第二初江王宮(釋迦如來)
第二章 初江王宮
葬頭河曲,於初江邊,官廳相連,承所渡前大河,即是葬頭。見渡亡人,名奈河津。所渡有三:一、山水瀨,二、江深淵,三、有橋渡。官前有大樹,名衣領樹,影住二鬼:一名奪衣婆,二名懸衣翁。婆鬼警盜業,折兩手指;翁鬼惡無義,逼頭足一所。尋初開男,負其女人,牛頭銕棒,挾二人肩,追渡疾瀨,悉集樹下。婆鬼脫衣,翁鬼懸枝,顯罪低昂,與後王廳。爾時,天尊說是偈言:
葬頭河は曲がりくねり、初めての川のほとりには役所が連なっている。渡し場の前にある大河、これが葬頭である。亡者を渡すこの場所を奈河津という。渡し方には三通りある。一つは山からの急流、二つは川の深い淵、三つは橋のある渡し場である。役所の前には大きな木があり、衣領樹という。その木の陰には二匹の鬼が住む。一匹は奪衣婆、もう一匹は懸衣翁という。婆の鬼は盗みの業を戒め、両方の指を折る。翁の鬼は無義の悪を憎み、頭と足を一つ所に押し付ける。まず男を先に進め、その女を背負わせる。牛頭が鉄の棒を持ち、二人の肩を挟んで急流を渡らせ追い、皆を木の下に集める。婆の鬼が衣を脱がせ、翁の鬼が枝に掛け、罪の軽重を明らかにして、後の王の庁へ送る。その時、天尊がこの偈を説いた。
二七亡人渡奈河, 千群萬隊涉江波。
引路牛頭肩挾棒, 催行馬頭腰擎叉。
苦牛食牛牛頭來, 乘馬苦馬馬頭多。
無衣寒苦逼自身, 翁鬼惡眼出利牙。
亡者たちは二十七日目の川を渡り、 幾千幾万もの群れが、流れを進む。
牛頭の獄卒は棒を肩に挟んで道を導き、 馬頭の獄卒は叉を腰に差して急かせる。
苦しみの牛を食らう牛頭が現れ、 苦しみの馬に乗る馬頭も数多い。
衣服もなく寒さに身を苛まれ、 翁の鬼は鋭い牙をむき出しにして、恐ろしい目で睨みつける。