俱舍論記卷第一
沙門釋光述
唐 · 普光述 著
60.9 万字 · 約 2031 分
『倶舎論記』は、唐代の高僧・普光が世親菩薩の著した『倶舎論』に対して注釈を加えた書物で、七世紀中頃に成立しました。この書は説一切有部の思想に基づき、諸法の本質、因果と縁起、輪廻と解脱といった核心的な教義を体系的に解説しており、界品・根品・世間品など八つの章に分かれ、厳密な論理で仏教用語を分析しています。そのため、倶舎学における権威ある注釈書として高く評価されています。 内容は玄奘の訳経場で培われた精髄を受け継ぎつつ、中国仏教の視点を融合させており、説一切有部の教理と法相唯識学を研究する上で重要な橋渡しの役割を果たしています。漢伝仏教の歴史において「聰明論」と称えられるこの書は、インド部派仏教と大乗思想の転換を深く理解するための鍵となる典籍です。