迦樓羅心印第七
迦楼羅心印第七
左手頭中名三指把右小指,右三指握左小指,二大指各押頭指側。初開其印,大指相去三寸許,乃徐徐用力拘二小指,然合腕二大指相並為准。用力拘時,在其行病鬼神之身與我二小指無異,今當降伏之,其鬼神則被縛之。病者作鬼語求哀請命,當問其故,教令赦,病差矣。若病薄庵蛇毒藥厭魅之病者,准前用此印差。存𭠝其支節,亦得隨意。若存拘作怖鬼,鬼神及冤敵悉効。
左手の親指・人差し指・中指の三本で、右手の小指をつかみます。右手の三本の指(親指・人差し指・中指)で、左手の小指を握ります。両方の親指は、それぞれ人差し指の側面を押さえます。
まず印を開き、両方の親指を約三寸(約9センチ)離します。それからゆっくりと力を込めて両方の小指を引き寄せ、手首を合わせて両方の親指が並ぶようにします。力を込めて引き寄せるとき、病を起こす鬼神の身体は、私の両方の小指と変わらないものとしてイメージします。今やこれを降伏させようとすると、その鬼神は縛られるのです。
病人が鬼の言葉で哀願し命乞いをしたならば、その理由を尋ね、許すように教え諭します。そうすれば病は治ります。
もし、軽い病や蛇の毒、薬物によるもの、呪いによる病などであれば、前述の通りこの印を用いて治すことができます。その身体の関節をイメージし、思いのままにすることもできます。もし、引き寄せて鬼を怖がらせることをイメージすれば、鬼神や怨敵はすべて効果を現すでしょう。
迦樓羅縱毒不咬明:
迦楼羅は毒を吐いても、明るい心を傷つけることはない。
唵𤙖佉使(二合)跛婆
オーン フーム カ シ バ バ
迦樓羅縛毒明曰:
迦楼羅が毒を縛る真言は次のように唱えます:
捨迦野囉嚩攞麼訖多(二合)曩慕窣都(二合)帝(二)阿密哩(二合)多泯奴(三)底瑟吒(二合)尾沙麼奴斯(四)麼者攞(五)莎嚩(二合)訶
シャカヤラヴァラマキタナンモスツデイ アミリタミンヌ テイシッタビシャマヌシ マジャラ ソワカ
凡欲伏毒,先在己身廣大圓滿,便存己形如迦樓羅王。若不作此成身之觀,但結莽羯囉印而以護身亦得。又相受毒者身分廣大,乃存姹字,作白璃璃色環繞其人,支分開節及心令毒不過。若不作此觀者,乃結莽羯羅印印其支節,誦縛毒密言三返,亦可受毒。乃取烏頭等毒以不咬,密言加持七返。加持之時,將藥近口,仍數轉之勿息,當置前人手中。若從足縱毒,即置其人足下,行者仰右手,掌微屈,四指直舒,大指存結使(二合)字在掌中如火聚,想火漸熾,出一條盛焰,注人前定之處。藥中便存其毒而出盛氣,猶如青煙入其身中,至縛處准存。煙氣入時,密誦佉字勿絕,即隨意而取入毒所至處,習然如中風者,是其候也,須臾之間肉色變青。若遍身放者,但存姹字環其人心,乃縱之。毒遍身,准不中心也,治如都收毒法。若不收者,毒亦不差,人亦不死。但恐毒在體中攻擊,後雖除之,損其支節耳。若毒所經歷,諸疾銷散,何必在久,不速收之?療中風身,有不遂、口自斜、膝痃癖脚氣。氣癭疝氣。腹內諸疾、皮膚𩑹痺,皆愈愈患矣。縱毒時日,其八龍王及二王,縱每月一日起,直周而復始。至句力迦直日,即不可縱毒療病。為其龍王有大毒故,必難收耳。每月八日、十八日、二十八日是也。凡人夜分不可縱毒,迦樓羅都收毒法如後。
毒を制しようとするときは、まず自らの身体を広大円満にイメージし、自身の姿を迦楼羅王のように思い描きます。この身体観想を行わなくても、莽羯囉印を結んで身を護れば十分です。
また、毒を受ける者の身体を広大にイメージし、姹の字を白琉璃色でその人を包み、四肢の関節や心臓に毒が通らないようにします。この観想をしない場合は、莽羯羅印でその人の関節を印し、縛毒の密言を三回唱えれば毒を受けられます。
次に、烏頭などの毒を噛まずに取り、密言で七回加持します。加持するときは、薬を口に近づけ、息を止めずに何度も回転させ、相手の手に置きます。足から毒を放つ場合は、相手の足下に置きます。
行者は右手を仰向けにし、掌を少し曲げ、四指をまっすぐ伸ばし、親指で結使(二合)の字を掌中に火の塊のようにイメージします。火が次第に盛んになり、一条の激しい炎となって相手の定めた場所に注がれると想います。薬の中から毒が盛んな気となって出て、青い煙のように相手の体に入り、縛られた場所に至ります。煙気が入るときは、佉の字を絶え間なく密誦し、毒の至る場所を自由に導きます。習熟すると、まるで中風にかかったような様子になり、瞬く間に肉色が青く変わります。
全身に放つ場合は、姹の字で相手の心臓を包み、毒を放ちます。毒が全身に行き渡っても心臓には至りません。治療は毒をすべて回収する方法に従います。回収しないと毒は消えず、人も死にませんが、毒が体内で攻撃し、後で除いても四肢を損なう恐れがあります。毒が通ったところでは、さまざまな病気が消え散ります。なぜ長く留め、速やかに回収しないのでしょうか。中風による身体の不随、口の歪み、膝の痛み、脚気、気の瘤、疝気、腹内の諸疾、皮膚の麻痺など、すべての患いが癒えます。
毒を放つ日は、八龍王と二王に従い、毎月一日から順に巡らせます。句力迦の当番日には、毒を放って病気を治療してはいけません。その龍王は大毒を持つため、回収が難しくなるからです。毎月の八日、十八日、二十八日がそれにあたります。夜中に毒を放ってはいけません。迦楼羅による毒の回収法は後述します。
迦樓羅心密言:
迦楼羅の心の真言:
唵(一)佉使(二合)跛(二)莎嚩訶(三)唵(四)跛佉使(二合)莎嚩訶
オーム(一)カシ(二合)バ(二)ソワカ(三)オーム(四)バカシ(二合)ソワカ
地天真言:
大地と天の真言:
唵那謨婆伽嚩帝(二)怛埵(引)伽嚕荼(引)也阿軫帝尾儞多也(四)阿跛囉(二合)茗也(五)怛唎(二合)娜舍也(六)莎嚩訶
唵、敬礼します、世尊よ。 尊き金翅鳥よ。 無尽なる者よ。 無量なる者よ。 三宝に帰依する者よ。 スヴァーハー。
水天真言:
水天真言:
唵(一)那謨婆伽嚩帝(二)多怛嚩(二合)伽嚕荼(引)也屈麼嚕跛婆娜哩(二合)舍也(四)吽僧訶囉(六)莎縛訶
オーン(一)礼拝します、世尊よ(二)大いなる金翅鳥(二合)よ、(引)蓮華の母(二合)に住まう者よ(四)フーム、災いを除きたまえ(六)スヴァーハー
火天密言:
火天の真言:
唵那謨婆伽嚩帝(二)多怛縛(二合)伽嚕荼(引)也(三)唵(四)也他也他(引)未麼也(五)底囉歎多他(引)未麼也底(七)尾沙弭母耽(八)莎嚩訶
唵、敬礼します、世尊よ(二)。 多陀阿伽陀(二合)、迦楼羅(引)よ(三)。 唵(四)。 イタ・タター(引)、ヴィマヤ(五)。 ティラタン・タター(引)、ヴィマヤ・ティ(七)。 ヴィシャミ・ムダン(八)。 スヴァーハー(九)。
風天密言:
風天の密言:
唵(一)那謨婆伽嚩帝(二)多怛縛(二合)伽嚕拏(引)也(三)未麼拏(四)耳嚩三步多(引)也(五)三未麼(六)薩嚩尾摻少沙也(七)跛囉(二合)嚩(引)莎嚩訶
唵(一) 礼拝します、世尊よ(二) 偉大なる金翅鳥に(三) 無量光に(四) 無量寿に(五) 無量なる(六) 一切の衆生を救い給う方に(七) 成就あれ、成就あれ(八)
虛空居天密言:
虚空に住む天の真言:
唵(一)那謨婆伽嚩帝(二)多怛嚩(二合)伽嚕荼(引)也(三)薩嚩尾摻目佉索佉索(二合)(四)佉索(二合)囉佉叉(七)(二合)耳嚩耳嚩(引)跛也(八)莎嚩訶
オーム(一) 礼拝いたします、世尊よ(二) 偉大なる金翅鳥に(三) 一切の毒害を(四) 断ち切れ、断ち切れ(五) 断ち切れ、守護せよ(六) 速やかに、速やかに(七) 成就させたまえ(八) スヴァーハー
若欲療一切毒者,先想己身一如迦樓羅王,廣大圓滿,又存患人形質,廣博能容五大觀。乃想虛空而作黑色圓家無邊,處病者額上,訶字在中。又存火大熾焰,三角而在其心,唵字處中。復想水大如半月形,綠色而在其臍,跛字安中。又想風大圓黃在其兩膝,娑嚩(二合)處內。地大方白,在其足分。佉使(二合)字在左手大指頭,水大及跛字在頭指,火大并唵在中指,風大娑嚩(二合)在無名指,空觀訶字在小指頭。先閉目一心存訖,然用前五大天密言各加持其指及迦樓羅印,誦迦樓羅心或五字密言勿絕,以印掌向外,去病人身五寸已來,從頂想以印撮其毒氣令徐徐下散,亦存其人額間賀字黑色虛空之觀,隨印而下斥遂其毒。若一度不差,再三為之,以差為限。如來痊著者,結莾羯囉印、或大印、或薩婆等印,散彼人身上,當差矣。若病人非遍身有毒者,彼身上不必具觀五大,但從有毒之處以虛空觀療之。又此法能療一切毒蛇虫及地毒并熱毒腫,但諸疾有毒者皆愈。若自中毒,當正念作五字觀,以訶字從頂趁之,結莾羯羅等三印散身上差矣。
もし一切の毒を癒やしたいならば、まず自身を迦楼羅王のように広大円満なものと観想し、また患者の体を広大で五大を容れられるものと想い定めます。
次に、虚空を黒色の円形で際限なく広がるものと観想し、患者の額の上に置き、中央に「ハ」の字を置きます。
さらに、火大を燃え盛る炎とし、三角形で心臓の位置に、「オン」の字を中央に置きます。
水大を三日月形の緑色と観想し、臍の位置に、「バ」の字を中央に置きます。
風大を円形の黄色と観想し、両膝の位置に、「サワ」の字を内部に置きます。
地大を方形の白色と観想し、足の部分に置きます。
「キャ」の字を左手の親指の先に、水大と「バ」の字を人差し指に、火大と「オン」の字を中指に、風大と「サワ」の字を薬指に、空観の「ハ」の字を小指の先に置きます。
まず目を閉じて一心にこれらを想い定め、それから前の五大天の密言でそれぞれの指と迦楼羅印を加持し、迦楼羅心または五字密言を絶え間なく唱えます。
印を結んだ掌を外に向け、患者の体から五寸ほど離し、頭頂から印で毒気を掴み取り、ゆっくりと下へ散らすようにします。
また、その人の額にある「ハ」の字の黒色の虚空観を、印とともに下へ向けて毒を追い払うように想い定めます。
一度で癒えなければ、再三行い、癒えるまで続けます。
もし癒えなければ、莽羯羅印、または大印、または薩婆等の印を結び、その人の体に散らすと、癒えるでしょう。
もし患者が全身に毒があるわけでなければ、その体に五大をすべて観想する必要はなく、毒のある部分だけを虚空観で癒やします。
また、この法はすべての毒蛇や虫、地毒、熱毒腫を癒やし、毒のあるあらゆる病を癒やします。
もし自分が中毒したなら、正念を持って五字観を行い、「ハ」の字で頭頂から追い払い、莽羯羅等の三印を結んで体に散らすと癒えるでしょう。
五字觀者,賀空頂、唵火心、跛水臍、莎嚩(二合)風膝、佉使(二合)地足下。
五文字の観想法は、次の通りです。 「賀」は虚空を頭頂に、 「唵」は火を心に、 「跛」は水を臍に、 「莎嚩」は風を膝に、 「佉使」は地を足の下に置きます。
迦樓羅縱日毒法(白月十四日為之),但日光所及皆効,千里萬里益驗。
迦楼羅の日毒の法(白月の十四日に行う)は、日光の届く限りすべてに効果があり、千里万里離れていても益々効果を発揮する。
請降毒密言:
毒を降伏させる密言を請う。
唵(一)佉數(二合)佉曬(二合)佉使(二合)吽
オーン(一)キャクソ(二合)キャクサイ(二合)キャクシ(二合)フーン
令咬密言:
お告げ申し上げます。
唵(一)佉摻(二合)佉使(二合)訶
オーム(一)カサン(二合)カシ(二合)ハ
先誦請降毒密言七遍,然想其二龍王,蛇王身、馬頭,常駕日天子之車日車,因之德轉者有大毒耳。又欲每□毒,日初出時當起,是觀存一青瑠璃筒,從二龍王口直柱前人口。又存二龍王口吐毒氣,從青色大如十,有一佉字而作大色引其毒氣從筒內降入前人口中,遍入其身,仍誦佉字勿絕。一團既入縛,想一團從晨至暮。其人中毒治法,行者至其人所,對面為除。除者如都收毒法,若損七人,行者身死,慎之。或存其毒筒柱,其飲食中亦得。若先相識者,彌易為之。若欲救者,先存姹字觀環其人心,若不爾,任遍身縱之。又法應畫一蛇,可長一尺已來。蛇口開中畫佉字,准日毒法作觀筒柱,蛇口內佉其引毒。佉與蛇口中佉相合,使引毒入蛇腹。每一團毒氣入,即想毒從蛇尾半寸已下便住變作毒,色青色也。想其蛇遍身毒滿,口銜佉字,及人觸犯蛇口在便咬之,當中毒。先以姹觀環其人支節,然令觸履蛇口。其作觀時,誦佉字勿絕。畫蛇時,誦入咬密言,為蛇自有毒故。但一食須作觀,即驗治,如都收毒法。迦樓羅療疔瘡法,先誦入指密言(亦名龍王歡喜密言):
まず、毒を降ろす密言を七遍唱えなさい。次に、二柱の龍王を想い浮かべます。その姿は蛇の体に馬の頭を持ち、常に日天子の車(日車)を牽き、その徳によって回転するものは大いなる毒を持ちます。また、毎度毒を加えたい時は、日の出の時に起きて、一つの青瑠璃の筒を観想し、二柱の龍王の口から直接、相手の人の口へと立てかけます。さらに、二柱の龍王の口から毒気が吐き出されるのを観想します。その毒気は青色で、大きさは十ほどあり、一つの「佉」の字があって大いなる色をなし、その毒気を筒の中から引き、相手の人の口の中へ降ろし入れ、その身中に遍く行き渡らせます。その間、「佉」の字を唱えるのを絶やしてはなりません。一団の毒気が入り縛られたなら、その一団を朝から夕まで想い続けなさい。
人が毒に中った時の治法は、行者がその人のもとへ行き、対面して除くことです。除く方法は、すべての毒を収める法と同じです。もし七人を損なえば、行者自身が命を落とします。慎みなさい。あるいは、その毒の筒を立てかけ、その飲食の中へ入れることもできます。もし以前から面識があれば、なおさら容易に行えます。
救おうとするなら、まず「姹」の字を観想し、その人の心を環らせます。もしそうしなければ、全身に任せて放っておきなさい。
別の法として、一匹の蛇を描きます。長さは一尺ほどがよいでしょう。蛇の口を開き、その中に「佉」の字を描き、日毒の法に準じて筒を立てかける観想を行い、蛇の口の中の「佉」の字で毒を引き寄せます。「佉」の字と蛇の口の中の「佉」の字とが合わさり、毒を蛇の腹の中へ引き入れます。一団の毒気が入るごとに、毒が蛇の尾から半寸ほど下で留まり、毒に変わるのを想いなさい。色は青色です。その蛇が全身に毒で満ち、口に「佉」の字を銜え、人が触れて蛇の口に犯せば、たちまち咬みつき、毒に中ると想いなさい。まず「姹」の字で観想し、その人の四肢関節を環らせ、それから蛇の口に触れ踏ませなさい。観想を行う時は、「佉」の字を唱えるのを絶やしてはなりません。蛇を描く時は、咬みつく密言を唱えます。蛇は元々毒を持つからです。ただ一度、食事の際に観想を行えば、すぐに効験があり、すべての毒を収める法のように治します。
迦楼羅が疔瘡を療する法は、まず指へ入れる密言(龍王歓喜密言ともいう)を唱えます:
阿(去)伽闡覩(一)摩訶那伽(引)(二)半曩伽室者(二合)摩訶尾沙(引)伽魯荼寫(四)伊上滿尾念(五)呬哩呬哩(二合)麼鐙𣝅儞(七)莎嚩訶
若療一切疔瘡腫者,先想己身一如迦樓羅形,又於左手頭指頭想跛水觀,龍王阿難陀通身白色在水中。唵火觀在中指,龍王嚩素枳黃色在火中。娑嚩(二合)風觀在名指,龍王德迦叉也(二合)迦作黑色在風中。訶空觀在小指,龍王迦羅俱擿迦作黑色在空中。其右手頭指及中名小指等四大觀一同於左,乃於頭指想龍王跛娜奔紅蓮花色在水中,於中指龍王摩訶跛娜荼淺紅色在火中,於名指龍王鉤佉播攞綠色處中,小指龍王俱力迦作五綵虎珀色在虛空中。二大指佉使地觀,惹也在右大指,尾惹也在左大指。如前分明存想訖,乃以召龍王密言迦持其指一遍,然聚十指頭,以入指密言迦持三遍,遂結跛迦叉印,觀姹字環其人心以,即向上虛扇之,誦佉字,念其大印,即本尊翅也。今扇其腫令遍其人身,須臾之間腫遍其體,彼當悶亂而倒。療法,想其右手指中龍天並入右手內,雖移入左亦勿離同類指及本觀之內。乃結迦羅印,誦迦樓羅印心密言,以訶字空觀,從彼頂上趁之即差。
もし一切の腫れ物やできものを治療するならば、まず自分の体を迦楼羅(かるら)の姿のように思い描きなさい。また左手の人差し指の先に、水の観想を思い浮かべます。龍王の阿難陀(あなんだ)は全身白く、水中にいます。唵(おん)の火の観想は中指にあり、龍王の嚩素枳(ばそき)は黄色く、火の中にいます。娑嚩(そわ)の風の観想は薬指にあり、龍王の德叉迦(とくしゃか)は黒色で、風の中にいます。訶(か)の空の観想は小指にあり、龍王の迦羅俱擿迦(からくちか)は黒色で、空中にいます。
右手の人差し指、中指、薬指、小指の四大観想は、左手と同じです。ただし人差し指には龍王の跛娜奔(はなぼん)を紅蓮の花色で水中に思い描き、中指には龍王の摩訶跛娜荼(まかはなだ)を浅紅色で火の中に、薬指には龍王の鉤佉播攞(くきゃくはら)を緑色で風の中に、小指には龍王の俱力迦(くりか)を五色の琥珀色で虚空中に思い描きます。
両手の親指は地の観想です。惹也(じゃや)は右の親指に、尾惹也(びじゃや)は左の親指にあります。前述のように明確に思い描き終えたら、龍王を召喚する真言で指を一度加持し、次に十本の指先を集めて入指の真言で三度加持します。その後、跛迦叉印(はかしゃいん)を結び、姹字(ちゃじ)を観想してその人の周りを囲み、すぐに上に向かって扇ぎます。佉字(きゃじ)を唱え、大印を念じます。これが本尊の翼です。
今、その腫れを扇いでその人の全身に行き渡らせます。しばらくすると腫れが体中に広がり、その人は悶絶して倒れます。治療法としては、右手の指の中の龍天たちがすべて右手の中に入るのを思い描きます。左手に移しても、同じ種類の指や本来の観想から離れてはいけません。そして迦羅印(からいん)を結び、迦楼羅印の心の真言を唱え、訶字(かじ)の空の観想で、その人の頭の上から追い払えば、すぐに治ります。
迦樓羅自眼藥法。若欲自眼毒者,相一姹觀環腰一環、心一環、頂一環、額二膝各一環、二足二手腕二腿根二扇亦然。如是觀行畢乃服之,毒氣自銷當亦無苦。凡迦樓羅收毒法,攬取擲向傍人身上,其人即中毒;療病亦同。如此轉移,得五六人乃至多人,遂散在宣中其毒銷滅。移六畜等上亦隨意,其療法一如救人;若移向樹木等上,彼即枯瘁。
迦楼羅の自眼薬の法。もし自ら眼の毒を治そうとするならば、一つの輪を腰に、一つの輪を心に、一つの輪を頂に、二つの輪を額に、両膝にそれぞれ一つの輪、両足、両手首、両腿の付け根、両脇にも同様に輪を観想せよ。このように観想を終えてから薬を服すれば、毒気は自然に消え、苦痛もなくなるであろう。凡そ迦楼羅が毒を収める法は、毒を掬い取って傍らの人の身上に投げつければ、その人は直ちに中毒する。病を治すのも同じである。このように転移させて、五六人あるいは多くの人に及べば、遂には広く世の中に散らばり、その毒は消滅する。家畜などに移すことも自由であり、その治療法は人を救うのと全く同じである。もし樹木などに移せば、それは枯れてしまう。
又法若六畜及傍生之累有病者,如法療之即差。
また、家畜や傍生の病む者があれば、正しい方法で治療すれば、たちまちに癒える。
又法若依前自中毒法布五大觀,以賀空從頂趁毒令下亦得。若倒布五大,以賀空從足向上趁亦得。想其毒於一處支節中出,或諸處出皆隨意。若病輕者,當無所苦。若病狀重者,毒出之處當微損其支節,勿怪。若有黃水或諸惡汁出者,此其毒也。
また、法として、もし先に述べた自中毒の法に従い五大を観想し、賀空(ハーカ)の力で頂から毒を追い下ろしてもよい。もし逆に五大を観想し、賀空の力で足から上へ毒を追い上げてもよい。その毒が一箇所の関節から出るか、あるいは様々な箇所から出るかは、意のままに想うこと。もし病が軽ければ、苦痛はないはずである。もし病状が重ければ、毒が出る箇所の関節はわずかに損傷するかもしれないが、驚かないこと。もし黄水や様々な悪い汁が出たなら、それは毒である。
又收毒法。
また、毒を収める法。
每用迦樓羅心密言,密言一遍一度以手印虛撮,擲之亦得,然不知審。作五大觀已,除以手印存賀字空,隨印趁之,隨手而愈;欲畢,急撮擲之,隨心而出。凡作法,先須結界護身已,乃凝神閉目內作觀之。既成已,如人畫字,一畫之後便可行用,此一如之,經一觀之後便可用。若徐以神視久久,覩所修之觀療病大驗,不見亦得。又密言雖多,其成事者在於字觀,寧作觀而無密言,不可空誦密言而不作觀法也。
迦楼羅心の真言を用いるたびに、真言を一度唱えるごとに印を結び、虚空をつまんで投げることもできますが、その詳細はわかりません。
五大の観想を終えた後、手印を結び「カ」の字を虚空に想い、印に従って追い払うと、手を動かすだけで病が癒えます。終わるときは、急いでつまんで投げると、心のままに病が去ります。
すべての作法では、まず結界を結び身を護った後、精神を集中し目を閉じて内に観想を行います。一度完成すれば、人が字を書くように、一画描いた後すぐに使えるようになります。この観想も同じで、一度観想すればすぐに用いることができます。ゆっくりと精神を凝らして長く見つめれば、修めた観想によって病を癒す大きな効果が現れますが、見えなくても構いません。
また、真言は数多くありますが、事を成し遂げるのは字の観想にあります。むしろ観想を行って真言を唱えない方が、ただ真言を空しく唱えるだけで観想法を行わないより良いのです。