(一二)
(一二)
復次,若人內心賢善,則多安隱利益一切,是故智者應修其心恒令賢善。
さらに、もし人の内面が賢く善ければ、多くの安らぎと利益を得て、すべてのものに良い影響を与えます。ゆえに、賢い人は自らの心を修め、常に賢く善くあるように努めるべきです。
我昔曾聞,有諸比丘與諸估客入海採寶,既至海中船舫破壞。爾時有一年少比丘捉一枚板,上座比丘不得板故將沒水中,于時上座恐怖惶悸,懼為水漂,語年少言:「汝寧不憶佛所制戒,當敬上座?汝所得板應以與我。」爾時年少即便思惟:「如來世尊實有斯語,諸有利樂應先上座。」復作是念:「我若以板用與上座,必沒水中洄澓波浪,大海之難極為深廣,我於今者命將不全;又我年少初始出家未得道果,以此為憂,我今捨身用濟上座,正是其時。」作是念已,而說偈言:
昔々、私はこんな話を聞きました。多くの比丘たちが商人たちと共に海に入って宝を求めました。しかし海中に至った時、船が破損してしまいました。その時、一人の若い比丘が一枚の板を掴みましたが、上座の比丘は板を得ることができず、今にも水中に沈みかけていました。上座の比丘は大変恐れおののき、水に流されることを怖れ、若い比丘に言いました。「あなたは、仏が制定された戒律で、上座を敬うべきだと教えられているのを覚えていないのか?あなたが得た板は私に与えるべきだ。」
その時、若い比丘はすぐに考えました。「確かに如来世尊はそのようなお言葉を残された。利益や喜びはまず上座に先んじるべきだと。」さらに彼は思いました。「もしこの板を上座にお渡しすれば、私は必ず海に沈み、渦や荒波の中で溺れてしまう。この大海の難は極めて深く広い。今の私は命を全うできないだろう。また、私は若くして出家したばかりで、まだ悟りの果報を得ていない。このことが心配だ。しかし、今この身を捨てて上座をお助けするのは、まさにその時なのだ。」
そう思った後、彼は次の偈を唱えました:
「我為自全濟,為隨佛語勝,
無量功德聚,名稱遍十方。
軀命極鄙賤,云何違聖教?
我今受佛戒,至死必堅持。
為順佛語故,奉板遺身命,
若不為難事,終不獲難果。
我若持此板,必渡大海難,
若不順聖旨,將沒生死海。
我今沒水死,雖死猶名勝,
若捨佛所教,失於人天利,
及以大涅槃,無上第一樂。」
「私は自らの救いのため、仏の教えに従うことを最上の道と選びました。 無量の功徳の集まりにより、その名は十方に広まっています。 この命は実に卑しく浅はかなものです。どうして聖なる教えに背くことができましょう。 今、私は仏の戒めを受けました。死に至るまで必ず守り抜きます。 仏の言葉に従うために、この身を捧げて命を捨てましょう。 困難なわざをせずして、難しい成果を得ることはできません。 もしこの板を持ち続ければ、必ず大海の難を乗り越えられるでしょう。 しかし、聖なる教えに従わなければ、生死の海に沈んでしまうのです。 今、私は水に溺れて死ぬかもしれません。しかし、たとえ死んでも、それは名誉ある死であります。 もし仏の教えを捨てるならば、人天の利益と、さらに大涅槃という無上の第一の楽しみを失ってしまうのです。」
說是偈已,即便捨板持與上座。既受板已,于時海神感其精誠,即接年少比丘置於岸上。海神合掌白比丘言:「我今歸依堅持戒者,汝今遭是危難之事能持佛戒。」海神說偈,讚比丘曰:
この偈を説き終えると、すぐに板を手放して上座に差し出した。上座がその板を受け取ったとき、海の神はその誠心に感じ入り、若い比丘を岸の上に置いた。海神は合掌して比丘に言った。「私は今、戒律を堅持する者に帰依します。あなたはこのような危難に遭いながらも、仏の戒律をよく守られました。」海神は偈を説いて、比丘を讃えた。
「汝真是比丘,實是苦行者,
號爾為沙門,汝實稱斯名。
由汝德力故,眾伴及財寶,
得免大艱難,一切安隱出。
汝言誓堅固,敬順佛所說,
汝是大勝人,能除眾患難。
我今當云何,而不加擁護?
見諦能持戒,斯事未為難,
凡夫不毀禁,此乃名希有。
比丘處安隱,清淨自謹慎,
能不毀禁戒,此亦未為難;
未獲於道跡,處於大怖畏,
捨己所愛命,護持佛教戒,
難為而能為,此最為希有。」
「あなたこそ、真の比丘(僧)であり、まことの苦行者です。 あなたを沙門(修行者)と呼ぶにふさわしく、その名をよく体現しています。 あなたの徳の力によって、仲間たちや財宝が、 大きな困難から逃れ、皆が安らかに無事に抜け出せました。 あなたの誓いは堅固で、仏の教えを敬い従っています。 あなたは偉大な勝者であり、あらゆる苦難を取り除くことができました。 今、私がどうして、あなたを守り支えないことがありましょうか。 真理を見極めて戒律を守ることは、決して難しいことではありません。 しかし、凡夫が戒律を破らないことこそ、まことに稀有なことなのです。 比丘が安穏の地にいて、清らかに自らを慎み、 戒律を破らないことも、また難しいことではありません。 しかし、悟りの境地にまだ至らず、大きな恐怖の中にあって、 自らの愛する命をも顧みず、仏の戒律を護り続けること。 難しいことをよく成し遂げた、これこそが最も稀有なことなのです。」