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旧雑譬喻経 (舊雜譬喻經)

「舊雜譬喻經」について

呉 · 底本の訳者:康僧會

1.7 万字 · 約 56 分

旧雑譬喩経は、三国時代の呉において訳経僧である康僧会によって翻訳・編集されました。この経典は、仏教が中国に初めて伝来した漢末三国時代に成立し、主に生き生きとした譬喩物語を通して、仏教の因果、無常、戒律の遵守といった核心的な教義を明らかにしています。経典全体の内容は、民間伝承や仏の本生話を多く取り入れており、平易な語り口で深遠な仏法の真理を伝え、文学性と啓発性を兼ね備えています。初期の漢訳仏典の重要な代表作として、それは仏教の中国化の過程を証するだけでなく、分かりやすい形で仏教の民間への普及を推し進め、後世の仏教文学の発展に深遠な影響を与えました。


舊雜譬喻經卷上

旧雑譬喩経 巻上

吳天竺三藏康僧會譯

呉天竺三蔵康僧会訳

(一)

(一)

昔無數世有一商人,號曰薩薄,時適他國賣齎貨,所止近住佛弟子家。佛弟子家時作大福,安施高座眾僧說法講論罪福,善惡由心身口所行,及四諦非常苦空之法。遠道賈人時來寄聽,心解信樂便受五戒,曰優婆塞,上座以法勸樂之,言:「善男子!護身口心十善具者,戒有五神,五戒有二十五神,現世衛護令無枉橫,後世自致無為大道。」賈人聞法重喜無量,後還本國,國中都無佛法,便欲宣化恐無受者,以所受法教化父母兄弟妻子及諸中外,皆便奉法。去賈人土千里有國,民多豐樂寶物饒好,二國否塞絕不復通百餘年中,所以故有閱叉居其道中,得人便噉前後無數,是故斷絕無往來者。賈人自念:「吾奉佛戒,如經所道,及有二十五神見助不疑,聽彼鬼唯一人耳,吾往伏之必獲也。」時有同賈五百餘人,便語眾人:「吾有異力能降伏鬼,汝等能行詣彼者,不及有大利。」眾人自共議:「二國不通從來大久,若得達者所得不訾,便相可適進道而去。」來至中路見鬼食處,人骸骨髮狼籍滿地,薩薄自念:「鬼神前後所可食人今證驗現,我死職當,恐此眾人。」便語眾輩:「汝等住此吾欲獨進,得勝鬼者當還相迎,不得來者知為遇害,便各還退勿復進也。」於是獨前,方行數里,逢見鬼來,正心念佛志定不懼。鬼到問曰:「卿是何人?」答曰:「吾是通道導師也。」鬼大笑曰:「汝聞我名不?而欲通道。」薩薄曰:「知汝在此故來相求,當與卿鬪,若卿勝者便可食我,若我得勝,通萬姓道,益天下利矣。」鬼言:「誰應先下手乎?」賈人言:「吾來相求,故應先下。」鬼聽可之。以右手扠之,手入鬼腹堅不可出,左手復打亦入,如是兩脚及頭都入鬼中不能復動。於是閱叉即以頌而問曰:

昔、無数の世を経て、一人の商人がいた。名を薩薄といった。ある時、彼は他国へ行き、品物を売るため、仏弟子の家の近くに滞在した。その仏弟子の家では、ちょうど盛大な法要が行われており、高座を設けて僧たちが説法し、罪と福、善と悪は心と身口の行いによること、そして四諦の無常・苦・空の法を講じていた。遠方から来た商人は、たまたま寄ってその話を聞き、心で理解し信じ楽しんで五戒を受け、優婆塞となった。上座は法をもって彼を励まし、言った。「善男子よ、身・口・心を護り十善を備える者には、戒には五神があり、五戒には二十五神がいる。現世では守護して無実の災いを免れさせ、後世では自ら無為の大道に至らせる。」商人は法を聞いて大いに喜び、後に本国へ帰った。その国にはまったく仏法がなく、彼は教えを広めたいと思ったが、受け入れる者がいないのを恐れた。そこで、自分が受けた法をもって父母、兄弟、妻子、そして親族や友人を教化すると、皆が法を奉じるようになった。

商人の国から千里離れたところに、民が豊かで楽しみ宝物に富んだ国があった。二国は険しく隔てられ、百余年もの間、まったく行き来が絶えていた。その理由は、途中に夜叉がいて、人を見つければ食らい、前後無数の人を殺したからである。そのため往来は断絶し、行く者もいなくなった。商人は思った。「私は仏の戒めを奉じている。経典に説かれるように、二十五神が助けてくれるに違いない。あの鬼はただ一人だ。私が行って打ち伏せれば、きっと成功する。」ちょうど同じ商人仲間が五百人ほどいたので、彼らに言った。「私には特別な力があり、鬼を降伏させることができる。あなたたちも行くなら、大きな利益があるだろう。」人々は互いに相談した。「二国が通じないのはあまりに長い。もし通じることができれば、得るものは計り知れない。」そうして、道を進むことに決めた。

途中まで来ると、鬼が人を食った場所に着いた。人の骨や髪が散乱し、地面を埋め尽くしていた。薩薄は思った。「鬼神がこれまで食った人の証拠がここにある。私が死ぬのは当然だが、この人々を恐れさせる。」そこで皆に言った。「あなたたちはここで待っていてほしい。私が独りで進む。もし鬼に勝てば迎えに来る。もし戻らなければ、害に遭ったと思って、それぞれ引き返し、これ以上進まないでほしい。」そう言って独りで進み、数里行くと、鬼がやって来るのに出会った。彼は心を正し、仏を念じ、志を定めて恐れなかった。

鬼が来て尋ねた。「お前は何者だ?」答えていった。「私は道を開く導師だ。」鬼は大笑いして言った。「私の名を聞いたことがあるのか? 道を開こうなどと。」薩薄は言った。「お前がここにいるからこそ、わざわざ来たのだ。お前と戦おう。もしお前が勝てば、私を食ってもよい。もし私が勝てば、万民の道を開き、天下に利益をもたらす。」鬼が言った。「どちらが先に手を下すべきか?」商人は言った。「私が求めて来たのだから、私が先に下すべきだ。」鬼はそれを認めた。

商人は右手で鬼を突き刺した。手は鬼の腹に入り、固くて抜けなくなった。左手でまた打っても入り、両脚と頭も同様に鬼の中に入り、もう動けなくなった。そこで夜叉は、偈を唱えて尋ねた。

「手足及與頭, 五事雖絆覊,
但當前就死, 跳踉復何為?」
「手足及與頭, 五事雖被繫,
執心如金剛, 終不為汝擘。」
「吾為神中王, 作鬼多力𢬜,
前後噉汝輩, 不可復稱數。
今汝死在近, 何為復闇語?」
「是身為無常, 吾早欲棄離,
魔今適我願, 便持相布施。
緣是得正覺, 當成無上智。」
「志妙摩訶薩, 三界中希有,
畢為度人師, 得備將不久。
願以身自歸, 頭面禮稽首。」

手足も頭も、五つの部位は縛られていようとも、 今まさに死に臨む時、もがき騒いで何になろう?

手足も頭も、五つの部位は縛られていようとも、 心を金剛のように堅く保ち、決してお前に砕かれはしない。

我は神々の王、鬼の中でも最強の力を持つ者。 これまでお前たちのような者を数えきれぬほど喰らってきた。 今やお前の死は目前、なぜまだ無駄口をたたくのか?

この身は無常なるもの、とっくに捨て去りたいと思っていた。 今、魔よ、お前はまさに我が願いを叶えてくれた。 この身を布施として捧げよう。 この縁によって正覚を得て、無上の智慧を成就するのだ。

志妙なる大菩薩よ、三界の中でも稀なるお方。 やがて人々を救う師となり、まもなくその覚りを備えられる。 どうか我が身をもって帰依し、頭を地に付けて礼拝いたします。

於是閱叉前受五戒慈心眾生,即為作禮退入深山。薩薄還呼眾人,前進彼土,於是二國並知,五戒十善降鬼通道,乃識佛法至真無量,皆共奉戒延敬三尊國致太平。後昇天得道,乃五戒賢者直信之恩力也。佛告諸比丘:「時薩薄者我身是。菩薩行尸波羅蜜,所度如是。」

そこで夜叉は、まず五戒を受け、慈しみの心で衆生を思うことを誓いました。そしてすぐに礼をして、深い山へと退きました。商人のリーダーは仲間たちを呼び寄せ、その土地へと進みました。こうして二つの国はともに、五戒と十善が鬼を降し、道を開くことを知り、仏法が真実であり、その功徳が計り知れないことを悟りました。皆が共に戒を守り、三宝を敬い、国は平和に治まりました。後に彼らは天に昇り、悟りを得ました。これは、五戒を守る賢者が真心から信じる力によるものです。仏は比丘たちに告げられました:「あの時の商人のリーダーは、この私である。菩薩が尸波羅蜜(持戒の実践)を行じ、このように人々を救済したのである。」


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