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解深密経 (解深密經)

「解深密經」について

唐 · 底本の訳者:玄奘

3.2 万字 · 約 107 分

解深密経は仏教の重要な経典の一つであり、唐代の高僧・玄奘三蔵がサンスクリット語から漢訳しました。この経典は大乗仏教の瑜伽行派の根本典籍に属し、インド大乗仏教中期に成立しました。主に唯識思想と修行の階梯を詳説し、経文は仏陀と弟子たちとの対話形式で、阿頼耶識や三性・三無性などの核心的な教義を体系的に論じ、すべての現象は唯識であるという深遠な哲理を明らかにしています。瑜伽行派の理論的礎石として、解深密経は中国仏教史上において深遠な影響を与え、『成唯識論』と共に法相宗の核心経典を構成しています。その精密な哲学体系は後世の唯識学研究に重要な根拠を提供し、漢伝仏教において崇高な地位を占めています。


解深密經卷第一

解深密経 巻第一

大唐三藏法師玄奘奉 詔譯

大唐三蔵法師玄奘奉詔訳

序品第一

序品第一

如是我聞:

このように私は聞きました。

一時,薄伽梵住最勝光曜七寶莊嚴,放大光明,普照一切無邊世界,無量方所妙飾間列,周圓無際,其量難測,超過三界所行之處,勝出世間善根所起,最極自在淨識為相。如來所都,諸大菩薩眾所雲集,無量天、龍、藥叉、健達縛、阿素洛、揭路茶、緊捺洛、牟呼洛伽、人、非人等,常所翼從,廣大法味喜樂所持,作諸眾生一切義利,滅諸煩惱災橫纏垢,遠離眾魔、過諸莊嚴,如來莊嚴之所依處,大念、慧、行以為遊路,大止妙觀以為所乘,大空、無相、無願解脫為所入門,無量功德眾所莊嚴,大寶花王眾所建立大宮殿中。

一時、薄伽梵は、最勝の光り輝く七宝で荘厳され、大きな光明を放ち、すべての無辺の世界をあまねく照らし、無量の方角に美しい飾りが並び、周囲は際限なく広がり、その大きさは測りがたい、三界の及ぶところを超えた場所に住んでいます。それは出世間の善根から生じたものであり、最も自在な清浄の識をその本質としています。如来の都するところであり、多くの大菩薩たちが雲のように集まり、無量の天・龍・薬叉・健達縛・阿素洛・掲路茶・緊捺洛・牟呼洛伽・人・非人などが常にその周りを囲み仕えています。広大な法の味わいと喜びに支えられ、すべての衆生のあらゆる利益をなし、もろもろの煩悩や災いの纏いと汚れを滅し、多くの魔を遠ざけ、あらゆる荘厳を超えた、如来の荘厳のよりどころとなっています。大念・大慧・大行を行く道とし、大止と妙観とを乗り物とし、大空・無相・無願の解脱を入り口とし、無量の功徳の集まりによって荘厳され、大きな宝の花の王によって建てられた大宮殿の中にいます。

是薄伽梵最清淨覺,不二現行,趣無相法。住於佛住逮得一切佛平等性,到無障處,不可轉法,所行無礙,其所成立不可思議。遊於三世平等法性,其身流布一切世界,於一切法智無疑滯,於一切行成就大覺,於諸法智無有疑惑,凡所現身不可分別,一切菩薩正所求智,得佛無二住勝彼岸,不相間雜。如來解脫妙智究竟,證無中邊佛地平等,極於法界,盡虛空性窮未來際。

かの世尊は、最も清らかな覚りを極め、対立を超えた行いに至り、形なき真理の境地に進まれた。仏の境地に安住し、全ての仏と等しい境地を獲得し、障りのない領域に達し、揺るぎない教えを説き、その行いは何ものにも妨げられず、その成したことは思議を絶する。三世にわたる平等な真理の本質を遊行し、その身体はあらゆる世界に広がり、全ての法についての智慧に迷いや滞りはない。あらゆる行いにおいて大いなる覚りを完成し、諸法の智慧について疑惑はなく、現れるあらゆる姿は分別を超えている。一切の菩薩が求める正しい智慧を具え、仏の無二の境地に至り、勝れた彼岸に安住し、混ざり合うことなく、如来の解脱と妙なる智慧を究め、中辺なき仏地の平等を証し、法界の極みに達し、虚空の本性を尽くし、未来際を窮めるのである。

與無量大聲聞眾俱,一切調順,皆是佛子,心善解脫,慧善解脫,戒善清淨,趣求法樂;多聞、聞持,其聞積集;善思所思,善說所說,善作所作;捷慧、速慧、利慧、出慧、勝決擇慧、大慧、廣慧、及無等慧,慧寶成就;具足三明,逮得第一現法樂住;大淨福田,威儀寂靜,無不圓滿;大忍柔和,成就無減,已善奉行如來聖教。

多くの大阿羅漢たちと共に集まっていた。彼らは皆、よく調伏され、すべて仏の子であり、心はすでに完全に解脱し、智慧もまた完全に解脱していた。戒律は清らかに保たれ、仏法の喜びを求めて楽しんでいた。彼らは多くの教えを聞き、聞いたことをよく保持し、その学びを積み重ねていた。考えたことをよく思い、語ったことをよく語り、行ったことをよく行っていた。彼らは鋭敏な智慧、速やかな智慧、利巧な智慧、超越した智慧、優れた選択眼を持つ智慧、大きな智慧、広い智慧、比類なき智慧をそなえ、智慧という宝を成就していた。三つの明達を完全に具え、この世における最も優れた安らぎの境地である現法楽住を獲得していた。彼らは大いなる清らかな福田であり、威儀は静かで、欠けるところがなかった。大きな忍耐と柔和をそなえ、その功徳は減ることがなく、すでに如来の聖なる教えをよく実践していた。

復有無量菩薩摩訶薩,從種種佛土而來集會。皆住大乘,遊大乘法,於諸眾生其心平等,離諸分別及不分別種種分別,摧伏一切眾魔怨敵,遠離一切聲聞、獨覺所有作意,廣大法味喜樂所持,超五怖畏,一向趣入不退轉地,息一切眾生一切苦惱所逼迫地,而現在前。其名曰:解甚深義密意菩薩摩訶薩、如理請問菩薩摩訶薩、法涌菩薩摩訶薩、善清淨慧菩薩摩訶薩、廣慧菩薩摩訶薩、德本菩薩摩訶薩、勝義生菩薩摩訶薩、觀自在菩薩摩訶薩、慈氏菩薩摩訶薩、曼殊室利菩薩摩訶薩等,而為上首。

また、数え切れないほどの菩薩摩訶薩が、さまざまな仏の国土からこの集会に集まっていました。彼らは皆、大乗の教えに留まり、大乗の教えを修行し、すべての生きとし生けるものに対して平等な心を持っていました。分別も、無分別も、さまざまな分別もすべて離れ、あらゆる悪魔や怨敵を打ち負かし、声聞や独覚のすべての意識から遠く離れていました。広大な法の味わいと喜びに支えられ、五つの恐れを超え、修行が退かない境地へと進み、すべての生き物の苦しみや悩みに悩まされる場所を静めながら、目の前に現れていました。

その名は、解甚深義密意菩薩摩訶薩、如理請問菩薩摩訶薩、法涌菩薩摩訶薩、善清浄慧菩薩摩訶薩、広慧菩薩摩訶薩、徳本菩薩摩訶薩、勝義生菩薩摩訶薩、観自在菩薩摩訶薩、慈氏菩薩摩訶薩、曼殊室利菩薩摩訶薩などが上首でした。


2 勝義諦相品(一)

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