法集要頌經沙門品第十一
斷漏降伏他, 離欲名梵行,
不犯牟尼戒, 無一願不滿。
行力若緩慢, 作善與不善,
梵行不清淨, 不獲於大果。
所有緩慢業, 劣意盡除之,
修習清淨行, 獲果盡無餘。
譬如執利劍, 執緩則傷手,
沙門不禁制, 地獄縛牽引。
又如執利劍, 執緊不傷手,
沙門禁制戒, 漸近涅槃路。
難曉則難了, 沙門少智慧,
諸想多擾亂, 愚者致苦惱。
沙門為何行? 如意不自禁,
步步數黏著, 但隨思想走。
學難捨罪難, 居在家亦難,
會止同利難, 艱難不過是。
袈裟在肩披, 為惡不捐棄,
常念行惡者, 斯則墮惡道。
畏罪懷驚懼, 假名為沙門,
身披僧伽胝, 如刳娑羅皮。
所謂長老者, 不必以耆年,
形熟鬢髮白, 愚憃不知罪。
能知罪福者, 身淨修梵行,
明遠純清潔, 是名為長老。
所謂沙門者, 不必剃鬚髮,
妄語多貪愛, 有欲如凡夫。
世稱名沙門, 汝亦言沙門,
形服似沙門, 譬如鶴伺魚。
如離實不離, 袈裟除不除,
持鉢實不持, 非俗非沙門。
所言沙門者, 消除窣兔羅,
守護微細愆, 是名真梵行。
所言沙門者, 息心滅意想,
穢垢盡消除, 故說為出家。
煩悩を断ち、他を調伏し、離欲して梵行と名づく。 牟尼の戒を犯さず、願いとして満たされぬものはない。 行いの力が緩やかならば、善と不善を作す。 梵行は清らかならず、大きな果報を得ない。 すべての緩やかな行いを、劣った意はことごとく除く。 清らかな行いを修習して、果報を余すことなく得る。 たとえば鋭い剣を執るに、執り緩ければ手を傷つける。 沙門が制戒せねば、地獄の縛りに引き牽かれる。 また鋭い剣を執るに、執り緊ければ手を傷つけない。 沙門が戒を制すれば、しだいに涅槃の道に近づく。 難しく曉り難く、了じ難いものを、沙門は智慧少なく。 諸々の想い多く擾乱し、愚者は苦惱を致す。 沙門は何のために行くのか。意のままに自らを制せず。 歩歩に数々と黏著し、ただ思想に随って走る。 学ぶは難く、罪を捨つるは難く、家に居るもまた難し。 会して利を同じうするも難し、艱難はこれに過ぎたるはなし。 袈裟を肩に披きて、悪を作して捨てず。 常に悪行を念ずる者は、これすなわち悪道に堕つ。 罪を畏れ、驚懼を懐く者は、仮に名づけて沙門とす。 身に僧伽胝を披けども、娑羅の皮を刳るがごとし。 いわゆる長老者、必ずしも耆年をもってせず。 形熟し鬢髪白くとも、愚にして罪を知らず。 よく罪福を知る者は、身を浄くして梵行を修す。 明らかに遠く純清潔、是を名づけて長老とす。 いわゆる沙門とは、必ずしも鬚髪を剃るにはあらず。 妄語多く貪愛あり、欲あって凡夫のごとし。 世に名づけて沙門と称し、汝もまた沙門と言う。 形服は沙門に似たれども、あたかも鶴の魚を伺うがごとし。 離るるに似て実に離れず、袈裟は除くに似て実に除かず。 鉢を持するに似て実に持せず、俗にあらず沙門にあらず。 いわゆる沙門とは、窣兔羅(煩悩)を消除し、 微細な過ちをも守護し、是を真の梵行と名づく。 いわゆる沙門とは、心を息め、意想を滅し、 穢垢をことごとく消除するがゆえに、出家と言う。
法集要頌經卷第一