ご支援淨心禪堂すべての経典
メインコンテンツにスキップ
  1. 大堅固婆羅門縁起経 (大堅固婆羅門緣起經)
  2. 第一 (第一)
  3. 第一 (第一)
←と→
矢印キーでページをめくれます

大堅固婆羅門縁起経 (大堅固婆羅門緣起經)

「大堅固婆羅門緣起經」について

宋 · 底本の訳者:施護等

8,084 字 · 約 27 分

大堅固婆羅門縁起経は、宋代の訳経僧・施護らによって漢訳された仏教経典の一つであり、初期仏教文献に属します。この経典は、大堅固という名のバラモンと仏陀との対話を記し、因果応報と修行による解脱という核心的な教えを説き、智慧と慈悲の実践を強調しています。経文の内容はバラモン階級と仏教思想の融合に触れており、仏陀の時代におけるインド社会の宗教的背景を反映しています。この経典は仏教聖典の中でも重要な位置を占め、初期仏教とバラモン教の関係を研究する上で貴重な文献を提供するとともに、仏教徒の修行と教理の理解に対する指針となる意義を持っています。宋代の著名な訳経僧である施護による訳本は言葉が簡潔で、広く伝わりやすいため、漢伝仏教における重要な典籍の一つとなっています。


佛說大堅固婆羅門緣起經卷上

仏説大堅固婆羅門因縁経 巻上

西天譯經三藏朝奉大夫試光祿卿傳法大師賜紫臣施護等奉 詔譯

西天訳経三蔵朝奉大夫試光禄卿伝法大師賜紫臣施護等、勅命により訳す

如是我聞:

このように私は聞きました。

一時,世尊在王舍城鷲峯山中,與大眾俱。是時,有五髻乾闥婆王子,過於夜分,至明旦時,來詣佛所。彼有身光廣大照耀,彼鷲峯山都一光聚。到佛所已,頭面禮足,退住一面,前白佛言:「世尊!我於一時,在三十三天,見帝釋天主、大梵天王并善法天眾而共集會有所宣說:『我親所聞,我親所受。』是義云何?唯願世尊告示於我,令我了知。」

ある時、世尊(お釈迦様)は、王舎城の鷲峯山に大勢の修行者たちと共に滞在されていました。

その時、五髻という名の乾闥婆(音楽の神)の王子が、夜が明けた早朝に、世尊のもとへ訪れました。彼の身体から放たれる光は広く力強く、鷲峯山一帯がすべてその光に包まれました。

世尊のもとに到着すると、頭を世尊の足につけて礼をし、その後、脇へ退いて立ち、こう申し上げました。「世尊よ。私は以前、三十三天(とりこしま)において、帝釈天、大梵天王、そして善法天の衆が共に集まり、ある話をしているのを聞きました。『私はこれを実際に聞き、実際に受け取った』という内容です。その意味はどのようなものなのでしょうか。どうか世尊よ、私にお教えください。私が正しく理解できるように。」

佛告五髻乾闥婆王子言:「所有汝於三十三天帝釋天主、大梵天王并善法天眾共集會處有所聽受,我今如應告語於汝,令汝了知。」

仏は五髻の乾闘婆の王子にこう告げました。「あなたが三十三天の帝釋天、大梵天王、そして善法天の衆と共に集まった場所で聞き受けたこと、それを今、あなたにふさわしく伝えましょう。あなたがよく理解できるように。」

時,五髻乾闥婆王子,復白佛言:「世尊!我於一時在三十三天帝釋天主、大梵天王并善法天眾共集會處。是時,或有天子,以因緣故,初生彼天。同時,有餘先生天子,見初生者,乃起五種極愛樂事,所謂壽命、色相、名稱、吉祥、眷屬等。世尊!彼有一類天子,作如是言:『諸天子!汝等且觀,此初生天子,有餘先生天子,起於五種極愛樂事,所謂壽命、色相、名稱、吉祥、眷屬等。』彼時,又有一類天子,作如是言:『諸天子!此初生者是佛世尊聲聞法中,修梵行已,身壞命終,感善趣報,而來生此三十三天。同時,有諸先生天子,乃起五種極愛樂事。』彼時又有一類天子,作如是言:『快哉諸天子!有四佛如來、應供、正等正覺,出現世間,宣說諸法,利益天人,損減阿脩羅眾,增益天眾。』彼時,又有一類天子,作如是言:『止!諸天子!非四佛如來、應供、正等正覺,出現世間。快哉!諸天子!有三佛如來、應供、正等正覺,出現世間,宣說諸法,利益天人,損減阿脩羅眾,增益天眾。』彼時,又有一類天子,作如是言:『止!諸天子!非三佛如來、應供、正等正覺,出現世間。快哉!諸天子!有二佛如來、應供、正等正覺,出現世間,宣說諸法,利益天人,損減阿修羅眾,增益天眾。』如是等事,願佛為說。」

その時、五髻の乾闥婆の王子が、再び仏に申し上げました。「世尊よ、私はかつて、忉利天(とうりてん)において、帝釈天主、大梵天王、そして善法天の天衆が集まっているところに居合わせました。その時、ある天子が因縁によって、新たにその天に生まれました。すると同時に、先に生まれていた他の天子たちは、その新しく生まれた者に対して、五種類の非常な喜びをもたらす事柄を起こしました。すなわち、寿命、容姿、名声、吉祥、そして眷属といったものです。

世尊よ、ある種類の天子たちは、こう言いました。『天子たちよ、ご覧なさい。この新しく生まれた天子に対して、先に生まれた天子たちが、五種類の非常な喜びをもたらす事柄を起こしている。すなわち、寿命、容姿、名声、吉祥、眷属である。』

その時、また別の種類の天子たちは、こう言いました。『天子たちよ、この新しく生まれた者は、仏世尊の声聞の教えにおいて清らかな行いを修め、身体が壊れ命が尽きた後、善い境遇の報いを受けて、この忉利天に生まれてきたのである。そして同時に、先に生まれた天子たちは、五種類の非常な喜びをもたらす事柄を起こしているのである。』

その時、また別の種類の天子たちは、こう言いました。『ああ、めでたいことだ、天子たちよ!四人の仏・如来、応供、正等正覚が世に現れ、諸々の法を説き、天と人を利益し、阿修羅の衆を減らし、天の衆を増やしておられる。』

その時、また別の種類の天子たちは、こう言いました。『やめよ、天子たちよ!四人の仏・如来、応供、正等正覚が世に現れたわけではない。ああ、めでたいことだ、天子たちよ!三人の仏・如来、応供、正等正覚が世に現れ、諸々の法を説き、天と人を利益し、阿修羅の衆を減らし、天の衆を増やしておられる。』

その時、また別の種類の天子たちは、こう言いました。『やめよ、天子たちよ!三人の仏・如来、応供、正等正覚が世に現れたわけではない。ああ、めでたいことだ、天子たちよ!二人の仏・如来、応供、正等正覚が世に現れ、諸々の法を説き、天と人を利益し、阿修羅の衆を減らし、天の衆を増やしておられる。』 このような事柄について、どうか仏に説いていただきたく存じます。」

是時,帝釋天主、大梵天王在佛會中,佛以是事告帝釋天主并天眾言:「汝等當知,同一時中,無處容受二佛如來、應供、正等正覺,出現世間,宣說諸法。」時,帝釋天主并諸天眾,聞佛語已,咸生歡喜,心意快然。

その時、帝釈天と大梵天王が仏の説法の集まりにいました。すると仏は帝釈天と天の者たちにこう告げられました。「あなたたちは知るべきである。同じ時に、同じ世界に、二人の如来(応供・正等正覚)が同時に現れて、様々な教えを説くということはありえないのだ。」

この言葉を聞いた帝釈天と天の者たちは、皆、心から喜び、意気揚々としました。

爾時,世尊知彼帝釋天主并諸天眾咸生歡喜,即告眾言:「如來、應供、正等正覺出現世間,具足八種希有之法。汝等若欲聞者,應當勝前發歡喜心起忻樂意。」即時,佛告帝釋天主言:「憍尸迦!汝今為此天眾,隨應樂說如來、應供、正等正覺八希有法。」

その時、世尊は帝釈天と天の衆生たちが皆、喜びに満ちているのをご覧になり、こうお告げになりました。「如来・応供・正等正覚(完全に目覚めた仏陀)がこの世に現れると、八つの稀有な法が完全に備わっています。皆さんがこれを聞きたいのであれば、さらに大きな喜びと楽しい思いで聞くようにしなさい。」 そしてすぐに、仏陀は帝釈天にこう言われました。「憍尸迦(帝釈天)よ、あなたは今、これらの天の衆生のために、如来・応供・正等正覚の八つの稀有な法について、適切に喜んで説きなさい。」

時,帝釋天主承佛教勅,宣說世尊八希有法:「諸天子!隨有如來、應供、正等正覺出現世間,決定損減阿脩羅眾,增益天眾,能令多人利益安樂。如是利樂,是為希有。

その時、帝釋天は仏陀の教えに従い、世尊の八つの珍しい教えを説きました。

「諸々の天よ!如來、応供、正等正覚がこの世に現れる時、必ず阿修羅の衆生は減り、天の衆生は増え、多くの人々に利益と安楽をもたらします。このような利益と安楽こそ、まことに稀有なことなのです。」

「復次,諸天子!如來大師出現世間,我不見於過去及今現在而有別異,是故如來、應供、正等正覺出現世間,宣說法教,利益天人。所謂破諸見法、離染污法、順觀法、潔白法、了知諸受法、除憍慢法、調伏渴流法、破無明法、斷依止法、離貪愛法、寂滅法、涅槃法。如是宣說諸法,是為希有。

「さらに、諸天の皆さま。如来という偉大な師がこの世に現れ給うことは、過去にも現在にも、それと異なるものはありません。それゆえ、如来(応供・正等正覚)が世に現れ、法の教えを説き、天人のために利益をもたらします。すなわち、様々な見解を打ち破る法、煩わしさを離れる法、あるがままを見る法、清らかな法、様々な感覚を明らかに知る法、驕りを除く法、渇望の流れを調える法、無知を破る法、よりどころを断つ法、執着を離れる法、静まりの法、涅槃の法です。このように様々な法を説き示すことは、まことに希有なことなのです。」

「復次,諸天子!如來大師出現世間,我不見於過去及今現在而有別異,是故如來、應供、正等正覺出現世間,為諸聲聞教示學法,謂所應修諸無瞋法。以此緣故,如來、應供、正等正覺重重教示:『諸修行者,應於曠野寂靜等處修無諍行,若行、若住、若坐、若臥,遠離憒閙,及離諠繁,隨自依止、隨自色相、隨自忻樂、隨自所愛,勿雜他人,隨自應行。』如是教示,是為希有。

さらに、天の皆さんよ。如来という大師がこの世に現れても、私は過去にも現在にも、その教えに何の違いがあるようには見えません。それゆえ、如来(応供・正等正覚)が世に現れ、声聞たちのために学ぶべき教えを示されます。それは、修行すべき怒りや憎しみのない法(無瞋法)です。

この理由から、如来(応供・正等正覚)は繰り返しこう教えられます。「修行する者は、人里離れた静かな場所で、争いのない行い(無諍行)を修めなさい。歩くときも、立つときも、座るときも、横になるときも、騒がしい場所や喧騒を避けなさい。自分の心のままに、自分の姿のままに、自分の喜びに従い、自分の愛するところに従って、他の人と混ざり合わず、自らにふさわしく行動しなさい。」このように教え示すことは、まことに稀有なことです。

「復次,諸天子!如來大師出現世間,我不見於過去及今現在而有別異,是故如來、應供、正等正覺出現世間,雖復隨順受諸飲食,如來常得食中上味,及得正味,得第一味,得不離散味。又復,如來、應供、正等正覺所受飲食,遠離憍慢無住無著,常離過失起正智慧,常欲出離。復以此法教示一切,是為希有。

「さらに、諸天子よ。如来という大いなる師匠がこの世に現れています。私は、過去においても現在においても、何ら異なるものを見ません。それゆえ、如来、供養されるべき方、正しく悟られた方は、この世に現れては、様々な飲食を当たり前に受け取られますが、如来は常に食べ物の中でも最上の味、正しい味、第一の味、決して散らない味を得ておられます。また、如来、供養されるべき方、正しく悟られた方は、受ける飲食に対して、驕りや慢心を遠く離れ、とどまることも執着することもなく、常に過ちを離れて正しい智慧を起こし、常にそこから出離しようと望んでおられます。そして、この教えをもってすべての者に示し教えられる。これこそが、まれなることなのです。」

「復次,諸天子!如來大師出現世間,我不見於過去及今現在而有別異,是故如來、應供、正等正覺出現世間,具足神通,為諸聲聞說神通法,教示開導使令修行。如是教示,是為希有。

さらに、諸天の者たちよ。如来という大いなる師が世に現れても、私は過去と現在で何の違いも見いだせない。それゆえ、如来、応供、正等正覚が世に現れ、完全な神通力をそなえ、声聞たちに神通の法を説き、教え示し導いて修行させられる。このような教え示しは、まことに稀有なことである。

「復次,諸天子!如來大師出現世間,我不見於過去及今現在而有別異,是故如來、應供、正等正覺出現世間,離諸疑惑,亦離疑論,於善法中得無所畏,如是離疑者,是為希有。

「さらに、天の皆さんよ。如来という大師がこの世に現れても、私は過去や現在において、何か別のものを見たことがありません。それゆえ、如来、応供、正等正覚が世に現れ、一切の疑惑を離れ、疑いの議論からも離れ、善い教えにおいて何も恐れることがないのです。このように疑惑を離れたことは、まれなることなのです。」

「復次,諸天子!如來大師出現世間,我不見於過去及今現在而有別異,是故如來、應供、正等正覺,出現世間,於諸法中如說能行,如行能說,復以諸法,教示開導使令修行。如是教示,是為希有。

さらに、諸天の皆さまよ。如来という大いなる師がこの世に現れても、私は過去にも今現在にも、異なる様子を見たことがありません。それゆえ、如来、応供、正等正覚は世に現れ、あらゆる教えを、語った通りに実践し、実践した通りに語られます。そしてまた、その教えをもって人々を導き、教え示し、修行に励ませるのです。このような導きこそ、まれなることなのです。

「復次,諸天子!如來大師出現世間,我不見於過去及今現在而有別異,是故如來、應供、正等正覺,出現世間,教示涅槃及涅槃道,增長充滿無有窮盡。譬如殑伽河水閻牟那河水流注大海增長無盡,如來、應供、正等正覺亦復如是,教示涅槃及涅槃道,善巧宣說諸涅槃法,及善安立,使令修行增長無盡。如是教示者,是為希有。

さらに、諸天の者たちよ。如来という偉大なる教師がこの世に現れても、私は過去にも現在にも、その教えに異なる点があるのを見たことがありません。それゆえに、如来・応供・正等正覚者は世に現れ、涅槃と涅槃に至る道を教え示し、それを増大させ満たし尽くすことがありません。例えるなら、ガンジス川とヤムナー川の水が海に流れ込み、とどまることなく増え続けるように、如来・応供・正等正覚者もまた同様に、涅槃と涅槃に至る道を教え示し、様々な涅槃の教えを巧みに説き、さらに人々を正しく導いて修行を促し、その利益を尽きることなく増大させます。このように教え示すことは、まことに稀有なことなのです。

「諸天子!如來大師出現世間,具足如是八種希有之法,是故我不見於過去及今現在而有別異。」

「天子たちよ。如来という偉大な教師はこの世に現れ、このような八つの稀有な法を完全に備えておられます。それゆえ、私は過去にも現在にも、この教えと異なるものを見たことがありません。」

是時,彼天子眾聞是說已,又復勝前,咸生歡喜,心意快然,俱白帝釋天主言:「天主!願為我等重復宣說彼如來、應供、正等正覺八種希有之法。」

その時、天の神々たちはこの言葉を聞いて、さらに以前にも増して喜びに満ち、心が晴れやかになりました。そして帝釈天に向かってこう言いました。「天主よ、どうか私たちのために、如来(完全に悟りを開かれた方)、応供(尊敬に値する方)、正等正覚者(正しく全てを悟った方)である彼の八つの希有(めずらしい)な教えを、再びお説きください。」

時,帝釋天主為彼天眾,第二宣說如來八希有法:

その時、天帝釋は天の衆たちに対して、如来の八つの希有(けう)の法を、第二に説き示された。

「復次,諸天子!隨有如來、應供、正等正覺出現世間,決定損減阿脩羅眾,增益天眾,能令多人利益安樂,如是利樂,是為希有。諸天子!是故如來大師出現世間,我不見於過去及今現在而有別異,如是如前廣說,乃至如來、應供、正等正覺,出現世間,教示涅槃及涅槃道,增長充滿無有窮盡。譬如殑伽河水、閻牟那河水流注大海增長無盡,如來、應供、正等正覺亦復如是,教示涅槃及涅槃道,善巧宣說諸涅槃法,及善安立,使令修行增長無盡。如是教示,是為希有。諸天子!如來大師出現世間,具足如是八希有法。是故我不見於過去及今現在而有別異。」如是言已,彼天子眾又復勝前,咸生歡喜,心意快然。

「さらに、天の皆様よ。如来(目覚めた方)、応供(尊敬されるにふさわしい方)、正等正覚(完全なる目覚めを得た方)がこの世に現れると、必ず阿修羅の勢力は減り、天人の勢力は増します。そして多くの人々に利益と安楽をもたらします。このような利楽をもたらすことは、まことに希有なことです。天の皆様よ。それゆえ、如来という偉大な師がこの世に現れることに関して、私は過去にも現在にもこれと異なる例を見たことがありません。これは先に詳しく述べた通りです。さらに、如来、応供、正等正覚がこの世に現れると、涅槃(究極の安らぎ)と涅槃に至る道を示し教え、それが満ちあふれて尽きることがありません。例えば、ガンジス川やヤムナー川の水が海に流れ込み、海を限りなく増大させるように、如来、応供、正等正覚もまた同様に、涅槃と涅槃に至る道を示し教え、様々な涅槃の教えを巧みに説き、人々を正しく導き、修行を促して尽きることなく増大させます。このような教えを示すことも、まことに希有なことです。天の皆様よ。如来という偉大な師がこの世に現れるとき、このように八つの希有な法を備えています。それゆえ、私は過去にも現在にもこれと異なる例を見たことがないのです。」このように語ると、天の皆様はさらに以前にも増して、皆が喜び、心は満ち足りたのでした。

爾時,世尊知天子眾又復勝前生歡喜已,復告帝釋天主言:「憍尸迦!汝今重復宣說如來、應供、正等正覺八希有法。」

その時、世尊は天子たちがかつてなく喜びに満ちているのをご覧になり、再び帝釈天に告げられました。「憍尸迦よ、お前は今一度、如来・応供・正等正覚の八つの希有な法について説きなさい。」

是時帝釋天主承佛教勅,第三復說八希有法:

そのとき、帝釈天が仏の教えを受け、三度目の八つの希有な法を説きました。

「復次,諸天子!隨有如來、應供、正等正覺,出現世間,決定損減阿脩羅眾,增益天眾,能令多人利益安樂。如是利樂,是為希有。諸天子!是故如來大師出現世間,我不見於過去及今現在而有別異,如是如前廣說,乃至如來、應供、正等正覺,出現世間,教示涅槃及涅槃道,增長充滿無有窮盡。譬如殑伽河水、閻牟那河水流注大海增長無盡,如來、應供、正等正覺亦復如是,教示涅槃及涅槃道,善巧宣說諸涅槃法,及善安立,使令修行增長無盡。如是教示,是為希有。諸天子!如來大師出現世間,具足如是八希有法,是故我不見於過去及今現在而有別異。」如是言已。

「また、天の子たちよ。如来(目覚めた方)、応供(尊敬されるべき方)、正等正覚(完全なる悟りを開いた方)がこの世に現れると、必ず阿修羅の群れは減り、天の衆は増えます。そして多くの人々に利益と安楽をもたらします。このような利益と安楽こそが、稀有なことなのです。天の子たちよ。それゆえ、如来という大いなる師が世に現れることは、過去にも現在にも、これと異なる例を私は見たことがありません。このように、先に詳しく述べた通り、如来、応供、正等正覚が世に現れ、涅槃(苦しみの消えた境地)と涅槃に至る道を教え示し、それを修行する人々が限りなく増えていく様子は、あたかもガンジス川やヤムナー川の水が海に流れ込んで、尽きることなく増えていくようなものです。如来、応供、正等正覚もまた同じように、涅槃と涅槃に至る道を巧みに説き、人々を確かに導き、修行を促して限りなく増えていかせます。このように教え示すことこそ、稀有なのです。天の子たちよ。如来という大いなる師が世に現れることは、このような八つの稀有な法を備えています。それゆえ、過去にも現在にも、これと異なる例を私は見たことがないのです。」と、このように語られました。

時,大梵天王知彼天眾又復勝前,咸生歡喜心意快然,即說伽陀曰:

そのとき、大梵天王は、天の衆が以前にも増して勝れた状態にあり、皆が喜びの心を抱き、心が満ち足りているのを知り、次のような偈(げ)を説かれました。

「帝釋天主并天眾, 咸生如是歡喜心,
歸命稱讚佛如來, 善說如來希有法。
昔見天中初生者, 具足色相及威光,
由於梵行久已修, 得生彼天具勝力。」

帝釈天と天の衆は、皆そのような歓喜の心を起こし、帰命して仏・如来を讃嘆した。 「よくもお説きくださった、如来の稀有な法を。昔、天の中で最初に生まれた者は、色相と威光を具えていた。それは、清らかな行いを長く修めてきたからであり、その功徳によって天に生まれ、優れた力を得たのである。」と。

時,三十三天眾聞是伽陀已,又復勝前,咸生歡喜,心意快然。

その時、三十三の天の神々はこの偈を聞いて、以前にも増して皆が喜びに満ち、心は快く穏やかになりました。

爾時,大梵天王知彼天眾又復勝前生歡喜已,即告眾言:「汝等若欲樂聞,如來、應供、正等正覺,具大智慧,於長夜中多所利樂,如是事者,應當勝前發歡喜心,起忻樂意。」時,彼天眾俱白大梵天王言:「善哉!大梵天王,唯願廣說,如來、應供、正等正覺具大智慧,於長夜中利樂等事。」

その時、大梵天王は、天の衆生たちが以前にもまして勝れた喜びを生じたのを知ると、彼らに告げました。

「もし、あなた方が如來(如来)、応供(応供)、正等正覚(正等覚)を心から聞きたいと願い、その大いなる智慧が長い時を経て多くの者に利益と安楽をもたらしてきたことを知りたいのなら、今まで以上の喜びと楽しみの心を起こしなさい。」

すると、天の衆生たちは大梵天王にこう言いました。

「素晴らしいことです、大梵天王よ。どうかお話しください。如來、応供、正等正覚は、大いなる智慧を持ち、長い時を経てどのようにして利益と安楽をもたらしてきたのかを。」

時,大梵天王即為廣說如來大智往昔因緣。時,梵王言:「世尊!乃往過去世中,有一國王,其名域主。彼時有一婆羅門,名曰堅固,居輔相位,為王之師,聰明大智,具大才略,善治國事。王有太子,名曰黎努,王所愛念,聰明大智,復有大才,善了眾事。世尊!彼黎努太子,別有六人剎帝利童子,而為伴友,常所共會,聚砂為戲。彼輔相堅固婆羅門,亦有一子,名曰護明,深所愛念,才智聰利,凡所歷事,無不洞明。世尊!而彼輔相參治政事,頗經時歲,其後一時忽趣命終。王聞輔相堅固婆羅門已趣命終,愁憂懊惱悲軫淚流,撫膝驚惶,癡悶如絕,乃作是言:『我此輔相,頗有才智,參治國政,深為良佐,復常與我共所娛樂,而忽命終,我深苦惱。』時,彼太子聞其父王為輔相堅固婆羅門已趣命終,愁憂懊惱悲軫淚流,太子即時往詣王所,到已白言:『父王勿須憂愁,勿須涕泣,何故自損癡悶如絕?何以故?父王當知,堅固婆羅門有一長子,名曰護明,具有才智,又復聰利,若繼父位,能曉政事,其父所解,此子悉知,今有此人,王何憂惱!王應密召,隨事教招,以父所任當授其子。』

時、大梵天王は、世尊に対して如来の大いなる智慧と、その過去の因縁について詳しく説かれました。大梵天王は言いました。「世尊よ、遠い過去の世に、域主という名の王がおりました。その時、堅固という名のバラモンがいて、宰相の位にあり、王の師として仕え、聡明で大いなる智慧を持ち、優れた才能と策略を備え、国政を善く治めておりました。王には黎努という名の太子がおり、王に深く愛され、聡明で大いなる智慧を持ち、優れた才能を有し、あらゆる事柄をよく理解しておりました。

世尊よ、この黎努太子には、他に六人のクシャトリヤの若者たちが友としており、彼らと常に集まっては、砂遊びをして楽しんでおりました。また、宰相である堅固バラモンには、護明という名の一人の息子がおり、深く愛され、才智に優れ聡明で、経験するあらゆる事柄を深く理解しておりました。

世尊よ、この宰相は国政に参与すること久しく、ある時忽然と命を終えました。王は宰相である堅固バラモンが亡くなったと聞いて、深く憂い悲しみ、嘆き涙を流し、膝を打ち驚き慌て、気を失ったように茫然自失となり、こう言いました。『我が宰相は、才智に優れ国政に参与し、真に優れた補佐役であった。また彼は常に我と共に楽しみを分かち合っていたのに、忽然と命を終え、私は深く苦しんでいる。』と。

その時、太子は父王が宰相である堅固バラモンの死去を深く憂い悲しみ、嘆き涙を流していると聞き、直ちに王の許に参上しました。到着して申し上げました。『父王よ、どうか憂い悲しまないでください。どうか涙を流さないでください。何ゆえに自らを損ない、気を失ったようにされるのですか?どうしてかと申しますと、父王よ、お心に留めてください。堅固バラモンには護明という長子がおり、才智を持ち、また聡明で、もし父の位を継げば国政をよく理解できるでしょう。その父が理解していたことを、この子はすべて知っています。このような者がいるのに、どうして王が憂い苦しむことがありましょうか。王は密かに彼を呼び寄せ、適切に教え導き、父の任せていた職務をその子に授けられるべきです。』と。」

「時,王聞已,即命使人乃謂之曰:『汝往護明童子所傳如是言:「王今召汝,宜速來此。」』使人受命,即時往詣護明童子所,既到彼已,具宣王勅:『今召於汝,宜速往彼。』時,護明童子聞使人言,即時來詣王所。到已伸敬,令一面坐。時,王歡喜重復慰諭,作如是言:『我今如實教示於汝,汝父喪逝,雖復愁惱,我今令汝繼其父位,而為輔相。汝善為我共治國政。』護明童子受王教命,即繼父位乃為輔相,共治國政如父所作,諸所應事,悉如其父,而無違失。爾時,國中婆羅門長者士庶人民,知是事已,咸作是言:『快哉!護明童子!汝父昔時名為堅固,子今繼位,克廣前業,我等稱汝名大堅固。』其本名字為護明者,以火中出因緣立號,從今已後稱大堅固。

時に、王はそれを聞いて、すぐに使いを呼び寄せて言った。「汝は護明童子のところへ行き、こう伝えよ。『王が今、汝を召す。速やかにここへ来なさい。』と。」使いは命を受け、すぐに護明童子のもとへ向かい、到着すると、王の命令を詳しく伝えた。「王があなたをお召しです。すぐに行ってください。」と。護明童子は使いの言葉を聞くと、すぐに王のもとへ参上した。到着して敬意を表し、片隅に座るよう促された。王は喜び、再びねぎらいの言葉をかけ、こう言った。「私は今、誠実に汝に教え示す。汝の父は亡くなり、悲しみはあろうが、私は汝に父の位を継がせ、宰相としよう。汝はよく私とともに国を治めてほしい。」護明童子は王の命を受け、父の位を継いで宰相となり、父が行っていたように国を共に治めた。行うべき全てのことは、父のままに行い、過ちはなかった。その時、国中のバラモンや長者、士庶民はこのことを知って、皆こう言った。「素晴らしい。護明童子よ。汝の父は昔、『堅固』と呼ばれていたが、子である汝がその位を継ぎ、父の業を広げた。我々は汝を『大堅固』と呼ぼう。」彼の本来の名前は「護明」であり、火の中から現れた因縁によって名付けられたものだが、この日以降は「大堅固」と呼ばれるようになった。

「世尊!爾時,輔相大堅固婆羅門為相未久,即時往詣六人剎帝利童子所,到已謂言:『汝諸童子!宜應往彼黎努太子所,告於彼言:「太子!若有苦惱,汝我同受;若有快樂,汝我同慶;汝有歸趣,我亦有歸。今汝父王年登壽考,進止羸劣,世難知者所謂壽命,一旦去世我等何歸?汝今當知,有諸臣佐,共相評議,王去世後,必當與汝,受王灌頂,汝若紹位,當以國土與我分治。」』是時,六人童子聞輔相大堅固婆羅門如是言已,即時往詣黎努太子所,既到彼已,具如上說。時太子言:『諸童子!若我更生之日,或有臣佐,立我嗣位與授灌頂,我於爾時不忘汝等,所有國土與汝分治,設有樂事與汝共受。』後域主王,復經久時忽趣命終。時,諸臣佐詣太子所,到已白言:『太子!當知,我等諸臣授汝灌頂,汝今時至宜紹王位。』時,黎努太子謂臣佐言:『汝等若能立我嗣位,其或堪任,今正是時。』時,諸臣佐即為敷置妙師子座,太子處于座上,以妙香水灌注其頂,作如是言:『天子!汝今時至堪嗣王位,我等諸臣奉王灌頂。』王灌頂已,善治國政。

「世尊よ。その時、補佐官である大堅固バラモンは補佐官となって間もなく、すぐに六人のクシャトリヤの若者のもとへ行きました。そして彼らに言いました。『若者たちよ、あなたがたは黎努太子のもとへ行き、こう伝えなさい。「太子よ、もし苦しみがあれば、私たちは共に受け、喜びがあれば、共に祝いましょう。あなたに帰依するところがあれば、私にも帰依するところがあります。今、あなたの父王はご高齢で、動作も衰えておられます。世の中では、人の寿命は計り知れません。もし父王がお亡くなりになれば、私たちはどこに帰依すればよいのでしょう。あなたは知っておくべきです、多くの臣下たちが互いに評議し、王が亡くなられた後には、必ずあなたに王の灌頂を与えるでしょう。もしあなたが即位されたなら、国土を私と分割して治めてください。」』」

「その時、六人の若者たちは補佐官である大堅固バラモンのこの言葉を聞くと、すぐに黎努太子のもとへ行き、到着してから以上のことを詳しく伝えました。そこで太子は言いました。『若者たちよ、もし私が新たに生まれる日が来て、臣下たちが私を跡継ぎに立てて灌頂を授けるならば、その時にはあなたがたのことを忘れず、国土を分割して共に治めましょう。また楽しいことがあれば、共に受けましょう。』」

「その後、域主王はさらに長い時を経て、突然命を終えました。その時、多くの臣下たちは太子のもとへ行き、到着してから申し上げました。『太子よ、ご承知ください。私たち臣下はあなたに灌頂を授けます。今あなたは即位される時が来ました。』その時、黎努太子は臣下たちに言いました。『あなたがたが私を跡継ぎに立てるなら、その任に堪えるのであれば、今がその時です。』すると、臣下たちはすぐに立派な獅子座を設け、太子をその座に着かせ、香りの良い水をその頂上に注ぎながらこう言いました。『天子よ、今あなたは王位を継ぐ時が来ました。私たち臣下はあなたに王の灌頂を捧げます。』王が灌頂を受けてから、国政をよく治めました。」

「世尊!時,黎努王受灌頂已,未久之間,五欲自娛遊戲自在。於是輔相大堅固婆羅門,往詣六人童子所,到已告言:『汝等當知,黎努太子已受灌頂,處於王位,未久之間,五欲娛樂遊戲自在。王昔有言,與汝分治國土。汝等今時宜應往彼黎努王所,作如是言:「王昔許我,畫壤分治。汝王今時,能不忘不?」』時,六童子聞輔相大堅固婆羅門言已,即共往詣黎努王所,具如上說。

「世尊よ。その時、黎努王は灌頂を受けてから間もなく、五つの欲にふけり、遊び楽しんで自在の日々を送っておりました。そこで、大臣である大堅固バラモンは、かの六人の童子のところへ赴き、こう言いました。『汝ら知るがよい。黎努太子はすでに灌頂を受け、王位に就き、間もなく五欲の楽しみにふけり、自由に遊び戯れておられる。王はかつて、汝らと国土を分け治めようと言われた。今、汝らは黎努王のもとへ行き、こう申し上げるがよい。「王はかつて、国を分けて治めることをお許しになりました。王は今、そのことをお忘れではございませんか?」と。』すると、六人の童子は大臣大堅固バラモンの言葉を聞き、すぐに一緒に黎努王のもとへ行き、上に述べたとおりに申し上げました。」

「世尊!時,黎努王告六童子言:『如先所約,我記是言,我今當以此之國土等為七分與汝六人,各各分治。』如是言已。時六童子俱白王言:『若王記其言者,斯為甚善,願王速召輔相大堅固婆羅門,令彼如王教勅,申畫疆境。彼人聰利智慧明了,堪為準的。』時,黎努王乃命使人即謂之言:『汝往輔相大堅固婆羅門所,作如是言:「王今召汝,汝今宜應速至王所。」』使人受命,即詣輔相大堅固婆羅門所,到已如應宣示王言:『汝今宜應速至王所。』

「尊よ、その時、黎努王は六人の童子たちに告げました。『先に約束した通り、私が述べた言葉をここに記そう。今、この国土を等しく七つに分け、お前たち六人にそれぞれの領地を与えよう。』と言いました。そう言うと、六人の童子たちは皆そろって王に申し上げました。『王がその言葉をお記しになるのであれば、それは非常に素晴らしいことです。どうか王は、すぐに宰相である大堅固という婆羅門を召し出してください。彼に王のご命令に従わせ、国境を定めさせてください。あの人は聡明で智慧が明らかであり、判断の基準とするにふさわしい人物です。』

そこで、黎努王は使者を遣わし、こう言い含めました。『お前は宰相の大堅固婆羅門のところへ行き、こう伝えよ。「王があなたを召しておられます。今すぐに王の御許へ来るべきです。」と。』使者は命を受け、宰相の大堅固婆羅門のところへ行き、到着すると王の言葉を告げました。『今すぐに王の御許へ向かうべきです。』」

佛說大堅固婆羅門緣起經卷上

仏説大堅固婆羅門因縁経 巻上


第二

CBETA コード: T0008

© AI 帮你读佛经 - 如是我闻

この文書は個人学習専用です。商業目的での使用は禁止されています。

訪問 rushiwowen.co

著作権:原文は CBETA
AI 翻訳は参考文献のみで、権威あるものではありません