏少種種衣食資具,一切所有皆不可樂。諸有情類,歸依種種外道邪神,惡見、惡心及惡意樂,皆悉熾盛,迷失正道,臨墮惡趣。
「善男子(ぜんなんし)よ、たとえばある国に、王の座が空(むな)しくなった時を考えてみなさい。その国のすべての人々は、自国の軍と他国の軍とによって互いに害し合い、憂い苦しみ、混乱し、人々は安らかではありません。無数の種類の争いごとや言い争い、互いに欺き合い、へつらいの言葉、偽りの言葉、乱暴な言葉、仲違い、中傷、そして乱れが生じます。また、様々な病気、すなわち、目が見えなくなること、昏(くら)く暗いこと、寒熱(かんねつ)のマラリア、流行病、てんかん、痩せ衰える病、食べ物の消化不良も起こります。人々の心は狂い乱れ、感覚器官は完全に機能せず、手足は欠け損ない、様々な衣服や食べ物などの生活必需品に乏しくなり、存在するものすべてに喜びを見出せなくなります。こうした様々な生きとし生けるものたちは、様々な外道(げどう)の邪(よこし)まな神々に帰依し、誤った見解、誤った心、誤った意志がすべて盛んになり、正しい道を見失って、悪い世界に落ちようとしています。」
「時彼國中有諸耆舊,聰明、多智、博學、平恕、威嚴、整肅,相與謀議,運諸籌策,即便召集國邑人民,共所薦推取一王子。先具多種布施、調伏、寂靜、尸羅、精進、勇猛、難行、苦行,一切備滿。具諸殊勝福德之相,諸根圓滿,支體無缺,身形長大,相好端嚴,成就最勝美妙容色。常為一切尊重恭敬,率土人民無不親愛,稟性淳質,常懷慈悲,博學多才,備諸伎藝。柔和忍辱,莊嚴其心。是大后妃所生嫡子,以諸妙香熏、清淨水、調和冷暖,沐浴其身。著於種種上妙香熏、眾寶、莊嚴、鮮淨、衣服,末尼珠寶置在髻中,金寶華鬘冠飾其首,素練輕繒束於髮際。又以種種末尼真珠、金、銀、等寶,共所合成、珥璫、瓔珞、環玔印等,眾妙寶飾,莊嚴其身。織成寶履下承其足,眾寶傘蓋上覆其頂,安置古昔一切天仙所護持座。趣入一切天帝同許共所護持善巧營搆殊妙大殿,登自先王所昇尊座。紹王位已,扣擊一切天帝、龍帝、藥叉、神帝、阿素洛帝、鳩畔荼帝,各所護持廣大鍾鼓,其聲振響周遍國界。
その国に、年老いて経験豊かな年長者たちがいました。彼らは賢く、知識が深く、学問に秀で、穏やかで公正であり、威厳があり、きちんとしていました。彼らは互いに相談して計画を練り、国内の民を集めて、共に推挙して一人の王子を選び出しました。
まず、様々な施し、心の調伏、静寂、戒律、精進、勇気、困難への挑戦、苦行を完全に備えていました。また、あらゆる優れた福徳の相を備え、全ての感覚器官が満ち足りて完全であり、手足に欠けるところがなく、体は大きく、相好は整い端正で、最も勝れた美しい容色を成就していました。常に全ての人から敬われ、国土の民は皆、親しみ愛さない者はありませんでした。生まれつきの性質は純真で、常に慈悲の心を持ち、広く学んで多くの才を持ち、様々な技芸を備えていました。その心は柔和で忍辱に満ち、飾られていました。
この王子は、正后が生んだ嫡子でした。様々な妙なる香で薰され、清らかな水を冷暖適温に調えて身体を沐浴させました。そして、様々な最上の妙香で薰された、多くの宝で飾られた清らかで新しい衣服を着せ、頭には摩尼宝珠を髻に挿し、金の宝で作られた華鬘で頭を飾り、白絹の軽やかな絹布で髪の生え際を結びました。
更に、様々な摩尼、真珠、金、銀などの宝を合わせて作られた、耳飾り、瓔珞、腕輪、印章などの多くの妙なる宝飾で身を飾りました。足には織物で作られた宝の履物を履かせ、頭の上には多くの宝の傘をかざし、古昔より全ての天人が守護したという座に座らせました。そして、全ての天帝が共に許し守護する、巧みに築かれた殊妙な大殿に入り、先王が昇った尊い座に登らせました。
王位を継いだ後は、全ての天帝、龍神、夜叉、神々、阿修羅、鳩槃荼が各々守護する大きな鐘や太鼓を打ち鳴らし、その音は国土の隅々まで響き渡りました。
「剎帝利等四大種姓,無量人眾,沐浴其身,著淨衣服,執持種種妙寶、繒綵、傘蓋、幢幡、末尼真珠、金銀、螺貝、璧玉、珊瑚、茷琉璃等,生色可染,無量珍奇,奉獻新王,以呈嘉瑞。貴族淨行博學多才諸婆羅門,以無量種微妙讚頌、歌詠帝德,種種善事呪願於王,以諸吉祥散灑王頂。先王所重宿望貴族,博學多藝,性直賢明,隨其所應,授以種種職位、官僚、理諸王事。先於國境自軍、他軍、更相侵害,今皆令息。亦令一切怨敵、惡友、能為害者,皆悉殄滅。損除自國一切黑品,增益自國一切白品。善男子!剎帝利種灌頂大王,成就如是第一王輪。由此輪故,於自國土得安樂住,能伏一切怨敵、惡友,善守護身,令增壽命。
「クシャトリヤを始めとする四つの主要な階級、無数の人々が、その王の身を清め、清らかな衣を着せ、様々な美しい宝や絹織物、傘蓋、幢幡、真珠、金銀、螺貝、璧玉、珊瑚、琉璃などの輝くばかりの無数の珍しい宝を持って新たな王に捧げ、瑞兆を示しました。高貴で清らかな行いをし、博学多才なバラモンたちは、無数の微妙な賛歌や王の徳を歌い上げる詩、様々な善い行いの祈りを王のために捧げ、様々な吉祥を王の頭上に散りばめました。先王が重んじた由緒ある高貴な氏族、博学多芸で性質が正直で賢明な人々には、それぞれにふさわしい地位や官職、国政を任せました。かつて国境で自軍と他軍が互いに侵害し合っていた争いを今はすべて鎮めました。また、すべての怨敵や悪友、害をなす者たちをことごとく滅ぼし去りました。自国における一切の不善を除き、一切の善を増大させました。善きかな、男子よ。クシャトリヤ階級の灌頂を受けた大王は、このような第一の王輪を成就するのです。この輪によって、自らの国において安楽に住み、すべての怨敵や悪友を降伏し、自らの身をよく守り、寿命を増すことができるのです。」
「善男子!如是雜染、五濁惡世、索訶佛土,空無佛時,其中所有一切眾生,為自心中,隨眠纏垢,自軍、他軍、惱害侵逼,愁憂擾亂,愚冥不安,起無量種,執著斷常、鬪訟、違諍、互相輕蔑、起貪、瞋、癡、諂、誑言等,具足十種不善業道。執著有情紛擾世界,成就種種煩惱、疾病,闕正法眼,忿恨燒惱,常不思惟真實正法,棄正法味,譏毀善行,乏少所受憙樂滋味,常為種種煩惱羅網之所覆蔽,歸依六種外道邪師,迷失聖道,向三惡趣。
善き男子よ、このように雑染に満ち、五濁の悪世である娑婆世界では、仏がいない時、そこに生きるすべての衆生は、自らの心の中にある煩悩の眠りや汚れのために、自らの軍(煩悩)と他者の軍(外縁)によって悩まされ、侵され、迫られ、憂い悲しみ、かき乱され、暗く愚かで安らぎを得られない。
そして、無数の執着を起こし、断見や常見に固執し、争い、論じ合い、誹謗し合い、互いに軽蔑し合い、貪り、怒り、愚かさ、へつらい、偽りの言葉などを生じ、十の不善業道をことごとく具える。
衆生は「我」や「我がもの」に執着して世界をかき乱し、さまざまな煩悩や病を成し遂げ、正法を見る眼を欠き、怒りや恨みに焼き悩まされ、常に真実の正法を思わず、正法の味わいを捨て、善い行いをそしり毀ち、受けるべき喜びや楽しみの味わいを乏しくし、常にさまざまな煩悩の網に覆い包まれ、六種の外道の邪師に帰依し、聖なる道を見失い、三悪趣に向かって進むのである。
「於此土中,有諸菩薩摩訶薩,已於過去親近、供養無量諸佛,已入諸佛功德大海,已住諸佛本所行道,皆共集會來至我所,同謂我言:『汝於過去,已修無量布施、調伏、寂靜、尸羅、精進、勇猛,難行、苦行、一切備滿。是諸微妙,福慧、方便、大慈悲等,共所莊嚴大功德藏,是一切定、總持、安忍、諸地功德,圓滿大海,無諂、無誑。身形長大,相好圓滿,忍辱柔和,端正殊妙。不復依他修菩提道,一切智海已得圓滿,成就最勝美妙容色。能為一切聲聞、獨覺作大導師;亦能安慰一切生死怖畏眾生,與作親友;大慈悲等無量功德,共所莊嚴。是羯洛迦孫駄、羯諾迦牟尼、迦葉波如來等,父之真子,於此賢劫,當得作佛,一切菩薩摩訶薩中,最為上首。以諸功德,種種妙香熏奢摩他、毘鉢舍那清淨之水,而自沐浴,著慚愧衣,清淨法界為髻中珠,冠飾諸佛所行境界,廣大華鬘,束以解脫殊妙素練。又以種種,一切智智、無生忍等,功德珍寶而自莊嚴。慈、悲、喜、捨以為寶履,能覆三界。三種妙行,圓滿聖因,以為傘蓋。安置古昔諸佛天仙,共所護持金剛定座。趣入一切聲聞、獨覺恭敬護持四種念住。坐先諸佛所敷之座,證得無上正等菩提一切智位。為令一切三寶種姓不斷絕故,轉於法輪擊法鍾鼓,妙法音聲遍滿三界,令諸天、龍、藥叉、羅剎、阿素洛、揭路荼、緊捺洛、莫呼洛伽、鳩畔荼、彌荔多、畢舍遮、布怛那、羯吒布怛那、人、非人等,於四聖諦皆得明解,三轉十二行相法輪。一切世間所有沙門,若婆羅門、諸天、魔、梵、人、非人等,所不能轉。為欲利益、安樂世間無量天人,令得殊勝廣大義利,昔所未轉,而今轉之。』
この土の中には、多くの菩薩摩訶薩がおられます。彼らはすでに過去において無量の諸仏に親しみ、供養してきました。すでに諸仏の功徳の大海に入り、すでに諸仏がもと歩まれた道に住んでいます。彼らは皆ともに集まり、私のもとに来て、そろって私にこう申しました。
「あなたは過去において、すでに無量の布施、調伏、寂静、尸羅、精進、勇猛を修め、難行や苦行をことごとく満たしてこられました。これらの微妙な福慧や方便、大慈悲などがともに荘厳する大功徳の蔵は、すべての定、総持、安忍、諸地の功徳が円満にそなわった大海であり、へつらいもなく、いつわりもありません。その身形は長大で、相好は円満であり、忍辱柔和にして端正殊妙です。もはや他に依ることなく菩提の道を修め、一切智の海はすでに円満を得て、最も勝れた美しい容色を成就しています。すべての声聞や独覚のために大いなる導師となることができ、また生死の怖れに苦しむ一切の衆生を安慰して、親友となってくださいます。大慈悲などの無量の功徳がともに荘厳しています。この方は羯洛迦孫駄、羯諾迦牟尼、迦葉波如来などの父の真の子であり、この賢劫においてまさに仏となられるべき方で、一切の菩薩摩訶薩の中で最も上首であります。もろもろの功徳と種々の妙香によって奢摩他・毘鉢舎那の清浄の水を熏じ、みずから沐浴し、慚愧の衣をまとい、清浄法界を髻中の珠となし、諸仏所行の境界を冠として飾り、広大な華鬘を解脱の殊妙な素練で束ねています。また種々の一切智智や無生忍などの功徳の珍宝をもってみずからを荘厳しています。慈・悲・喜・捨を宝の履とし、よく三界を覆っています。三種の妙行と円満なる聖因を傘蓋となしています。古昔の諸仏と天仙がともに護持される金剛定の座に安置されています。すべての声聞や独覚が恭敬し護持する四種念住に趣き入っています。先の諸仏が敷かれた座に坐し、無上正等菩提の一切智の位を証得されました。一切の三宝の種姓を絶やさないために、法輪を転じ、法の鐘鼓を打ち鳴らし、妙法の音声は三界に遍満し、諸天、龍、薬叉、羅刹、阿素洛、揭路荼、緊捺洛、莫呼洛伽、鳩畔荼、弥荔多、畢舎遮、布怛那、羯吒布怛那、人、非人などが、四聖諦について皆明らかに理解し、三転十二行相の法輪を得るようにされました。一切世間のすべての沙門、あるいは婆羅門、諸天、魔、梵、人、非人などが転ずることのできないものです。世間の無量の天人のために利益し安楽にし、殊勝広大な義利を得させるために、昔は転じなかったものを、今まさに転じておられます。」
「善男子!我成如是第一佛輪。由此輪故,如實了知此世、他世、是處、非處,得安隱住、得無驚恐、得無所畏,降諸天魔、外道、邪論,轉大梵輪成大梵行。我應住此雜染世界,五濁惡時,處大眾中正師子吼。滅諸有情五無間業,廣說乃至諸不善根,摧滅一切諸眾生類堅如金剛相續煩惱,建立一切永盡諸漏解脫妙果,隨其所樂,安置一切有力眾生,令住三乘不退轉位。
「善男子よ、私はこのような第一の仏輪を成就しました。この輪によって、この世と他の世、道理にかなうこととかなわないことをありのままに知り、安らかな境地に住み、驚き恐れることなく、畏れるところもなく、もろもろの天魔・外道・邪論を降伏し、大梵輪を転じて大梵行を成し遂げます。私はこの雑染の世界、五濁の悪しき時代にあって、大衆の中に身を置き、まさに獅子吼をなすべきです。もろもろの有情の五無間業を滅し、広く諸々の不善の根を説き、すべての衆生の金剛のように堅固な相続の煩悩を摧き滅ぼし、すべての漏を永遠に尽くす解脱の妙果を建立し、その好むままに、力あるすべての衆生を安置して、三乗の不退転の位に住まわせます。」
「善男子!如剎帝利灌頂大王初登王位,受帝職已,觀察過去、未來、現在諸王法道,於其種種王業輪中,以善觀察因果報智,隨其所應,建立一切輔臣、僚佐,普及國邑愚智人民三種業輪。由此業輪,率土眾生長夜受用。所有種種適意資具、喜樂增長,能滅一切怨敵、惡友。何等名為三種業輪?一者、建立帝王業輪,謂善教習軍陣鬪戰,降他兵眾,撫育人民。二者、建立田宅業輪,謂善教習造舍營農,令得安隱,飲食充足。三者、建立財寶業輪,謂善教習工商雜藝,令得種種珍玩資財,隨意受用,增諸快樂。善男子!剎帝利種灌頂大王,成就如是第二王輪。由此輪故,於自國土得安樂住,能伏一切怨敵、惡友,善守護身,令增壽命。
「善男子。例えば、灌頂を受けた利帝利の大王が、新たに王位に就き帝王の務めを受けたならば、過去・未来・現在の諸王の法の道を観察します。そして、様々な王としての業(わざ)の輪の中にあって、善く因果の報いを見極める智慧をもって、それぞれに応じて、全ての補佐官や家来たち、さらには国中の賢者・愚者・民衆に至るまで、三種の業の輪を確立します。この業の輪によって、国中の民は長い夜の間(長きにわたり)恵みを受けます。そこから生まれる様々な快適な暮らしの道具や喜びは増大し、全ての敵や悪しき友を滅ぼすことができます。
では、三種の業の輪とは何でしょうか。第一に、帝王の業の輪を確立することです。これは、軍陣での戦い方をよく教え導き、他国の軍を降伏させ、人民を養い育てることです。第二に、田畑や家屋の業の輪を確立することです。これは、家を建てたり農業に励んだりすることをよく教え導き、人々に安らかな暮らしと十分な飲食をもたらすことです。第三に、財宝の業の輪を確立することです。これは、商業や手工芸などの様々な技術をよく教え導き、様々な珍しい宝物や財貨を得させ、思いのままに享受させ、喜びを増大させることです。
善男子。利帝利の種族に生まれ灌頂を受けた大王は、このようにして第二の王としての輪を成就します。この輪によって、自らの国に安らかに住み、全ての敵や悪しき友を抑え伏せ、自らの身をよく守り、寿命を延ばすことができるのです。」
「善男子!如是如來,初成佛果,得無上智,觀察過去、未來、現在諸佛法眼。以善觀察,諸業法受因果報智,建立一切所化有情三種業輪。由此業輪,能令三寶、種姓、法眼長夜不滅,無上正法熾盛流通。令諸有情,長受種種生天涅槃安隱快樂,及令一切外道邪論不能降伏我正法眼,而能如法摧彼邪論。善男子!何等名為三種業輪?一者、建立修定業輪。二者、建立習誦業輪。三者、建立營福業輪。
善きかな、善男子! このように如来は、初めて仏の悟りを成就され、無上の智慧を得て、過去・未来・現在の諸仏の法眼を観察された。 そして、善く観察されたすべての業と法の受ける因果の智慧により、教化すべき一切の有情のために三種の業輪を建立された。 この業輪によって、三宝・種姓・法眼は長きにわたり滅びることなく、無上の正法は盛んに流布される。 また、一切の有情は、天界や涅槃の安らかな楽しみを長く受け、さらに、あらゆる外道の邪論は我が正法眼を打ち負かすことができず、かえって如法にその邪論を打ち破ることができる。
善男子! では、その三種の業輪とは何か? 第一に、修定の業輪を建立すること。 第二に、習誦の業輪を建立すること。 第三に、営福の業輪を建立すること。
「善男子!云何如來修定業輪?定有十種。何等為十?謂正觀察諸有識身六種境界,我、我所執以為其因,業為良田,無明覆蓋,愛為滋潤,無有自在,依他而立繫屬眾緣。為欲斷滅,業、煩惱、苦三種流故,如是觀察,云何業流?謂諸有情所行諸行。若此諸行,所由無明及愛為因,能生諸有,名煩惱流。若由煩惱,識為其因,眾緣和合,名色生起。名色為因,眾緣和合,六處生起。六處為因,眾緣和合,觸受後有,生、老死等次第生起,是名苦流。如是三流,業為良田,無明為因,愛為滋潤,而得生長。為欲枯涸,業為良田,無明為因,愛為滋潤,三種流故,於五取蘊,觀為無常及苦、無我,愚鈍無動,如幻、如焰、如水中月、如夢所見,空無所有、無相、無願、無所造作、無生、無起、無出、無像、寂靜遠離、無所出生。於五取蘊如是觀察,能順空忍、順無相忍、順無願忍。為欲隨順,觀五取蘊,復方便修入出息觀,即是修習,持來去念。
「善男子。如来が修める定業輪とは何か。定には十種ある。その十種とは、正しく観察することである。すなわち、あらゆる有情の識を有する身体は、六つの境界(六境)において、私(我)と私のもの(我所)という執着をその因とし、業を良田とし、無明に覆われ、愛(渇愛)によって潤され、自在なることはなく、他に依って立ち、多くの縁に属している。この業・煩悩・苦という三つの流れを断ち滅ぼそうとして、このように観察する。
では、業の流れとは何か。それは、諸々の有情が行う様々な行い(諸行)である。もしこれらの行いが、無明と愛を因として生じ、諸々の生存(有)を生み出すならば、それを煩悩の流れと名付ける。もし煩悩によって、識を因とし、様々な縁が和合して、名色(名前と形あるもの)が生じる。名色を因として、縁が和合して、六処(六つの感官とその対象)が生じる。六処を因として、縁が和合して、触(接触)・受(感受)・后有(次の生存)・生・老・死などが次第に生じる。これを苦の流れと名付ける。
この三つの流れは、業を良田とし、無明を因とし、愛(渇愛)によって潤されて、成長する。この業を良田とし、無明を因とし、愛によって潤される三つの流れを枯らし尽くそうとして、五取蘊(執着の対象となる五つの構成要素)を、無常であり苦であり無我であると観察する。それは愚鈍で動かず、幻のようであり、陽炎のようであり、水中の月のようであり、夢に見るもののようであり、空にして何も無く、相も無く、願いも無く、造作も無く、生も無く、起こりも無く、出も無く、像も無く、寂静にして遠く離れ、生じるものは何もない。五取蘊をこのように観察すると、空に随順する忍び、無相に随順する忍び、無願に随順する忍びに適う。
五取蘊を観察してこれらに随順しようと、さらに方便として、入息出息の観(安那般那念)を修める。すなわち、息を入れて来る、息を出して去るという念(気づき)を修習するのである。」
「云何由念如實觀察入息、出息?謂正觀察,數故、隨故、止故、觀故、轉故、淨故。應知此中,數能造作二種事業:一、能為依伏諸尋伺,二、能取於入出息相。隨能造作二種事業:一、依出離捨諸尋伺,二、能善取入出息相。止能造作二種事業:一、能示現入出息滅,二、能安住勝三摩地。觀能造作二種事業:一、能示現入出息盡,二、能安住心及心法別異觀察。轉能造作二種事業:一、能方便捨諸取蘊,二、能方便趣入聖地。淨能造作二種事業:一、能捨結,二、能淨見。如是六種方便修習入出息觀,便能隨順觀五取蘊。所以者何?如是入息、出息自性,名色取蘊。如是入息、出息領納,名受取蘊。如是入息、出息取相,名想取蘊。如是入息、出息造作,名行取蘊。如是入息、出息了別,名識取蘊。如是所說五種取蘊,各各別異,互不相似,新新非故,無住、無積、不可言說。如是觀察五種取蘊,能除三行。
では、どのようにして念によって、呼吸(入息・出息)をありのままに観察するのでしょうか。それは、正しく観察することです。すなわち、「数える」こと、「従う」こと、「止める」こと、「観る」こと、「転じる」こと、「清める」こと、この六つの段階によります。
ここで知っておくべきは、次のとおりです。
「数える」ことは、二つの働きを成し遂げます。第一に、様々な雑念(尋伺)を抑える拠り所となること。第二に、呼吸の様相を捉えることです。
「従う」ことは、二つの働きを成し遂げます。第一に、執着から離れて、様々な雑念を手放すこと。第二に、呼吸の様相を上手に捉えることです。
「止める」ことは、二つの働きを成し遂げます。第一に、呼吸が止まることを示すこと。第二に、優れた心の統一(三摩地)に安住することです。
「観る」ことは、二つの働きを成し遂げます。第一に、呼吸が尽きることを示すこと。第二に、心と心の働き(心所)を区別して観察し、安住することです。
「転じる」ことは、二つの働きを成し遂げます。第一に、五つの執着のまとまり(取蘊)を手放すための方便となること。第二に、悟りの境地(聖地)へと進むための方便となることです。
「清める」ことは、二つの働きを成し遂げます。第一に、煩悩の束縛(結)を捨てること。第二に、知恵の見解(見)を清めることです。
このように、六つの段階を踏んで呼吸の観察を修行すれば、自然と五つの執着のまとまり(五取蘊)をありのままに観察することができます。
なぜなら、この呼吸そのものは「物質的なまとまり(色取蘊)」にあたります。呼吸に伴う感覚(受け取り)は「感覚のまとまり(受取蘊)」に、呼吸に関するイメージ(想い)は「イメージのまとまり(想取蘊)」に、呼吸に働きかける心の作用は「意思のまとまり(行取蘊)」に、呼吸を識別する心の働きは「識別のまとまり(識取蘊)」にあたるからです。
このように説かれた五つの執着のまとまり(五取蘊)は、それぞれが別々であり、互いに似ておらず、常に新しく、古いままではなく、とどまることもなく、積み重なることもなく、言葉で説明できるものではありません。このように五取蘊を観察すれば、三つの煩悩の流れ(三行)を取り除くことができます。
「若能如是究竟隨觀三種行盡,便能於此諸有識身六種境界,究竟隨觀我、我所執,於無明、愛因田覆潤一切皆盡。如是修習四種念住,皆得圓滿。乃至修習八支聖道,皆得圓滿。如是乃至,修習十八不共佛法,皆得圓滿。如是乃至,修一切種無生法忍,首楞伽摩三摩地等,皆得圓滿。如是修習持來去念入諸靜慮,名住正法勝義有情、名為真實修習靜慮、名為真實供養三世諸佛世尊、名一切佛心中之子從佛口生,是法所成,是法所化。或有菩薩,如是修習漸漸退轉,乃至漏盡成阿羅漢具六神通。或有菩薩,如是修習漸漸增長,功德圓滿成大菩薩,乃至十八不共佛法,一切種智修習圓滿,此人不久當得無上正等菩提。
もしこのようにして、三つの行(行為・心の働き)の尽きることを徹底的に観察することができれば、この有身(存在する自己)と六つの境界(感覚の対象)において、我(自我)と我所(私のもの)という執着を徹底的に観察し尽くし、無明(無知)と愛(渇愛)という原因と土台となる覆いと潤いが、すべて尽きるのです。
このように四つの念住(気づきの確立)を修行すれば、すべて円満に成就します。さらに八つの支分からなる聖なる道(八正道)を修行しても、すべて円満に成就します。このようにして、さらに十八の不共仏法(仏だけがもつ独自の十八の功德)を修行しても、すべて円満に成就します。このようにして、さらに一切の種の無生法忍(生じないものへの智慧の受け入れ)や、首楞厳三昧(獅子の歩みの三昧)などを修行しても、すべて円満に成就します。
このように修行し、来たり去る念を持って様々な静慮(瞑想)に入ることを、正法に住する真実の者(勝義の有情)と言います。これを真実の静慮の修行と言い、真実に三世の諸仏世尊を供養することと言います。これをすべての仏の心の中の子、仏の口から生まれた者、法によって成り、法によって化現した者と言います。
ある菩薩は、このように修行しても次第に退転し、やがて煩悩が尽きて阿羅漢となり、六つの神通を具えます。またある菩薩は、このように修行して次第に成長し、功德が円満に成就して大菩薩となり、さらに十八の不共仏法や一切種智の修行が円満に成就すると、この人はまもなく無上の正等菩提(完全なる悟り)を得るのです。
「善男子!我以如是諸業法受因果報智,觀察三世諸佛法眼安立有情,於此十種修定業輪令其修習。善男子!是名如來修定業輪。
善き男子よ、わたしはこのような諸々の業と法の因果応報の智をもって、三世の諸仏の法眼を観察し、有情を安立させ、この十種の修行すべき定の業輪を修習させる。善き男子よ、これを如来の修定業輪と名づける。
「善男子!云何如來習誦業輪?謂諸苾芻、或苾芻尼、鄔波索迦、鄔波斯迦,或復淨信諸善男子、或善女人,善根微薄,依世俗諦,根機未熟。我當安置如是有情,令其習誦,初夜、後夜精勤無怠。若諸有情,求無上智,我當安置純淨大乘,令其自讀、或教他讀,令其自誦、或教他誦,令其自說、或教他說,於大乘中令其自習、或教他習,為令自身及他身中大煩惱眾皆除滅故;為令證得無上智故;為除一切有情苦故;為令趣入無畏城故。若諸有情求緣覺乘,我當安置諸緣起法,令其習誦。若諸有情求聲聞乘,我當安置百千文頌四阿笈摩、百千文頌毘奈耶藏、百千文頌阿毘達磨及毘婆沙,令其習誦。善男子!是名如來習誦業輪。
「善男子。如来がどのように習誦の業輪を説くかというと、次の通りです。比丘、比丘尼、優婆塞、優婆夷、あるいは清らかな信を抱く善男子や善女人であっても、善根が薄く、世俗の真理に基づいても根機が未熟な者たちがいます。そのような有情に対して、私は彼らを習誦に取り組ませ、初夜と後夜に怠ることなく精進させます。また、無上の智慧を求める有情には、私は彼らを純粋な大乗の教えに向かわせ、自ら読誦させ、あるいは他者に教えて読ませ、自ら暗誦させ、あるいは他者に教えて暗誦させ、自ら説き、あるいは他者に教えて説かせ、大乗の中で自ら学び、あるいは他者に教えて学ばせます。それは、自分自身と他者の内にある大きな煩悩の群れをすべて滅ぼすためであり、無上の智慧を証得するためであり、すべての有情の苦しみを取り除くためであり、すべての者が畏れのない境地に入るためです。
もし縁覚乗を求める有情には、私は様々な縁起の法を説き、それらを習誦させます。もし声聞乗を求める有情には、私は百千の文頌からなる四阿含、百千の文頌からなる毘奈耶蔵、百千の文頌からなる阿毘達磨と毘婆沙を授け、習誦させます。善男子。これが如来の習誦の業輪と呼ばれるものです。」
「善男子!云何如來營福業輪?謂諸有情,根機愚鈍,未種善根,智慧微劣,懈怠失念,染著種種受用資具,遠離善友。我當安置如是有情,使營福業,謂令修作佛、法、僧事,及親教師、軌範師事。善男子!是名如來營福業輪。
「善男子(善き男子よ)。では、如来が“福業の輪”を巡らせるとは、どういうことか?それは、多くの生き物たちが、根が鈍く、まだ善い種をまいておらず、智慧も乏しく、怠けがちで心を失い、さまざまな物や道具に執われ、善い友人から遠ざかっている場合に当てはまる。私は、そのような生き物たちを導き、福徳を積む行いに取り組ませる。つまり、仏・法・僧のための行いや、指導者や師範のための行いをさせていくのだ。善き男子よ。これが、如来の“福業の輪”というものなのである。」
「善男子!我成如是第二佛輪。由此輪故,以其無上三世業智,如實了知一切有情,諸業法受因及果報。隨其所應,立三業輪,成熟一切所化有情,得安隱住、得無驚恐、得無所畏、摧諸天魔、外道、邪論,轉大梵輪成大梵行,如實了知眾生因報。
善き男子よ。私はこのように第二の仏の法輪を成就した。この法輪によって、三世の業に関する無上の智慧をもって、全ての生きとし生けるものの、様々な業による法の受け取り方、その原因と結果をありのままに知ることができる。そして、それぞれに応じて三つの業の法輪を立て、教化すべき全ての生きとし生けるものを成熟させ、安らかにとどまり、恐れなく、怖れなく、天魔や外道の誤った教えを打ち破り、大いなる梵天の法輪を転じて大いなる清らかな行いを成就し、生きとし生けるものの原因と報いをありのままに知るのである。
「善男子!如剎帝利灌頂大王,成善巧智,觀察一切沙門、婆羅門、剎帝利、茷舍、戍達羅等,種種功德、多聞、勇健、工巧伎藝。若諸眾生富有功德,成巧便智,精進、勇猛、堅固不退,種種福德而自莊嚴,此剎帝利灌頂大王隨彼所應,給施珍寶、財穀、田宅、奴婢、僕使。於自國土,若諸眾生德藝輕微,功業尠薄,此剎帝利灌頂大王隨彼所應,微加賑恤。於自國土,若諸眾生功德薄劣,少於精進,懈怠懶惰,忘失正念,無慈悲心,不知恩報,於後世苦不見怖畏,沒居家泥,積諸惡行,此剎帝利灌頂大王隨彼所應,種種讁罰,或以言教、苦切、呵責,或奪種種珍寶、資財,或奪受用如意、產業,或罰鞭杖、或禁牢獄、或斷支節、或斬身首,如是無量隨應讁罰。善男子!剎帝利種灌頂大王成就如是第三王輪,由此輪故,令自國土增長安樂,能伏一切怨敵、惡友,善守護身,令增壽命。
「善男子よ、たとえば剎帝利の灌頂大王が巧みな智慧を成就し、すべての沙門・婆羅門・剎帝利・茷舍・戍達羅などの種々の功德・多聞・勇健・工巧伎藝を観察しているとします。もしもろもろの衆生が功德に富み、巧みな智慧を成就し、精進・勇猛で堅固不退であり、種々の福德によって自らを荘厳しているなら、この剎帝利の灌頂大王は、その者にふさわしく珍宝・財穀・田宅・奴婢・僕使を与えます。自らの国土において、もしもろもろの衆生が徳芸軽微で、功業もわずかしかないなら、この剎帝利の灌頂大王は、その者にふさわしく、わずかに施しや恵みを加えます。自らの国土において、もしもろもろの衆生が功德薄劣で、精進が少なく、懈怠懶惰で、正念を忘れ、慈悲の心がなく、恩報を知らず、後世の苦を見て恐れず、居家の泥に没し、もろもろの悪行を積んでいるなら、この剎帝利の灌頂大王は、その者にふさわしく、種々の罰を加えます。あるいは言葉によって教え、厳しく呵責し、あるいは種々の珍宝や資財を奪い、あるいは思いのままの受用や産業を奪い、あるいは鞭杖の罰を与え、あるいは牢獄に禁じ、あるいは手足を断ち、あるいは身首を斬ります。このように無量の、それぞれにふさわしい罰を加えるのです。善男子よ、剎帝利種の灌頂大王は、このように第三の王輪を成就しています。この輪によって、自らの国土を増長し安楽にし、すべての怨敵や悪友を伏し、身をよく守護して、寿命を増すことができます。」
「善男子!如是如來,成就善巧,知根機智。若諸弟子,遠離福慧巧方便智,及以布施、調伏、寂靜,失念心亂,來至我所,歸依於我,而我善知彼根意樂,隨眠勝解。隨其所應,為說治罰毘奈耶法。若諸眾生其性佷戾,於諸學處不能奉持,為令久住我之聖教多有所作,或為制立憶念治罰、或以言教恐怖呵責、或暫驅擯、或令折伏歸誠禮拜、或不與語不共同利、或如草布、或復滅擯。我以妙智,知諸有情補特伽羅根機、意樂、隨眠、勝解,如應讁罰,為令皆破廣大積聚無義黑闇枯竭煩惱諸瀑流故、令得生天涅槃樂故、為行惡道補特伽羅得調伏故、隨其所應,說治罰法。觀察黑說大說差別,隨其所應,授與治罰行惡道法。我以妙智,知諸有情,具足成就,增上信敬,純淨意樂。隨其所應,為說種種善品差別,令其修學,乃至令彼一切善根,皆得圓滿,入無畏城。
「善男子、善女人よ、このように如来は、巧みな知恵をもって、人々の根機(理解力や性質の違い)を見抜く智慧を成就しておられます。もし、修行者たちが福徳と智慧、巧みな方便の智を離れ、布施や心の調伏、静寂を失い、正念を失い心が乱れて、私のところに来て私に帰依するならば、私はその者の心の傾向(意楽)や眠っている煩悩(随眠)や優れた理解(勝解)をよく知っています。そして、その人にふさわしいように、罪を懲らしめ戒めるための『毘奈耶(律)』の教えを説きます。もし、性質が荒々しく強情で、様々な学処(戒律の学び)を守り行うことができない衆生がいても、私の聖なる教えが長く存続するために多くの働きをなすために、あるいは、『憶念治罰(反省させ懲らしめること)』を定めたり、あるいは言葉で脅かし戒め叱責したり、一時的に追放したり、あるいは心を折り伏せて誠実に礼拝させたり、(仲間から)言葉をかけず一緒に利益を得ることを許さなかったり、あるいは『草布(草を敷くように身を低くして謝罪する行為)』をさせたり、あるいは完全に追放してしまうこともあります。私は、この妙なる智慧によって、あらゆる有情(生きとし生けるもの)という人々の根機・意楽・随眠・勝解を知り、その人にふさわしく懲らしめを行い、彼らに、広大に積み重ねられた無意味な闇(無明の闇)を打ち破らせ、煩悩という激流を枯渇させて、天界や涅槃の安楽を得させ、悪い道を歩む人々を調伏させるために、その人にふさわしい懲らしめの法を説くのです。私は『黒説(悪しき説法)』と『大説(優れた説法)』の違いを観察し、それに応じて、悪道を行く者たちに懲らしめの法を授けます。私はまた、妙なる智慧によって、増上(すぐれた)の信心と敬い、清らかな意楽を成就している有情たちを知っています。その人々にふさわしく、様々な善い品(修行の区分)の違いを説き、学び実践させ、ついには彼らのすべての善根が円満し、畏れのない城(涅槃、覚りの境地)に入らせます。」
「善男子!我成如是第三佛輪,由此輪故,知諸有情補特伽羅種種根機、意樂、隨眠,及與勝解諸業法受。隨其所應,利益安樂,得安隱住、得無驚恐、得無所畏。自稱我處大仙尊位,轉於佛輪,摧諸天魔、外道、邪論,處大眾中正師子吼。
「善男子よ。私はこの第三の仏の輪を成就した。この輪によって、あらゆる有情(生きとし生けるもの)の様々な根機(能力の差)、意楽(好み)、随眠(潜在的な煩悩)、そして勝解(確かな理解)や、業と法の受け取り方を知ることができる。それぞれに応じて利益し安楽を与え、安心して住まい、驚き怖れることなく、恐れのない境地に至らせる。自ら『私は大仙(偉大な聖者)の尊い位についている』と宣言し、仏の輪を転じて、あらゆる天魔や外道、邪な論を打ち破り、大衆の中で獅子吼(力強い真理の説法)を行うのだ。」
「善男子!如剎帝利灌頂大王,知自國土,有無量有情補特伽羅,歸依種種邪神外道,起於邪信及起邪見,學邪禁戒、執著修治邪吉凶相,具受種種無利益苦。大王知已,數數召集,以其先王治國正法,開悟示現,教習誡勅,令其捨除、倒信倒見,修學先王,正直舊法。令自國土一切有情,一趣、一歸、一意、一欲、一切和合,同依先王正法,而轉聽受詔命隨順奉行,率土和同,作所應作。時剎帝利灌頂大王,常與群臣數數集會,共味嘉餚,受諸快樂、嬉戲、遊行,不相猜貳,咸共疇咨理諸王務。
「善男子、例えば、灌頂を受けた転輪聖王のような王様が、自国の国土にいる無数の人々が、様々な邪神や外道を拠り所とし、誤った信仰や誤った見解を起こし、間違った戒律や禁制を学び、吉凶を占うような行いに執着し、さまざまな無意味な苦しみを受けているのを知ったとしよう。王はこれを知って、くり返し人々を集め、先王の国を治める正しい教えによって、彼らを目覚めさせ、示し、教え、戒め、誤った信仰や誤った見解を捨て去らせ、先王の正しくまっすぐな伝統の教えを学び修めさせる。自国のすべての人々が、一つの目標に向かい、一つの拠り所を持ち、一つの心、一つの願いで、みな和合し、共に先王の正しい教えに従い、王の命令を聞き、それに従い奉じ、国中が和合して、なすべきことをなすようにさせる。そのとき、灌頂を受けた転輪聖王は、常に家来たちとくり返し集まり、共に美味しいごちそうを味わい、様々な喜びや楽しみ、遊びや行楽を受け、互いに疑い合うことなく、共に相談して王としての務めを処理する。」
「善男子!剎帝利種灌頂大王,成就如是第四王輪,由此輪故,令自國土增長安樂,能伏一切怨敵、惡友,善守護身,令增壽命。
「善男子よ。クシャトリヤの種族で灌頂を受けた大王が、このような第四の王の輪を成就する。この輪によって、自らの国土を成長させ安楽にし、すべての怨敵や悪友を打ち負かし、身をよく守り、寿命を延ばすことができる。」
「善男子!如是如來,成就善巧,知勝解智。見諸世間種種邪歸、邪見、邪意、樂著邪法行、邪業行,由是因緣受無量苦。如來見已,數數召集於大眾前,以其過去諸佛世尊、三寶、種姓因果、六種波羅蜜多、瑜伽依因、三律儀等諸因果法,開悟示現,慶慰誡勅一切眾會。令其解脫諸顛倒見,建立正見,安置十善正直舊道,共諸有情數數同修,法隨法行,方便引攝因果等流。為諸有情,四眾和合,同修一切殊勝善行,便共遊戲四種念住,於三摩地、解脫智見、諸道品中,歡娛受樂,為令聖教久住世故、紹三寶種不斷絕故,便共遊戲四正勤、四神足、五根、五力、七等覺支、八聖道支,於其種種勝三摩地、解脫智見、諸道品中,歡娛受樂。
「善男子、このように如来は巧みな智慧を具え、衆生の勝解を知っておられます。世間の人々が様々な誤った帰依、誤った見解、誤った思い、誤った行いや業に執着し、そのために無量の苦しみを受けているのをご覧になります。如来はそれをご覧になり、幾度も人々を集め、過去の諸仏・世尊や三宝、種姓と因果、六波羅蜜、修行のよりどころである因、三種の律儀など様々な因果の法によって、全ての会衆を目覚めさせ、示し、喜ばせ、戒め励まされます。
それにより、彼らを倒錯した見解から解放し、正しい見解を確立させ、十善という古くからの正しい道に安置し、多くの有情と共に繰り返し、法に従い法を実践し、因果の道理に適った行いに導き入れるのです。
また、全ての有情のため、四つの集まりが和合して、あらゆる優れた善行を共に修めるならば、共に四念住において遊戯し、三昧・解脱・智見・様々な道の実践において歓び楽しみます。これは如来の教えが長く世に留まり、三宝の種が絶えないようにするためです。そのため、共に四正勤・四神足・五根・五力・七覚支・八聖道において遊戯し、様々な勝れた三昧・解脱・智見・道の実践において歓び楽しむのです。」
「善男子!我成如是第四佛輪。由此輪故,知諸有情補特伽羅種種勝解,歸趣意樂,諸業法受。隨其所應,利益安樂,得安隱住、得無驚恐、得無所畏。自稱我處大仙尊位,轉於佛輪,摧諸天魔、外道、邪論,處大眾中正師子吼。
「善き男子よ、私はこの第四の仏の輪を成就した。この輪によって、あらゆる生きとし生けるもの(有情)や人々(補特伽羅)の様々な見解や、その心の向かう先、意志や好み、さらに業や法の受け入れ方を知ることができる。それぞれに応じて利益を与え、安らぎをもたらし、安心して住めるようにし、恐れや驚きを取り除き、何の怖れもなくさせる。自ら「私は大いなる聖者の尊い位にあり、仏の輪を回して、あらゆる天魔や外道、邪説を打ち砕き、大衆の中で獅子吼(真実の教えを説くこと)をしている」と語るのである。」
「善男子!如剎帝利灌頂大王,知自國土或他國土,有無量有情補特伽羅,於自財色耽染無厭,於他財色貪求追愛。即便安置堅固城郭、村坊戍邏、國邑王宮,廣說乃至舍羅鸚鵡、防守眾具,令無損失。善男子!剎帝利種灌頂大王成就如是第五王輪,由此輪故,令自國土增長安樂,能伏一切怨敵、惡友,善守護身,令增壽命。
「善男子。例えば、灌頂を受けた王が、自国や他国に、無数の生き物たちがいて、自分の財産や欲望に溺れて飽くことを知らず、他人のものを欲しがり求めていることを知ったとします。彼はすぐに、頑丈な城郭、村々、見張り所、国邑、王宮、さらには鳥や動物に至るまで、備えや防具を整え、損害を受けないようにします。善男子。灌頂を受けた王は、このようにして第五の輪を成就します。この輪によって、国は安らかに栄え、すべての敵や悪友を鎮め、身を守り、寿命を延ばすのです。」
「善男子!如是如來,成就善巧,知諸性智。知諸惡魔、及九十五眾邪外道,并餘無量眾魔外道所惑有情,於自財色耽染無厭、於他財色貪求追愛、於我自身及我徒眾深生憎嫉。為害我故,假設珍饌雜以毒藥、闇置火坑偽敷床座,或推山石、或放狂象、拔劍追逐,散坌塵穢、謗行婬欲、毀是不男、或謂非人、或言幻化,以是諸惡而相誹毀。於佛、法、僧亦起無量種種誹謗、罵詈、毀辱。於我近住聲聞弟子,嫉妬因緣起諸毀謗。如來知已,善守六根、依四梵住、具四辯才,為諸聲聞宣說法要,安立清淨三解脫門。我以如是世、出世間知諸性智,如實了知一切眾生種種無量諸性差別。隨其所應,為作饒益。
「善きかな、善男子!如来はこのように巧みな智慧を備え、あらゆる性質を見極める智を持ち給う。すなわち、あらゆる悪魔や九十五種の邪見の外道、さらには無量の魔や外道に惑わされた有情たちが、自らの財産や色欲に執着して飽くことを知らず、他者の財産や色欲を貪り追い求め、私自身と私の弟子たちに対して深く憎しみと嫉妬を抱くことを知り給う。私を害せんとして、毒を混ぜたごちそうを偽って用意し、火の pit(穴) をひそかに設け、偽りの座を敷き、あるいは山の石を押し落とし、狂暴な象を放ち、剣を抜いて追いかけ、塵や汚物をまき散らし、淫欲の行いを誹謗し、去勢された者だと中傷し、あるいは人間でないと言い、幻術によるものだと語り、これらの悪事によって私を非難し毀れり給う。また仏・法・僧に対しても、無量のさまざまな誹謗・罵詈・毀辱を起こし、私の近くに住む声聞の弟子たちに対しても、嫉妬の因縁によって種々の誹謗を起こす。如来はこれを知り給い、六根を善く守り、四つの梵住(慈悲喜捨)に依り、四つの弁才を具えて、諸々の声聞のために法の要を説き、清らかな三つの解脱門(空・無相・無願)を安立し給う。私はこのように世間と出世間の諸々の性質を見極める智慧をもって、一切の衆生のさまざまな無量の性質の違いを、事実のままに了知し、その一つ一つに応じて、利益を与えているのである。」
「善男子!我成如是第五佛輪,由此輪故,以世、出世知諸性智,知諸有情補特伽羅種種無量諸性差別。隨其所應,利益安樂,得安隱住、得無驚恐、得無所畏。自稱我處大仙尊位,轉於佛輪,摧諸天魔、外道、邪論,處大眾中正師子吼。
「善き男子よ、私はこの第五の仏の輪を成就した。この輪によって、世間と出世間の智慧をもって、あらゆる衆生の無数の性質の違いを知り尽くす。そして、それぞれにふさわしく利益と安楽を与え、安心して住まわせ、恐れや驚きを取り除き、何の怖れもなくさせる。自ら『私は大いなる聖者の尊い位につき、仏の輪を回し、あらゆる天魔や外道の誤った論を打ち破り、大衆の中で獅子吼(ししく)を行う』と語るのである。」
「善男子!如剎帝利灌頂大王,安置一切堅固城郭、村坊戍邏、國邑王宮,廣說乃至舍羅鸚鵡、防守具已,處自宮中與諸眷屬、后妃、婇女而自圍遶,遊戲五欲種種樂具,放恣六根受諸喜樂。善男子!剎帝利種灌頂大王成就如是第六王輪,由此輪故,令自國土增長安樂,能伏一切怨敵、惡友,善守護身,令增壽命。
「善き人よ。例えば、灌頂を受けた刹帝利の大王が、堅固な城郭や村々、見張りの砦、国邑や王宮、さらにはオウムのような番鳥に至るまで、すべての守備を整えた後、自らの宮殿にいて、一族や后妃、女官たちに囲まれ、五つの欲望や様々な快楽の道具で遊び、六根をほしいままにして喜びを楽しむようなものだ。
善き人よ。刹帝利の種族で灌頂を受けた大王は、このような第六の王輪を成就する。この輪によって、自らの国を成長させ安楽にし、すべての敵や悪しき友人を屈服させ、自らの身をよく守り、寿命を延ばすのである。」
「善男子!如是如來,與諸菩薩摩訶薩眾及大聲聞,安置一切堅固聖教防守之事,即便現入最初靜慮,乃至現入第四靜慮,現入無邊虛空處定,廣說乃至現入非想非非想定,如是乃至現入一切佛所行定。入此定已,無量百千俱胝那庾多天龍、藥叉、羅剎、健達縛、阿素洛、揭路荼、緊捺洛、莫呼洛伽、彌荔多、畢舍遮、布怛那、羯吒布怛那等,於諸眾生常懷毒、惡、損害之心,無慈、無悲,於後世苦不見怖畏。而彼見我入於一切佛所行定,皆於我所生大歡喜,起淨信心於三寶中,皆生最勝歡喜淨信,尊重、恭敬得未曾有;於一切惡慚愧發露,深心悔過,誓願永斷。由是因緣,一剎那頃,無量無數諸煩惱障、業障、法障,皆得銷滅;無量無數福慧資糧,皆得成滿;背離生死趣向涅槃,護持如來無上正法。
「善き男子よ、このように如来は、菩薩摩訶薩の衆や大いなる声聞たちと共に、全ての堅固な聖なる教えを守り支える事柄を整えられた。そして、まず初禅に入り、順に第四禅、無辺虚空処定、さらには非想非非想処定、ついには一切仏所行定にまで入られた。この定に入ると、無量百千倶胝那由多の天龍、夜叉、羅刹、乾闥婆、阿修羅、迦楼羅、緊那羅、摩睺羅伽、薜茘多、畢舎遮、布怛那、羯吒布怛那など、常に衆生に対して毒・悪・害心を抱き、慈しみも悲しみもなく、後の世の苦しみを恐れないものたちも、私が一切仏所行定に入るのを見て、すべて私に対して大いなる喜びを生じ、清らかな信心を起こした。彼らは三宝の中に最も勝れた喜びと清らかな信心を生じ、尊重し敬い、かつてない思いを得た。そして、一切の悪に対して恥じ、明らかにし、深く心から悔い改め、永遠に断ち切ることを誓った。この因縁によって、一刹那の間に、無量無数の煩悩障・業障・法障がすべて消滅した。また、無量無数の福と智慧の資糧がすべて成就し、満たされた。生死から離れて涅槃に向かい、如来の無上の正しい法を護り支えたのである。」
「善男子!我成如是第六佛輪,由此輪故,如來遊戲、靜慮、解脫、等持、等至,無量百千微妙深定,以淨智隨轉,滅諸有情無量煩惱。隨其所應,利益安樂,得安隱住、得無驚恐、得無所畏。自稱我處大仙尊位,轉於佛輪,摧諸天魔、外道、邪論,處大眾中正師子吼。
「善男子よ。 私はこの第六の仏の輪を成就した。 この輪によって、如来は自在に遊戯し、 静慮(瞑想)、解脱、等持(三昧)、等至(正受)などの、 無数の微細で深い定を楽しむことができる。 清らかな智慧によってそれらを自在に導き、 全ての生きとし生けるものの無量の煩悩を滅ぼす。 それぞれにふさわしい方法で、利益と安楽をもたらし、 安心して安らかに住まわせ、恐れやおののきを取り除き、 何の怖れもなくさせる。 自ら『私は大いなる聖者の位にある』と宣言し、 仏の輪を転じて、すべての天魔や外道の邪論を打ち砕き、 大衆の中で獅子吼(真理の宣言)を発するのだ。」
「善男子!如剎帝利灌頂大王,與諸群臣領四兵眾,周巡觀察一切自國城邑、聚落、山川、谿㵎、園苑、田澤、陂河、池沼、曠野、叢林、鎮邏等處。隨彼所在,國界諸方,嶮阻多難、不任營理,有疑、有怖,堪容外境怨敵、惡友投竄藏伏。此剎帝利灌頂大王,隨其力能,方便安置種種修理堅固防守,令彼諸方,平坦無難、堪任營理,無疑、無怖,遮其外境怨敵、惡友投竄藏伏。安撫自國一切人民皆離眾苦,受諸快樂。善男子!剎帝利種灌頂大王成就如是第七王輪,由此輪故,令自國土增長安樂。能伏一切怨敵、惡友,善守護身,令增壽命。
「善き人よ。例えば、インドの灌頂を受けた大王のように、臣下たちと共に四つの軍勢を率いて、自国の城邑、村々、山々、川、渓谷、庭園、田んぼ、沼沢、池、湖、荒野、林、関所などを巡り観察する。その場所ごとに、国境の様々な方角に、険しく困難で管理に適さず、疑念や恐れがあり、外部の怨敵や悪友が潜み隠れる余地がある場合、この灌頂を受けた大王は、自分の力量に応じて、適切な方法で様々な修理を施し、堅固に守備させる。それによって、それらの方角を平坦で困難なく、管理に適し、疑念も恐れもなくし、外部の怨敵や悪友が潜み隠れるのを防ぐ。そして自国のすべての人々を慰め、あらゆる苦しみから解放し、様々な楽しみを受けさせる。善き人よ、灌頂を受けたインドの大王は、このように第七の王の輪を成就する。この輪によって、自国を成長させ安楽にする。全ての怨敵や悪友を従え、自らの身をよく守り、寿命を延ばすのである。」
「善男子!如是如來,以其佛眼,如實了知,一切有情補特伽羅有貪、有瞋、有癡心等,如實了知是諸有情種種煩惱病行差別。如來知已,便起無量精進、勇猛、方便勢力,隨其所宜,授以種種修定妙藥,令諸有情精勤修學,除煩惱病。若諸有情,宜修不淨除煩惱病,即便授以修不淨藥;若諸有情,宜修梵住除煩惱病,即便授以修梵住藥;若諸有情,宜修緣起除煩惱病,即便授以修緣起藥;若諸有情,宜修息念除煩惱病,即便授以修息念藥;若諸有情,宜可修於三解脫門除煩惱病,即便授以修於三種解脫門藥;若諸有情,宜修靜慮除煩惱病,即便授以修靜慮藥;若諸有情,宜修無色除煩惱病,即便授以修無色藥;若諸有情,乃至宜修首楞伽摩諸三摩地除煩惱病,即便授以首楞伽摩三摩地藥。所以如來授諸有情如是法藥,不令一切所化有情,為四魔怨之所繫攝。不令一切所化有情,背人、天乘,向諸惡趣。不令如來無上法眼、三寶種姓速疾壞滅。由是如來授諸有情,如是法藥。
「善男子よ。このように如来は、仏の眼をもって、ありのままに知るのです。すべての生きとし生けるもの(有情・補特伽羅)に、貪り、怒り、無知の心などがあることを、ありのままに知り、それらの生きとし生けるものの、様々な煩悩という病の様子の違いを、ありのままに知るのです。如来はそれを知ると、限りない精進、勇猛、巧みな方便の力を起こし、その人にふさわしく、様々な修行の妙薬を授けて、生きとし生けるものをして、精進して修行に励み、煩悩の病を除かせます。
もし、ある生きとし生けるものに、不浄観を修めるのがふさわしく、それで煩悩の病を除けるなら、その時はすぐに、不浄を修める薬を授けます。もし、ある生きとし生けるものに、梵住(慈悲喜捨)を修めるのがふさわしく、それで煩悩の病を除けるなら、その時はすぐに、梵住を修める薬を授けます。もし、ある生きとし生けるものに、縁起を修めるのがふさわしく、それで煩悩の病を除けるなら、その時はすぐに、縁起を修める薬を授けます。もし、ある生きとし生けるものに、息念(アーナーパーナサティ)を修めるのがふさわしく、それで煩悩の病を除けるなら、その時はすぐに、息念を修める薬を授けます。もし、ある生きとし生けるものに、三解脱門(空・無相・無願)を修めるのがふさわしく、それで煩悩の病を除けるなら、その時はすぐに、三つの解脱門の薬を授けます。もし、ある生きとし生けるものに、静慮(禅定)を修めるのがふさわしく、それで煩悩の病を除けるなら、その時はすぐに、静慮を修める薬を授けます。もし、ある生きとし生けるものに、無色(無色界定)を修めるのがふさわしく、それで煩悩の病を除けるなら、その時はすぐに、無色を修める薬を授けます。もし、ある生きとし生けるものに、さらには、首楞伽摩(シュランガマ)のような様々な三昧(サマーディ)を修めるのがふさわしく、それで煩悩の病を除けるなら、その時はすぐに、首楞伽摩三昧の薬を授けます。
このように、如来が生きとし生けるものに、こうした法の薬を授けるのは、すべての教化すべき生きとし生けるものを、四魔の怨敵に捕らえられないようにするためです。すべての教化すべき生きとし生けるものを、人天の乗り物(善趣)に背かせて、悪趣に向かわせないようにするためです。そして、如来の無上の法眼と、三宝の種姓が、速やかに壊れ滅びないようにするためです。それゆえに、如来は生きとし生けるものに、このような法の薬を授けるのです。」
「善男子!我成如是第七佛輪,由此輪故,以其無上遍行行智,授諸眾生種種法藥,令勤修學除煩惱病,得安隱住、得無驚恐、得無所畏。自稱我處大仙尊位,轉於佛輪,摧諸天魔、外道、邪論,處大眾中正師子吼。
善き男子よ、私はこのようにして第七の仏の輪を成就した。この輪によって、私は最上のあまねく行き渡る行いの智慧をもって、様々な衆生にそれぞれの法の薬を与え、彼らが精進して学び、悩みの病を除き、安らかに住み、恐れず、怖れなくなるように導くのである。そして私は自ら「大いなる聖者の尊い位にある」と称し、仏の輪を転じて、天魔や外道、邪説を打ち破り、大衆の中で真実の獅子吼を行うのである。
「善男子!如剎帝利灌頂大王,憶念自他本昔種姓,初生童子嬉戲等事。謂憶自他於如是處,初生沐浴、懷抱、乳哺、按摩支節,乃至戲笑、或弄灰土、或與侍從種種遨遊、或習伎藝、或復修營種種事業、或遊他國夙夜栖泊、或奉事王、或理王務、或為太子、或登王位,得大自在,受諸快樂,廣大名稱遍諸方維。念是事已,安立先王所遵正法,撫育一切國土人民,守護自國不侵他境。善男子!剎帝利種灌頂大王成就如是第八王輪,由此輪故,令自國土增長安樂。能伏一切怨敵、惡友,善守護身,令增壽命。
「善きかな、男子よ。例えば、灌頂を受けた転輪聖王たる刹帝利が、自他ともにその出自を思い起こし、幼き日々の戯れを回想するが如し。すなわち、自らや他の者が、いずこにて生まれ、沐浴し、抱かれ、乳を飲み、四肢を揉まれ、微笑み戯れ、土を弄び、あるいは従者と共に様々に遊び、技芸を習い、また事業を営み、他国に遊学して夜を明かし、あるいは王に仕え、あるいは王務を執り、太子となり、ついに王位に登って大自在を得、あらゆる楽しみを受け、広大なる名声を四方に轟かせたことを想い起こす。
かく想いを致したのち、先王の遵行せし正法を安立し、国土のすべての民を慈しみ育て、自国を守りて他国を侵さず。
善きかな、男子よ。刹帝利の種族なる灌頂大王が、かくの如き第八の王輪を成就せり。この輪によりて、自国を増長させ安楽ならしめ、あらゆる怨敵や悪友を伏し、よく身を守りて寿命を延ばすことを得るなり。」
「善男子!如是如來,處大眾會,憶念自他宿世所經無量種事。謂憶一生、或二、或三,乃至無量百千生事,或憶成劫、或憶壞劫、或憶無量、成劫壞劫,曾於過去,住如是處、如是名字、如是種姓、如是種類、如是飲食、如是領納苦受樂受、如是壽量、如是久住、如是極於壽量邊際,從彼處沒來生此間,復從此沒往生彼處。憶念宿世如是等事,無量無邊,隨諸眾生根性差別,建立正法為作饒益。
「善きかな、善男子。このように如来は、大衆の集まりにおいて、自分自身と他者の、過去世に経てきた無数の出来事を思い起こすのです。すなわち、一生、あるいは二生、三生、あるいは無数の百千の生を思い起こし、あるいは世界の形成される劫(こう)を思い起こし、あるいは世界の壊れる劫を思い起こし、あるいは無数の形成と破壊の劫を思い起こします。かつて過去において、このような場所に住み、このような名前であり、このような家系であり、このような種類であり、このような食べ物を食べ、このような苦しい感覚や楽しい感覚を受け、このような寿命であり、このような長さ生き、このような寿命の限界に達して、その場所から没してこの世に生まれ、またこの世から没してあの世に生まれた、ということを。このように、過去世の無数の出来事を、無量無辺に思い起こし、そして、すべての衆生の性質の違いに従って、正しい教えを打ち立て、彼らに利益をもたらすのです。」
「善男子!我成如是第八佛輪,由此輪故,利益安樂無量有情,得安隱住、得無驚恐、得無所畏。自稱我處大仙尊位,轉於佛輪,摧諸天魔、外道、邪論,處大眾中正師子吼。
「善男子!如剎帝利灌頂大王,隨念觀察自國有情、種姓、伎藝及諸事業,死此生彼,因果勝劣差別不同。知彼有情生如是家,其身勇健、或復怯弱,於諸伎藝已學、未學,所有事業善作、惡作,富貴、貧賤、端正、醜陋。如是等類乃至命終,或有自業未盡而死、或有自業已盡而死、或犯王法刑戮而死、或有遞相殘害而死、或因鞭杖捶楚而死、或因囹圄幽縶而死、或因習學伎藝而死、或因戰陣傷殺而死、或因鬪諍毆擊而死、或因財寶貪悋而死、或因色欲耽湎而死、或因忿恨結憤而死、或因勞倦頓弊而死、或因飢渴乏絕而死、或有過死、或無過死、或耆年死、或壯年死、或幼年死、或作種種善業而死、或作種種惡業而死。知諸有情,行善行者,身壞命終當往善趣。知諸有情,行惡行者,身壞命終當往惡趣。知是事已,復自思惟:『我當正勤修身善行、修語善行、修意善行;我當施設種種方便、修行、布施、調伏、寂靜;身壞命終,當往善趣,勿墮惡趣。』
「此剎帝利灌頂大王,思惟是已,勇猛、精進,修身、語、意三種善行;常行布施,一切所有飲食、衣服、象馬騎乘、臥具、醫藥、房舍、燈明,及餘資具、奴婢、僮僕、種種珍財頭目、手足,乃至身命無所悋惜;及離殺生、離不與取、離欲邪行、離虛誑語、離麁惡語、離離間語、離雜穢語、離諸貪欲、離諸瞋恚、離諸邪見。由是因緣,此剎帝利灌頂大王,當獲十種功德勝利。何等為十?一者、具大名稱,二者、具大財寶,三者、具妙色相,四者、具多眷屬,五者、少病少惱,六者、朋友眷屬聰慧多聞,七者、正至正行親近供養,八者、廣美聲譽流振十方,九者、大威德天神常隨衛護,十者、身壞命終當生天上,常居善趣安樂國土。善男子!剎帝利種灌頂大王成就如是第九王輪,由此輪故,令自國土增長安樂。能伏一切怨敵、惡友,善守護身,令增壽命。
「善男子!如是如來,如實了知一切有情死生等事。謂如實知,若諸有情,成身惡行、成語惡行、成意惡行、誹謗賢聖,具足邪見,邪見業因身壞命終,墮諸惡趣、或生地獄、或生傍生、或生餓鬼。若諸有情,成身善行、成語善行、成意善行,不謗賢聖,具足正見、正見業因,身壞命終昇諸善趣,或生天上、或生人中、或盡諸漏。如來如是如實知已,於彼眾生起大慈悲,勇猛、精進,現三神變,令彼眾生歸趣佛法,教誡安置成立世間、出世間信。何等為三?一者、神通變現。二者、記說變現。三者、教誡變現。由是三種變現威力,勸發有情教誡安置成立世間、出世間信,令於一切有趣死生皆得解脫。
「善男子!我成如是第九佛輪,由此輪故,利益安樂無量有情,得安隱住、得無驚恐、得無所畏。自稱我處大仙尊位,轉於佛輪,摧諸天魔、外道、邪論,處大眾中正師子吼。
「善男子!如剎帝利灌頂大王,為除四洲無量有情種種身病,棄捨王位。以諸香湯沐浴身首,著鮮淨衣,端坐思惟。於諸眾生,其心平等,慈悲護念。為令解脫一切病故,以其種種香花、伎樂及餘供具,供養一切大威德天神。爾時,一切天帝、龍帝乃至莫呼洛伽神帝,知是事已,各相謂言:『此剎帝利灌頂大王,具諸功德,有大威神應作輪王,統四洲渚。我等宜應共往建立,令復王位,統四洲渚,令諸眾生無病安樂。』時諸天帝乃至莫呼洛伽神帝,即便共往,立剎帝利灌頂大王轉輪王位,令具七寶,統四大洲,皆得自在。千子具足,勇健端正,能摧怨敵,跨王大地,亘窮海際,謫罰皆停,刀杖不舉,咸修正法,普受安樂。善男子!剎帝利種灌頂大王成就如是第十王輪,由此輪故,於四大洲爰及八萬四千小渚,安立其中諸有情類,十善業道,善守護身,令增壽命,身壞命終當生天中,受諸妙樂。
「善男子!如是如來,昔菩薩位,知自他身有無量種諸煩惱病,以定香水洗浴其身,及以諦法大慈大悲灌沐其首,著慚愧衣。十方一切諸佛世尊,以諸靜慮、等持、精進、方便、智意、慈悲護念,咸作是言:『如是大士!是大福慧莊嚴寶器!堪容一切三種不護、四無所畏、如來十力,及與十八不共佛法,堪得無上一切智智,大慈、大悲無不具足;常欣利樂一切眾生,是求佛寶商人導首,能救有情生死眾苦,能施有情涅槃大樂。我等一切諸佛世尊,應以誠言,與其所願,令成如來,應正等覺,得無上法,為大法王。』我於爾時,依福慧力勇猛精進,於四聖諦如實知已,證得無上正等菩提。
「善男子!如轉輪王統四大洲,皆得自在。如是如來,於四靜慮、四無色定、四種梵住、四無礙解、四聖諦觀、四無所畏、如來十力,及與十八不共佛法,一切種智皆得自在。如轉輪王,具足七寶。如是如來,成就七種菩提分寶。如轉輪王,千子具足,勇健端正,能伏怨敵。如是如來,有阿若多憍陳那為最初、蘇跋陀羅蘇剌多為最後,諸大聲聞,從佛心生、從佛口生、從法化生,得佛法分,諸漏永盡,名為勇健。具四梵住,名為端正,能伏一切天魔、外道、異論、怨敵。如轉輪王,化及八萬四千小渚。如是如來,於百俱胝南贍部洲、於百俱胝西瞿陀尼洲、於百俱胝東毘提訶洲、於百俱胝北俱盧洲、於百俱胝諸大溟海、於百俱胝諸妙高山、於百俱胝四大王天、於百俱胝乃至非想非非想天、於百俱胝大輪圍山、於此高廣一佛土中,言音施化,皆得自在。
「善男子!我成如是第十佛輪,由此輪故,如實了知自身、他身、諸漏永盡,利益安樂無量有情,得安隱住、得無驚恐、得無所畏。自稱我處大仙尊位,轉於佛輪,摧諸天魔、外道、邪論,處大眾中正師子吼。
「善男子!我成如是十種佛輪,本願力故,居此佛土五濁惡世,一切有情,損減一切白淨善法、匱乏所有七聖財寶、遠離一切聰慜智者、斷常羅網之所覆蔽;常好乘馭諸惡趣車,於後世苦不見怖畏;常處遍重無明黑闇,具十惡業,造五無間、誹謗正法、毀呰賢聖、離諸善法、具諸惡法;我於其中,成就如是佛十輪故,得安隱住、得無驚恐、得無所畏。自稱我處大仙尊位,轉於佛輪,降諸天魔、外道、邪論,摧滅一切諸有情類猶如金剛堅固煩惱。隨其所樂,安立一切有力眾生,令住三乘不退轉位。」
爾時,會中一切菩薩摩訶薩眾、一切聲聞、一切天龍,廣說乃至一切羯吒布怛那眾、人、非人等,皆大歡喜,同唱善哉,雨大香雨、雨大花雨、雨眾寶雨、雨大衣雨,一切大地皆悉震動。聞說如是十種佛輪,於眾會中,有八十四百千那庾多菩薩摩訶薩得無生法忍。復有無量菩薩摩訶薩獲得種種諸陀羅尼、三摩地忍。復有無量無數有情,初發無上正等覺心得不退轉。復有無量無數有情,逮得果證。
大乘大集地藏十輪經卷第二