(二)
(二)
過去無數劫,爾時有孔雀王,從五百婦孔雀,相隨經歷諸山,見青雀色大好,便捨五百婦追青雀,青雀但食甘露好果。時國王夫人有疾,夜夢見孔雀王,寤則白王:「王當重募求之。」王命射師:「有能得孔雀王來者,賜金百斤;婦以女女之。」諸射師分布諸山,見孔雀從一青雀,便以蜜麨處處塗樹。孔雀日日為青雀取食,如是玩習,人便以蜜麨塗己身,孔雀便取蜜麨,人則得之。語人言:「我以一山金相與,可捨我。」人言:「王與我金并婦,足可自畢已。」便持白王。孔雀白大王:「王重愛夫人故相取,願乞水來呪之,與夫人飲澡浴,若不差者相殺不晚。」王則與水令呪,授與夫人飲,病則除。宮中內外諸有百病,皆因此水悉得除愈,國王人民來取水者無央數。孔雀白大王:「寧可木繫我足,自在往來湖水中方呪,令民遠近自恣取水。」王言:「大佳!」則引木入湖水中,自極制方呪之。人民飲水,聾盲視聽,跛傴皆伸。孔雀白大王:「國中諸惡病悉得除愈,人民供養我如天神無異,終無去心。大王可解我足,使得飛往來去入湖水中,暝止此梁上宿。」王則令解之。如是數月於梁上大笑。王問曰:「汝何等笑?」答曰:「我笑天下有三癡:一曰我癡,二曰獵師癡,三曰王癡。我與五百婦相隨,捨追青雀,貪欲之意為射獵者所得,是為我癡。射獵人我與一山金不取,言王當與己婦并金,是射獵者癡。王得神醫王,夫人太子國中人民諸有病者,悉得除愈皆更端正,王既得神醫,而不牢持反縱放之,是為王癡。」孔雀便飛去。佛告舍利弗:「時孔雀王者我身是也,時國王汝身是,時夫人者今調達婦是,時獵師者調達是也。」
はるか昔、無数の劫をさかのぼったその時、孔雀の王がいました。五百羽の雌孔雀を連れて、幾つもの山々を渡り歩いていた時のことです。ある時、一羽の青い雀を見かけました。その色合いがとても美しく、孔雀の王は五百羽の雌を捨て、その青い雀を追いかけました。青い雀は甘露や美味しい果実だけを食べていました。
さて、その国の王の后が病気になりました。夜、夢の中で孔雀の王を見た后は、目が覚めると王に言いました。「王様、どうか懸賞をかけて探し求めてください。」王は弓の名手たちに命じました。「孔雀の王を捕まえて来られる者には、金百斤を与えよう。さらに、自分の娘を妻として与えよう。」
弓の名手たちは山々に散らばり、孔雀が一羽の青い雀と一緒にいるのを見つけました。そこで、彼らは蜜を木々のあちこちに塗りました。孔雀は毎日、青い雀のために食べ物を取ってきていました。そのような習慣がついていたので、ある者が自分の体に蜜を塗ると、孔雀が蜜を取ろうと近づき、その者は孔雀を捕まえることができました。
孔雀はその者に言いました。「私は山ほどの金をあなたに差し上げます。どうか私を放してください。」その者は言いました。「王様が私に金と妻を与えてくださるのです。それで十分です。」そして、孔雀を捕らえたことを王に報告しました。
孔雀は王に言いました。「王様は后様を大切に思っておられるからこそ、私をお捕らえになったのですね。どうか水を持ってきてください。私が呪文をかけて、后様に飲んでいただき、体を洗っていただきましょう。もしそれで良くならなければ、私を殺すのも遅くはありません。」
王は水を持ってこさせ、孔雀に呪文をかけさせました。后に飲ませると、病はたちまち治りました。宮中内外の様々な病も、すべてこの水によって治り、王や民衆が水を取りに来る者は数え切れませんでした。
孔雀は王に言いました。「どうか私の足に木を結びつけて、自由に湖の水の中を行き来できるようにしてください。そこで呪文をかけ、遠近の民衆が自由に水を取れるようにいたしましょう。」王は言いました。「それは素晴らしい。」そして、孔雀を木につないで湖の中に入れさせました。孔雀は精一杯の力を込めて呪文をかけました。民衆がその水を飲むと、耳の聞こえない者は聞こえ、目の見えない者は見え、足の不自由な者や腰の曲がった者もまっすぐになりました。
孔雀は王に言いました。「国中のあらゆる悪い病が治り、民衆は私を天神のように供養してくれています。もう去る気持ちはまったくありません。王様、どうか私の足を解いて、自由に飛び回り、湖の水の中に入り、夜にはこの梁の上で休めるようにしてください。」王は足を解くように命じました。
こうして数か月が過ぎ、ある日、孔雀は梁の上で大笑いしました。王が尋ねました。「何を笑っているのか?」孔雀は答えました。「私は天下に三つの愚かさがあることを笑っているのです。一つは私の愚かさ、二つ目は狩人の愚かさ、三つ目は王様の愚かさです。私は五百羽の雌を連れていながら、それを捨てて青い雀を追いかけ、欲望のために狩人に捕らえられました。これが私の愚かさです。狩人は、私が山ほどの金を与えようと言っても受け取らず、『王様が妻と金をくれる』と言いました。これが狩人の愚かさです。王様は、神医を得て、后様も太子も国中の民衆も、病める者は皆治り、さらに端正になりました。それなのに、その神医をしっかりと留めておかず、かえって解き放ってしまわれた。これが王様の愚かさです。」
そう言うと、孔雀は飛び去ってしまいました。
仏陀は舎利弗に告げられました。「あの時の孔雀の王は、今の私である。あの時の国王は、あなたである。あの時の后は、今の提婆達多の妻である。あの時の狩人は、提婆達多である。」