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最上大乗金剛大教宝王経 (最上大乘金剛大教寶王經)

「最上大乘金剛大教寶王經」について

宋 · 底本の訳者:法天

8,355 字 · 約 28 分

『最上大乘金剛大教宝王経』は、北宋の法天によって漢訳された密教の重要経典です。この経典は、インドの高僧・法天が宋の初期に中国へ持ち込み漢訳したもので、後期インド密教の発展の様相を反映しています。経文は主に大乗金剛乗の教えを説き、金剛総持の密義、儀軌の修持、即身成仏の理を重点的に宣べ、菩提心と密呪を結合した無上の法門を強調しています。この経典は漢伝密教において崇高な地位を占め、宋代の密教伝播と金剛乗思想を研究する上での核心文献の一つであり、後世の密法の流布に深遠な影響を与えました。


最上大乘金剛大教寶王經卷上

最上大乗金剛大教宝王経 巻上

西天譯經三藏朝散大夫試鴻臚卿傳教大師臣法天奉詔譯

西天訳経三蔵、朝散大夫、試鴻臚卿、伝教大師、臣法天、勅命により訳

如是我聞:

私はこのように聞きました。

一時世尊在廣嚴城菴羅樹園,與大苾芻眾六十萬人俱,其名曰:尊者大迦葉、尊者優樓頻螺迦葉、尊者那提迦葉、尊者須菩提、尊者尊那、尊者大目乾連、尊者舍利弗、尊者劫賓那。尊者摩呬捺囉尊者優波梨。尊者阿難,如是等苾芻眾六十萬人俱。復有菩薩摩訶薩,其名曰:師子威德菩薩摩訶薩、地藏菩薩摩訶薩、虛空藏菩薩摩訶薩、普賢菩薩摩訶薩、金剛手菩薩摩訶薩、除蓋障菩薩摩訶薩、觀自在菩薩摩訶薩、妙吉祥菩薩摩訶薩、寶星菩薩摩訶薩、鉢訥摩俱母那菩薩摩訶薩、常堅固身菩薩摩訶薩、寶嚴海慧菩薩摩訶薩、清淨妙音聲菩薩摩訶薩、燈光明菩薩摩訶薩、得妙音聲菩薩摩訶薩、如意光明菩薩摩訶薩、遍往世界如師子行菩薩摩訶薩、清淨無垢金光明菩薩摩訶薩、善威儀善行菩薩摩訶薩、從地踊持世王菩薩摩訶薩、天言說堅固音聲菩薩摩訶薩、得一切法自在菩薩摩訶薩、慈氏菩薩摩訶薩,如是等菩薩摩訶薩六百萬人俱。

ある時、世尊(お釈迦様)は広厳城の庵羅樹園で、六十万人もの大僧侶たちと共におられました。その面々は、尊者マハーカーシャパ、尊者ウルヴィルヴァー・カーシャパ、尊者ナディー・カーシャパ、尊者スブーティ、尊者チュンダ、尊者マハーマウドガリヤーヤナ、尊者シャーリプトラ、尊者カクディヤ、尊者マヒーンドラ、尊者ウパーリ、尊者アーナンダといった、六十万人の僧侶たちでした。

さらに、六百万人もの大菩薩たちも集っていました。その面々は、獅子威徳菩薩、地蔵菩薩、虚空蔵菩薩、普賢菩薩、金剛手菩薩、除蓋障菩薩、観自在菩薩、妙吉祥菩薩、宝星菩薩、鉢納摩俱母那菩薩、常堅固身菩薩、宝厳海慧菩薩、清浄妙音声菩薩、灯光明菩薩、得妙音声菩薩、如意光明菩薩、遍往世界如師子行菩薩、清浄無垢金光明菩薩、善威儀善行菩薩、従地踊持世王菩薩、天言説堅固音声菩薩、得一切法自在菩薩、慈氏菩薩といった六百万人の菩薩たちでした。

爾時世尊從於口中放大光明,其光晃曜過於日月而有眾色,所謂青色、黃色、白色、紅色、綠色。有如是等無數種種色光,照於無量無邊世界乃至梵世。如是照已,還從世尊頂門而入。

その時、世尊はお口から大いなる光明を放たれました。その光は日や月よりもはるかに輝き、青、黄、白、赤、緑など、さまざまな色彩を帯びていました。数えきれないほどの色の光が、無量無辺の世界、さらには梵天の世界にまで照り渡りました。そして、その光は再び世尊の頂門からお入りになりました。

爾時尊者阿難即從座起,偏袒右肩右膝著地,合掌恭敬白佛言:「世尊!如來放光非無因緣。世尊今日放大光明,何因何緣?唯願如來應正等覺大慈廣覆為我等說。」

その時、尊者アーナンダが立ち上がり、右肩を露わにして右膝をつき、合掌して敬いながら仏に申し上げた。「世尊よ、如来が光明を放たれるのは、決して理由なくしてではありません。本日、世尊が大きな光明を放たれたのは、どのような因縁によるものなのでしょうか。どうか如来・応供・正等覚者が、大いなる慈しみをもって私たちにお説きくださいますよう。」

爾時世尊告阿難言:「如汝所說非無因緣。汝當諦聽,吾當為汝廣分別說。阿難!今有無量無邊眾生,得證無生法忍乃至得涅槃界。由是因緣,放斯光明。」說是語時,有一天子名印捺囉部帝,領四兵眾,及持種種供養之具來詣佛所。至佛所已,持諸供具恭敬供養,禮佛雙足住立一面,作是思惟:「我今欲聞甚深之法。」復以頭面禮世尊足,右膝著地合掌恭敬而白佛言:「如薄伽梵三界大師,乃至一切眾生之父。我如小兒愚癡無慧復無方便,又如盲人多於瞋恚。唯願世尊哀愍於我。云何方便令我諸根於諸境界,當使獲得無生法忍?」爾時世尊讚彼王言:「善哉善哉!知汝所問為於當來末法眾生,欲令彼等得無生忍。」於是世尊告大王言:「我有四種最上之法,若有聞者必當獲得無生法忍。」
爾時阿難在大眾中得聞是語,即前禮佛,合掌白言:「世尊!云何名為四種之法?」佛言:「四種法者,所謂聲聞乘、緣覺乘,此二乘者但能自利不能利他。復有二乘,謂方廣大乘及彼最上金剛大乘。是名為四。」爾時阿難又復問言:「是金剛大乘當云何性?」佛言:「阿難!若有菩薩發於最上大菩提心,是即名為金剛乘性。是菩提心能自利益復利於他。如是菩薩摩訶薩行解於方便,能於諸根各各境界所緣所作,當獲無生法忍。」爾時彼王印捺囉部帝,得聞世尊為於阿難說是四法,甚大歡喜,次白佛言:「世尊!云何菩薩摩訶薩解於方便,能於諸根各各境界所緣所作得無生忍?」佛言:「大王!乃往過去無量無邊不可思議大劫之前,時世有佛出興於世,號日清淨光明如來、應供、正等覺、明行足、善逝、世間解、無上士、調御丈夫、天人師、佛、世尊,彼佛世界名大妙香。是日清淨光明如來,壽量住九萬劫。彼佛世界所有眾生智慧猛利,皆悉發於大菩提心。時世有王名精進授,力如輪王,領四兵眾,前後導從詣彼佛所,復持種種香華奉獻彼佛。伸供養已作禮旋遶,䠒跪合掌白言:『世尊!云何能令諸根境界所緣所作,當得無生法忍?』佛言:『大王!所有過去未來及與現在諸佛世尊皆亦說此方便,解於諸根各各境界所緣所作,而能獲得無生法忍。』時精進授復白佛言:『云何菩薩摩訶薩本性?』佛言:『菩薩性者,即是大慈大悲大喜大捨,而此四法是菩薩性。菩薩樂行如是四法,能為一切眾生使,獲無生法忍。』

その時、阿難(アーナンダ)が大衆の中にいてこの言葉を聞き、すぐに仏の前に進み出て、合掌して申し上げました。「世尊よ、どのようにして『四つの法』と名付けるのですか?」

仏はお答えになりました。「四つの法とは、いわゆる声聞乗(しょうもんじょう)と縁覚乗(えんがくじょう)である。この二つの乗は、ただ自分の利益のみを求めることができ、他を利することができない。さらに二つの乗がある。すなわち方広大乗(ほうこうだいじょう)と、その最上の金剛大乗(こんごうだいじょう)である。これらを四つと名付ける。」

その時、阿難が再び問いました。「この金剛大乗とは、どのような性質を持つものなのでしょうか?」

仏はお答えになりました。「阿難よ、もし菩薩が最上の大菩提心(だいぼだいしん)を発するならば、これを金剛乗の性と名付ける。この菩提心は自らを利益し、また他をも利益する。このように菩薩摩訶薩(ぼさつまかさつ)が方便(ほうべん)を理解して修行し、諸々の根(こん)とそれぞれの境界(きょうがい)において、その因縁によって生じる働きに即して修行するならば、無生法忍(むしょうほうにん)を得ることができる。」

その時、王のインドラブーティ(因陀羅部帝)は、世尊が阿難のためにこの四つの法を説かれたのを聞いて、大いに喜び、次に仏に申し上げました。「世尊よ、どのようにして菩薩摩訶薩が方便を理解し、諸々の根とそれぞれの境界において、その因縁によって生じる働きに即して修行し、無生法忍を得るのでしょうか?」

仏はお答えになりました。「大王よ、はるか過去の、無量無辺で考え及ばない大劫(だいこう)の昔、その世に一仏が世に現れた。その名を日清浄光明如来(にっしょうじょうこうみょうにょらい)といい、応供(おうぐ)、正等覚(しょうとうがく)、明行足(みょうぎょうそく)、善逝(ぜんぜい)、世間解(せけんげ)、無上士(むじょうし)、調御丈夫(じょうごじょうぶ)、天人師(てんにんし)、仏、世尊と称された。その仏の世界は大妙香(だいみょうこう)と名付けられた。この日清浄光明如来の寿命は九万劫であり、その仏の世界に住むすべての衆生は智慧が鋭く、皆、大菩提心を発した。その世に精進授(しょうじんじゅ)という王がおり、その力は転輪聖王のようであり、四種の兵を率いて前後から導かれながらその仏のもとに赴き、さらに様々な香や花を持ってその仏に捧げた。供養を終えて礼拝し、右に三度回り、ひざまずいて合掌して申し上げた。『世尊よ、どのようにすれば、諸々の根の境界において、その因縁によって生じる働きに即して、無生法忍を得ることができるのでしょうか?』

仏はお答えになりました。『大王よ、すべての過去・未来・現在の諸仏世尊も、皆、この方便を説き、諸々の根とそれぞれの境界において、その因縁によって生じる働きに即して理解すれば、無生法忍を得ることができると説かれたのである。』

その時、精進授が再び仏に申し上げました。『どのようなものが菩薩摩訶薩の本性なのでしょうか?』

仏はお答えになりました。『菩薩の性とは、すなわち大慈(だいじ)、大悲(だいひ)、大喜(だいき)、大捨(だいしゃ)である。この四つの法が菩薩の性である。菩薩はこの四つの法を喜んで実践し、すべての衆生のために働き、無生法忍を得ることができるのである。』」

「爾時日清淨光明如來,顧視左邊諸大菩薩摩訶薩,告金剛手菩薩言:『金剛手!汝可往彼精進授王宮中,如王所問金剛大乘,汝當為王及隨眾生種種根性演說菩薩摩訶薩行於方便,使令獲得無生法忍。』金剛手菩薩聞佛告勅,即從座起,偏袒右肩右膝著地,合掌向佛作如是言:『我今當承如來聖旨,行往度脫。』時精進授王聞佛告語,即向金剛手菩薩前頭面作禮而伸請曰:『唯願菩薩遵奉佛勅,愍察志誠,往詣我宮,為我演說金剛大乘,使我開解證無生忍,亦令當來一切眾生獲大利益。』時金剛手默然。王知許已,即整四兵前後導從,即與菩薩同乘還宮,及設傘蓋幢幡、香華伎樂供養菩薩。是時王城名曰最上,城中人民聞菩薩來,於所經路競以香華供養。菩薩既至宮已,精進授王復設七寶師子之座請菩薩座,奉獻種種金銀珍寶,及以寶瓶盛滿閼伽上妙香水,及以五種供養奉上菩薩。復有眾多苾芻之眾為欲聞法,亦持香華來獻菩薩。時金剛手菩薩即如從佛所聞法式入大曼拏羅,以金剛淨水與王灌頂。精進授王得灌頂已,復有諸苾芻眾及諸剎帝利、婆羅門、吠舍、首陀等,皆悉來詣王宮至菩薩所,為欲聞法,發菩提心入金剛乘。時金剛手菩薩便即為說菩薩摩訶薩行,及諸根法種相,及尼陀那方便等。乃至如來部、金剛部、寶部、蓮華部、羯磨部,依金剛乘相應及三摩地、三摩鉢底等方便,皆令得解盡涅槃界。爾時南印度王精進授,是王深信敬重樂求最上法入金剛大乘。又復樂求隨眾生根性相應三摩地、三摩鉢底,解於方便,獲無生忍盡涅槃界。復有北印度王名尾哩野嚩哩摩亦如是,東印度王名妙臂亦如是,西印度王名百臂亦如是。復有百千苾芻,共持眾寶上妙衣服,同時來詣菩薩之所,供養恭敬作禮旋繞。白菩薩言:『我等深心樂求最上金剛大乘,亦復樂求隨眾生性相應三摩地、三摩鉢底,解諸方便證無生忍盡涅槃界。』是時復有國中人民之眾見聞隨喜之者,亦皆發起大菩提心。時世復有眾多金剛阿闍梨,所謂覺龍、覺授、法龍、賢授、德授、海授如是等阿闍梨,得聞菩薩所說相應之法,皆悉證得無生法忍。爾時東印度王妙臂,與中宮后妃嬪嬙婇女,乃至城中人民樂法之眾,而於根本最上法中三摩地相應之法而得成就,隱沒自在。是印度中復有諸金剛阿闍梨,所謂賢軍、德軍、寂靜軍、烏多羅軍、無邊藏、天藏、善力藏等。復有諸婆羅門,所謂捺多婆羅門、訶哩三謨婆羅門、奔茶利迦婆羅門、鉢訥摩婆羅門,如是等阿闍梨婆羅門等,得聞菩薩所說金剛大乘及相應三摩地法,皆悉獲得無生法忍。時西印度王百臂,及彼中宮后妃婇女等,聞菩薩所說甚深金剛大乘及諸法要,皆悉證得金剛智所攝相應三摩地成就法,及隱沒自在。彼印度中復有眾多金剛阿闍梨,所謂智密、善密、賢密、慧密、慧賢、無垢賢等。亦有諸毘舍,所謂善意毘舍、印捺囉波毘舍、印捺囉囉毘舍、淨光毘舍等。是阿闍梨及毘舍等,得聞菩薩所說最上金剛大乘及諸妙法,皆悉證得無生法忍。北印度王尾哩野(二合)嚩哩摩,與中宮后妃婇女等,及諸人民沙門婆羅門等樂入金剛大乘者,於是法中得聞菩薩演說法要,亦於金剛智所攝真實相應三摩地成就,及隱沒自在。爾時金剛手菩薩。為彼諸王及沙門婆羅門乃至毘舍等,於六年中演說金剛大乘及諸法要,使彼諸王及樂法之眾悉獲利樂。又復演說諸成就法,謂八大聖藥,眼藥、劍、羂索、金剛輪、金剛杵、寶瓶、革屣等。及人修羅窟,乃至敬愛諸成就法。時諸王及一切沙門婆羅門等,而常隨逐聽受教導。

爾時、日清淨光明如来は左にいる諸大菩薩摩訶薩を見渡し、金剛手菩薩に告げられた。「金剛手よ、汝は精進授王の宮殿に行きなさい。王が問う金剛大乗について、王と、様々な根性を持つ衆生のために、菩薩摩訶薩の行における方便を説き、無生法忍を得させなさい。」金剛手菩薩は仏の告げを聞き、即座に座を立ち、右肩を露わにし、右膝を地につけ、合掌して仏に向かって次のように言った。「私は今、如来の聖旨を受け、赴いて度脱いたします。」その時、精進授王は仏の言葉を聞き、金剛手菩薩の前に進み出て、頭を地につけて礼をし、請うて言った。「どうか菩薩よ、仏の勅命に従い、我が誠意を哀れみ、我が宮殿に来て、私に金剛大乗を説いてください。私が悟りを開き、無生忍を証し、また未来の一切衆生が大きな利益を得ることができますように。」その時、金剛手菩薩は黙された。王は許しを得たと知り、即座に四兵を整え、前後に導かせ、菩薩と共に同じ車で宮殿に戻った。さらに傘蓋や幢幡、香華や伎楽を設けて菩薩を供養した。この時、王城の名を最上と言い、城中の民は菩薩が来ると聞き、通る道々で競って香華を捧げて供養した。菩薩が宮殿に着くと、精進授王はさらに七宝の師子座を設けて菩薩を座らせ、様々な金銀珍宝を献上し、宝瓶に閼伽の上妙な香水を満たし、五種の供養を菩薩に捧げた。また、多くの比丘の衆が法を聞こうとして、香華を持って菩薩に捧げに来た。その時、金剛手菩薩は、仏から聞いた法式のままに、大曼荼羅に入り、金剛の浄水で王に灌頂した。精進授王が灌頂を受けると、さらに多くの比丘の衆や、剎帝利、婆羅門、ヴァイシャ、シュードラなどが、皆、王宮の菩薩のもとに集まって来た。法を聞こうとし、菩提心を発して金剛乗に入るためであった。その時、金剛手菩薩はすぐに彼らのために、菩薩摩訶薩の行や、諸々の根・法の種々の相、また因縁や方便などを説いた。そして、如来部、金剛部、宝部、蓮華部、羯磨部の、金剛乗に相応する三摩地や三摩鉢底などの方便に至るまで、すべてを理解させて涅槃の境地に到達させた。その時、南インドの王、精進授は、この王は深く信仰し敬重し、最上の法を求めて金剛大乗に入ることを楽しんだ。また、衆生の根性に相応した三摩地や三摩鉢底を求め、方便を理解し、無生忍を得て涅槃の境地に至ることを楽しんだ。また、北インドの王、尾哩野嚩哩摩も同様であり、東インドの王、妙臂も同様であり、西インドの王、百臂も同様であった。さらに、百千の比丘が共に多くの宝や上妙な衣服を持って、同時に菩薩のもとに来て、供養し敬い、礼拝し繞った。比丘たちは菩薩に申し上げた。「私たちは深心をもって最上の金剛大乗を求め、また衆生の性に相応した三摩地や三摩鉢底を求め、諸々の方便を理解し、無生忍を証し、涅槃の境地に至りたいのです。」その時、また国の民衆の中には、これを見聞きして随喜する者たちもいて、皆、大菩提心を発した。その世にはまた、多くの金剛阿闍梨がいた。覚龍、覚授、法龍、賢授、徳授、海授といった阿闍梨たちである。彼らは菩薩が説く相応の法を聞いて、皆、無生法忍を証得した。その時、東インドの王、妙臂は、中宮の后妃や嬪嬙、婇女たち、さらには城中の法を楽しむ民衆と共に、根本最上の法における三摩地相応の法を成就し、自在に隠没することができた。このインドにはさらに多くの金剛阿闍梨たちがいた。賢軍、徳軍、寂静軍、烏多羅軍、無辺蔵、天蔵、善力蔵などである。また、多くの婆羅門たちがいた。捺多婆羅門、訶哩三謨婆羅門、奔茶利迦婆羅門、鉢訥摩婆羅門などである。これらの阿闍梨や婆羅門たちは、菩薩が説く金剛大乗と相応三摩地の法を聞いて、皆、無生法忍を得た。その時、西インドの王、百臂と、その中宮の后妃や婇女たちは、菩薩が説く甚深な金剛大乗と諸々の法要を聞いて、皆、金剛智に摂せられた相応三摩地成就の法と、自在な隠没を証得した。そのインドにはさらに多くの金剛阿闍梨たちがいた。智密、善密、賢密、慧密、慧賢、無垢賢などである。また、多くのヴァイシャたちがいた。善意ヴァイシャ、印捺羅波ヴァイシャ、印捺羅羅ヴァイシャ、浄光ヴァイシャなどである。これらの阿闍梨やヴァイシャたちは、菩薩が説く最上の金剛大乗と諸々の妙法を聞いて、皆、無生法忍を証得した。北インドの王、尾哩野(二合)嚩哩摩は、中宮の后妃や婇女たち、さらに諸々の民や沙門、婆羅門など金剛大乗に入ることを楽しむ者たちと共に、この法において、菩薩の説く法要を聞き、また金剛智に摂せられた真実相応三摩地の成就と、自在な隠没を得た。その時、金剛手菩薩は、これらの王たちや沙門、婆羅門、さらにはヴァイシャたちのために、六年の間、金剛大乗と諸々の法要を説き、これらの王たちや法を楽しむ者たち全てを利益し楽しませた。また、諸々の成就法を説いた。すなわち、八大聖薬、眼薬、剣、羂索、金剛輪、金剛杵、宝瓶、革履などである。また、人の阿修羅窟や、敬愛などの諸々の成就法をも説いた。その時、諸王と一切の沙門や婆羅門たちは、常に菩薩に従い、その教導を受け聞いた。

「爾時金剛手菩薩告彼眾言:『今彼處有大名山號摩呬捺囉,其山頂上平正廣闊,亦有園苑池沼適悅之所。汝等諸王及沙門、婆羅門、吠舍、首陀等所有修學金剛大乘,皆可同往彼山修習而住。』後於異時,忽告眾曰:『彼日清淨光明如來應正等覺將入涅槃。汝等今可與我同至佛所求受灌頂。』時修習金剛大乘諸會眾等,即與菩薩共持種種殊妙香華,往詣日清淨光明如來之所。既至彼已,奉上香華作大供養,旋繞讚歎,頭面著地禮佛雙足。修敬畢已,共坐佛前。
「爾時金剛手菩薩於眾會前,偏袒右肩右膝著地,金剛合掌安自心上,白世尊言:『我承如來教勅往彼王宮,為諸王等及沙門婆羅門乃至一切發菩提心求學金剛大乘者,即為演說金剛大乘,及於諸根境界所緣所作種種之法,皆令獲得無生法忍。世尊!我今欲於如來金剛大乘法中,與彼學眾求受灌頂。唯願如來慈悲聽許。』爾時日清淨光明如來左右顧視已,即於口中放大光明。其光五色,於剎那間照於恒河沙等諸佛剎土,上至梵世悉皆照耀。如是照已,尋復旋還,却從世尊口中而入。時彼光明所照佛剎一切如來,悉皆稱讚作如是言:『彼金剛大乘即攝一切乘,乃至過去未來現在亦復如是,彼金剛大乘即攝一切乘。』時彼學眾即於金剛大乘悉得灌頂。得灌頂已,咸以頭面禮世尊日清淨光明如來及金剛手菩薩足,復繞千匝歡喜讚歎,各還本處。
「爾時日清淨光明如來於後不久入般涅槃,佛涅槃後法住千歲。時金剛手菩薩復往摩呬捺囉山中安住。時一切金剛大乘學眾互相謂言:『我等本師菩薩還止彼山。我等宜應同往彼山奉事供養,及自修習金剛大乘一切事業。』時彼學眾一切沙門婆羅門等,各持香華及諸供具,即同往詣摩呬捺囉山金剛手菩薩所。至彼山已,各各奉上香華寶玩供養菩薩,旋繞禮拜瞻仰而住。於是菩薩見彼學眾咸來山中親近供養,修習事業志意堅固,即告眾曰:『汝等各各於我最上金剛大乘聞諸法要,悉皆證得無生法忍盡涅槃界。汝等諦聽,我師日清淨光明如來已入涅槃,眾生薄福無所恃怙,我所告汝汝善遵行。佛入滅後,彼金剛阿闍梨是汝等師。何以故?彼阿闍梨而能護持佛剎,復能護持金剛祕密法,故能說四字名,此即是如來相。汝等大眾當於彼師,常加尊重禮拜供養同於佛想,即感一切如來常加擁護,即是見前一切如來。汝等學眾常於彼師奉事供給,凡所受用坐臥等具、衣服湯藥、一切所須無令闕乏。雖常侍近,不得足蹋師影。所有同學,無分親疏一心平等。善男子!若有學人及諸人等,於金剛阿闍梨及金剛大乘諸學眾等生不信心,發起惡念復加毀謗,是人果報當墮地獄、畜生及諸惡趣。何以故?以一切諸法從彼生故。若有毀者是即毀法,故獲是報。若有眾生未斷輪迴來求學者,當隨根性為他演說金剛大乘,當令得入金剛三昧。』金剛手菩薩又復告言:『此金剛大乘即是一切如來,一切如來即是大智。汝等學眾若有不依三昧違我教者,令汝破壞由如灰燼。』於是菩薩即以金剛水與學眾等飲,復結大忿怒印安著學眾頂上。作加被已,又復告言:『佛子!汝今此身即為金剛三昧所持。若有違犯不依從者,以我金剛三昧印及忿怒印令彼破壞。』又復菩薩即如先佛法式,為諸學眾授於灌頂,復誦警覺真言令其覺悟。又復示與金剛杵,自稱己名,與諸弟子身分八處而作加被。時金剛大乘學眾於菩薩所受學一切法式畢已,即向菩薩種種稱讚恭敬供養,謝彼菩薩。又復白言:『我等各各如菩薩教。於金剛阿闍梨所,承事供養恭敬讚歎,一如聖旨。』爾時金剛手菩薩摩訶薩化事畢已,即於彼處隱沒不現。」
最上大乘金剛大教寶王經卷上

第二

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