師答圓鑒五問
師が円鑒の五つの問いに答える
空劫威音那畔程。靈苗叢裏幾人行。毗盧失却空王印。誰是知音告請明。
空なる劫、威音の彼方に。 霊なる苗の叢に、幾人か行く。 毘盧遮那、空王の印を失い。 誰が知音か、請うて明らかにせん。
師云。萬古峯巒雲閉路。幾潭中夜北辰高。
師は言われた。万古の峰巒は雲に閉ざされ、幾潭の中夜に北辰高し。
碧嵓丹桂星河遠。玉樹雲籠翠鳳宜。春山路古人相問。荊棘林中臥者誰。
碧空にそびえる岩、丹桂の香り、銀河は遥か。 玉樹は雲に包まれ、翠鳳が舞うにふさわしい。 春の山路、いにしえの人が問う。 荊棘の林に臥す者は誰か。
師云。劫石苔封籠古道。夜深寒塔影垂空。
師は言われた。 劫石に苔が封じ、籠もる古道。 夜深く寒き塔の影、空に垂れん。
石牛喫盡三春艸。木馬蹈開萬古墳。土牀人臥千峯冷。枯骨聲招誰聽聞。
石の牛は三春の草を食い尽くし、木の馬は万古の墳を踏み開く。土の床に人臥せば千峰冷え、枯骨の声を招くも誰か聞かん。
師云。無影樹垂寒㵎月。海潮東浪斗移西。
苔圍紫閣簾垂靜。萬里無雲月色清。聖容不整絲綸化。禁外如何視聽聲。
師云。瑞艸鋪階苔滿地。天香時散不知來。
古曲無音韻傳清。夜深人聽月明侵。還鄉人問途中調。不犯宮商是甚音。
師云。風吹嵓桂生層碧。雨滴高崖響處深。