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仏説大摩里支菩薩経 (佛說大摩里支菩薩經)

「佛說大摩里支菩薩經」について

宋 · 底本の訳者:天息災

3.0 万字 · 約 100 分

仏説大摩里支菩薩経は、宋代の訳経僧・天息災によって漢訳された、仏教密教に属する経典です。この経典は、大摩里支菩薩の修行法門と功徳を記し、衆生を護り、魔の障りを降伏させるその殊勝な力を強調しています。経文には真言、儀軌、観想法が含まれており、密教が実践と神秘的な力を重視する特色を体現しています。天息災は北宋の著名な訳経僧であり、官立の訳場に参加し、中国に伝わった密教経典の普及に大きく貢献しました。この経典は密教体系において重要な位置を占め、宋代の密教発展と菩薩信仰を研究する上で貴重な文献を提供しており、修行者から深く重視されています。


佛說大摩里支菩薩經卷第一

佛說大摩里支菩薩經 巻第一

西天譯經三藏朝散大夫試鴻臚少卿明教大師臣天息災奉 詔譯

西天訳経三蔵 朝散大夫 試鴻臚少卿 明教大師 臣 天息災 奉

如是我聞:

このように私は聞きました。

一時佛在舍衛國祇樹給孤獨園,與大苾芻眾千二百五十人俱,并諸菩薩摩訶薩。

ある時、仏はシャーラスティ国の祇園精舎(ギオン精舎)におられました。そこには、千二百五十人の大いなる比丘たちや、多くの大菩薩たちが集まっていました。

爾時世尊告苾芻眾言:「有一菩薩名摩里支,而彼菩薩恒行日月之前,彼之日月不能得見菩薩。今此菩薩而不能見,亦不能捉、不能禁縛,火不能燒、水不能漂,離諸怖畏,無敢輕慢,諸惡冤家皆不得便。汝諸苾芻!我昔知彼摩里支菩薩摩訶薩名號,亦不能見、不能捉、不能禁縛,火不能燒、水不能漂,離諸怖畏,無敢輕慢,一切冤家皆不能侵。若有苾芻知彼菩薩名號,如上諸惡不能得便亦復如是。」即說陀羅尼曰:

その時、世尊は修行者たちにこう告げられた。「有一の菩薩がいて、名を摩里支という。その菩薩は常に日月の前方を歩むが、日月はその菩薩を見ることができない。この菩薩は見ることもできず、捉えることもできず、縛ることもできない。火は燃やすことができず、水は流すことができない。あらゆる恐れから離れ、軽んじる者もなく、すべての悪しき敵も手を出すことができない。修行者たちよ、私はかつてその摩里支菩薩摩訶薩の名を知っていたが、それもまた見ることも、捉えることも、縛ることもできず、火は燃やすことができず、水は流すことができなかった。あらゆる恐れから離れ、軽んじる者もなく、すべての敵も侵すことができなかった。もし修行者がこの菩薩の名を知るならば、先に述べたすべての悪も、その者に手を出すことはできないのである。」そこで、陀羅尼(まじないの言葉)を説かれた。

「怛儞也(二合)他(引)唵(引)播那(引)訖囉(二合)摩細烏那野摩細迺(引)囉摩細阿里迦(二合)摩細摩里迦(二合)摩細烏里摩(二合)摩細嚩曩摩細虞羅摩(二合)摩細支嚩囉摩細摩賀(引)支嚩囉摩細桉多里馱(二合引)曩摩細娑嚩(二合引)賀」

「タニャタ。オン。ハナキラマシイ。ウナヤマシイ。ネイラマシイ。アリカマシイ。マリカマシイ。ウリママシイ。ワナマシイ。グラママシイ。シバラマシイ。マカシバラマシイ。アンタリダナマシイ。ソワカ」

「復說摩里支菩薩陀羅尼,能令有情在道路中隱身、非道路中隱身,眾人中隱身、王難時隱身、水火盜賊一切諸難皆能隱身,不令得便。又復有煩惱者非煩惱者為作擁護,有迷悶者非迷悶者亦皆擁護,乃至象王師子龍虎之難一切時中常作擁護。」即說陀羅尼曰:

さらに、摩里支菩薩の陀羅尼を説きましょう。この陀羅尼は、生きとし生けるものを守ります。道を歩くときも、道のないところでも、身を隠し、人混みの中でも、王の災難のときも、水や火、盗賊など、あらゆる災難から身を隠し、害を受けることがありません。また、苦しみ悩む人も、悩みのない人も守り、惑い迷う人も、迷わない人も守ります。象や獅子、龍や虎による災難をも、常に守り護ってくれます。」そこで、陀羅尼を説かれました。

「怛儞也(二合)他阿路(引)多路(引)迦(引)路(引)娑蹉路(引)三摩母里馱(二合)致囉乞叉(二合)𤚥(引)薩波里嚩(引)覽薩里嚩(二合)薩怛鑁(二合引)室左(二合)薩里嚩(二合)婆喻(引)波捺囉(二合)吠(引)毘藥(二合)娑嚩(二合引)賀曩謨(引)囉怛曩(二合)怛囉(二引)夜(引)野摩里支禰(引)嚩多(引)夜賀里(二合)迺野摩(引)嚩里多(二合)以瑟也(二合引)彌怛儞也(二合)他(引)唵(引)晚多(引)隷嚩那(引)隷嚩囉(引)隷嚩囉(引)賀目契薩里嚩(二合)努瑟吒(二合)鉢囉(二合)努瑟吒(二合引)喃(引)滿馱滿馱目欠婆嚩(二合引)賀 唵(引)摩(引)里支(引)娑嚩(二合)賀唵(引)嚩囉隷嚩那隷嚩囉(引)賀目契薩里嚩(二合)努瑟吒(二合)鉢囉努瑟吒(二合引)喃(引)滿馱滿馱娑嚩(二合)賀」

「タニャタ アルタロ カロ サソロ サンマムリダチ ラクシャン サッパリバラン サルバ・サッタン・シャチャ サルバ・バヨ・パダラベ ビヤク スワーハー。ナモ・ラタナ タラヤヤ。マリーチェイ バタヤハ。リニヤマ バリタ イセヤミ。タニャタ オン バンダレイ バナレイ バラレイ バラハ・モクケイ。サルバ・ヌシタ プラヌシタン マンダ マンダ ムカン スワーハー。オン マリーチ スワーハー。オン バラレイ バナレイ バラハ・モクケイ。サルバ・ヌシタ プラヌシタン マンダ マンダ スワーハー」

爾時世尊說此陀羅尼已,會中苾芻之眾并諸菩薩、天人、阿修羅、乾闥婆等一切大眾,聞佛所說,歡喜信受。

その時、世尊がこの陀羅尼を説き終えられると、会座にいた比丘たち、そして菩薩、天人、阿修羅、乾闥婆などのすべての大衆は、仏の説法を聞いて、皆、心から喜び、深く信じて受け入れたのであった。

復次佛言:「若有眾生依此廣大儀則,結大毘盧遮那印,觀想日月光明。如是日月成摩里支菩薩,而彼菩薩手執針線,縫惡冤家口之與眼令不為害。」佛言:「彼摩里支菩薩,恒行日月之前,彼之日月雖復光明,而不見彼菩薩。是故我今說大三寶真言曰:

さらに仏は言われた。「もし眾生(しゅじょう)がこの広大な儀軌(きき)に依って、大毘盧遮那(だいびるしゃな)の印を結び、日月の光明を観想するならば、その日月はやがて摩里支(まりし)菩薩となる。その菩薩は手に針と糸を持ち、怨敵(おんてき)の口と目を縫い合わせて、害を受けないようにする。」仏は言われた。「かの摩里支菩薩は、常に日月の前を行く。日月は光明を放つけれども、その菩薩を見ることはできない。それゆえ、今わたしは大三宝(だいさんぼう)の真言(しんごん)を説こう。」

「唵(引)播那(引)訖囉(二合)摩細波囉(引)訖囉(二合)摩細烏那野摩細嚩那摩細迺(引)囉摩細桉多里馱(二合)曩摩細娑嚩(二合引)賀 怛儞也(二合)他(引)阿(引)隷(引)酥迦(引)隷(引)母隷三摩母里馱(二合)致囉乞叉(二合)𤚥薩里嚩(二合)婆曳(引)數娑嚩(二合引)賀 唵(引)晚多隷(引)嚩那隷嚩囉(引)隷嚩囉(引)賀目契薩里嚩(二合)努瑟吒(二合)曩滿馱滿馱娑嚩(二合)賀」

おん ぱな きら まし はら きら まし うなや まし ばな まし ない ら まし あんたり た の まし そわか たにや た あ れ そ かれ むれ さんま むり た ち ら きしゃ まん さり ば ばえ す そわか おん ばん たれ ばな れ ばら れ ばら は むき さり ば ぬ せ た なん まんだ まんだ そわか

「今此真言,若人持誦之時,凡有所求須稱自名。即時摩里支菩薩以慈悲力,為彼眾生於道路中擁護、非道路中擁護,眾人中擁護、水難時擁護、火難時擁護,乃至一切之處悉皆擁護,令得增長一切吉祥之事。

この真言を、もし人が持って誦えるとき、何か願い事があれば、自分の名前を称えなさい。するとただちに摩里支菩薩が慈悲の力をもって、その衆生を道の途中で守り、道なきところでも守り、人々の中でも守り、水難のときにも守り、火難のときにも守り、さらにはあらゆる場所でことごとく守り、すべての吉祥な事柄を増し加えさせてくださるのです。

「今有成就之法。用好綵帛及板木等,於其上畫無憂樹,於此樹下畫摩里支菩薩,身如黃金色,作童女相,挂青天衣,手執蓮華,頂戴寶塔莊嚴。如是畫已,於此㡧前誦最上心真言八千遍,所求之事決定成就。其真言曰:

「今、成就のための方法があります。上等の色布や板木などを使い、その上に無憂樹を描き、この木の下に摩里支菩薩を描きます。その姿は黄金色のようで、童女の相をなし、青い天衣をまとい、手に蓮華を持ち、頭には宝塔を戴いて荘厳されています。このように描き終えたなら、この掛け軸の前で最上の心真言を八千回唱えれば、求めることは必ず成就します。その真言は次のとおりです:」

「唵(引)摩(引)里支(引)娑嚩(二合引)賀」
「今此真言亦能消除一切病苦。若人於其摩里支菩薩㡧前作護摩者,而能增益象馬財穀富樂之事。其作護摩者,若用酪酥蜜、努里嚩草作護摩一千遍,得人愛重、無病安樂、獲財寶等。若以酪、稻穀、粆糖作護摩一千,能降夜叉女。若以芥子、油、𭟋(切身)摩木作護摩一千,能生冤家病。若以自身血、芥子、油作護摩一千,能殺彼冤家。若要却息除冤家災,以乳汁作護摩一千。若要消除諸毒及降拏枳儞鬼,逐日誦摩里支心真言八百遍,復得聰明。其真言曰:

「この真言は、あらゆる病の苦しみを取り除く力があります。もし人が摩里支菩薩の像の前で護摩を修行するならば、象や馬、財産、穀物、富や喜びを増大させることができます。護摩を修行する際、酪、酥蜜、努里嚩草を用いて千回護摩を行えば、人から愛され尊重され、病気なく安らかに暮らし、財宝を得ることができます。酪、稲穀、砂糖を用いて千回護摩を行えば、夜叉女を降伏できます。芥子、油、切身摩木を用いて千回護摩を行えば、敵に病気を起こさせることができます。自分の血、芥子、油を用いて千回護摩を行えば、その敵を滅ぼすことができます。もし敵の災いを鎮め除きたいならば、乳汁を用いて千回護摩を行ってください。もし諸々の毒を消し去り、拏枳儞鬼を降伏したいならば、毎日摩里支心真言を八百回誦えなさい。そうすれば智慧も得られます。その真言は次の通りです。」

「唵(引)嚩囉隷(引)嚩那隷嚩囉(引)隷嚩囉(引)賀目契薩里嚩(二合)努瑟站(二合引)滿馱滿馱娑嚩(二合引)賀」

オン<注>引く</注>ヴァラエ<注>引く</注>ヴァナエヴァラ<注>引く</注>エヴァラ<注>引く</注>カモケイサルヴァ<注>ニ合</注>ヌセタン<注>ニ合引く</注>マンダマンダソワ<注>ニ合引く</注>カ

「摩里支菩薩六字最上心真言:

摩里支菩薩の六字最上心真言:

「唵(引)摩(引)里支(引)娑嚩(二合引)賀」

「オン、マ、マリシ、ソワカ」

「此心真言印,以二手合掌,十指微曲如花開敷,却以二大指屈捻二中指如拳相。結跏趺坐,安印相於臍輪上。今此心印能成就最上一切事,若求最上勝法而得用之,若中下之事不許用之。此之心印速能成就廣大清淨吉祥福德,速能消除一切障礙罪業,一切處常得眾人恭敬。

この心の真言と印は、両手を合わせて合掌し、十本の指をわずかに曲げて花が咲くようにします。そして、両方の親指を曲げて両方の中指を押さえ、拳のような形にします。結跏趺坐(けっかふざ)の姿勢で座り、その印を臍のあたりに置きます。この心の印は、最も尊い全てのことを成し遂げる力を持っています。最上の勝れた教えを求めるならば、これを用いることができますが、中程度以下のことには用いるべきではありません。この心の印は、広大で清らかな吉祥と福徳を速やかに成就させ、全ての妨げや罪業を速やかに消し去り、あらゆる場所で常に多くの人々から敬われ尊ばれるようになります。

「摩里支菩薩一百八名真言,若人持誦,恒作擁護。其真言曰:

摩里支菩薩の百八名の真言を、人が唱え持つならば、常に守護が与えられます。その真言は次の通りです。

「怛儞也(二合)他(引)阿里迦(二合)摩細摩里迦(二合)烏那野摩細迺(引)囉摩細嚩曩摩細虞羅摩(二合)摩細支嚩囉摩細摩賀支嚩囉摩細桉多里馱(二合)曩摩細娑嚩(二合引)賀曩謨(引)囉怛曩(二合)怛囉(二合)夜(引)野怛儞也(二合)他(引)唵(引)晚多(引)隷嚩那隷嚩囉(引)隷嚩囉(引)賀目契薩里嚩(二合)努瑟吒(二合)鉢囉(二合)努瑟吒(二合)喃滿馱滿馱目欠娑嚩(二合)賀」

「怛儞也(にち)他(いん)阿里迦(にち)摩細摩里迦(にち)烏那野摩細迺(いん)囉摩細嚩曩摩細虞羅摩(にち)摩細支嚩囉摩細摩賀支嚩囉摩細桉多里馱(にち)曩摩細娑嚩(にちいん)賀曩謨(いん)囉怛曩(にち)怛囉(にち)夜(いん)野怛儞也(にち)他(いん)唵(いん)晚多(いん)隷嚩那隷嚩囉(いん)隷嚩囉(いん)賀目契薩里嚩(にち)努瑟吒(にち)鉢囉(にち)努瑟吒(にち)喃滿馱滿馱目欠娑嚩(にち)賀」

「此儀法出〈持明天品〉中。次別明成就法,令彼行人先作觀想,想彼摩里支菩薩坐金色猪身之上身,著白衣,頂戴寶塔,左手執無憂樹花枝,復有群猪圍繞。作此觀已,若遠出道路,如有賊等大難,以手執自身衣角,念心真言七遍加持衣角,復結彼衣角,冤賊等難不能侵害。復有成就之法,先令行人入三摩地,想月輪之上有一桉字,復更思惟一切法中都無有我。次觀自身遍虛空中,如毘盧遮那佛相,於金剛蓮華藏師子座上結跏趺坐,身真金色髮髻頭冠,結毘盧印善相端嚴。憶念𤚥字時,月輪出光普遍照曜,成摩里支菩薩。復誦此真言:

この儀軌の方法は「持明天品」の中に説かれている。次に、成就の法を別に明らかにする。修行者はまず観想を行い、摩里支菩薩が金色の猪の背に坐し、白衣をまとい、頭に宝塔を戴き、左手に憂樹の花枝を持ち、多くの猪に囲まれている姿を思い描く。この観想を成し遂げたならば、もし遠くへ旅立つ時に、賊などの大きな災難があれば、自らの衣の端を手で握り、心真言を七回唱えて衣の端を加持し、さらにその衣の端を結ぶならば、怨敵や賊などの災難は身を害することができない。

また、別の成就の法がある。まず修行者に三摩地に入らせ、月輪の上に「桉」の字があることを観想する。さらに、すべての法の中に我というものはないと深く思惟する。次に、自身の身体が虚空に遍満し、毘盧遮那仏の相のようであると観じる。金剛蓮華蔵の師子座の上に結跏趺坐し、身体は真金色で、髪を髻に結い、頭冠を戴き、毘盧印を結び、善らしい相で端厳である。「𤚥」の字を憶念する時、月輪から光が放たれて普遍に照らし、摩里支菩薩となるのである。さらにこの真言を唱える:

「唵(引)摩里支(引)娑嚩(二合引)賀」

「おん まりし そわか」

「是時菩薩手持針線身現金色,縫彼惡者口之與眼,令不侵害。復有成就法,令童女合線二十一條,斷者勿用,誦根本真言一百八遍加持其線。真言曰:

その時、菩薩は針と糸を手に持ち、身は金色に輝き、その悪しき者の口と目を縫い合わせて、害をなすことを防がれた。さらに、成就の法がある。童女に二十一本の糸を撚り合わせさせ、切れたものは用いてはならない。根本真言を一百八回誦して、その糸を加持する。真言は次の通りである。

「曩謨(引)囉怛曩(二合)怛囉(二合)夜(引)野摩里支禰(引)嚩多(引)夜(引)賀里(二合)迺野摩嚩多以瑟也(二合引)彌怛儞也(二合)他(引)唵(引)晚底隷晚底隷晚多(引)隷嚩囉(引)隷嚩囉賀目契薩里嚩(二合)努瑟吒(二合)鉢囉(二合)努瑟吒(二合引)曩作芻里目(二合)欠滿馱(引)儞娑嚩(二合引)賀」

南無、宝の尊い御方よ。摩里支天よ。ヴァータよ。ハリネヤよ。ヴァータ・アティシャよ。次のように唱えます。

オン。ハンテイレイ、ハンテイレイ、ハンタレイ、バラレイ、バラハモクケイ。すべての障り、すべての災いを、私の眼から遠ざけ去らせたまえ。スヴァーハー。

「復念此真言一百八遍。真言曰:

(ここで真言を一百八回唱えなさい。真言は次のとおりです:)

「曩謨(引)摩里支(引)禰(引)嚩多(引)曳(引)怛儞也(二合)他(引)唵(引)晚多隷嚩那(引)隷嚩囉(引)隷嚩囉(引)賀目契薩里嚩(二合)努瑟吒(二合引)誐囉(二合)砌滿馱(引)彌娑嚩(二合)賀」

「南無摩里支天よ。かのように、すなわち、オーム。昼のように輝き、林のように輝き、最も優れた者よ、すべての災いを打ち砕き、私を守り給え。スヴァーハー。」

「如是念誦加持已,若自擁護,以彼線結其七結,隨結念摩里支菩薩一聲,然後將線戴在頸上。如在道路有急難之處,復念摩里支菩薩真言,自身及彼同行之者俱得解脫。

このように念誦し加持を終えたなら、自らを守るために、その糸で七つの結び目を作ります。結び目を作るごとに、摩里支菩薩の名を一声唱えます。そして、その糸を首に掛けます。もしも道中で急な災難に遭うような場所があれば、再び摩里支菩薩の真言を唱えなさい。そうすれば、自分自身も共に同行する者たちも、ともに苦難から解脱することができるでしょう。

「若於自住處如前作法,白日對日、夜分對月,誦此真言七遍,決定獲得成就。真言曰:

もし自分の住まいで、先に述べたとおりの作法で、昼は太陽に向かい、夜は月に向かって、この真言を七回唱えるならば、必ず成就を得ることができる。真言は次のとおりである。

「曩謨薩里嚩(二合)沒馱冐地薩怛吠(二合引)毘藥(二合)怛儞也(二合)他(引)阿(引)隷(引)酥迦(引)隷母隷三摩母里馱(二合)致囉乞叉(二合)囉乞叉(二合)𤚥薩里嚩(二合)婆曳毘藥(二合)娑嚩(二合)賀(此下真言並皆通用)」

南無、すべての仏陀と菩薩に帰依します。すなわち、かのように唱えます。「アーイ、スカーイ、ムイ、サンマムリダ、ジラクシャ、ラクシャ、マン、サルヴァ、バエ、ビヤ、スヴァーハー」 (この真言は、以下すべてに共通して用いることができます。)

「唵(引)嚩囉隷(引)嚩那隷(引)嚩囉賀目契薩里嚩(二合引)努瑟吒(二合引)滿馱滿馱娑嚩(二合引)賀」

「オーン、ヴァラエ、ヴァナエ、ヴァラハムケー、サルヴァ、ヌセッタ、マンダ、マンダ、ソワカ」

「唵(引)摩里支(引)娑嚩(二合引)賀」

「おん まりし そわか」

「唵(引)嚩囉隷(引)嚩那隷(引)嚩囉(引)隷嚩囉賀目契薩里嚩(二合)努瑟吒(二合)鉢囉(二合)努瑟吒(二合引)喃(引)滿馱滿馱娑嚩(二合)賀」

おん ばららい ばならい ばららい ばらはもけい さるば のそた はら のそた なん まんだ まんだ そわか

「唵(引)摩(引)里支娑嚩(二合引)賀烏里摩(二合)摩細嚩曩摩細虞羅摩(二合)摩細支嚩囉摩細摩賀(引)支嚩囉摩細桉多里馱(二合引)曩摩細

「オン、マカリシバ、ソワカ。ウリマケイ、バナマケイ、クラマケイ、チバラマケイ、マカチバラマケイ、アンタリダナマケイ」

「曩謨(引)囉怛曩(二合)怛囉(二合)夜(引)野怛儞也(二合)他(引)唵(引)晚多(引)隷嚩那隷嚩囉(引)隷嚩囉(引)賀目契薩里嚩(二合)滿馱滿馱娑嚩(二合引)賀」

「南無(帰依します)宝と仏の世界の本体に。すなわち、真言を唱えます。オーム、鉢を輝かせ、門を開き、すべてを照らし、力を示し、すべての縛りを解き放ち、無事に成し遂げられますように。スヴァーハー」

「唵(引)摩里支(引)娑嚩(二合引)賀」

「おん まりし そわか」

「唵(引)晚多隷晚多隷晚多隷嚩囉(引)隷嚩囉(引)賀目契薩里嚩(二合)努瑟吒(二合引)喃(引)滿馱滿馱娑嚩(二合引)賀」
「唵(引)摩里支(引)娑嚩(二合引)賀」

「おん まりし そわか」

「唵(引)晚多(引)隷嚩囉(引)隷嚩囉(引)賀目契薩里嚩(二合)努瑟吒(二合)鉢囉(二合)努瑟吒(二合引)喃作芻目欠滿馱(引)彌娑嚩(二合)賀」

「オーン、バンダ、レイ、バラ、レイ、バラ、ハモケイ、サルバ、ヌセタ、プラヌセタ、ナン、サクシュ、モカン、マンダ、ミ、ソワカ」

「唵(引)晚多隷嚩那(引)隷嚩囉(引)隷嚩囉賀目契薩里嚩(二合)努瑟吒(二合)鉢囉(二合)努瑟吒(二合)喃(引)誐囉(二合)體滿馱彌娑嚩(二合)賀」

おん ばんだれ ばな れ ばら れ ばら は もくけい さりば ぬせった ばら ぬせった なん がら てい まんだみ そわか

「唵(引)阿里迦(二合)摩細娑嚩(二合引)賀」

「オン、アリカ、マセイ、ソワカ」

「唵(引)摩里迦(二合)摩細娑嚩(二合引)賀」

「オン、マリカ、マセイ、ソワカ」

「唵(引)桉多里馱(二合引)曩摩細娑嚩(二合引)賀」

「オン、アンタリダナマケイ、ソワカ」

「唵(引)帝祖摩細娑嚩(二合)賀」

「オン、テイソマセイ、ソワカ」

「唵(引)烏那野摩細娑嚩(二合)賀」

「オン、ウナヤマケイ、ソワカ」

「唵(引)虞羅摩(二合)摩細娑嚩(二合)賀」

「オン、グラマ、マケイ、ソワカ」

「唵(引)嚩曩摩細娑嚩(二合)賀」

「オン、バナマセイ、ソワカ」

「唵(引)支嚩囉摩細娑嚩(二合)賀」

「オン、シバラマセイ、ソワカ」

「唵(引)摩賀(引)支嚩囉摩細娑嚩(二合)賀」

「オーン、マハー、チヴァラマセイ、スヴァーハー」

「如是等真言與前儀則同用,所求之事皆得成就。復有成就法,誦此最上心真言:

このような真言は、先ほどの儀軌と同じ使い方をします。求めることはすべて成就します。また、成就のための法があり、この最上の心真言を誦じます。

「唵(引)摩里支(引)娑嚩(二合引)賀」

「おん まりし そわか」

「所為息災、增益、調伏、敬愛作法同用,必獲成就。又持誦者如為降伏,須作觀想,思惟彼人坐風輪之上,以自手執羂索及鉤,以賀里字吽字安在他人心中。作觀想已召請,可一百由旬外或男或女俱來集會,皆悉降伏而無不順,所求成就。

この息災・増益・調伏・敬愛の作法は、いずれも同じように用いることができ、必ず成就を得ることができるでしょう。

また、この真言を唱える者が、もし調伏(他者を降伏させること)を望むならば、次のような観想を行うべきです。

その人の姿を風の輪の上に座していると心に描き、自らの手で羂索(なわ)と鉤(かぎ)を持っていると観じます。そして「賀里」の字と「吽」の字を、相手の心の内に置くのです。

この観想を終えたならば、召請(呼び寄せる)を行います。すると、百由旬(約数百キロメートル)の彼方からでも、男女を問わず、すべての者が集まってまいります。すべてが降伏し、従わない者はなく、心のままに成就するのです。

「復有成就法,初出時令一童女洗浴清淨,以白花栴檀塗身,著白衣服住衢摩夷作者曼拏羅中,燒安悉香,用燕脂染手大指,令念此真言一百遍。真言曰:

また、成就の法がある。最初に行う時は、一人の少女を清らかに沐浴させ、白い花と栴檀で身体を塗り、白い衣を着せて、衢摩夷で作った曼荼羅の中に立たせる。安悉香を焚き、臙脂で親指を染め、この真言を百回唱えさせる。真言は次の通りである。

「唵(引)唧里唧里目娑嚩(二合引)賀」

「オン、ジリジリ、モソワカ」

「復誦真言八百遍加持其油,將此油亦塗大指上。塗已,指面明照,能現天人等像。復誦唵𤚥真言加持燈八百遍,其童女能見過去事如對目前,及能調伏一切母鬼之眾。復能更念唵(引)晚多隷(引)𤚥(引)目真言阿喻多數,決定能知一切善惡之事。

真言を八百回誦して、その oil(油)を加持し、この油をまた親指に塗ります。塗り終えたなら、指の面は明るく照らされ、天人などの姿を現すことができるでしょう。さらに、「唵𤚥」の真言を誦して灯明を八百回加持すれば、その少女は過去の出来事を目の前にあるかのように見ることができ、またすべての母鬼の群れを調伏することができるでしょう。さらに「唵晚多隷𤚥」の真言を何度も念誦すれば、必ずすべての善悪の事柄を知ることができるでしょう。

「復有成就法,能令冤家生其病苦、為害不成。用燒却人灰土及骨粖,復取冤家脚下土同和一處,為埿作冤家形。復用毒藥、芥子、乳、阿里迦木同合,書冤家名,及真言書在屍衣之上。其真言曰:

また、成就法がある。これによって、怨家(おんか)に病の苦しみを生じさせ、害をなすことを成し遂げさせないようにできる。焼却した人の灰や土、および骨の粉を用い、さらに怨家の足下の土を取って、これらを一つに混ぜ合わせ、泥で怨家の形を作る。また毒薬、芥子、乳、阿里迦木を同じく合わせて用い、怨家の名を書き、また真言を屍衣の上に書く。その真言は次の通りである。

「唵(引)摩(引)里支(引)阿母劍入嚩(二合)里拏誐里(二合)恨拏(二合)誐里(二合)恨拏(二合)波野吽𠷑吒娑嚩(二合引)賀」

「オーム、摩里支よ、汝の力を示し、すべての障礙を打ち砕き、降伏せよ。スヴァーハー」

「復誦此真言八百遍,藏冤家舍下,令彼生病。或用一髑髏,以前毒藥乳等於髑髏上書冤家名,及書一𤚥字,於𤚥字周迴書四箇囉字,以佉禰囉木火炙其髑髏。彼髑髏作惡相,藏在冤家舍中,決定生病。若欲殺冤家命,亦用毒藥、鹽、芥子、自身血合為墨,以人骨為筆,亦於髑髏上書冤家名,并書吽𠷑二字,念真言八千遍,彼決定死。真言曰:

この真言を八百回唱え、それを敵の家の下に隠せば、その者を病気にすることができる。あるいは、一つ(髑髏の頭蓋骨)を用い、先ほどの毒薬や乳などを頭蓋骨の上に塗って、敵の名前を書き、そして「𤚥」の字を書き、その「𤚥」の字の周りに四つの「囉」の字を書く。その後、佉禰囉木の火でその頭蓋骨を炙る。その頭蓋骨は不吉な様相を現し、それを敵の家の中に隠しておけば、必ず病気になるであろう。もし敵の命を絶とうとするならば、やはり毒薬、塩、芥子、自分の血を混ぜて墨とし、人の骨を筆として用い、やはり頭蓋骨の上に敵の名前を書き、さらには「吽𠷑」の二字を書き、この真言を八千回唱えるならば、その者は必ず死ぬであろう。真言は次の通りである。

「唵(引)摩(引)里支(引)吽阿母劍摩(引)囉野吽𠷑吒娑嚩(二合引)賀」

「オン、マ、リシ、ウン、ア、ボケン、マ、ラヤ、ウン、ハッタ、ソワカ」

「誦此真言已,若將髑髏埋在屍多林中,第三日命壞。若欲令冤家心亂,以烏翅一隻,念真言八千遍加持其翅,藏冤家舍中,經一剎那間速令心亂。真言曰:

この真言を唱え終えたなら、もし髑髏を屍多林(尸陀林)に埋めれば、三日目に命が絶えるであろう。もし怨敵の心を乱れさせたいなら、烏の羽根一本を取り、真言を八千回唱えてその羽根に加持し、怨敵の家の中に隠しておけば、一瞬のうちにたちまちその心を乱れさせることができるであろう。真言は次のとおりである。

「唵(引)摩(引)里支(引)左羅鉢囉(二合)左羅尸伽囉(二合)誐(引)彌儞阿母迦夢左(引)吒野吽𠷑吒娑嚩(二合引)賀」

「オン、マ、リシ、サラ、ハラ、サラ、シガラ、ガミニ、アモカ、ムサ、タヤ、ウン、ハッタ、ソワカ」

「或觀想冤家乘駝,亦一剎那中令得心亂。

あるいは、怨敵がらくだに乗っている姿を観想すると、それも一瞬のうちに心を乱れさせることができる。

「若欲令冤家憎愛鬪諍,用燒屍灰、河兩岸土及冤家足下土同和為埿作冤家形,倒安其面,以水牛及馬毛為索縛冤家身,用毒藥、芥子并油塗彼身上,用水牛血、馬血及𭟋(切身)摩木於屍衣上書冤家名,書四箇𠷑字,中間書一吽字,周迴書𤚥字圍之,內於冤家心中安置。口誦真言及想冤家乘水牛及馬互相持殺,彼冤家即互相憎嫉。真言曰:

「もしも怨敵に憎しみ合いや争いを起こさせたいと望むならば、焼いた屍の灰、川の両岸の土、そして怨敵の足下の土を混ぜ合わせて、怨敵の形を作り、その顔を逆さまに置き、水牛と馬の毛を縄にして怨敵の体を縛る。毒薬、芥子、そして油をその体に塗る。水牛の血と馬の血、さらに𭟋切身の木を使って、屍衣の上に怨敵の名前を書く。四つの𠷑字を書き、その中央に一つの吽字を書き、周りに𤚥字を書いて取り囲み、それを怨敵の心の中に安置する。口で真言を唱え、怨敵が水牛と馬に乗って互いに殺し合う姿を思い浮かべると、その怨敵たちは互いに憎み嫉み合うようになる。真言は次の通りである:」

「唵(引)摩(引)里支(引)吽阿母劍尾禰吠(二合引)沙野吽𠷑娑嚩(二合引)賀」

「オン、マ、マリシ、ウン、アム、ケンビニビ、シャヤ、ウン、ソワカ」

「或作賀囉及努里誐二天形,埋在屍多林中,念前真言亦得憎嫉。或用水牛角、馬骨作冤家形,以毒藥、芥子、水牛血、馬血書冤家名,在冤家身上以佉禰囉木火炙,復念前真言,一剎那間彼互憎嫉。其所作形亦藏冤家舍中。

あるいは、賀囉(から)と努里誐(ぬりが)という二つの天の形を作り、屍多林(したりん)の中に埋め、先ほどの真言を唱えれば、憎しみや嫉妬も起こせる。あるいは、水牛の角や馬の骨で冤家(えんか)の像を作り、毒薬、芥子(けし)、水牛の血、馬の血で冤家の名前を書き、その像に付け、佉禰囉(かにら)の木の火で炙り、さらに先ほどの真言を唱えると、一瞬のうちに彼らは互いに憎み合い、嫉み合う。その作った像は、冤家の家の中に隠しておく。

「我今復說大摩里支降伏冤兵之法。若有國土被隣國冤兵來侵境土,時大國王若欲破壞調伏,於此成就之法深生信重,先請益阿闍梨如法供養,然敘所求之事。時阿闍梨為一切眾生發慈愍心入三摩地。彼曼拏羅中一切供獻使用之物並須周足,及同作法事之者不得闕少。於摩里支菩薩㡧前用白檀作曼拏羅,獻白花、燒香、塗香并花鬘等,以酪、乳、粆糖作供養食,念獻食等真言各七遍。真言曰:

さて、わたしは今、大摩里支菩薩による敵兵を降伏させる法を再び説こう。

もしある国の国土が、隣国の敵兵に侵されようとしているならば、その時、大王はこの成就の法を用いて、敵を打ち破り調伏したいと願うならば、深く信心を起こしてこの教えを尊び重んじなさい。

まず、阿闍梨(師匠)を招いて、教えの通りに供養しなさい。そして、願い事を述べなさい。

その時、阿闍梨は一切の衆生のために、慈しみの心を起こし、三摩地(深い瞑想)に入るのです。

その曼荼羅(修行の場)に備える供物や道具は、すべて十分に揃えなさい。また、共に法要を行う人々も、一人も欠けてはなりません。

摩里支菩薩の掛け軸の前で、白檀を用いて曼荼羅を作り、白い花、焼香、塗香、花鬘などを捧げなさい。また、酪(ヨーグルト)、乳、砂糖で供養の食べ物を作り、その供養の食べ物を捧げる真言をそれぞれ七回唱えなさい。

その真言とは、次の通りである。

「唵(引)摩(引)里支(引)博訖旦(二合)鉢囉(二合)帝蹉娑嚩(二引)賀」

「オン、マ、リシ、ボギタン、ハラ、テイ、ソワカ」

「誦塗香真言七遍:

塗香の真言を七回唱えます:

「唵(引)摩(引)里支(引)巘馱鉢囉(二合)帝蹉娑嚩(二合引)賀」

「オン、マ、マリシ、ケンダバラ、テイソ、ソワカ」

「誦花真言七遍:

「花の真言(はなのしんごん)を七回となえなさい。

「唵(引)摩(引)里支(引)補瑟波(二合)鉢囉(二合)帝蹉娑嚩(二合引)賀」

「オン、マ、リシ、プシュパ、プラティ、チャ、ソワカ」

「誦燈真言七遍:
「唵(引)摩(引)里支(引)禰波鉢囉(二合)帝蹉婆嚩(二合引)賀」

「オン マ リシ ネイ ハ ラ テイ ソワカ」

「誦燒香真言七遍:

焼香の真言を七回唱えます:

「唵(引)摩(引)里支(引)度波鉢囉(二合)帝蹉娑嚩(二合引)賀」

「オン、マ、マリシ、トハ、パラ、テイ、ソワカ」

「誦此真言已,阿闍梨發歡喜心,迴施供養菩薩。然觀想自身作大勇猛相,誦禁冤兵真言三阿喻多。真言曰:

この真言を誦えたならば、阿闍梨は歓喜の心を起こし、供養を菩薩に回向する。そして、自らの身を大いなる勇猛の相に観想し、怨敵の軍勢を鎮める真言を、三回「アユタ」と誦えるべし。真言は次のとおりである。

「唵(引)晚多(引)隷嚩那隷嚩囉(引)嚩囉(引)賀目契薩里嚩(二合)努瑟吒(二合)里布賽(引)儞焰(二合)娑旦(二合)婆野吽𠷑吒娑嚩(二合引)賀」

「オン、バタ、エイ、バナエイ、バラ、バラ、カモケイ、サルバ、ヌセタ、リブサイ、ニエン、ソタンバヤ、ウン、ハッタ、ソワカ」

「誦此真言,清淨齋戒,必見善惡祥瑞。然即作於護摩法。先作護摩爐,用波羅舍木、菩提樹木、優曇鉢樹木新濕者為柴,各長十二指,用乳、酪、粆糖搵柴兩頭,以努里嚩草同作護摩八千,誦前禁冤兵真言亦八千,即一切所求之事皆能成就。復次用樺皮及匹帛上,以供俱摩香、牛黃同書真言。先書冤人名,次書𤚥字圍繞,次書室止二字圍之。復書末多隷菩薩真言,圍繞周迴如花鬘相。復書𤚥字圍繞於𤚥字外,書暗(引)𤚥(引)探(引)𤚥四字圍繞。四方作四門,及四維上下逐方寫金剛器仗。令國王宰臣等,或頸上或臂上各戴一道,能與一切軍眾作大擁護,入陣之時刀劍等器不能傷害,獲大勝捷。復用冤兵、傷死人衣或屍多林屍衣,用黃薑及雌黃書此真言在上,又取河兩岸上及十字道中土燒人灰同和作冤兵主形,用前書者真言,安置在冤兵主心中。又取土或米麵并黃薑合和作一猪,將前冤兵主安在猪口中,復用椀二隻合其猪身,將詣冤兵之界地下安置,以佉儞嚩木橛長八指釘彼心上,以辛味酒肉等祭之。令阿闍梨乘象或乘車馬,面向陣前列幢旗上,安摩里支菩薩㡧像,身作黃色。阿闍梨頭戴金冠身著黃衣,手執鈴杵,發大勇猛之心,復想猪車車乘,誦此禁冤兵真言八千,作忿怒相,冤兵自敗,速得降伏。真言曰:

この真言を誦え、心身を清めて斎戒すれば、必ず善悪の吉凶の兆しを見るであろう。そのとき護摩の儀式を行うべし。まず護摩炉を用意し、波羅舍木、菩提樹木、優曇鉢樹木の生木で、まだ湿りのあるものを薪とする。それぞれ長さは指十二本分とし、乳、酪、砂糖を薪の両端に塗る。ヌリバ草とともに護摩を八千回行い、先ほどの敵軍を退ける真言も八千回誦えるならば、一切の求める事柄が成就するであろう。さらに、樺の皮や布の上に、供倶摩香と牛黄を用いて真言を書き記す。まず敵の名を書き、次に「マン」の字で囲み、さらに「シツ」の二字でこれを囲む。また末多隷菩薩の真言を書き、花の鬘のように周囲を取り巻かせる。さらに「マン」の字で囲み、その外側に「アン・マン・タン・マン」の四字を巡らせて囲む。四方に四つの門を作り、四隅と上下の各方角に金剛の武器を書き記す。国王や大臣たちに、首や腕にそれぞれ一道を帯びさせれば、すべての軍勢を大いに守護し、戦場に入る時、刀剣などの武器が傷つけることができず、大いなる勝利を得るであろう。また、敵軍の死傷者の衣や、屍林の屍衣を用い、黄薑と雌黄でこの真言をその上に書き記す。さらに、河の両岸の土と十字路の土、焼いた人の灰を混ぜ合わせて敵の将軍の像を作り、先に書いた真言をその心の部分に安置する。また、土または米粉と黄薑を練り合わせて一頭の猪を作り、先の敵将の像を猪の口の中に納める。さらに椀二つで猪の体を覆い、敵陣の境の地中に埋め、ケニバ木の杭(長さ指八本分)でその心臓の位置を打ち、辛味の酒や肉などを供えて祭る。阿闍梨は象または車馬に乗り、軍陣の前に立って、幢旗の上に摩里支菩薩の画像を掲げる。その像は身は黄色である。阿闍梨は金の冠を被り、黄色い衣をまとい、鈴と金剛杵を手に執り、大いなる勇猛の心を起こし、猪の車に乗ることを観想し、この敵軍を退ける真言を八千回誦え、忿怒の相を示せば、敵軍は自ずから敗れ、速やかに降伏するであろう。真言は次のとおりである。

「唵(引)晚多(引)隷嚩那(引)隷嚩囉(引)隷嚩囉(引)賀目契薩里嚩(二合)里布賽(引)儞焰(二合)娑旦(二合)婆野吽𠷑吒娑嚩(二合引)賀」

「オン、バンタ、エイ、ハナ、エイ、ハラ、エイ、ハラ、エイ、ハモケイ、サリバ、リブセイ、ネン、ソタン、バヤ、ウン、ハッタ、ソワカ」

「此成就法,降伏冤軍,無復疑惑。

この成就法は、敵の軍勢を打ち負かし、もはや疑いの余地はありません。

「復有成就法,能降他冤、擁護自眾。於屍多林寂靜之處安摩里支菩薩㡧,於彼㡧前以衢摩夷作曼拏羅,獻五種供養,隨其自力。阿闍梨身著皂衣,頂戴皂冠,手執鈴杵,發勇猛心,觀想摩里支菩薩,作忿怒相有三面,面有三目,一作猪面,利牙外出,舌如閃電,為大惡相,身出光焰周遍照耀等十二箇月光,體著青衣偏袒,青天衣光如大青寶等。身黃金色,種種莊嚴。臂有其八,右手持金剛杵、金剛鉤,左手持弓、無憂樹枝、羂索。頂戴寶塔,立月轉內,右足如舞踏勢、左足踏冤家身。阿闍梨念誦真言,作忿怒相。復取河兩岸土、人骨粖、燒屍灰同和作冤家形,復用苦辣者毒藥、鹽、芥子及曼陀羅汁同和,於屍衣上書冤家名及真言,亦入在冤家心中。真言:

また、成就法がある。これにより他者の怨敵を降伏し、自らの味方を守ることができる。屍多林の寂静な場所に摩里支菩薩の像を安置し、その像の前に衢摩夷(牛糞)で曼荼羅を造り、五種の供養を捧げよ。その人の力に応じて行うこと。阿闍梨は黒衣をまとい、黒い冠をかぶり、手に金剛鈴と金剛杵を持ち、勇猛な心を起こし、摩里支菩薩を観想する。忿怒の相を現し、三つの面がある。各面には三つの目があり、一つは猪の面である。鋭い牙が外に突き出し、舌は稲妻のようであり、大いなる悪相を現す。身体からは光焔が放たれ、周囲を照らすこと十二の月光の如くである。身には青衣を着け、偏袒(右肩を出す)し、青天衣の光は大青宝の如く輝く。身体は黄金色で、種々の荘厳を備える。臂は八本あり、右手には金剛杵と金剛鉤を持ち、左手には弓、無憂樹の枝、羂索を持つ。頭には宝塔を戴き、月輪の中に立つ。右足は舞踏の勢いの如く、左足は怨敵の身を踏む。阿闍梨は真言を念誦し、忿怒の相を現す。さらに河の両岸の土、人骨の粉末、焼屍灰を同量に取り、混ぜ合わせて怨敵の形を作る。また苦くて辛い毒薬、塩、芥子、曼陀羅の汁を同量に取り、混ぜ合わせる。屍衣の上に怨敵の名前と真言を書き、それを怨敵の心の中に入れる。真言:

「唵(引)晚多(引)隷嚩那(引)隷嚩囉(引)隷嚩囉(引)賀目契吽阿母劍摩(引)囉野吽𠷑吒娑嚩(二合引)賀」

「オン、バンダ、エイ、レイバナ、エイ、レイバラ、エイ、レイバラ、エイ、ホム、アモケン、マ、ラヤ、ホム、ハッタ、ソワカ」

「復用乾屍肉及安悉香同和作丸,以人脂搵藥,取燒屍殘柴為火,與芥子油作護摩八千,每一護摩稱冤兵師王名。作此法已,欲要禁縛即得禁縛,欲要殺害即可殺害。或阿闍梨面向冤陣,用人骨粖及人脂、芥子、油作於護摩,口誦真言,一剎那中冤軍自降。復有成就法,能息畜類災難。若欲作法,用白檀供俱摩、牛黃同和,書真言於白幢上,安置畜厩門樓之內,復紙上書真言,令牧放者頂戴。復於畜類頭上亦戴一本,即書暗(引)𤚥(引)探(引)𤚥(引)此四字真言,次書縛字周迴,復書𤚥字周圍一匝,如是書寫。復用佉禰囉木作橛長八指,以五色線纏之,誦真言一百遍,釘其橛。真言曰:

まず、乾した死体の肉と安悉香を同量混ぜ合わせて丸薬を作り、人の脂で薬を塗る。焼死体の残り薪を火とし、芥子油と共に護摩を八千回行う。護摩の度ごとに冤兵師王の名を唱える。この法を修すると、望めば縛ることができ、望めば殺害することもできる。あるいは阿闍梨が敵陣に向かい、人骨の粉と人脂、芥子油で護摩を修し、真言を唱えると、一瞬のうちに敵軍は自ら降伏する。

また、畜類の災難を鎮める成就法がある。この法を修するには、白檀供俱摩(白檀)と牛黄を混ぜ合わせ、真言を白い幢(旗)に書き、畜舎の門楼の中に安置する。さらに紙に真言を書き、牧者が頭に戴く。また家畜の頭にも同様のものを戴ける。すなわち、「暗(引)𤚥(引)探(引)𤚥(引)」の四字真言を書き、次に「縛」の字を周囲に巡らせ、さらに「𤚥」の字を一圈書き巡らせる。このように書写する。さらに佉禰囉木で長さ八指の杭を作り、五色の糸で巻き、真言を百回誦して、その杭を打ち込む。真言は次の通りである。

「唵(引)摩(引)里支(引)吽薩里嚩(二合)尾近曩(二合引)烏酥那野吽𠷑吒娑嚩(二合引)賀」
「此真言,加持橛及發遣魔,通用皆得。然後於彼厩中嚴飾清淨,面東安置摩(引)里支菩薩㡧像,於菩薩前作護摩爐,四方掘深一肘,以香水灑淨。爐四角安四閼伽瓶,入五穀、香水滿中,以白檀塗瓶四面。復用五種樹枝,尼俱陀樹、菩提樹、憂曇鉢樹、阿沒羅樹、阿里迦樹,誦真言八百遍,安彼樹枝在瓶口之內,各用素帛二幅蓋瓶。然用前加持者佉禰囉木橛,釘護摩爐四角中。復用衢摩夷塗曼拏羅位次,以五色紛紛壇,用俱酥摩花、憂鉢羅花、白蓮華、妙香花,以有味白檀薰彼花,散在壇上。用乳酪粆糖粳米飯,滿鉢獻供養。燃酥燈周迴嚴飾。排立幢幡,幢上懸素帛二幡,書前真言,燒安悉香。如是供養,菩薩作大歡喜,所求成就。次下別明護摩法。」
大摩里支菩薩經卷第一

大摩里支菩薩経 巻第一


第二

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