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  1. 地蔵菩薩本願経 (地藏菩薩本願經)
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  3. 8 閻羅王衆讚歎品 (8 閻羅王眾讚歎品)
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地蔵菩薩本願経 (地藏菩薩本願經)


閻羅王眾讚歎品第八

閻魔王とその眷属の讃嘆品 第八

爾時,鐵圍山內,有無量鬼王,與閻羅天子,俱詣忉利,來到佛所。所謂惡毒鬼王、多惡鬼王、大諍鬼王、白虎鬼王、血虎鬼王、赤虎鬼王、散殃鬼王、飛身鬼王、電光鬼王、狼牙鬼王、千眼鬼王、噉獸鬼王、負石鬼王、主耗鬼王、主禍鬼王、主食鬼王、主財鬼王、主畜鬼王、主禽鬼王、主獸鬼王、主魅鬼王、主產鬼王、主命鬼王、主疾鬼王、主險鬼王、三目鬼王、四目鬼王、五目鬼王、祁利失王、大祁利失王、祁利叉王、大祁利叉王、阿那吒王、大阿那吒王。如是等大鬼王,各各與百千諸小鬼王,盡居閻浮提,各有所執,各有所主。是諸鬼王,與閻羅天子,承佛威神,及地藏菩薩摩訶薩力,俱詣忉利,在一面立。

その時、鉄囲山の中に無量の鬼王たちが、閻羅天子と共に、忉利天へと赴き、お釈迦様のおられる場所にやって来ました。その中には、悪毒鬼王、多悪鬼王、大諍鬼王、白虎鬼王、血虎鬼王、赤虎鬼王、散殃鬼王、飛身鬼王、電光鬼王、狼牙鬼王、千眼鬼王、噉獣鬼王、負石鬼王、主耗鬼王、主禍鬼王、主食鬼王、主財鬼王、主畜鬼王、主禽鬼王、主獣鬼王、主魅鬼王、主産鬼王、主命鬼王、主疾鬼王、主険鬼王、三目鬼王、四目鬼王、五目鬼王、祁利失王、大祁利失王、祁利叉王、大祁利叉王、阿那吒王、大阿那吒王などがいました。

このような大鬼王たちは、それぞれが百千の諸々の小鬼王を従え、すべて閻浮提(この世)に住み、それぞれに担当する役割があり、それぞれに司る領域がありました。

これらの鬼王たちは、閻羅天子と共に、仏様の威徳の力と、地蔵菩薩摩訶薩のお力によって、忉利天に赴き、一かたわらに立ったのでした。

爾時,閻羅天子,胡跪合掌,白佛言:「世尊!我等今者與諸鬼王,承佛威神,及地藏菩薩摩訶薩力,方得詣此忉利大會,亦是我等獲善利故。我今有小疑事,敢問世尊,唯願世尊,慈悲宣說。」

その時、閻羅天子はひざまずき、手を合わせて仏に申し上げました。 「世尊よ、私どもは今、諸々の鬼王と共に、仏の威徳と神通、そして地蔵菩薩摩訶薩のお力によって、はじめてこの忉利天の大会に参ることができました。これはまた、私どもが善き利益を得る縁でもあります。 今、ほんの小さな疑問がございます。あえて世尊にお尋ねいたします。どうか世尊、慈悲をもってお説きくださいますよう。」

佛告閻羅天子:「恣汝所問,吾為汝說。」

仏は閻羅天子に告げられた:「お前の問いたいことを自由に尋ねるがよい。私がお前に説いて聞かせよう。」

是時,閻羅天子瞻禮世尊,及迴視地藏菩薩,而白佛言:「世尊!我觀地藏菩薩,在六道中,百千方便,而度罪苦眾生,不辭疲倦。是大菩薩,有如是不可思議神通之事。然諸眾生,脫獲罪報,未久之間,又墮惡道。世尊!是地藏菩薩既有如是不可思議神力,云何眾生而不依止善道,永取解脫?唯願世尊,為我解說。」

その時、閻羅天子は世尊を礼拝し、そして地蔵菩薩を見つめながら、仏に申し上げました。「世尊よ、私は地蔵菩薩が六道の中で、百千もの方便をもって、罪苦の衆生を救い、疲れを厭わずにいるのを見ております。この大菩薩には、このような不可思議な神通の力があるのです。しかし、衆生は罪の報いから脱しても、間もなくまた悪道に堕ちてしまいます。世尊よ、地蔵菩薩にはこのような不可思議な神力があるのに、なぜ衆生は善道に依りついて、永遠の解脱を得ようとしないのでしょうか。どうか世尊、私のためにその理由を解き明かしてください。」

佛告閻羅天子:「南閻浮提眾生,其性剛彊,難調難伏。是大菩薩,於百千劫,頭頭救拔如是眾生,早令解脫。是罪報人,乃至墮大惡趣。菩薩以方便力,拔出根本業緣,而遣悟宿世之事。自是閻浮眾生,結惡習重,旋出旋入。勞斯菩薩,久經劫數,而作度脫。

仏が閻羅天子にお告げになりました。「南閻浮提の衆生は、その性質が強情で、調え難く、従わせ難い。この大菩薩は、百千の劫にわたり、その都度、このような衆生を救い引き上げ、早く解脱させようとなさる。この罪報を受ける者は、大いなる悪趣に堕ちるほどである。菩薩は方便の力をもって、根本の業縁を抜き出し、宿世のことを悟らせてお遣わしになる。しかし、この閻浮の衆生は、悪しき習いを結ぶことが重く、巡り出てはまた巡り入る。この菩薩を労わせ、久しく劫数を経て、度脱の業をお続けになるのである。

「譬如有人,迷失本家,誤入險道。其險道中,多諸夜叉,及虎狼師子、蚖蛇蝮蠍。如是迷人,在險道中,須臾之間,即遭諸毒。有一知識,多解大術,善禁是毒,乃及夜叉諸惡毒等。忽逢迷人,欲進險道,而語之言:『咄哉!男子!為何事故,而入此路?有何異術,能制諸毒?』是迷路人,忽聞是語,方知險道,即便退步,求出此路。是善知識,提携接手,引出險道,免諸惡毒,至于好道,令得安樂,而語之言:『咄哉!迷人!自今已後,勿履是道。此路入者,卒難得出,復損性命。』是迷路人,亦生感重。臨別之時,知識又言:『若見親知及諸路人,若男若女,言於此路多諸毒惡,喪失性命。無令是眾,自取其死。』

たとえば、ある人が、本来の家を見失い、誤って危険な道に入ってしまったとしよう。その危険な道には、多くの夜叉や、虎、狼、獅子、毒蛇、まむし、さそりなどがいる。このように迷った人は、危険な道の中で、たちまちのうちに様々な毒に遭ってしまう。

そこに、ある知恵ある友がいた。彼は多くの優れた術に通じ、これらの毒や、夜叉などのあらゆる悪しき毒をよく封じることができた。彼はふと、危険な道へと進もうとしている迷える人に出会い、こう言った。「ああ、そなた! どうしてこの道に入ろうとするのか? いったいどのような術を持って、これらの毒を制することができるというのか?」

迷える人はこの言葉を聞き、初めてそれが危険な道であることを知り、すぐに退き、この道から出ようとした。その善き知恵の友は、彼の手を取って導き、危険な道から連れ出し、あらゆる悪しき毒から免れさせ、安全な道に至らせて安楽を得させた。そして彼に言った。「ああ、迷える人よ。今から後、この道を歩んではならない。この道に入る者は、ついに抜け出し難く、また命を損なうことになる。」

迷える人は深く感謝の念を抱いた。別れの時、知恵の友はまた言った。「もし親しい人や、道行く人々、男でも女でも、この道には多くの毒や悪があり、命を失うと伝えなさい。この多くの人々が、自ら死を取ることのないように。」

「是故地藏菩薩具大慈悲,救拔罪苦眾生,欲生天人中,令受妙樂。是諸罪眾,知業道苦,脫得出離,永不再歷。如迷路人,誤入險道,遇善知識,引接令出,永不復入。逢見他人,復勸莫入,自言:『因是迷故,得解脫竟,更不復入。』若再履踐,猶尚迷誤,不覺舊曾所落險道,或致失命,如墮惡趣。地藏菩薩方便力故,使令解脫,生人天中。旋又再入,若業結重,永處地獄,無解脫時。」

それゆえ、地蔵菩薩は大いなる慈悲をお持ちになり、罪と苦しみに沈む衆生を救い、天界や人間界に生まれ変わらせ、素晴らしい楽しみを受けさせようとされます。これらの罪深い衆生は、業の道の苦しみを知り、そこから脱し、二度とその苦しみを経験しないようにするのです。

道に迷った人が、誤って危険な道に入り込み、善き知識に出会って導かれ、その道から救い出され、二度と入らないようなものです。また、他の人に出会えば、その人にも「入らないように」と勧め、「自分は迷ったために、解脱を得て、もう二度と入らない」と語るでしょう。もし再びその道を歩めば、まだ迷いの中にあり、かつて落ちた危険な道に気づかず、命を失うことさえあり、まるで悪しき世界に堕ちるかのようです。

地蔵菩薩はその方便の力によって、衆生を解脱させ、人間界や天界に生まれ変わらせます。しかし、もし再び罪を犯し、業の結びつきが重ければ、永遠に地獄に留まり、解脱の時は訪れません。

爾時,惡毒鬼王合掌恭敬,白佛言:「世尊!我等諸鬼王,其數無量,在閻浮提,或利益人,或損害人,各各不同。然是業報,使我眷屬,遊行世界,多惡少善。過人家庭,或城邑聚落,莊園房舍。或有男子女人,修毛髮善事,乃至懸一旛一蓋,少香少華,供養佛像及菩薩像,或轉讀尊經,燒香供養一句一偈。我等鬼王,敬禮是人,如過去、現在、未來諸佛。勅諸小鬼,各有大力,及土地分,便令衛護。不令惡事橫事、惡病橫病,乃至不如意事,近於此舍等處,何況入門?」佛讚鬼王:「善哉!善哉!汝等及與閻羅,能如是擁護善男女等,吾亦告梵王帝釋,令衛護汝。」

その時、悪毒鬼王は合掌して恭しく、仏に申し上げました。 「世尊よ、私ども諸々の鬼王は、その数が無量であり、閻浮提におりまして、あるいは人々に利益を与え、あるいは人々に損害を与えるなど、それぞれに異なっています。 しかしながら、このような業の報いによって、私の眷属たちは世界を遊行し、悪行が多く善行が少ないのです。 人々の家々や、あるいは城邑や集落、荘園や房舎を通り過ぎる時、もし男子や女人が、わずかでも善い行いを修め、たとえ一本の幡や一つの天蓋を掛け、少しの香や少しの華をもって、仏像や菩薩像を供養し、あるいは尊い経典を読み、香を焚いて一句一偈を供養するならば、 私ども鬼王は、その人を、過去・現在・未来の諸仏のように敬い礼拝いたします。 そして、諸々の小鬼たちに命じ、それぞれが大いなる力を持つ者や土地の神々に、その人を守護させます。 悪しき出来事や不慮の災難、悪しき病や不慮の病気、さらには不如意なことが、この家などの近くに起こることさえも許さず、ましてや門に入ることを許しません。」 仏は鬼王を讃えて言われました。 「善きかな、善きかな。汝らおよび閻羅王が、このように善男子・善女人たちを擁護するならば、私もまた梵王や帝釈天に告げて、汝らを守護させよう。」

說是語時,會中有一鬼王,名曰主命,白佛言:「世尊!我本業緣,主閻浮人命,生時死時,我皆主之。在我本願,甚欲利益。自是眾生,不會我意,致令生死,俱不得安。

お釈迦様がこのようにお説きになられた時、法会の中に主命という名の鬼王がいて、お釈迦様に申し上げました。

「世尊よ、私は過去の因縁により、この閻浮提(人間世界)の人々の命を司る役目をいただいております。人々が生まれる時も、亡くなる時も、私がその取りまとめをしております。

私の本来の願いは、ひたすら人々の利益となることを願うものでした。しかしながら、多くの衆生は私の真意を理解してくださらず、そのために生まれる時も死ぬ時も、どちらも安らかでなくなってしまっているのです。」

「何以故?是閻浮提人,初生之時,不問男女,或欲生時,但作善事,增益舍宅。自令土地無量歡喜,擁護子母,得大安樂,利益眷屬。或已生下,慎勿殺害,取諸鮮味,供給產母。及廣聚眷屬,飲酒食肉,歌樂絃管,能令子母,不得安樂。

なぜでしょうか?この閻浮提の人間は、生まれる時には男女を問わず、生まれようとする時には善いことだけをし、家屋を整え、土地の神々を大いに喜ばせ、母子を守り、大きな安楽を得させ、家族に利益をもたらします。しかし、生まれた後に、殺生を慎まず、新鮮な味を取って産母に供給し、また広く家族を集めて酒を飲み肉を食べ、歌や音楽を楽しむと、母子に安楽を得させることができなくなります。

「何以故?是產難時,有無數惡鬼,及魍魎精魅,欲食腥血。是我早令舍宅土地靈祇,荷護子母,使令安樂,而得利益。如是之人,見安樂故,便合設福,答諸土地。翻為殺害,集聚眷屬,以是之故,犯殃自受,子母俱損。

なぜなら、出産の苦しみの時には、数え切れないほどの悪鬼や魍魎、精霊たちが、生臭い血を食べようと集まってくるからです。私は早くから、その家屋や土地の守護神たちに命じて、母子を守り、安楽に過ごさせ、利益を得られるようにしています。このような恩恵を受けた人は、安楽を得たゆえに、むしろ福を積み、土地の神々に感謝の供養をすべきなのです。それなのに、かえって殺生をし、親族を集めて宴会を開く。このような行いのゆえに、災いを自ら招き、母子ともに損なわれるのです。

「又閻浮提臨命終人,不問善惡,我欲令是命終之人,不落惡道,何況自修善根,增我力故。是閻浮提行善之人,臨命終時,亦有百千惡道鬼神,或變作父母,乃至諸眷屬,引接亡人,令落惡道,何況本造惡者?

また、閻浮提の臨終の人々は、善人であれ悪人であれ、私はその命終わる人が悪道に落ちないようにしたいと願っています。ましてや、自ら善根を修め、私の力が増すならばなおさらです。この閻浮提で善行を積む人も、臨終の時には百千の悪道の鬼神が、父母や、あるいは様々な眷属に姿を変え、亡者を導いて悪道に落とそうとします。ましてや、もともと悪を造ってきた者がどうでありましょうか。

「世尊!如是閻浮提男子女人,臨命終時,神識惛昧,不辯善惡,乃至眼耳,更無見聞。是諸眷屬,當須設大供養,轉讀尊經,念佛菩薩名號。如是善緣,能令亡者,離諸惡道,諸魔鬼神,悉皆退散。世尊!一切眾生臨命終時,若得聞一佛名、一菩薩名,或大乘經典一句一偈,我觀如是輩人,除五無間殺害之罪,小小惡業,合墮惡趣者,尋即解脫。」

世尊よ、この閻浮提の男女が命終わろうとする時、その心は暗く曇り、善悪を見分けることもできず、目や耳ももはや見聞きすることができません。そのような時、家族たちは大いなる供養を設け、尊い経典を読み、仏や菩薩の御名を唱えるべきです。このような善き縁によって、亡き人はあらゆる悪道から離れ、すべての魔や鬼神も退散していくのです。

世尊よ、一切の衆生が命終わろうとする時、たとえ一つの仏の御名、一つの菩薩の御名、あるいは大乗経典の一句一偈を聞くことができたならば、私はこのような人々を見るに、五無間の殺害の罪さえ除かれ、悪趣に堕ちるべき小さな悪業も、ただちに解き放たれるでしょう。

佛告主命鬼王:「汝大慈故,能發如是大願,於生死中,護諸眾生。若未來世中,有男子女人,至生死時,汝莫退是願,總令解脫,永得安樂。」

仏は主命鬼王に告げられた: 「あなたは大いなる慈悲の心によって、このような尊い誓いを起こし、生と死の流転の中で、すべての生きとし生けるものを守ろうとされている。 もし未来の世において、男や女が生死の境を迎える時があっても、どうかこの誓いを退けることなく、すべての人々を解き放ち、永遠の安らぎへと導いてください。」

鬼王白佛言:「願不有慮,我畢是形,念念擁護閻浮眾生,生時死時,俱得安樂。但願諸眾生,於生死時,信受我語,無不解脫,獲大利益。」

鬼の王は仏に申し上げました。 「どうかご心配なさいませんように。 私はこの身のある限り、一瞬一瞬、閻浮提の衆生を護り続けます。 彼らが生まれる時も、死ぬ時も、共に安らぎと喜びを得られますように。 ただ願わくは、すべての衆生が生死の境に臨むとき、 私の言葉を信じ受け入れ、解脱を得られない者など一人もおらず、 大いなる利益を得られますように。」

爾時,佛告地藏菩薩:「是大鬼王主命者,已曾經百千生,作大鬼王,於生死中,擁護眾生。是大士,慈悲願故,現大鬼身,實非鬼也。却後過一百七十劫,當得成佛,號曰無相如來。劫名安樂,世界名淨住。其佛壽命,不可計劫。地藏!是大鬼王,其事如是,不可思議,所度天人,亦不可限量。」

その時、仏は地蔵菩薩に告げられた。 「この大鬼王・主命は、すでに百千もの生を経て大鬼王となり、生死の流転の中で衆生を守護してきた。この大士は、慈悲の誓願ゆえに大鬼の姿を現しているが、実は鬼ではない。この後、百七十劫を経て仏となり、『無相如来』と号するであろう。その劫は『安楽』と名づけられ、世界は『浄住』と呼ばれる。その仏の寿命は、計り知れないほど長い。地蔵よ、この大鬼王のことは、このように不可思議であり、救い導かれる天界や人間の衆生も、限りないほど多いのである。」


7 利益存亡品
9 稱佛名號品

CBETA コード: T0412

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