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仏説大乗荘厳宝王経 (佛說大乘莊嚴寶王經)


佛說大乘莊嚴寶王經卷第四

仏説大乗荘厳宝王経 巻第四

西天中印度惹爛馱囉國密林寺三藏賜紫沙門臣天息災奉 詔譯

西天中印度ランダ国の密林寺にて、紫衣を賜りし三蔵法師、臣天息災が詔により訳す

爾時除蓋障菩薩而白佛言:「世尊!我今云何得是六字大明陀羅尼?若得彼者,不可思議無量禪定相應,即同得阿耨多羅三藐三菩提,入解脫門、見涅盤地,貪瞋永滅、法藏圓滿,破壞五趣輪迴、淨諸地獄,斷除煩惱、救度傍生,圓滿法味、一切智智演說無盡。世尊!我須是六字大明陀羅尼。我為此故,以四大洲滿中七寶布施以為書寫。世尊!若乏紙筆!我刺身血以為墨、剝皮為紙、析骨為筆。如是,世尊!我無悔悋,尊重如我父母。」

その時、除蓋障菩薩が仏に申し上げました。 「世尊よ、私はどうしたらこの六字大明陀羅尼を得ることができるでしょうか。もしそれを得ることができれば、計り知れない無量の禅定と相応し、阿耨多羅三藐三菩提を得たのと同じとなり、解脱の門に入り、涅槃の地を見ることができます。貪りと怒りは永遠に滅び、法蔵は円満し、五趣の輪廻を破壊し、あらゆる地獄を清め、煩悩を断ち切り、傍生を救い度し、法味を円満させ、一切智智が尽きることなく演説されるでしょう。世尊よ、私はこの六字大明陀羅尼を必要としています。このために、四大洲に満ちる七宝を布施として捧げ、書写の料としたいと思います。世尊よ、もし紙や筆が不足するならば、私は身の血を刺して墨とし、皮を剥いで紙とし、骨を折って筆としましょう。このように、世尊よ、私は少しも惜しむことなく、父母を敬うように尊重いたします。」

爾時佛告除蓋障菩薩言:「善男子!我念過去世時,為此六字大明陀羅尼,遍歷如微塵數世界,我供養無數百千萬俱胝那庾多如來,我當於彼諸如來處,不得而亦不聞。時世有佛,名寶上如來、應供、正遍知、明行足、善逝、世間解、無上士、調御丈夫、天人師、佛、世尊,我當於彼佛前涕淚悲泣。時彼如來應正等覺言:『善男子!汝去,勿應悲泣。善男子!汝往到彼,見蓮華上如來應正等覺在於彼處,彼佛知是六字大明陀羅尼。』善男子!我當辭離寶上如來所,往詣蓮華上如來佛剎。到已,頂禮佛足合掌在前:『唯願世尊與我六字大明陀羅尼。彼真言王,一切本母。憶念其名,罪垢消除、疾證菩提。為於此故,我今疲困。我往無數世界而不能得,今迴來於此處。』

その時、仏は除蓋障菩薩に告げられた。 「善男子よ、私は過去世を思い起こす。 この六字大明陀羅尼を求めて、微塵の数ほどの世界を遍く巡り歩いた。 私は数えきれないほどの百千万億の如来に供養を捧げたが、その方々の御前では、この陀羅尼を得ることも、聞くこともできなかった。 その時代に、宝上如来という仏がおられた。応供・正遍知・明行足・善逝・世間解・無上士・調御丈夫・天人師・仏・世尊である。 私はその仏の御前で涙を流し、悲しみ嘆いた。 すると、その如来応正等覚は言われた。 『善男子よ、行きなさい。悲しみ嘆くことはない。 善男子よ、そなたはあちらへ行きなさい。蓮華上如来応正等覚がそこにおられるのを見るがよい。その仏は、この六字大明陀羅尼をご存知である』 善男子よ、私は宝上如来の御許を辞し、蓮華上如来の仏国土へと赴いた。 到着すると、仏足を頂礼し、合掌して御前に進み出て言った。 『どうか世尊、私に六字大明陀羅尼をお授けください。 その真言の王、一切の根本たる母なる御言葉を。 その御名を憶念するならば、罪の垢は消え去り、速やかに菩提を証することができます。 この御言葉を求めるがゆえに、私は今、疲れ果てています。 数えきれぬ世界を巡り歩いたにもかかわらず、得ることができず、今この場所に戻ってまいりました』」

「是時蓮華上如來即說此六字大明陀羅尼功德言:『善男子!所有微塵,我能數其數量。善男子!若有念此六字大明陀羅尼一遍,所獲功德而我不能數其數量。善男子!又如大海所有沙數,我能數其一一數量。善男子?若念六字大明一遍所獲功德,而我不能數其數量。善男子!又如天人造立倉廩,周一千踰繕那、高一百踰繕那,貯積脂麻盈滿其中而無容針。彼守護者不老不死,過於百劫擲其一粒脂麻在外,如是倉內擲盡無餘,我能數其數量。善男子!若念六字大明一遍所獲功德,而我不能數其數量。善男子!又如四大洲種植種種穀麥等物,龍王降澍雨澤以時,所植之物悉皆成熟,收刈俱畢。以南贍部洲而為其場,以車乘等般運場所,治踐俱畢都成大聚。善男子!如是我能數其一一粒數。善男子!若念此六字大明一遍所獲功德,我則不能數其數量。善男子!此南贍部洲所有大河晝夜流注,所謂枲多河、弶誐河、焰母那河、嚩芻河、設多嚕㮈囉(二合)河、贊㮈囉(二合)婆蘖河、愛囉嚩底河、蘇摩誐馱河、呬摩河迦攞戍那哩河。此一一河各有五千眷屬小河,於其晝夜流入大海。如是,善男子!彼等大河我能數其一一滴數。善男子!若念此六字大明一遍所獲功德,而我不能數其數量。善男子!又如四大洲所有四足有情,師子象馬、野牛水牛、虎狼猴鹿、羖羊犲兔。如是等四足之類,我能數其一一毛數。善男子!若念六字大明一遍所獲功德,而我不能數其數量。善男子!又如金剛鉤山王,高九萬九千踰繕那、下八萬四千踰繕那。彼金剛鉤山王,方面各八萬四千踰繕那。彼山有人不老不死,經於一劫旋遶彼山而得一匝。如是山王,我以憍尸迦衣,我能拂盡無餘。若有念此六字大明一遍所獲功德,而我不能說盡數量。善男子!又如大海深八萬四千踰繕那,穴口廣闊無量,我能以一毛端滴盡無餘。善男子!若有念此六字大明一遍所獲功德,而我不能說盡數量。善男子!又如大尸利沙樹林,我能數盡一一葉數。善男子!若有念此六字大明一遍所獲功德,而我不能說盡數量。善男子!又如滿四大洲所住男子女人童子童女,如是一切皆得七地菩薩之位,彼菩薩眾所有功德,與念六字大明一遍功德而無有異。善男子!又如除十二月年遇閏一十三月,以餘閏月算數為年,足滿天上一劫,於其晝夜常降大雨。善男子!如是我能數其一一滴數。若有念此六字大明陀羅尼一遍,功德數量甚多於彼。於意云何?善男子!又如一俱胝數如來在於一處,經天一劫,以衣服飲食座臥敷具,及以湯藥受用資具種種供養彼諸如來,而亦不能數盡六字大明功德數量。非唯我今在此世界,我起定中不可思議。善男子!此法微妙加行觀智一切相應,汝於未來當得是微妙心法。彼觀自在菩薩摩訶薩,善住如是六字大明陀羅尼。』善男子!我以加行遍歷無數百千萬俱胝那庾多世界,到彼無量壽如來所,在前合掌,為於法故涕泣流淚。時無量壽如來知我見在及以未來,而告我言:『善男子!汝須此六字大明王觀行瑜伽耶?』我時白言:『我須是法。世尊!我須是法。善逝!如渴乏者而須其水。世尊!我為是六字大明陀羅尼故,行無數世界,承事供養無數百千萬俱胝那庾多如來,未曾得是六字大明王陀羅尼。唯願世尊救我愚鈍,如不具足者令得具足,迷失路者引示道路,陽炎熱為作蔭覆,於四衢道植娑羅樹。我心渴仰是法,唯願示導,令得善住究竟之道,擐金剛甲冑。』是時無量壽如來應正等覺,以迦陵頻伽音聲,告觀自在菩薩摩訶薩言:『善男子!汝見是蓮華上如來應正等覺,為此六字大明陀羅尼故,遍歷無數百千萬俱胝那庾多世界。善男子!汝應與是六字大明,此如來為是故來於此。』觀自在菩薩白世尊言:『不見曼拏攞者,不能得此法,云何知是蓮華印?云何知是持摩尼印?云何知是一切王印?云何知是曼拏攞清淨體?今此曼拏攞相,周圍四方方各五肘量,中心曼拏攞安立無量壽,粉布應用因捺囉(二合)禰攞寶粖、鉢訥麼(二合)囉(引)誐寶粖、摩囉揭多寶粖、玻胝迦寶粖、蘇嚩囉拏(二合)嚕(引)播寶粖。於無量壽如來右邊,安持大摩尼寶菩薩。於佛左邊,安六字大明,四臂肉色白如月色,種種寶莊嚴。左手持蓮華,於蓮華上安摩尼寶。右手持數珠。下二手結一切王印。於六字大明足下安天人,種種莊嚴。右手執香爐。左手掌鉢滿盛諸寶。於曼拏攞四角列四大天王,執持種種器仗。於曼拏攞外四角安四賢瓶,滿盛種種摩尼之寶。若有善男子善女人欲入是曼拏攞者,所有眷屬不及入是曼拏攞中,但書其名,彼先入者擲彼眷屬名字入於曼拏攞中,彼諸眷屬皆得菩薩之位,於其人中離諸苦惱,速疾證得阿耨多羅三藐三菩提。彼阿闍梨不得妄傳,若有方便善巧深信大乘加行志求解脫,如是之人應與;不應與外道異見。』是時無量壽如來應正等覺告觀自在菩薩摩訶薩言:『善男子!若有如是五種色寶粖,當得建置是曼拏攞。若善男子善女人,貧匱不能辦是寶粖者云何?』觀自在白言:『世尊!當以方便用種種顏色而作,以種種香花等供養。若善男子而亦不辦,或寄旅停或在道行時,阿闍梨運意想成曼拏攞,結阿闍梨印相。』是時蓮華上如來應正等覺告觀自在菩薩言:『善男子!與我說是六字大明王陀羅尼,我為無數百千萬俱胝那庾多有情,令離輪迴苦惱、速疾證得阿耨多羅三藐三菩提故。』是時觀自在菩薩摩訶薩與蓮華上如來應正等覺說是六字大明陀羅尼曰:

時に蓮華上如来(れんげじょうにょらい)は、この六字大明陀羅尼(ろくじだいみょうだらに)の功徳(くどく)を説いて仰せになった。

「善男子(ぜんなんし)よ、あらゆる微塵(みじん)の数は、わたしが数え尽くすことができる。しかし、この六字大明陀羅尼を一度唱えた者が得る功徳は、わたしも数え尽くせないのである。

善男子よ、また大海にある砂の一粒一粒を、わたしは数え尽くすことができる。しかし、六字大明を一度唱えた功徳は、わたしにも数え尽くせない。

善男子よ、また天人が倉庫を建て、その周囲は一千由旬(ゆじゅん)、高さは百由旬で、胡麻(ごま)を満たして針の立つ隙もないとする。それを守る者は老いも死もせず、百劫(こう)の間、一粒ずつ外に投げ出し、ついに倉が空になっても、その数をわたしは数えられるであろう。しかし善男子よ、六字大明を一度唱えた功徳は、わたしにも数え尽くせない。

善男子よ、また四大洲(しだいしゅう)に様々な穀物を植え、竜王が時季に合わせて雨を降らせ、すべてが実り、刈り入れが終わる。南瞻部洲(なんせんぶしゅう)を打ち場とし、車などで運び集め、打ち終えて大きな山とした時、その一粒一粒をわたしは数えられるであろう。しかし善男子よ、この六字大明を一度唱えた功徳は、わたしにも数え尽くせないのである。

善男子よ、この南瞻部洲にある大河、すなわちシトゥー河、ガンガー河、ヤムナー河、パクシュ河、シェートゥローダラ河、チャンドラバーガー河、アイラヴァティー河、ソーマガダー河、ヒーマ河、ケーラシュノーリー河――これらの川は昼夜流れ、それぞれ五千の支流を伴って海に注ぐ。それらの一滴一滴も、わたしは数えることができる。しかし、六字大明を一度唱えた功徳は、わたしにも数え尽くせない。

善男子よ、また四大洲にいる四足の有情(うじょう)――獅子、象、馬、野牛、水牛、虎、狼、猿、鹿、牡羊、豺(やまいぬ)、兎など、その一筋の毛をさえ、わたしは数え尽くせる。しかし、六字大明を一度唱えた功徳は、わたしにも数え尽くせないのである。

善男子よ、また金剛鉤山王(こんごうこうさんおう)は、高さ九万九千由旬、下の広がり八万四千由旬、各方面も八万四千由旬ある。その山に人がいて、老いも死もせず、一劫(こう)の間かけて山を一周するとする。その山王を、わたしはカウシカの衣で拭い去ることもできる。しかし、この六字大明を一度唱えた功徳は、わたしに語り尽くせない。

善男子よ、また大海は深さ八万四千由旬、その入口は無量に広い。わたしはその水を毛の先で一滴残らず汲み尽くすこともできる。しかし、この六字大明を一度唱えた者の功徳は、わたしに語り尽くせない。

善男子よ、また大尸利沙樹林(だいしりしゃじゅりん)の葉の一枚一枚を、わたしは数え尽くせる。しかし、この六字大明を一度唱えた功徳は、わたしに語り尽くせない。

善男子よ、また四大洲に住むすべての男女・童子・童女が、皆、七地の菩薩の位を得るとして、その菩薩たちの功徳の総和は、六字大明を一度唱えた功徳と等しい。

善男子よ、また十二月の年から閏月を加えた十三月を一年とし、それを天上一劫の間、昼夜絶え間なく大雨を降らせたとする。その雨の一滴一滴を、わたしは数えられる。しかし、この六字大明陀羅尼を一度唱えた者の功徳は、それよりもなお多いのである。これをどう思うか。

善男子よ、また一万億(くてい)もの如来が一か所に集い、天上一劫の間、衣服・飲食・寝具・薬湯などありとあらゆる供物で供養されようとも、六字大明の功徳の量を数え尽くすことはできない。わたしが今ここで語るのは、その入定(にゅうじょう)の中からであって、不可思議である。

善男子よ、この法は微妙であり、加行(けぎょう)・観智(かんち)にすべて対応している。あなたは未来に、この微妙な心の法を得るであろう。かの観自在菩薩摩訶薩(かんじざいぼさつまかさつ)は、この六字大明陀羅尼に善く住しているのだ。」

善男子よ、わたしは加行によって、無数の百千万億那由多(なゆた)の世界を巡り、かの無量寿如来(むりょうじゅにょらい)のもとへ至り、合掌して、法のゆえに涙を流した。その時、無量寿如来は、わたしの現在と未来とを見通して仰せられた。「善男子よ、汝はこの六字大明王の観行瑜伽(かんぎょうゆが)を求めるのか。」

わたしは申し上げた。「わたくしはこの法を求めます。世尊よ、わたくしはこの法を求めます。善逝(ぜんぜい)よ、渇いた者が水を求めるように。世尊よ、わたしはこの六字大明陀羅尼のために無数の世界を巡り、無数の百千万億那由多の如来に仕え供養してきましたが、いまだこの六字大明王陀羅尼を得ることができませんでした。どうか世尊よ、愚かなわたしをお救いください。欠けたる者に備えを与え、道に迷う者に道を示し、陽炎の熱さに蔭を与え、四辻に沙羅の木を植えるように。この法を心から渇仰しています。どうか導き示し、善く安住する究極の道を得させてください。金剛の甲冑を身に着けさせてください。」

その時、無量寿如来・応供・正等覚(しょうとうがく)は、迦陵頻伽(かりょうびんが)の声で、観自在菩薩摩訶薩に告げられた。「善男子よ、汝はこの蓮華上如来・応供・正等覚を見ている。彼はこの六字大明陀羅尼のために、無数の百千万億那由多の世界を巡ってきたのだ。善男子よ、汝はこの六字大明を与えなさい。この如来は、そのためにここに来たのである。」

観自在菩薩が世尊に申し上げた。「マンダラ(曼荼羅)を見たことのない者は、この法を得ることができません。どうして蓮華印を知りましょう。どうして摩尼宝印を知りましょう。どうして一切王印を知りましょう。どうしてマンダラの清らかな体を知りましょう。今、このマンダラの形は、周囲一辺が五肘(ひじ)の正方形。中心に無量寿如来を安置し、敷くには、因捺羅禰攞(インドラニーラ)宝の粉末、鉢訥麼囉誐宝の粉末、摩囉掲多(マラガタ)宝の粉末、玻胝迦(スファティカ)宝の粉末、蘇嚩囉拏嚕播(スヴァルナ・ルーパ)宝の粉末を用います。

無量寿如来の右には、大摩尼宝菩薩を置き、左には六字大明を置きます。六字大明は四臂(しひ)で、肌色は月のように白く、様々な宝で飾られています。左手には蓮華を持ち、その上に摩尼宝を載せます。右手には数珠を持ち、下の二本の手では一切王印を結びます。六字大明の足元には天人を置き、様々な荘厳を施し、右手に香炉、左手に宝を満たした鉢を持ちます。マンダラの四隅には四大天王を立て、様々な武器を持たせます。マンダラの外側の四隅には四つの賢瓶(けんぺい)を置き、様々な摩尼宝を満たします。

善男子・善女人で、このマンダラに入ろうとする者がいても、その家族が皆、マンダラの中に入れない時は、その名前を書き、先に入る者がその名前をマンダラの中に投げ入れれば、その家族も皆、菩薩の位を得、苦悩を離れ、速やかに阿耨多羅三藐三菩提(あのくたらさんみゃくさんぼだい)を証することができます。

その阿闍梨(あじゃり)は、みだりに伝えてはなりません。もし方便あり、善巧あり、大乗を深く信じ、修行によって解脱を志す者こそ、これに与えるべきであり、外道や異見の者には与えてはなりません。」

その時、無量寿如来・応供・正等覚が観自在菩薩摩訶薩に告げられた。「善男子よ、もしこの五種の色宝の粉末があれば、このマンダラを建立すべきである。しかし、もし善男子・善女人が貧しくて、この宝の粉末を用意できない時は、どうすればよいのか。」

観自在菩薩が申し上げた。「世尊よ、その時は方便として、様々な色の材料で代用し、様々な香や花などで供養するべきです。それができないならば、旅先や道中であれば、阿闍梨が心の中でマンダラを観想し、阿闍梨印を結ぶのです。」

その時、蓮華上如来・応供・正等覚は、観自在菩薩に告げられた。「善男子よ、わたしにこの六字大明王陀羅尼を説きなさい。わたしは無数の百千万億那由他の有情を、輪廻の苦悩から救い、速やかに阿耨多羅三藐三菩提を証させたいからである。」

その時、観自在菩薩摩訶薩は、蓮華上如来・応供・正等覚のために、この六字大明陀羅尼を説いた。

「『唵(引)麼抳鉢 訥銘(二合)吽(引)』

「オーン・マニ・パドメー・フーム」

「當說此六字大明陀羅尼時,此四大洲并諸天宮悉皆震搖如芭蕉葉,四大海水波浪騰湧,一切尾那野迦、藥叉、囉剎娑、拱伴拏、摩賀迦攞等,并諸眷屬諸魔作障者,悉皆怖散馳走。

この六字大明陀羅尼が説かれたとき、四つの大陸とすべての天界の宮殿は、まるで芭蕉の葉のように揺れ動きました。四方の大海は波が逆巻き、すべてのヴィナーヤカ(障害を起こす精霊)、ヤクシャ(夜叉)、ラークシャサ(羅刹)、クンバーンダ(拱伴拏)、マハーカーラ(摩賀迦攞)など、それらの眷属であり障害を起こす魔物たちは、皆、恐れおののいて逃げ散りました。

「爾時蓮華上如來應正等覺舒如象王鼻臂,授與觀自在菩薩摩訶薩價直百千真珠瓔珞以用供養。觀自在菩薩既受得已,持奉上彼無量壽如來應正等覺。彼佛受已,還持奉上蓮華上如來。而於是時蓮華上佛既受得是六字大明陀羅尼已,而還復彼蓮華上世界中。如是,善男子!我於往昔之時,於彼蓮華上如來應正等覺所得聞是陀羅尼。」

その時、蓮華上如来(応供・正等覚)は、象の王の鼻のように長く伸ばしたその腕をもって、観自在菩薩摩訶薩に、百千の真珠の瓔珞(ようらく)を授け、供養とされました。観自在菩薩はそれを受け取ると、無量寿如来(応供・正等覚)に差し上げました。かの仏はそれを受け取られると、再び蓮華上如来に差し上げました。そしてその時、蓮華上如来はこの六字大明陀羅尼を受け取られると、自らの蓮華上の世界に還って行かれました。このように、善男子よ、私はかつて、その蓮華上如来(応供・正等覚)のもとで、この陀羅尼を聞いたのです。

爾時除蓋障菩薩而白佛言:「世尊!令我云何得是六字大明陀羅尼。世尊!如是相應甘露德味充滿。世尊!我若得聞是陀羅尼,而無懈惓,心念思惟而能受持,令諸有情而得聞是六字大明陀羅尼,獲大功德。願為宣說。」

その時、除蓋障菩薩が仏に申し上げました。

「世尊よ、どうすれば私はこの六字大明陀羅尼を得ることができるでしょうか。世尊よ、このような相応の甘露の徳味に満ちた教えを。世尊よ、もし私がこの陀羅尼を聞くことができ、倦むことなく心に念じ、思惟し、受持することができ、すべての有情がこの六字大明陀羅尼を聞くことができ、大いなる功徳を得られるならば。どうかお説きください。」

佛告善男子:「若有人書寫此六字大明陀羅尼者,則同書寫八萬四千法藏而無有異。若有人以天金寶造作如微塵數如來應正等覺形像。如是作已,而於一日慶讚供養所獲果報,不如書寫此六字大明陀羅尼中一字所獲果報功德不可思議、善住解脫。若善男子善女人依法念此六字大明陀羅尼者,是人當得三摩地,所謂持摩尼寶三摩地、廣博三摩地、清淨地獄傍生三摩地、金剛甲冑三摩地、妙足平滿三摩地、入諸方便三摩地、入諸法三摩地、觀莊嚴三摩地、法車聲三摩地、遠離貪瞋癡三摩地、無邊際三摩地、六波羅蜜多門三摩地、持大妙高三摩地、救諸怖畏三摩地、現諸佛剎三摩地、觀察諸佛三摩地,得如是等一百八三摩地。」是時除蓋障菩薩白佛言:「世尊!我今為於何處令我得是六字大明陀羅尼?願為宣示。」

仏は善男子に告げられた。「もし誰かが、この六字大明陀羅尼を書き写すならば、それは八万四千の法蔵を書き写すのと同じであり、何らの差異もない。もし誰かが天の金銀珠宝で、微塵の数ほどの如来・応供・正等覚者の像を作り、そのようにして一日のうちに慶讃し供養して得る果報よりも、この六字大明陀羅尼のうちの一字を書き写して得る果報の功徳は、はかり知れず、善住解脱に勝る。もし善男子・善女人が、法のままにこの六字大明陀羅尼を念じるならば、その人は三摩地を得るであろう。すなわち、摩尼宝を持する三摩地、広博なる三摩地、清浄なる地獄・傍生の三摩地、金剛の甲冑の三摩地、妙足平満の三摩地、諸々の方便に入る三摩地、諸々の法に入る三摩地、荘厳を観ずる三摩地、法車の声の三摩地、貪・瞋・癡を遠離する三摩地、無辺際の三摩地、六波羅蜜多門の三摩地、大妙高を持する三摩地、諸々の怖畏を救う三摩地、諸仏の仏刹を現ずる三摩地、諸仏を観察する三摩地、これらのような一百八の三摩地を得るのである。」

その時、除蓋障菩薩が仏に申し上げた。「世尊よ。私は今、どこにおいてこの六字大明陀羅尼を得ることができるのでしょうか。どうかお示しください。」

佛告善男子:「於波羅奈大城有一法師,而常作意受持課誦六字大明陀羅尼。」白世尊言:「我今欲往波羅奈大城,見彼法師禮拜供養。」佛言:「善哉善哉!善男子!彼法師者難得值遇,能受持是六字大明陀羅尼,見彼法師同見如來無異,如見功德聖地,又如見福德之聚,如見珍寶之積,如見施願如意摩尼珠,如見法藏如見救世者。善男子!汝若見彼法師,不得生其輕慢疑慮之心,善男子!恐退失汝菩薩之地,反受沈淪。彼之法師戒行缺犯而有妻子,大小便利觸污袈裟,無有威儀。」

釈尊は告げられた。「善男子よ、バラナシの大都会に一人の法師がいる。その人は常に心を込めて、六字大明陀羅尼を受持し、読誦している。」その者が世尊に申し上げた。「私は今、バラナシの大都会に赴き、その法師にお目にかかり、礼拝し、供養したいと願います。」仏はおっしゃった。「善きかな、善きかな。善男子よ、その法師に出会うことは難しく、彼はこの六字大明陀羅尼を受持している。その法師を見ることは、如来を見るのと異ならない。功徳の聖地を見るが如く、また福徳の集まりを見るが如く、宝の積み重ねを見るが如く、願いを施す如意摩尼宝珠を見るが如く、法の宝庫を見るが如く、世を救う者を見るが如くである。善男子よ、汝、もしその法師を見たら、軽んじたり疑ったりする心を起こしてはならない。善男子よ、おそらく汝の菩薩の境地を退失し、かえって沈み苦しむことになろう。その法師は戒律を欠いて犯すこともあり、妻子を持ち、大小の便が袈裟を汚し、威儀も備わっていないとしても。」

爾時除蓋障白世尊言:「如佛教勅。」於是除蓋障菩薩與無數菩薩出家之眾、長者、童子童女擁從,欲興供養,持其天蓋及諸供具寶冠珥璫、莊嚴瓔珞指鐶寶釧、憍尸迦等衣服繒綵臥具。復有種種妙華,所謂優鉢羅華、矩母那華、奔拏哩(引)迦華、曼那囉華、摩訶曼那囉華、曼殊沙華、摩訶曼殊沙華、優曇鉢羅華。復有種種樹華,瞻波迦華、迦囉尾囉華、波吒攞華、阿底目訖多(二合)迦華、嚩㗚史(二合)迦(引)設華、君(去)哆華、蘇摩娜華、麼哩迦(引)華,而有鴛鴦白鶴舍利飛騰而隨。復有百種葉,青黃赤白紅玻胝迦等色。復有種種珍果。持如是等供養之物,往波羅奈大城,詣法師所。到已,頭面禮足,雖見彼法師戒行缺犯無有威儀,以所持繖蓋供具香華衣服莊嚴物等大興供養畢已,合掌住彼法師前言:「大法藏是甘露味藏、是甚深法海,由如虛空,一切之人聽汝說法。天、龍、藥叉、彥達嚩、阿蘇囉、誐嚕拏、摩護囉蘖、人非人等,於汝說法之時,一切皆來聽汝說法。如大金剛,令諸有情解脫纏縛輪迴之報。彼等有情獲斯福德。此波羅奈大城所住之人,常見汝故,諸罪悉滅,猶如於火焚燒林木。如來應正等覺了知於汝,今有無數百千萬俱胝那庾多菩薩來詣於汝興供養事。大梵天王、那羅延天、大自在天、日天、月天、風天、水天、火天、閻魔法王,并四大天王皆來供養。」是時法師白言:「善男子!汝為戲耶?為實有所求?聖者為於世間斷除輪迴煩惱耶?善男子!若有得此六字大明王陀羅尼者,是人貪瞋癡三毒不能染污,猶如紫磨金寶,塵垢不可染著。如是,善男子!此六字大明陀羅尼,若有戴持在身中者,是人亦不染著貪瞋癡病。」爾時除蓋障菩薩執於彼足白言:「未具明眼,迷失妙道,誰為引導?我今渴法,願濟法味。今我未得無上正等菩提,令善安住菩提法種,色身清淨眾善不壞,令諸有情皆得是法。」眾人說言:「勿懷悋惜。唯願法師與我六字大明王法,令於我等速得阿耨多羅三藐三菩提,當轉十二法輪救度一切有情輪迴苦惱。此大明王法昔所未聞,今令我得六字大明王陀羅尼,無救無依為作恃怙,闇夜之中為燃明炬。」時彼法師告言:「此六字大明王陀羅尼難得值遇,如彼金剛不可破壞,如見無上智、如無盡智、如如來清淨智、如入無上解脫,遠離貪瞋癡輪迴苦惱,如禪解脫三摩地三摩鉢底,如入一切法而於恒時聖眾愛樂。若有善男子於種種處,為求解脫遵奉種種外道法,所謂敬事帝釋、或事白衣、或事青衣、或事日天,或事大自在天、那羅延天,櫱嚕拏中裸形外道中,愛樂如是之處。彼等不得解脫無明虛妄,空得修行之名徒自疲勞。一切天眾,大梵天王、帝釋天主、那羅延天、大自在天、日天、月天、風天、水天、火天、閻魔法王、四大天王而於恒時云何求我六字大明王?彼等得我六字大明王,皆得解脫故。除蓋障!一切如來般若波羅蜜多母宣說如是六字大明王,一切如來應正等覺及菩薩眾而皆恭敬合掌作禮。善男子!此法於大乘中最上精純微妙。何以故?於諸大乘契經、應頌、授記、諷頌、譬喻、本生、方廣、希法、論議中得。善男子!獲斯本母,寂靜解脫何假多耶。猶如收精稻穀,於已舍宅器盛盈滿日曝令乾,擣治扇颺棄彼糠皮。何以故?為收精米。如是餘異瑜伽,如彼糠皮。於一切瑜伽中,此六字大明王如糠米見。善男子!菩薩為斯法故,行施波羅蜜多及持戒、忍辱、精進、靜慮、般若波羅蜜多。善男子!此六字大明王難得值遇,但念一遍,是人當得一切如來以衣服飲食湯藥及座臥等資具一切供養。」爾時除蓋障菩薩白法師言:「與我六字大明陀羅尼。」時彼法師正念思惟,而於虛空忽有聲云:「聖者!與是六字大明王。」時彼法師思惟:「是聲從何而出?」於虛空中復出聲云:「聖者!今此菩薩加行志求冥應,與是六字大明王矣。」時彼法師觀見虛空中蓮華手蓮華吉祥,如秋月色,髮髻寶冠頂戴,一切智殊妙莊嚴。見如是身相,法師告除蓋障言:「善男子!觀自在菩薩摩訶薩可令與汝六字大明王陀羅尼。汝應諦聽。」時彼合掌虔恭,聽是六字大明王陀羅尼曰:

その時、除蓋障菩薩が世尊に申し上げた。「仏の御教えのままに。」そこで除蓋障菩薩は、無数の菩薩、出家の僧侶、長者、童男、童女たちを従え、供養を捧げようとして、天蓋や様々な供物、宝冠、耳飾り、荘厳な瓔珞、指輪、腕輪、カウシェーヤ(高級な絹)などの衣服や寝具を携えた。また、様々な美しい花々―優鉢羅華(青蓮華)、矩母那華(黄蓮華)、奔拏哩迦華(紅蓮華)、曼那羅華(白蓮華)、摩訶曼那羅華、曼殊沙華、摩訶曼殊沙華、優曇鉢羅華(無花果の花)―もあった。さらに、様々な木の花―瞻波伽華(ジャスミン)、迦羅尾羅華、波吒羅華、阿底目訖多迦華、嚩㘑史迦華、君鵑華、蘇摩娜華、摩哩迦華―があり、鴛鴦や白鶴、舎利鳥(サギ)が飛び舞いながら従った。また、百種類の葉―青、黄、赤、白、紅、水晶のような色―や様々な珍しい果実もあった。これらを持って、波羅奈の大城にある法師の許へ向かった。

到着して、頭を法師の足に付けて礼をした。その法師は戒行に欠け威儀がなかったが、除蓋障菩薩は持参した傘蓋、供物、香華、衣服、装飾品などで大いに供養を捧げ終えると、合掌して法師の前に立ち、こう言った。「大法蔵は甘露味の蔵、甚深の法海であり、虚空の如くです。全ての人があなたの説法を聴いています。天、竜、薬叉、彦達嚩、阿蘇羅、誐嚕拏、摩護羅蘖、人非人等が、あなたの説法の時に、皆集まって聴いています。大きな金剛の如く、全ての有情を輪廻の束縛から解き放ちます。彼ら有情はこの福徳を得ます。この波羅奈の大城に住む人々は、あなたを常に見ることで、あらゆる罪が消え去り、まるで火が林を焼き尽くすかのようです。如来・応供・正等覚者はあなたを知り尽くしておられます。今、無数の百千万俱胝那由多の菩薩たちがあなたの許に来て供養しています。大梵天王、那羅延天、大自在天、日天、月天、風天、水天、火天、閻魔法王、そして四大天王も皆、供養に来ています。」

その時、法師が言った。「善男子よ、あなたは戯れで言っているのか? それとも本当に何かを求めているのか? 聖者は世の中から輪廻の煩悩を断ち切るために来たのか? 善男子よ、もしこの六字大明王陀羅尼を得た人がいれば、その人は貪欲・瞋恚・愚痴の三毒に染まることがありません。譬えば、純金の宝が塵や垢に染まらないように。同じく、善男子よ、この六字大明陀羅尼を身に帯び持つ者は、貪欲・瞋恚・愚痴の病に染まることはありません。」

その時、除蓋障菩薩はその法師の足を執って言った。「私はまだ明るい眼を備えておらず、妙なる道を見失っています。誰が導いてくれるのでしょう? 私は今、法に渇き、法の味を施していただきたいのです。私は未だ無上正等覚を得ていません。どうか菩提の法の種を善く安住させ、色身を清らかにし、衆善を壊さないでください。そして、全ての有情にこの法を得させてください。」

人々が言った。「惜しみなくお与えください。どうか法師、私に六字大明王の法を授けてください。私たちが速やかに阿耨多羅三藐三菩提を得て、十二の法輪を転じ、全ての有情を輪廻の苦悩から救済できるように。この大明王の法は、昔一度も聞いたことがありません。今、私に六字大明王陀羅尼を得させてください。救いも拠り所もない者の拠り所となり、暗夜の中の灯火となってください。」

その時、その法師が告げた。「この六字大明王陀羅尼に出会うことは難しく、それは金剛のように壊れることがなく、無上の智を見るかの如く、尽きることのない智の如く、如来の清浄智の如く、無上の解脱に入るが如く、貪瞋痴の輪廻の苦悩から遠く離れ、禅定・解脱・三摩地・三摩鉢底の如く、一切の法に入り、常に聖衆に愛されるものです。もし善男子が、様々な場所で解脱を求めて、様々な外道の法に従うならば―所謂、帝釈天に仕え、あるいは白衣を奉じ、あるいは青衣を奉じ、あるいは日天を奉じ、あるいは大自在天や那羅延天を奉じ、裸形の外道の中でも楽しむならば―彼らは無明の虚妄から解脱できず、空しく修行の名を得るのみで、徒に疲労するだけです。全ての天衆、大梵天王、帝釈天主、那羅延天、大自在天、日天、月天、風天、水天、火天、閻魔法王、四大天王でさえ、常にどのようにして私の六字大明王を求めるのでしょうか? 彼らが私の六字大明王を得れば、皆解脱するからです。除蓋障よ、一切の如来の般若波羅蜜多母が、この六字大明王を宣説されました。一切の如来・応供・正等覚者及び菩薩衆は、皆恭敬して合掌し礼拝します。善男子よ、この法は大乗の中でも最上で精純微妙です。なぜなら、諸々の大乗経典、応頌、授記、諷頌、譬喩、本生、方広、希法、論議の中から得られるからです。善男子よ、この根本の母を得れば、寂静な解脱には他に何が多く必要でしょうか。譬えば、良い稲穂を収めて、家の中で容器に満たし、日乾ししてから、搗いて箕で簸り、その籾殻を捨てるようなものです。なぜなら、精米を得るためです。これと同じく、他の様々なヨーガ(修行法)は、その籾殻のようなものです。全てのヨーガの中で、この六字大明王は精米のように見えるのです。善男子よ、菩薩はこの法のために、布施波羅蜜多を行い、また持戒、忍辱、精進、静慮、般若波羅蜜多を行います。善男子よ、この六字大明王に出会うことは難しく、ただ一度でも念じれば、その人は一切の如来から衣服、飲食、薬、座臥具など全ての資具で供養されるでしょう。」

その時、除蓋障菩薩が法師に言った。「私に六字大明陀羅尼を授けてください。」その時、法師が正しく念じて思惟していると、虚空から忽然と声がした。「聖者よ、この六字大明王を授けなさい。」その法師は思った。「この声はどこから来るのか?」虚空から再び声がした。「聖者よ、この菩薩の加行と志が冥応しています。この六字大明王を授けなさい。」その時、法師は虚空の中に、蓮華手(観音)、蓮華吉祥(吉祥なる蓮華)を観た。秋の月のような色、髻に宝冠を頂き、一切智の殊妙なる荘厳を具えていた。このような身相を観て、法師は除蓋障に告げた。「善男子よ、観自在菩薩摩訶薩があなたに六字大明王陀羅尼を授けるでしょう。あなたはよく聴きなさい。」その時、除蓋障菩薩は合掌して恭しく、この六字大明王陀羅尼を聴いた。

六字大明王陀羅尼は次の通り:

「唵(引)麼抳鉢訥銘(二合引)吽(引)」

「おん まに ぱどめ ふん」

於是與彼陀羅尼時,其地悉皆六種震動。除蓋障菩薩得此三摩地時,復得微妙慧三摩地、發起慈悲三摩地、相應行三摩地。得是三摩地已,時除蓋障菩薩摩訶薩以四大洲滿中七寶奉獻供養法師。於是法師告言:「今所供養,未直一字,云何供養?六字大明不受汝供。善男子!汝是菩薩聖者,非非聖者。」彼除蓋障復以價直百千真珠瓔珞供養法師,時彼法師言:「善男子!當聽我言。汝應持此供養釋迦牟尼如來應正等覺。」爾時除蓋障菩薩頭面禮法師足已,既獲滿足其意,辭彼而去,而復往詣祇陀林園。到已,頂禮佛足。

その陀羅尼が説かれた時、大地は六種に震動した。除蓋障菩薩がこの三摩地を得た時、さらに微妙慧三摩地、発起慈悲三摩地、相応行三摩地をも得た。この三摩地を得た後、除蓋障菩薩摩訶薩は四大洲に満ちる七宝をもって法師に供養した。そこで法師は告げた。「今の供養は、一字の値にも値しない。どうして供養と言えようか。六字大明は汝の供養を受けない。善男子よ、汝は菩薩の聖者であり、聖者でない者ではない。」そこで除蓋障は、さらに百千の価値ある真珠の瓔珞をもって法師に供養した。その時、法師は言った。「善男子よ、私の言葉を聞きなさい。汝はこの供養を、釈迦牟尼如来・応供・正等覚者に捧げるべきである。」その時、除蓋障菩薩は法師の足に頭を付けて礼し、心の満足を得て辞し去った。そして祇陀林園に赴いた。着いて、仏の足に頭を付けて礼した。

爾時世尊釋迦牟尼如來應正等覺告言:「善男子!知汝已有所得。」「如是。世尊!」而於是時有七十七俱胝如來應正等覺皆來集會,彼諸如來同說陀羅尼曰:

その時、世尊・釈迦牟尼如来・応供・正等覚者は言われました。 「善き男子よ。あなたはすでに悟りを得たと知る。」 「その通りです、世尊よ。」

その時、七十七俱胝の如来・応供・正等覚者が皆集まり、それらの如来たちがともに陀羅尼を唱えられました。

「曩莫(入)颯鉢哆(二合引)喃(引)(二)三藐訖三(二合)沒馱(三)句(引)致喃(引)(四)怛儞也(二合反)他(去)(五)唵(引)左肆(引)祖隷(引)噂(上)禰(引)(六)娑嚩(二合引)賀(引七)」

「南無 サハー サムヤク サンブッダ コティー ナン タニヤター オン サレ スレ スンディ ソワカ」

於是七十七俱胝如來應正等覺說此陀羅尼時,「彼觀自在菩薩身有一毛孔名日光明,是中有無數百千萬俱胝那庾多菩薩。於彼日光明毛孔中,復有一萬二千金山,其一一山各千二百峯,其山周匝蓮華色寶以為莊嚴。而於周匝有天摩尼寶適意園林,又有種種天池,又有無數百千萬金寶莊嚴樓閣,上懸百千衣服真珠瓔珞。彼樓閣中有微妙如意寶珠,供給彼諸菩薩摩訶薩一切所須資具。時諸菩薩入樓閣中而念六字大明,是時見涅盤地。到彼涅盤之地,見於如來。觀見觀自在菩薩摩訶薩,心生歡喜。於是菩薩出彼樓閣往經行處。而於其中有諸寶園,而復往詣浴池,復往蓮華色寶山,在於一面結跏趺坐而入三昧。如是,善男子!菩薩住彼毛孔。善男子!復有毛孔名帝釋王,其中有無數百千萬俱胝那庾多不退轉菩薩。於是帝釋王毛孔中,復有八萬天金寶山,於其山中有如意摩尼寶名蓮華光,隨彼菩薩心所思惟皆得成就。時彼菩薩於彼山中,若念飲食無不滿足,而無輪迴煩惱之苦,恒時思惟其身,無異思惟。善男子!復有毛孔名曰大藥,於中有無數百千萬俱胝那庾多初發心菩薩。善男子!於彼毛孔有九萬九千山。於此山中有金剛寶窟、金寶窟、銀寶窟、帝青寶窟、蓮華色寶窟、綠色寶窟、玻胝迦色寶窟。如是山王有八萬峯,種種適意摩尼及諸妙寶莊嚴其上。於彼峯中有彥達嚩眾,恒奏樂音。彼初發心菩薩,思惟空、無相、無我,生苦老苦病苦死苦、愛別離苦、怨憎會苦,墮阿鼻地獄苦、墮黑繩地獄諸有情苦、墮餓鬼趣諸有情苦。作是思惟時,結跏趺坐而入三昧,於彼山中而住。善男子!有一毛孔名繢畫王,是中有無數百千萬俱胝那庾多緣覺眾,現火焰光。於彼毛孔有百千萬山王,彼諸山王七寶莊嚴,復有種種劫樹金銀為葉,無數百寶種種莊嚴,上懸寶冠珥璫衣服種種瓔珞,懸諸寶鈴憍尸迦衣,復有金銀寶鈴震響丁丁,如是劫樹充滿山中。無數緣覺於彼而住,常說契經、應頌、授記、諷頌、譬喻、本生、方廣、希法、論議如是之法。除蓋障!時諸緣覺出彼毛孔。最後有一毛孔名曰幡王,廣八萬踰繕那,於中有八萬山種種妙寶及適意摩尼以為嚴飾。彼山王中有無數劫樹、無數百千萬栴檀香樹、無數百千萬大樹,復有金剛寶地。復有九十九樓閣,上懸百千萬金寶真珠瓔珞衣服。於彼毛孔如是出現。」為除蓋障說已。

そこで七十七俱胝の如来・応供・正等覚者がこの陀羅尼を説いた時、観自在菩薩の身には一つの毛穴があり、その名を日光明と言います。その中には無数の百千万俱胝・那由他の菩薩たちがいます。その日光明という毛穴の中には、さらに一万二千の金山があります。それぞれの山には千二百の峰があり、その山々の周りは蓮華色の宝で飾られています。また、その周りには天の摩尼宝からなる心地よい園林があり、さまざまな天の池があり、無数の百千万の金宝で飾られた楼閣があり、その上には百千の衣服や真珠の瓔珞が掛けられています。その楼閣の中には微妙な如意宝珠があり、それらの菩薩摩訶薩の必要な一切の資具を供給しています。その時、菩薩たちは楼閣に入って六字大明を念じると、涅槃の地を見ます。その涅槃の地に至り、如来を見ます。観自在菩薩摩訶薩を見て、心に歓喜を生じます。そこで菩薩はその楼閣を出て、経行する場所へ向かいます。その中には様々な宝の園があり、さらに浴池へ向かい、さらに蓮華色の宝山へ向かい、一方に結跏趺坐して三昧に入ります。このように、善男子よ、菩薩はその毛穴に住んでいるのです。善男子よ、また帝釈王という名の毛穴があります。その中には無数の百千万俱胝・那由他の不退転の菩薩たちがいます。この帝釈王という毛穴の中には、さらに八万の天の金宝の山があり、その山の中には蓮華光という名の如意摩尼宝があり、その菩薩の心に思惟するところに従って皆、成就を得ます。その時、その菩薩はその山の中で、もし飲食を思えばすべて満たされ、輪廻の煩悩の苦しみはなく、常にその身を思惟し、異なる思惟はありません。善男子よ、また大薬という名の毛穴があります。その中には無数の百千万俱胝・那由他の初発心の菩薩たちがいます。善男子よ、その毛穴には九万九千の山があります。この山の中には金剛宝の窟、金宝の窟、銀宝の窟、帝青宝の窟、蓮華色宝の窟、緑色宝の窟、玻胝迦色宝の窟があります。これらの山王には八万の峰があり、様々な心地よい摩尼や諸々の妙宝がその上を飾っています。その峰の中には彦達嚩の衆がいて、常に楽の音を奏でています。それらの初発心の菩薩は、空、無相、無我、生苦・老苦・病苦・死苦、愛別離苦、怨憎会苦、阿鼻地獄に堕ちる苦、黒縄地獄に堕ちる諸有情の苦、餓鬼趣に堕ちる諸有情の苦を思惟します。このように思惟する時、結跏趺坐して三昧に入り、その山の中に住んでいます。善男子よ、繢画王という名の一つの毛穴があります。その中には無数の百千万俱胝・那由他の縁覚の衆がいて、炎の光を現しています。その毛穴には百千万の山王があり、それらの山王は七宝で飾られ、さらに様々な劫樹があり、金銀を葉とし、無数の百宝で様々に飾られ、その上には宝冠・耳璫・衣服・様々な瓔珞が掛けられ、様々な宝鈴や憍尸迦の衣が掛けられ、さらに金銀の宝鈴が丁丁と響き渡っています。このような劫樹が山の中に満ちています。無数の縁覚がそこに住み、常に契経・応頌・授記・諷頌・譬喻・本生・方広・希法・論議というような法を説いています。除蓋障よ、その時、縁覚たちはその毛穴から出ました。最後に幡王という名の一つの毛穴があります。広さは八万由旬で、その中には八万の山があり、様々な妙宝や心地よい摩尼で飾られています。その山王の中には無数の劫樹、無数の百千万の栴檀の香木、無数の百千万の大木があり、さらに金剛宝の地があります。また九十九の楼閣があり、その上には百千万の金宝・真珠・瓔珞・衣服が掛けられています。このようなものがその毛穴に現れているのです。」と、除蓋障に説き終えた。

爾時佛告阿難陀:「若有不知業報,於精舍內洟唾及大小便利等,今為汝說。若於常住地洟唾者,是人生於娑羅樹中為針口蟲,經十二年。若於常住地大小便利者,是人於波羅柰大城大小便利中生為穢污蟲。若私用常住齒木者,墮在龜魚及摩竭魚中生。若盜用常住油麻米豆等者,墮在餓鬼趣中,頭髮蓬亂身毛皆竪,腹大如山其咽如針,燒燃枯燋唯殘骸骨,是人受斯苦報。若輕慢眾僧者,是人當墮貧賤家生,隨所生處根相不具,背傴矬陋。捨是身已而復生處,多病痟瘦手足攣躄,而有膿血盈流其身、零落身肉,經百千萬歲受斯苦報。若盜用常住地者,墮大號叫地獄中,口吞鐵丸,脣齒齗㗁及其咽喉悉燒爛壞,心肝腸胃遍體燋然。時有苾芻言業風吹彼,死而復活。於是閻魔獄卒驅領罪人,彼自業感生於大舌,有百千萬鐵犁耕彼舌上,受是苦報經多千萬年。於此地獄出已,復入大火鑊地獄。彼有閻魔獄卒驅領罪人,以百千萬針刺其舌上,業力故活。驅至火坑而擲入中,又驅至奈河而擲入中,而亦不死。如是展轉入餘地獄,經歷三劫。是人復於南贍部洲貧賤家生,其身盲瞑,受斯苦報。慎勿盜用常住財物。若苾芻持戒,應受持三衣。若入王宮,應當披持第一大衣。若常眾中,應當披持第二衣。若作務時,或入村落、或入城隍、或道行時,應當披持第三衣。苾芻應如是受持三衣。若得戒、得功德、得智慧,我說苾芻應持是戒,不得盜用。常住財物猶如火坑、常住如毒藥、常住如重擔,毒藥可能救療,若盜用常住物者無能救濟。」爾時具壽阿難陀白世尊言:「如佛教勅,當具行學。若苾芻受持別解脫,應善安住守護世尊學處。」時具壽阿難陀頂禮佛足,遶已而退。時諸大聲聞,各各退還本處。一切世間天、龍、藥叉、彥達嚩、阿蘇囉、蘖嚕拏、緊那囉、摩護囉誐、人非人等,聞佛說已,歡喜信受,禮佛而退。

その時、仏は阿難陀に告げられた。「もし業報を知らずに、精舎の中でつばを吐いたり、大小便をしたりする者があるならば、今、汝のために説こう。 もし常住の地につばを吐く者は、その人は娑羅樹の中で針口虫と生まれ、十二年を経る。 もし常住の地で大小便をする者は、その人は波羅奈の大いなる城の大小便の中で、穢汚虫と生まれる。 もし常住の歯木を私的に用いる者は、亀や魚、あるいは摩竭魚の中に堕ちる。 もし常住の油、胡麻、米、豆などを盗んで用いる者は、餓鬼の趣に堕ち、髪の毛は乱れ、身の毛はことごとく逆立ち、腹は山の如く大きく、その咽喉は針の如く細く、燃え枯れて焦げ、ただ骸骨のみが残る。この人はこのような苦報を受ける。 もし僧衆を軽んじ侮る者は、この人は貧賤の家に生まれ、生まれるところごとに六根が完全でなく、背は曲がり、身は低く、容姿は醜い。この身を捨ててから再び生まれるところでも、多くの病に苦しみ、痩せ細り、手足は萎えて引き攣り、膿血がその身に溢れ流れ、身の肉は落ち、百千万年にわたってこの苦報を受ける。 もし常住の地を盗んで用いる者は、大いなる叫喚地獄に堕ち、口で鉄の丸を飲み込み、唇、歯、歯茎、顎、およびその咽喉はことごとく焼け爛れ、心、肝、腸、胃は全身にわたって焼け焦げる。その時、ある比丘が『業風が彼を吹き、死してまた復活する』と言った。そこで閻魔の獄卒が罪人を追い立てる。彼は自らの業によって大いなる舌に生まれ、百千万の鉄の犁でその舌を耕す。この苦報を経ること千万年。この地獄から出た後、再び大いなる火釜地獄に入る。そこに閻魔の獄卒がいて、罪人を追い立て、百千万の針でその舌を刺す。業の力によって生きている。火の坑に追い立てられてその中に投げ込まれ、また奈河に追い立てられてその中に投げ込まれるが、それでも死なない。このようにして次々と他の地獄に入り、三劫を経る。この人は再び南瞻部洲の貧賤の家に生まれ、その身は盲目となり、この苦報を受ける。慎んで常に常住の財物を盗んで用いてはならない。 もし比丘が戒を持つのならば、三衣を受持すべきである。もし王宮に入るならば、第一の大衣を身に着けるべきである。常に大衆の中にいるならば、第二の衣を身に着けるべきである。もし作務の時、あるいは村落に入る時、あるいは城郭に入る時、あるいは道を行く時、第三の衣を身に着けるべきである。比丘はこのようにして三衣を受持すべきである。 もし戒を得、功徳を得、智慧を得るならば、私は比丘にこの戒を持ち、盗んで用いてはならないと説く。常住の財物は火の坑の如く、常住は毒薬の如く、常住は重い荷の如し。毒薬はなお救い治療することができるが、もし常住の物を盗んで用いる者は、救い済うことができない者である。」 その時、具寿の阿難陀が世尊に申し上げた。「仏の教えのままに、具に行い学びましょう。もし比丘が別解脱を受持するならば、よく安住し、世尊の学処を守り護るべきです。」 その時、具寿の阿難陀は仏の足に頂礼し、右繞してから退いた。その時、諸々の大声聞たちも、それぞれ自らの本処に退いた。 一切の世間の天、龍、薬叉、彦達嚩、阿蘇羅、蘖嚕拏、緊那羅、摩護羅誐、人ならざる者たちは、仏の説法を聞き終えて、歓喜し信受し、仏に礼して退いた。

佛說大乘莊嚴寶王經卷第四

仏説大乗荘厳宝王経 巻第四


第三

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