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仏説薬師如来本願経 (佛說藥師如來本願經)

「佛說藥師如來本願經」について

隋 · 底本の訳者:達摩笈多

4,873 字 · 約 16 分

仏説薬師如来本願経は、隋代の高僧・達摩笈多が漢訳した重要な仏教経典であり、薬師法門の核心をなす典籍の一つです。この経典には、薬師如来が菩薩として修行されていた時に立てられた十二の大願が記されており、あらゆる生きとし生けるものを病苦、貧困、災難から救い出すことを目的としています。また、薬師仏の浄土の荘厳な様子と、そこに帰依することによる功徳や利益についても詳しく説かれています。経文では、薬師仏の名号を唱え、礼拝供養し、経典を読誦することの殊勝な功徳が強調されており、それによって災いを消し寿命を延ばし、業の障りを清浄にすることができると説いています。この経典は中国仏教において広く流布し、阿弥陀仏の浄土法門と並び、信仰者たちの実践における重要なよりどころとなっています。特に、健康と平安を祈る信徒たちに深い影響を与え続けています。


如是我聞:

このように私は聞きました。

一時婆伽婆遊行人間,至毘舍離國住樂音樹下,與大比丘眾八千人俱,菩薩三萬六千、國王、大臣、婆羅門、居士、天、龍、阿修羅、揵達婆、伽樓茶、緊那羅、摩呼羅伽等,大眾圍遶於前說法。

その時、尊いお方は人々の間を巡り歩かれ、毘舎離という国に至り、楽音樹という木の下に留まられました。そして、大いなる比丘たち八千人、菩薩三万六千、さらに国王、大臣、バラモン、在家の信者たち、天、竜、阿修羅、乾闥婆、迦楼羅、緊那羅、摩睺羅伽といった多くの者たちが、その周りを取り巻いて集まり、その前で説法が行われたのです。

爾時,曼殊室利法王子,承佛威神,即從座起,偏露一髆,右膝著地,向婆伽婆合掌曲躬,白言:「世尊!唯願演說諸佛名號及本昔所發殊勝大願,令眾生聞已業障消除,攝受來世正法壞時諸眾生故。」

その時、文殊師利法王子は仏の威神の力をいただき、ただちに座を立ち、片方の肩を露わにし、右膝を地につけて、婆伽婆(世尊)に向かって合掌し、身をかがめて申し上げました。「世尊よ、どうか諸仏の名号と、以前に発された殊勝な大願をお説きください。衆生がこれを聞いて業障が消え除かれ、未来の正法が衰える時代の衆生を摂受することができますように。」

爾時,婆伽婆讚曼殊室利童子言:「善哉!善哉!曼殊室利大慈悲者,起無量悲,勸請我說,為欲義利種種業障所纏眾生,饒益安樂諸天人故。曼殊室利!當善憶念,聽我所說。」

その時、尊き仏は文殊師利童子に向かってお告げになりました。「善きかな、善きかな。文殊師利よ。お前は大いなる慈しみの心を持ち、限りない悲しみの心を起こして、私に説くことを請うてくれた。これは、さまざまな業の障りに縛られた人々のため、そして天と人のすべての者に利益と安らぎをもたらすためである。文殊師利よ。どうかよく心に留め、私の説く言葉を聞きなさい。」

時曼殊室利童子,樂聽佛說,白言:「唯然,世尊!」

その時、文殊師利という若い菩薩は、仏の説法を喜んで聞き、こう申し上げました。「はい、世尊よ、喜んでお聞きいたします。」

佛告曼殊室利:「東方過此佛土十恒河沙等佛土之外,有世界名淨琉璃,彼土有佛,名:藥師琉璃光如來、應、正遍知、明行足、善逝、世間解、無上士、調御丈夫、天人師、佛世尊。

仏が曼殊室利に告げられた。「東方に、この仏の国から十のガンジス川の砂の数ほどの仏の国を超えたところに、浄瑠璃という世界がある。その国に仏がおられる。その名は、薬師瑠璃光如来、応供、正遍知、明行足、善逝、世間解、無上士、調御丈夫、天人師、仏世尊である。」

「曼殊室利!彼世尊藥師琉璃光如來本行菩薩行時,發十二大願。何者十二?

曼殊室利よ、かの世尊・薬師瑠璃光如来が、昔、菩薩の修行をされていた時、十二の大きな誓いを立てられた。その十二とは何か。

「第一大願:願我來世於佛菩提得正覺時,自身光明熾然,照曜無量無數無邊世界,三十二丈夫大相及八十小好以為莊嚴;我身既爾,令一切眾生如我無異。

第一大願:願我來世、仏の悟りを得たその時、わが身の光明が燦然と輝き、無量無数の限りのない世界を照らし、三十二の大人の相と八十の微細な相をそなえ、その荘厳は美しくあれ。わが身がこのようであるならば、すべての衆生もまた、われと同じく、このような功徳を得んことを。

「第二大願:願我來世得菩提時,身如琉璃,內外清淨無復瑕垢,光明曠大威德熾然;身善安住,焰網莊嚴過於日月。若有眾生生世界之間,或復人中昏暗及夜莫知方所,以我光故,隨意所趣作諸事業。

第二の大願:願わくは、我、来世において悟りを得たならば、その身は瑠璃のように、内外ともに清らかで、いささかの汚れや傷もなく、その光明は広大で、威光と徳が盛んに輝くものであってほしい。また、その身はよく安らかにとどまり、炎の網のような荘厳な光は、太陽や月をも超えるものであってほしい。もし、世の中に生まれた者や、あるいは人々の中で、暗闇や夜のために方角を知らずに迷う者がいるならば、我の光明によって、その者は思いのままに進み、あらゆる事業を成し遂げることができるように。

「第三大願:願我來世得菩提時,以無邊無限智慧方便,令無量眾生界受用無盡,莫令一人有所少乏。

第三大願:私が来世で菩提を得た時、限りなく広い智慧と方便によって、無量の衆生界が尽きることなく受け用いることができるようにし、ただ一人たりとも乏しい思いをすることがないようにします。

「第四大願:願我來世得菩提時,諸有眾生行異道者,一切安立菩提道中,行聲聞道、行辟支佛道者,皆以大乘而安立之。

第四の大願:願わくは、我が来世に菩提を得る時、あらゆる衆生のうち異なる道を行く者は、すべて菩提の道に安立せしめん。声聞の道を行く者、辟支仏の道を行く者も、皆大乗をもって安立せしめん。

「第五大願:願我來世得菩提時,若有眾生於我法中修行梵行,此諸眾生無量無邊,一切皆得不缺減戒,具三聚戒,無有破戒趣惡道者。

第五の大願:願わくば、来世において悟りを得たならば、私の教えに従って清らかな行いを修行する衆生が、数え切れないほど無量無辺にいるでしょう。そのすべての衆生が、欠けることのない完全な戒律を得て、三種類の戒律をすべて備え、戒律を破って悪道に落ちる者が一人もいませんように。

「第六大願:願我來世得菩提時,若有眾生其身下劣,諸根不具、醜陋頑愚、聾盲跛躄、身攣背傴、白癩癲狂,若復有餘種種身病,聞我名已,一切皆得諸根具足、身分成滿。

第六の大願。願わくは、我が来世において悟りを得たならば、もしいかなる衆生であれ、その身が劣っており、諸々の感覚器官が完全でなく、醜悪で頑固で愚かであり、耳が聞こえず、目が見えず、足が不自由で、体が曲がり、背中が曲がり、皮膚病や精神の病にかかっている者、またその他の様々な身体の病を抱える者がいたならば、我が名を聞くことで、すべての者があらゆる感覚器官を完全に備え、身体が満ち足りたものとなるであろう。

「第七大願:願我來世得菩提時,若有眾生諸患逼切,無護無依無有住處,遠離一切資生醫藥,又無親屬,貧窮可愍,此人若得聞我名號,眾患悉除無諸痛惱,乃至究竟無上菩提。

第七の大願。願わくば、私が来世において悟りを得た時、もしも病や苦しみに苛まれ、守ってくれる人もなく、頼るべき人もなく、住む場所もなく、生活に必要なものや薬さえも遠く離れて手に入らず、親族もなく、貧しくて哀れな衆生がいたならば、その人がもし私の名を聞くことができたならば、すべての苦しみは除かれ、痛みや悩みもなくなり、ついには最高の悟りに至るまで到達せんことを。

「第八大願:願我來世得菩提時,若有女人為婦人百惡所逼惱故,厭離女身,願捨女形,聞我名已,轉女人身成丈夫相,乃至究竟無上菩提。

第八の大願。願わくは、来世において悟りを得たならば、もし女が婦人としての百の苦しみに悩まされ、女身を厭い離れ、女の姿を捨てたいと願い、私の名を聞くならば、その女身を転じて丈夫の相を得させ、ついには無上の悟りに至らしめんことを。

「第九大願:願我來世得菩提時,令一切眾生解脫魔網,若墮種種異見稠林,悉當安立置於正見,次第示以菩薩行門。

第九の大願:願わくば、我が来世に菩提を得るとき、すべての衆生を悪魔の網から解き放ち、様々な誤った見解の深い森に落ちた者たちも、すべて正しい見解の中に安んじて立たせ、順を追って菩薩の修行の道を示さんことを。

「第十大願:願我來世得菩提時,若有眾生種種王法繫縛鞭撻,牢獄應死,無量災難,悲憂煎迫,身心受苦,此等眾生,以我福力,皆得解脫一切苦惱。

第十の大願。願わくは、我が来世において菩提を得る時、もし王法により縛められ、鞭打たれ、牢獄に入れられ、死に処せられようとする者、無量の災難に遭い、悲しみ憂いに苛まれ、心身ともに苦しむ眾生がいたならば、これらの眾生は、我が福徳の力によって、一切の苦しみから解脱を得んことを。

「十一大願:願我來世得菩提時,若有眾生飢火燒身,為求食故作諸惡業,我於彼所,先以最妙色香味食飽足其身,後以法味畢竟安樂而建立之。

十一大願:願わくは、我、来世において悟りを得るとき、もし飢えの炎に身を焼かれる衆生がいて、食を求めるがゆえに様々な悪業をなすならば、我はその者たちのもとに、まず最も優れた色・香り・味わいの食物をもってその身を満たし飽かせ、その後、法の味わいをもって、究極の安らぎと楽しみを与えて、しっかりとその土台を築かせよう。

「十二大願:願我來世得菩提時,若有眾生貧無衣服,寒熱蚊虻日夜逼惱,我當施彼隨用衣服,種種雜色如其所好,亦以一切寶莊嚴具、花鬘塗香、鼓樂眾伎,隨諸眾生所須之具,皆令滿足。

十二の大願—「願わくは、我が来世に菩提を得ん時、もし衆生の中に、貧しくして衣服なく、寒さ暑さ、蚊や虻に日夜悩まされる者があらば、我は彼らに、その用に応じた衣服を施さん。種々の色とりどりの衣を、その好みに応じて与えん。また、一切の宝で飾られた荘厳具、花の鬘、塗香、太鼓や音楽の楽器など、衆生の必要とするものをすべて満たさん。」

「此十二大願,是彼世尊藥師琉璃光如來、應、正遍知,行菩薩時,本昔所作。

この十二の大願は、かの世尊・薬師瑠璃光如来が、応供・正遍知として、菩薩の修行をされていた昔に、もとから立てられたものです。

「復次,曼殊室利!藥師琉璃光如來所有諸願,及彼佛土功德莊嚴,乃至窮劫說不可盡。彼佛國土一向清淨,無女人形,離諸欲惡,亦無一切惡道苦聲,琉璃為地,城闕、垣墻、門窓、堂閣、柱樑、斗拱、周匝羅網,皆七寶成,如極樂國,淨琉璃界莊嚴如是。

「また、文殊師利よ、薬師瑠璃光如来のすべての願いと、その仏国土の功徳の荘厳は、劫を尽くして説いても説き尽くすことはできません。かの仏の国はどこまでも清らかで、女の姿はなく、もろもろの欲望と悪を離れ、また一切の悪道の苦しみの声もありません。瑠璃が地となり、城の門、垣根、壁、窓、堂や楼閣、柱や梁、斗栱、周囲の羅網は、すべて七宝でできており、極楽国のように、浄瑠璃の世界の荘厳はこのとおりです。

「於其國中有二菩薩摩訶薩,一名日光,二名月光,於彼無量無數諸菩薩眾,最為上首,持彼世尊藥師琉璃光如來正法之藏。

その国には、二人の大菩薩がいました。一人は日光菩薩、もう一人は月光菩薩といいます。この二人は、数えきれないほどの多くの菩薩たちの中で最も優れたリーダーであり、薬師瑠璃光如来の正しい教えを守り伝えていました。

「是故,曼殊室利!信心善男子、善女人,應當願生彼佛國土。」

「それゆえ、文殊師利よ。信心深い善き男子、善き女人は、その仏の国に生まれたいと願うべきである。」

爾時,世尊復告曼殊室利童子言:「曼殊室利!或有眾生不識善惡、多貪無厭,不知布施及施果報,愚癡無智闕於信根,聚財護惜不欲分施。此等眾生無施心故,見乞者來,其心不喜,如割身肉。復有無量慳貪眾生,自不受用,亦不欲與父母、妻子,況奴婢、作使及餘乞人。此等眾生,人間命終生餓鬼道或畜生道。由昔人間,曾得聞彼藥師琉璃光如來名號故,或在鬼道或畜生道,如來名號暫得現前,即於念時,彼處命終,還生人道,得宿命智,怖畏惡趣,不樂欲樂,好行慧施,讚歎施者,一切所有悉能捨施,漸以頭目、手足、血肉、身分皆與求者,況餘財物。

そのとき、世尊は再び曼殊室利童子に告げて言われました。「曼殊室利よ、ある衆生は善悪を識らず、貪りが多く飽くことを知らず、布施と布施の果報を知りません。愚かで智慧がなく、信の根を欠いており、財を集めて守り惜しみ、分け与えようとしません。これらの衆生は施す心がないため、物乞いが来るのを見ると、その心は喜ばず、わが身の肉を割かれるかのように思います。また無量の悭貪の衆生がいて、自分でも使わず、父母や妻子にさえ与えようとしません。まして奴婢や召使い、その他の乞食者にはなおさらです。これらの衆生は、人間の命が終わると餓鬼道または畜生道に生まれます。しかし昔、人間であったときに、かの薬師瑠璃光如来の名号を聞いたことがあるため、鬼道や畜生道にあっても、如来の名号が暫時のあいだ現れます。その念じたときに、その場所で命が終わり、再び人道に生まれ、宿命智を得て、悪趣を怖れ、欲の楽しみを好まず、よく慧施を行い、施す者を讃嘆し、すべての所有物をことごとく捨て施すことができます。しだいに頭や目、手足、血肉、身分のすべてを求める者に与えるようになります。ましてその他の財物はなおさらです。

「復次,曼殊室利!有諸眾生,雖奉如來受持學句,然破戒、破行、破於正見;或受學句、護持禁戒,然不求多聞,不解如來所說修多羅中甚深之義;或復多聞,而增上慢自是非他,嫌謗正法為魔伴黨。此等癡人,及餘無量百千俱胝那由他眾生,行邪道者,當墮地獄。此等眾生,應於地獄流轉無期,以得聞彼世尊藥師琉璃光如來名號故,於地獄處,彼佛威力,如來名號暫得現前,即時捨命,還生人道,正見精進,淳善淨心,便能捨家,於如來教中出家學道,漸次修行菩薩諸行。

また、曼殊室利よ、世の中には多くの衆生がいる。彼らは如来を敬い、教えを学び受持するけれども、戒律を破り、行いを誤り、正しい見解を失ってしまう。あるいは、教えを学び、戒律を守っていながらも、多くのことを聞こうとせず、如来が説かれた経典の中の深い意味を理解しない。あるいは、多くのことを聞きながらも、慢心を起こし、自分は正しく他は間違っていると決めつけ、正しい教えを誹謗し、悪魔の仲間となってしまう。

このような愚かな人々や、数えきれないほどの多くの衆生のうち、誤った道を歩む者たちは地獄に堕ちるであろう。

しかし、これらの衆生は、地獄で長い間苦しみ続けることになるのだが、かの世尊・薬師瑠璃光如来の名号を聞いたことがあるがゆえに、地獄にいても、その仏の威力によって、如来の名号がふと心に浮かぶことがある。その瞬間、彼らは命を終え、再び人間の世界に生まれ変わる。

そうして生まれ変わった者たちは、正しい見解を持ち、努力を怠らず、心清らかで善良である。やがて家を捨て、如来の教えの中で出家し、学びの道に進み、徐々に菩薩の修行を積んでいくのである。

「復次,曼殊室利!或有眾生以妬忌故,但自稱讚不讚他人。此諸眾生以自高輕他故,於三惡道,無量千歲受諸苦毒;過無量千歲已,於彼命終,生畜生趣,作牛馬駝驢,鞭杖捶擊,飢渴逼惱,身負重擔,隨路而行;若生人道,常居下賤,為人奴婢,受他驅役。若昔人中,聞彼世尊藥師琉璃光如來名號者,以此善根,眾苦解脫,諸根猛利,聰慧博識,恒求善本,得與良友常相隨逐,能斷魔羂,破無明㲉,竭煩惱河,解脫一切生老病死憂悲苦惱。

また、曼殊室利よ。あるいは、衆生の中に嫉妬の心によって、ただ自分を褒め称え、他人を褒めない者がいる。このような衆生は、自分を高く見せて他人を軽んじるがゆえに、三悪道において無量千年の間、さまざまな苦しみや毒を受け、その無量千年の歳月が過ぎて命を終えた後には、畜生の世界に生まれ、牛、馬、駱駝、驢馬となり、鞭や杖で打ちたたかれ、飢えや渇きに苦しめられ、重い荷物を背負って道を歩かされる。もし人間の世界に生まれても、常に身分の低い者となり、奴婢として人に使役される。

もし過去世において、かの世尊・薬師琉璃光如来の名号を聞いたことがある者がいれば、この善根によって、これらの苦しみはすべて解かれ、諸々の感覚は鋭く、智慧は明らかで、広く知識を得ることができ、常に善い本質(善根)を求めるようになる。また、良き友人と常に共にあり、悪魔の罠を断ち切り、無明の殻を破り、煩悩の川を干上がらせて、生・老・病・死、憂い、悲しみ、苦しみ、煩悩からすべて解脱するのである。

「復次,曼殊室利!有諸眾生好喜乖離更相鬪訟,此等互起惡心眾生,身口及意恒作諸惡,為欲相損,各各常以無益相加,或告林神、樹神、山神、塚神種種別神,殺諸畜生,取其血肉,祭祀一切夜叉、羅剎食血肉者,書怨人字,并作其形,成就種種毒害、呪術、厭魅、蠱道、起屍鬼呪,欲斷彼命及壞其身。由聞世尊藥師琉璃光如來名號故,此諸惡事不能傷損,皆得互起慈心、益心、無嫌恨心,各各歡悅,更相攝受。

また、曼殊室利よ、世には争いを好み、互いに訴え合う衆生がいる。これらの者たちは互いに悪心を起こし、身・口・意の三業によって常に悪行を重ね、互いに害を加えようとして、常に無益な行いをし合う。あるいは林の神、樹の神、山の神、塚の神など様々な神々に祈り、畜生を殺してその血肉を捧げ、血肉を食う夜叉や羅刹に祭祀を行う。また、怨む者の名前を書き、その形を作り、様々な毒害、呪術、呪い、蠱道、屍鬼を操る呪いなどを用いて、相手の命を絶ち、その身体を損なわせようと企む。

しかし、これらの者たちが世尊の薬師瑠璃光如来の名号を聞くことによって、そのような悪事はすべてその身を損なうことができず、互いに慈しみの心、利益の心、恨みや憎しみのない心が生じ、皆が喜び合い、互いに受け入れ合うようになるのである。

「復次,曼殊室利!此諸四眾——比丘、比丘尼、優婆塞、優婆私——及餘信心善男子、善女人等,受八分齋,或復一年、或復三月,受持諸戒,以此善根,隨所憙樂,隨所願求,若欲往生西方極樂世界阿彌陀如來所者,由得聞彼世尊藥師琉璃光如來名號故,於命終時,有八菩薩乘空而來,示其道徑,即於彼界種種異色波頭摩華中,自然化生;若復此人欲生天上,即得往生,本昔善根無有窮盡,不復更生諸餘惡趣,天上命盡,當生人間,為轉輪王,四洲自在,安立無量百千俱胝那由他眾生於十善業道,或復生於剎利大族、婆羅門大族、居士大家,金銀、粟帛、倉庫盈滿,形色具足、自在具足、眷屬具足,勇健多力如大力士;若有女人得聞說此如來名號,至心受持,此人於後永離女身。」

また、曼殊室利よ。これらの四衆——比丘、比丘尼、優婆塞、優婆夷——そしてその他の信心深い善男子、善女人たちが、八斎戒を受けて、あるいは一年の間、あるいは三か月の間、諸々の戒めを受けて保ち、この善い根によって、その望みに従い、その願いに従って、もし西方極楽世界の阿弥陀如来のもとに生まれたいと願うならば、かの世尊・薬師琉璃光如来の名号を聞くことができるからである。命が終わる時、八人の菩薩が虚空に乗ってやって来て、その道筋を示し、まさにその浄土において、様々な色の蓮華の花の中に、自然に化身するのである。また、もしこの人が天に生まれたいと願うならば、すぐにそこに生まれることができ、本来の善い根は尽きることがなく、再び他の悪い境遇に生まれることはない。天での寿命が終われば、人間に生まれ、転輪聖王となり、四つの大陸を自在に治め、無量百千倶胝那由他もの衆生を十善業の道に安立させる。あるいはまた、刹利の大いなる家系、婆羅門の大いなる家系、長者の大きな家に生まれ、金銀や穀物や絹帛が倉庫に満ち溢れ、姿かたちは円満具足し、自在であり、眷属も具足し、勇ましく健やかで大力の士の如くである。もし女人がこの如来の名号を聞いて、心を込めて受持すれば、この人はその後、永遠に女身を離れるのである。

爾時,曼殊室利童子白佛言:「世尊!我於後時,以彼世尊藥師琉璃光如來名號,於信心善男子、善女人所,種種方便流布令聞,乃至睡中亦以佛名覺寤其耳。若受持此經讀誦宣說,或復為他分別開解,若自書,若令人書,若取經卷五色淨綵以盛裹之,灑掃淨處以安置之,持種種華、種種香、塗香、華鬘、寶幢、幡蓋而用供養,爾時,四大天王與其眷屬,并餘百千俱胝那由他諸天,皆詣其所。若此經卷流行之處,若復有人誦持此經,以得聞彼世尊藥師琉璃光如來名號,及本昔所發殊勝大願故,當知是處無復橫死,亦復不為諸鬼所持奪其魂魄,設已奪者,還復如故。」

その時、曼殊室利菩薩が仏に申し上げました。「世尊よ、私は後の時代において、かの世尊・薬師琉璃光如来の御名を、信心深い善男子・善女人のもとで、さまざまな方便を用いて広め、聞かせたいと願います。たとえ眠っている間でも、仏の御名によってその耳を目覚めさせたいと思います。

もしこの経典を受持し、読誦し、宣説し、あるいは他の人のために詳しく解き明かし、自ら書き写し、あるいは人に書かせ、経巻を五色の清らかな布で包み、清められた場所に安置し、さまざまな花、香り、塗香、花鬘、宝幢、幡蓋を捧げて供養するならば、その時、四大天王とその眷属、そしてその他百千那由他もの多くの天人が、その人のもとを訪れます。

もしこの経巻が流布されている場所、あるいはこの経典を受持し誦する人がいるならば、かの世尊・薬師琉璃光如来の御名を聞き、また昔に発した殊勝な大願を聞くことにより、その場所には不慮の死がなくなり、また諸々の鬼に悩まされて魂魄を奪われることもありません。たとえすでに奪われたとしても、元の通りに戻るでありましょう。」

佛言:「如是,如是!曼殊室利!如汝所說。曼殊室利!信心善男子、善女人,若欲供養彼如來者,此人應作如來形像,七日七夜受八分齋食清淨食,於清淨處散種種華,燒種種香,以種種繒綵,種種幡幢,莊嚴其處,澡浴清潔,著新淨衣,應生無垢濁心,無怒害心,於一切眾生起利益心,慈悲喜捨平等之心,鼓樂歌讚,右遶佛像,應念彼如來本昔大願并解釋此經,如所思念,如所願求,一切所欲,皆得圓滿——求長壽得長壽,求福報得福報,求自在得自在,求男女得男女。

仏が告げられた。「そのとおり、そのとおりである。マンジュシュリよ、汝の言うとおりである。マンジュシュリよ、信心深い善男子・善女人が、もしかの如来を供養したいと望むならば、その人は如来の形像を作るべきである。そして七日の間、七夜の間、八斎戒を受け、清らかな食物を食べ、清らかな場所に種々の花をまき、種々の香をたき、種々の絹布や種々の旗・幢を用いて、その場所を荘厳に飾るべきである。また、体を清らかに洗い浴し、新しい清らかな衣を着て、濁りのない清らかな心、怒りや害する心のない心を起こし、すべての生きとし生けるものに対して利益をもたらそうとする心、慈・悲・喜・捨の平等な心を起こすべきである。そして楽器を奏で歌をうたい称讃し、仏像の右側をまわりながら、かの如来が昔立てた大いなる誓願を念じ、この経典を理解し説き明かすべきである。そのように思念し、そのように願い求めるならば、すべての望みはことごとく満たされるであろう——長寿を求める者は長寿を得、福報を求める者は福報を得、自在を求める者は自在を得、男児・女児を求める者は男児・女児を得るであろう。」

「或復有人忽得惡夢,或見諸惡相,或怪鳥來集,於其住所百怪出現,此人若能以種種眾具,供養恭敬彼藥師琉璃光如來者,一切惡夢、惡相、不吉祥事皆悉隱沒,或有水怖、火怖、刀怖、毒怖、懸嶮之怖,惡象、師子、虎狼、熊羆、毒蛇、惡蝎、蜈蚣、蚰蜒如是等怖,憶念供養彼如來者,一切怖畏皆得解脫。若他國侵擾、賊盜反亂、如是等怖,亦應念彼如來恭敬尊重。

また、ある人が突然悪い夢を見たり、様々な不吉な兆しを目にしたり、怪しい鳥が集まってきたりして、その住まいに百種類もの異変が現れることがあります。そのような時、この人が様々な供物をもって、薬師琉璃光如来を敬い供養するならば、すべての悪い夢や不吉な兆し、良からぬ出来事は全て消え去るのです。また、水の恐れ、火の恐れ、刀の恐れ、毒の恐れ、険しい崖の恐れ、凶暴な象、獅子、虎、狼、熊、毒蛇、毒サソリ、ムカデ、ヤスデなどの恐れ——このような様々な怖れに対しても、その如来を心に念じ供養するならば、すべての恐怖から解脱することができるのです。もし他国からの侵略や略奪、反乱といった恐れがある場合も、同様にその如来を心に念じ、敬い尊ぶべきなのです。

「復次,曼殊室利!若有信心善男子、善女人,乃至盡形受三歸依,不事餘天,或持五戒,或持十戒,或持菩薩一百四戒,或復出家受持比丘二百五十戒,若比丘尼受持五百戒,於隨所受中,毀犯禁戒,畏墮惡道,若能供養彼世尊藥師琉璃光如來者,決定不受三惡道報。或有女人臨當產時,受於極苦,若能稱名供養彼世尊藥師琉璃光如來者,速得解脫,所生之子身分具足,形色端正,見者歡喜,利根聰明,安隱少病,無有非人奪其魂魄。」

「次に、曼殊室利よ、もし信心ある善男子・善女人があり、一生の間、三帰依を受け、他の神々を祀らず、あるいは五戒を保ち、あるいは十戒を保ち、あるいは菩薩の一百四戒を保ち、あるいはまた出家して比丘の二百五十戒を受け保ち、もし比丘尼が五百戒を受け保つとして、その受けた戒の中で禁戒を毀り犯し、悪道に堕ちることを畏れるならば、もし彼の世尊・薬師瑠璃光如来を供養することができれば、必ず三悪道の報いを受けません。あるいは女人が産もうとする時、極めて大きな苦しみを受けますが、もし彼の世尊・薬師瑠璃光如来の名を称え供養することができれば、速やかに解脱を得て、生まれる子は身体の部分が具足し、姿形が端正で、見る者は皆喜び、利根で聡明、安らかで病が少なく、非人にその魂魄を奪われることもありません。」

爾時,世尊告慧命阿難言:「阿難!如我稱揚彼世尊藥師琉璃光如來所有功德,汝信受耶?汝於如是諸佛如來甚深境界多生疑惑。」

その時、世尊は慧命阿難に告げられた。「阿難よ、私が称賛した薬師琉璃光如来のすべての功徳を、あなたは信じ受け入れるか。あなたはこのような諸仏如来の深遠な境地に対して、多くの疑いを抱いているようだ。」

時,慧命阿難白佛言:「大德世尊!我於如來所說法中,無復疑惑。何以故?一切如來身口意行無不清淨。世尊!此日月有如是大神通、有如是大威力,可令墮落,須彌山王可得移動,諸佛所言無有差異。大德世尊!或有眾生信根不具,聞說如來佛境界已,作是思惟:『云何但念彼如來名獲爾許功德?』心不信受,生於誹謗,此等長夜無義饒益,當墮苦趣。」

その時、慧命阿難が仏に申し上げた。「大徳世尊よ、私は如来が説かれた教えについて、もはや疑いを抱くことはありません。なぜなら、すべての如来の身・口・意の行いは、いずれも清らかでないものはないからです。世尊よ、この日月はこのような大いなる神通力と大いなる威力を持つものの、それでも堕ちるようにさせることは可能であり、須弥山王も動かすことができるでしょう。しかし、諸仏の説かれる言葉には、少しの違いもありません。大徳世尊よ、あるいは衆生の中に、信の根が備わっておらず、如来の仏境界についての説法を聞いた後に、このように考える者がいるかもしれません。『どうしてただ如来の名を念じるだけで、これほどの功徳を得られるのか』と。心に信じ受け入れることができず、誹謗を生じるのです。そのような者たちは、長い夜の間、無意味な利益を得ることなく、苦い趣に堕ちるでしょう。」

佛言:「阿難!若彼如來所有名號入其耳中,此人墮惡道者,無有是處。阿難!諸佛境界誠為難信,汝今信受,應知皆是如來威力,非一切聲聞、辟支佛地所能信受,唯除一生補處菩薩摩訶薩。阿難!人身難得,於三寶中信敬尊重亦難可得,聞彼如來名號倍難於此。阿難!彼世尊藥師琉璃光如來無量菩薩行,無量諸巧便,無量曠大願,我欲一劫若過一劫說彼如來菩薩行願,乃至窮劫,彼世尊藥師琉璃光如來本昔所行及殊勝大願,亦不究盡。」

仏は言われた。「阿難よ、もしその如来の名号が耳に入るならば、その人が悪道に堕ちることは決してあり得ない。阿難よ、諸仏の境界は実に信じ難いものである。汝は今、信じて受け入れなさい。これはすべて如来の威力によるものであり、声聞や辟支仏の境地では信じ受け入れることはできない。ただ一生補処の菩薩摩訶薩だけが信じることができる。阿難よ、人間の身を得ることは難しく、三宝に対して信仰・敬い・尊重することもまた得難い。そして、かの如来の名号を聞くことは、それよりもさらに難しいことである。阿難よ、かの世尊・薬師琉璃光如来の無量の菩薩行、無量の巧みな方便、無量の広大な誓願について、私は一劫あるいは一劫以上をかけて説こうとも、かの如来の菩薩行と誓願を説き尽くすことはできない。たとえ劫を窮めても、かの世尊・薬師琉璃光如来が過去に行った行いと殊勝な大願を説き尽くすことはできないのである。」

爾時,眾中有菩薩摩訶薩名曰救脫,即從座起,偏露一髆,右膝著地,向婆伽婆合掌曲躬白言:「大德世尊!於未來世,當有眾生身嬰重病,長患羸瘦不食飢渴,喉脣乾燥,死相現前,目無所見,父母、親眷、朋友、知識啼泣圍遶,其人屍形臥在本處,閻摩使人引其神識,置於閻摩法王之前,此人背後有同生神,隨其所作,若罪若福一切皆書,盡持授與閻摩法王。時閻摩法王推問其人,算計所作,隨善隨惡而處分之。若能為此病人歸依彼世尊藥師琉璃光如來,如法供養,即得還復。此人神識得迴還時,如從夢覺皆自憶知,或經七日、或二十一日、或三十五日、或四十九日,神識還已,具憶所有善惡業報,由自證故,乃至失命不造惡業。是故信心善男子、善女人,應當供養藥師如來。」
爾時,慧命阿難問救脫菩薩言:「善男子!應云何供養彼世尊藥師琉璃光如來也?」

その時、尊い阿難尊者が救脱菩薩に尋ねました。「善き方よ、どのようにしてあの世尊・薬師瑠璃光如来を供養すべきでしょうか?」

救脫菩薩言:「大德阿難!若有患人欲脫重病,當為此人七日七夜受八分齋,當以飲食及種種眾具,隨力所辦供養比丘僧,晝夜六時禮拜供養彼世尊藥師琉璃光如來,四十九遍讀誦此經,然四十九燈,應造七軀彼如來像,一一像前各置七燈,一一燈量大如車輪,或復乃至四十九日光明不絕,當造五色綵幡長四十九尺。

救脱菩薩がおっしゃいました。「尊き阿難よ。もし病に苦しむ人がいて、重い病から逃れたいと願うならば、その人のために七日七晩、八斎戒を受けなさい。そして、食べ物や様々な供え物を、自分の力に応じて用意し、比丘僧伽に供養しなさい。また、昼夜六時にわたり、かの世尊・薬師琉璃光如来を礼拝し供養しなさい。この経典を四十九回読誦し、四十九の灯明を灯しなさい。さらに、かの如来の像を七体造り、それぞれの像の前に七つの灯明を置きなさい。それぞれの灯明の大きさは車輪ほどにし、あるいは四十九日もの間、灯明の光が絶えないようにしなさい。また、五色の美しい幡を長さ四十九尺で作りなさい。」

「復次,大德阿難!灌頂剎利王等,若災難起時——所謂人民疾疫難、他方侵逼難、自界反逆難、星宿變怪難、日月薄蝕難、非時風雨難、過時不雨難——爾時,此灌頂剎利王,當於一切眾生起慈愍心,赦諸繫閉,依前所說供養法式,供養彼世尊藥師琉璃光如來。時灌頂剎利王用此善根,由彼世尊藥師琉璃光如來本昔勝願故,其王境界即得安隱,風雨以時、禾稼成就、國土豐熟,一切國界所有眾生,無病安樂,多生歡喜,於其國界亦無夜叉、羅剎、毘舍闍等諸惡鬼神擾亂眾生,所有惡相皆即不現,彼灌頂剎利王,壽命色力無病自在並得增益。」

また、大徳アーナンダよ。灌頂を受けた王族の王たちに、もし災難が起こるとき——いわゆる民衆の疫病の難、他国からの侵略の難、国内の反乱の難、星の運行の異変の難、日食・月食の難、季節外れの暴風雨の難、日照りの難——そのとき、この灌頂を受けた王は、すべての生きとし生けるものに対して慈しみの心を起こし、囚人たちを赦し放ち、先に述べた供養の方法に従って、あの世尊薬師琉璃光如来に供養するべきである。そのとき灌頂を受けた王は、この善い根(功徳)によって、あの世尊薬師琉璃光如来の昔からのすぐれた誓願の力により、その王の国土はたちまち安らかになり、風雨は時に適い、穀物は実り、国土は豊かになる。すべての国境の中の生きとし生けるものは、病なく安らかに楽しく、多くの喜びが生まれる。その国境の中には、夜叉・羅刹・毘舎闍などの悪い鬼神たちが民衆を悩ますこともなく、すべての悪い兆しはたちまち現れなくなる。その灌頂を受けた王は、寿命・容色・体力・病のないこと・自在さがすべて増し加わるのである。

爾時,慧命阿難問救脫菩薩言:「善男子!云何已盡之命而可更延?」

その時、慧命(えみょう)の阿難(あなん)が救脱菩薩(ぐだつぼさつ)に問うて言った。「善男子(ぜんなんし)よ、どのようにして、すでに尽きてしまった命を、さらに延ばすことができるのでしょうか。」

救脫菩薩言:「阿難!汝豈不聞如來所說九橫死耶?是故教以呪藥方便;或有眾生,得病非重,然無醫藥及看病人,或復醫人療治失所,非時而死,是為初橫;第二橫者,王法所殺;第三橫者,遊獵、放逸、婬醉無度,為諸非人害其魂魄;第四橫者,為火所燒;第五橫者,為水所溺;第六橫者,入師子、虎豹、諸惡獸中;第七橫者,飢渴所困,不得飲食,因此致死;第八橫者,厭禱、毒藥、起屍鬼等之所損害;第九橫者,投巖取死,是名如來略說大橫有此九種,其餘復有無量諸橫。」

救脱菩薩は言われた。「阿難よ、あなたは如来が説かれた九つの横死について聞いたことがないのですか。それゆえに、如来は呪文と薬を用いる方便を教えられたのです。ある衆生は、病にかかっても重くはないのですが、医者も薬もなく、看病する人もいません。また、医者が治療を誤って、死ぬべき時ではないのに死んでしまうことがあります。これが第一の横死です。第二の横死は、王の法律によって殺されることです。第三の横死は、狩猟や遊興にふけり、酒や淫欲に溺れすぎて、妖怪や悪霊に魂を害されることです。第四の横死は、火に焼かれて死ぬことです。第五の横死は、水に溺れて死ぬことです。第六の横死は、獅子や虎、豹などの猛獣の中に入ってしまい、害されることです。第七の横死は、飢えや渇きに苦しめられ、食べ物や飲み物を得られずに死ぬことです。第八の横死は、呪いの祈祷や毒薬、屍鬼などの害を受けて死ぬことです。第九の横死は、崖から身を投げて死を選ぶことです。これが如来が大まかに説かれた九つの横死であり、この他にも数え切れないほどの様々な横死があるのです。」

爾時,眾中有十二夜叉大將,俱在會坐,所謂:
宮毘羅大將、 跋折羅大將、
迷佉羅大將、 安捺羅大將、
安怛羅大將、 摩涅羅大將、
因陀羅大將、 波異羅大將、
摩呼羅大將、 真達羅大將、
招度羅大將、 鼻羯羅大將,
此等十二夜叉大將,一一各有七千夜叉以為眷屬,皆同一聲白世尊言:「我等今者蒙佛威力,得聞世尊藥師琉璃光如來名號已,不復更有惡道之怖。我今相與皆同一心,乃至壽盡歸依佛、歸依法、歸依僧,皆當荷負一切眾生,為作義利,饒益安樂,隨於何等村城聚落阿蘭拏處,若流布此經,若復持彼世尊藥師琉璃光如來名號,親近供養者,我等眷屬衛護是人,皆使解脫一切苦難,諸有所求,悉令滿足。」

この十二人の夜叉大将は、それぞれ七千の夜叉を眷属として従えていました。彼らは皆、声を揃えて世尊にこう申し上げました。「私たちは今、仏の威神力によって、世尊・薬師琉璃光如来の御名を聞くことができました。もはや悪道に堕ちる怖れはありません。私たちは皆、心を一つにして、この命が尽きるまで、仏に帰依し、法に帰依し、僧に帰依いたします。そして、すべての衆生を担い守り、彼らのために利益をもたらし、安らぎと幸福を施しましょう。どのような村や町や集落や閑静な場所であっても、この経典が広められ、また世尊・薬師琉璃光如来の御名を心に持って親近し供養する人々がいるとき、私たち眷属はその人々を守り護り、すべての苦しみや困難から解脱させ、求めるものがすべて満たされるようにいたしましょう。」

爾時,世尊讚諸夜叉大將言:「善哉,善哉!大夜叉將!汝等若念彼世尊藥師琉璃光如來恩德者,當念饒益一切眾生。」

その時、世尊は夜叉の大将たちを褒めて言われた。「善きかな、善きかな。夜叉の大将たちよ。あなたたちがかの世尊・薬師琉璃光如来の恩徳を思うならば、すべての衆生を利益することを心がけなさい。」

爾時,慧命阿難白佛言:「世尊!此經何名?云何奉持?」

その時、尊者アーナンダが仏に申し上げた。「世尊よ、この経典の名前は何といいますか。また、どのようにしてこの教えを保ち実践すべきでしょうか。」

佛言:「阿難!此法門者,名為『藥師琉璃光如來本昔所發殊勝大願』,當如是持;名為『十二夜叉大將自誓』,當如是持;名為『淨一切業障』,當如是持。」

仏は言われた。「阿難よ、この法門は、『薬師瑠璃光如来が昔に発した殊勝な大願』という名であり、そのようにして受持しなさい。また、『十二夜叉大将の自らの誓い』という名であり、そのようにして受持しなさい。さらには、『一切の業障を清める』という名であり、そのようにして受持しなさい。」

時婆伽婆說是語已,諸菩薩摩訶薩、諸大聲聞、國王、大臣、婆羅門、居士,及一切大眾阿修羅、揵達婆等,聞佛所說,歡喜奉行。

その時、世尊がこの教えを説き終えられると、諸々の大菩薩、大いなる声聞たち、国王、大臣、バラモン、在家の信者たち、そして一切の大衆——阿修羅や乾闥婆なども——仏の説かれた教えを聞いて、皆、心から喜び、教えの通りに実践しました。

佛說藥師如來本願經

薬師如来本願経


藥師如來本願功德經序

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