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仏説地蔵菩薩発心因縁十王経 (佛說地藏菩薩發心因緣十王經)


第五閻魔王國(地藏菩薩)

第五閻魔王国

閻魔王國(自人間地去五百臾善那),名無佛世界,亦名預㫆國,亦名閻魔羅國。大城四面周圍銕墻,四方開銕門,左右有檀恭幢,上安人頭形,人能見人間,如見掌中菴羅之果。右黑闇天女幢,左太山府君幢。爾時世尊告大眾言:謂諸眾生有同生神魔奴闍耶(同生略語),左神記惡,形如羅剎,常隨不離,悉記小惡;右神記善,形如吉祥,常隨不離,皆錄微善,總名雙童。亡人先身若福若罪諸業皆書,盡持奏與閻魔法王。其王以簿推問亡人,筭計所作,隨惡隨善而斷分之。復二幢主以人頭所見重奏彼王。次有二院:一名光明王院,二名善名稱院。光明王院於中殿裏有大鏡臺,懸光明王鏡,名淨頗梨鏡。昔依無遮因感一大王鏡,閻魔法王向此王鏡鑑自心事,三世諸法情非情事皆悉照然。復圍八方,每方懸業鏡,一切眾生共業增上鏡。時閻魔王同生神簿與人頭見,亡人䇿髮右繞令見,即於鏡中現前生所作善福惡業,一切諸業各現形像,猶如對人見面眼耳。爾時同生神從座而起,合掌向佛說是偈言:

閻魔王の国(人間界から五百由旬のところにある)は、無仏世界とも、預㫆国とも、閻魔羅国とも呼ばれる。大きな都は四方向を鉄の壁で囲まれ、四方に鉄の門が開いている。門の左右には檀恭の幢が立ち、その上に人の頭の形が飾られており、これによって人間界を見ることができる。それは掌の中のアーマラの果実を見るように明らかである。右には黒闇天女の幢、左には太山府君の幢がある。 その時、世尊は大衆に告げられた。「諸々の衆生には同生神という魔奴闍耶(同生の略語)がいる。左の神は悪を記録し、その形は羅刹のようで、常に離れずに付き従い、すべての小さな悪をも記録する。右の神は善を記録し、その形は吉祥のようで、常に離れずに付き従い、すべての微かな善をも記録する。この二つを総称して双童という。亡くなった者の前世における福や罪、様々な業はすべて記録され、そのすべてを閻魔法王のもとに奏上する。王はその記録をもとに亡き者を尋問し、その行いを計算し、悪に応じて、善に応じて、その判決を下す。さらに、二つの幢の主が人の頭の形で見たことを重ねて王に奏上する。 次に二つの院がある。一つは光明王院、もう一つは善名称院である。光明王院の中央の殿には大きな鏡台があり、光明王の鏡がかけられている。これは浄頗梨鏡と呼ばれる。かつて無遮の因縁によって、一つの大王の鏡が得られた。閻魔法王はこの王鏡に向かって自らの心の行いを映し見る。三世のすべての法、有情・非情の事柄も、すべて明らかに映し出される。さらに四方八方に囲んで、それぞれの方角に業鏡がかけられている。これらはすべての衆生の共通の業を増上させる鏡である。 その時、閻魔王は同生神の記録と人の頭の形の見たところをもとに、亡き者の髪を結い束ねて右に回し、鏡の中を見させる。すると、生前に為した善福や悪業が、すべてその形を現す。それはまるで、人が向かい合って互いの顔や目を見るかのようである。その時、同生神は座から立ち上がり、合掌して仏に向かい、次の偈を唱えた。

我閻浮如見, 今現與業鏡, 毫末無差別。
質影同一相。

私が閻浮の世界に見るように、 今まさに現れる業の鏡には、 ほんのわずかの違いもなく、 姿と影は全く同じ姿を映し出しています。

爾時亡人驚悸逼心,頌曰:

その時、亡くなった人は恐怖に心を震わせる。偈に曰く:

前知有業鏡。 敢不造罪業。 鑑鏡如削身。
何此知男女?

昔から「業の鏡」があると知っていながら、よくも罪を重ねたものだ。その鏡に映れば、身を削られるような苦しみがあるというのに。 なぜ、このことを男女ともに知らないのだろうか。

爾時,閻魔法王重告大眾:我以閻浮日月所行,正、五、九月,長月十齊,殊向閻浮,於人眾同分。為作善福人,遣監福、監醮使,乘飛面白馬至,須臾之頃,見所作業,即還須臾,向我說所見福。為作惡罪人,遣通奏、通府使,至如上使。我今慇懃斷眾生業,眾生不知,恣作惡業,墮三惡道,非我無悲心。善福眾生,於十齊日,受持十戒,存當苦悲。一日,至心進念定光佛;八日,至心進念藥師瑠璃光如來;十四日,至心進念賢劫千佛;十五日,至心進念阿彌陀佛;十八日,至心進念地藏菩薩,從旦至食,供養稱名,必定不受四惡道苦;二十三日,至心進念勢至菩薩;二十四日,至心進念觀世音菩薩;二十八日,至心進念毗盧遮那如來;二十九日,至心進念藥王菩薩;三十日,至心進念釋迦牟尼佛。如是十齊修習一年,能持十戒,能念十尊,能除疫病、五病鬼使,得壽百年,得福百秋,命終之後生諸佛國。復能於我及奪魂神名拏吉尼眾,并傳屍鬼名起死鬼制呾羅月(正月)、室羅伐拏(五月)、未伽始羅(九月),於白黑七日至黃昏時,供養我等,所謂香花、金米、銀錢、銀幡、銀弊、仙果二種(石榴、棗果)、清茶,正向北方皆備諸供,一心頂禮,至心請念大神呪一百八遍,我閻魔王并諸眷屬哀愍納受。供養已後,錢、幡、弊等皆是醮之。當爾之時,以本誓力,雖著死簿,反著生書,橫死非命,必轉延壽。受持不綺語戒之人,必定不受橫死非命。即於佛前說神呪曰:

時に、閻魔王が再び大衆に告げました。「私は閻浮提における日月の運行に従い、正月・五月・九月の長月十斎日の間、特に閻浮提の人々とその仲間たちに目を向けています。善い行いを積む者には、監福使と監醮使を遣わし、白い馬に乗って飛んで行かせます。彼らは瞬く間にその人の行いを見届け、すぐに戻って私にその功徳を報告します。悪い罪を犯す者には、通奏使と通府使を遣わし、先と同じように報告させます。私は今、心を込めて衆生の業を断ち切ろうとしていますが、衆生は無知ゆえに放縦に悪業を積み、三悪道に堕ちていきます。それは私に慈悲の心がないからではありません。 善い功徳を持つ衆生は、十斎日において十戒を受け、苦しみを思いやり、心を注ぎなさい。

- 一日目は、心を込めて定光仏を念じなさい。 - 八日目は、心を込めて薬師瑠璃光如来を念じなさい。 - 十四日目は、心を込めて賢劫千仏を念じなさい。 - 十五日目は、心を込めて阿弥陀仏を念じなさい。 - 十八日目は、心を込めて地蔵菩薩を念じ、朝から食事時まで供養しその名を唱えなさい。そうすれば必ず四悪道の苦しみを受けません。 - 二十三日目は、心を込めて勢至菩薩を念じなさい。 - 二十四日目は、心を込めて観世音菩薩を念じなさい。 - 二十八日目は、心を込めて毘盧遮那如来を念じなさい。 - 二十九日目は、心を込めて薬王菩薩を念じなさい。 - 三十日目は、心を込めて釈迦牟尼仏を念じなさい。

このように十斎日を一年間修習し、十戒を守り、十尊を念じ続ければ、疫病や五つの病の鬼使を除き、百年の寿命と百秋の福を得て、命終わった後には諸仏の国に生まれます。

また、私や、奪魂神と呼ばれるナーギニーの仲間たち、そして伝屍鬼と呼ばれる起死鬼、さらには制呾羅月(正月)、室羅伐拏(五月)、未伽始羅(九月)において、白黒七日の間、黄昏時から私どもに供養しなさい。具体的には、香花、金米、銀銭、銀幡、銀弊、二種の仙果(石榴と棗の果実)、清茶を用い、正しく北を向いてこれらの供物を整え、一心に礼拝し、心を込めて大神呪を百八回唱えなさい。そうすれば、私、閻魔王とその眷族たちは哀れみをもって受け入れます。供養の後、銭や幡や弊などはすべて醮として捧げられます。 その時、もとよりの誓いの力により、たとえ死の書に名が記されていても、逆に生の書に書き換えられ、横死や非命の災いも必ず転じて寿命が延びます。綺語をせず戒を守る人は、必ず横死や非命にあうことはありません。」

そして、仏の前で神呪を唱えました。

唵􈁴炎􄗻摩􄗥曳􄗷達羅􇪰磨􄗥羅􄗽闍􄒶耶􄗱薩縛􇩉賀􄚩

オン、キリキリ、マカバイ、ダラ、マカ、ラジャ、バ、サバハ

爾時,閻魔法王說根本呪已,告監福使言:若有眾生日日持念一百八遍者,汝具無量閻魔率,不離左右,如守眼睛。若有所求,速疾圓滿。若有苦痛,與阿伽陀。若求園林,若願浴池,種種眾願,皆令滿足。爾時,監福使等合掌恭敬,進承教勑,退當奉行,隨善惡業,定七道報。爾時,天尊說是偈言:

その時、閻魔法王は根本の咒を唱え終えると、監福使に告げて言った。「もし衆生の中に、日々一百八回これを心に念じる者がいれば、汝は無量の閻魔の眷属を率いて、その者の左右を離れず、まるで眼を守るかのようにせよ。もし願い求めることがあれば、速やかに満たされよ。もし苦痛があれば、阿伽陀の薬を与えよ。もし林園を願い、あるいは浴池を望むなら、さまざまな衆生の願いを、すべて満たさせよ。」

その時、監福使らは合掌して恭敬し、進み出て教えを受け、退いてはこれを行い、善悪の業に従って、七つの道の報いを定めた。

その時、天尊はこの偈を説かれた。

五七亡人息諍聲, 罪人心恨未甘情。
䇿髮仰頭看業鏡, 悉知先世事分明。

五七の日に亡き人の諍いの声が静まる、 罪を犯した者の心は恨み、まだ納得できない。

髪を振り乱して顔を上げ、業の鏡を見れば、 前世の行いがすべて明らかに知られる。

復說善名稱院:此處殊勝,於無佛處別立淨土,金沙滿地銀玉疊道,四畔築四寶四門,開順金樹分七珍枝,開妙花每房結微菓,花尋開花長春不散,果尋結果長秋不落,池開七寶蓮重青黃赤白,汀鳴六種鳥和宮商角徵羽,莊嚴微妙如兜率天。中殊勝殿安五寶座,即是地藏菩薩入定寶處。四方有座,四大菩薩所座,所謂破惡趣菩薩、悲旋潤菩薩、金剛笑菩薩、除憂闇菩薩。爾時無佛世界能化導師悲願金剛地藏菩薩坐中央座,每日晨朝入恒沙定,從定起已遍十方國,住立有情室宅門戶,淨信念我,開於兩手熈怡微笑。現智笑士(亦名金剛笑大菩薩)聞行不淨,以左中指針於臆上,悲泣而去。現悲旋潤或入地獄,皆令離苦及餘惡趣,遍入救生,願力自在日日不怠。

また、「善名称院」について説きましょう。 この場所は格別に優れており、仏のいない世界にあって、別に浄土を打ち立てています。 金沙が地に満ち、銀と玉が道を重ねています。 四方のほとりには四つの宝で四つの門を築き、 並ぶ金の木は七種の宝石の枝を分け、 美しい花を開いては、どの枝にも繊細な果実を結びます。 花は咲き続けて春のようにいつまでも散らず、 果実も実り続けて秋のようにいつまでも落ちません。 池には七宝の蓮が開き、青・黄・赤・白が幾重にも重なり、 水辺では六種の鳥が鳴き、宮・商・角・徴・羽の音に調和しています。 その荘厳と微妙さは、兜率天のようです。 その中の特に優れた殿には五つの宝座が設けられており、 これは地蔵菩薩が禅定に入る宝の場所です。 四方には座があり、四大菩薩のための座です。 すなわち、破悪趣菩薩、悲旋潤菩薩、金剛笑菩薩、除憂闇菩薩です。 その時、仏のいない世界において衆生を導く師であり、 悲願を抱く金剛地蔵菩薩が中央の座に坐り、 毎朝、恒河沙の数のような禅定に入り、 その定から起きた後、十方の国々に遍く至り、 有情の家や門の戸に立ち、 「清らかな信心で我を念じなさい」と告げ、 両手を開き、心から微笑まれます。 智慧の微笑みの士(またの名を金剛笑大菩薩)が現れ、 行いが清らかでないと聞けば、 左手の中指で胸を指し、悲しみながら去って行きます。 また、悲旋潤が現れて地獄に入り、 皆を苦しみから離れさせ、その他の悪趣からも救い、 あまねく入り込んで命を救い、その願いの力は自在であり、 毎日怠ることがありません。

昔在因地發大願故,我念過去無數劫中有佛出世,號名覺華定自在王佛。彼佛世尊入涅槃後,於像法中有佛形像。爾時,我為聖近士女起大深信,供養恭敬。我知悲母墮在地獄,為救彼苦,七日斷食,一心祈請。於第七日第五更時,室中空內忽現佛身,而告我言:善哉,善哉!聖近士女!欲得度脫悲母極苦,當發無上大菩提心,能度三世一切父母,能化無佛世界眾生,能化地獄悲母等類,故名地藏。地獄眾生為庫藏故,於未來世堪救極苦。依佛教勑,始發善心,初發無上大菩提心,同諸佛行願,即救母苦,令得解脫,如彼佛說。我其後發事願,立誓頌曰:

昔、因位におられた時、大いなる誓願を立てられました。私は、無数劫の昔、覚華定自在王仏という名の仏が世に出現されたことを憶えております。その仏、世尊が入滅された後、像法の時代に仏の形像がございました。その時、私は聖なる近事女として、深い信心を起こし、供養し敬いました。

私は、悲しみの母が地獄に堕ちたことを知り、その苦しみを救うため、七日間断食し、一心に祈り求めました。第七日の五更の時、部屋の中の虚空に忽然と仏の身が現れ、私に告げられました。「善きかな、善きかな。聖なる近事女よ。悲しみの母の極苦を救い度そうと欲するならば、無上の大菩提心を発すべきである。それによって、三世の一切の父母を度し、仏のいない世界の衆生を教化し、地獄の悲母などの類を度することができる。故に地蔵と名づける。地獄の衆生を庫蔵とするがゆえに、未来世において極苦を救うに堪えるであろう」と。

仏の教えに従って、私は初めて善心を発し、無上の大菩提心を起こし、諸仏の行願と同じくして、母の苦しみを救い、解脱させることができました。それはかの仏のお説きになられた通りであります。その後、私は事の誓願を発し、頌を立てて誓いました。

我若證真後, 於地獄代苦, 可代不代者。
誓不取正覺。 我若證真後, 於餓鬼施食,
可施不施者, 誓不取正覺。 我若證真後,
於畜生䶩噉, 可救不救者, 誓不取正覺。
我若證真後, 於修羅諍苦, 可和不和者,
誓不取正覺。 我若證真後, 於有緣眾生,
不入三昧者, 誓不取正覺。 我若證真後,
畏短命念我, 不令得長壽, 誓不取正覺。
我若證真後, 為病苦念我, 不令得除愈。
誓不取正覺。 我若證真後, 除王難念我,
不令得恩赦, 誓不取正覺。 我若證真後,
離怨賊念我, 速疾不遠離, 誓不取正覺。
我若證真後, 厭貧苦念我, 不令豐衣食。
誓不取正覺。 我若證真後, 求官位念我。
不令得高官, 誓不取正覺。 我若證真後,
於臨終念我, 其時不現身, 誓不取正覺。
我若證真後, 為六道眾生, 隨應所得度。
為施甘露法。 我隨趣分身, 於緣熟眾生,
以六種名字, 應於當當身,

もし私が悟りを開いた後で、 地獄の苦しみを代わって受けるべき時に、 それを代わらずに済ませるようなことがあれば、 私は決して正覚を取らないと誓います。

もし私が悟りを開いた後で、 餓鬼に施しを与えるべき時に、 それを与えずに済ませるようなことがあれば、 私は決して正覚を取らないと誓います。

もし私が悟りを開いた後で、 畜生が互いに食い合う苦しみを救うべき時に、 それを救わずに済ませるようなことがあれば、 私は決して正覚を取らないと誓います。

もし私が悟りを開いた後で、 修羅の争いの苦しみを和解させるべき時に、 それを和解させずに済ませるようなことがあれば、 私は決して正覚を取らないと誓います。

もし私が悟りを開いた後で、 縁ある衆生が私を思い出しても、 悟りの境地に入れないようなことがあれば、 私は決して正覚を取らないと誓います。

もし私が悟りを開いた後で、 短命を恐れて私を念じる者に、 長寿を与えないようなことがあれば、 私は決して正覚を取らないと誓います。

もし私が悟りを開いた後で、 病の苦しみを抱いて私を念じる者に、 その病を癒やさないようなことがあれば、 私は決して正覚を取らないと誓います。

もし私が悟りを開いた後で、 王の責め苦から逃れようと私を念じる者に、 恩赦を与えないようなことがあれば、 私は決して正覚を取らないと誓います。

もし私が悟りを開いた後で、 盗賊の襲撃から逃れようと私を念じる者を、 すぐに遠ざけて守らないようなことがあれば、 私は決して正覚を取らないと誓います。

もし私が悟りを開いた後で、 貧しさと苦しみに嫌気がさして私を念じる者に、 衣食を豊かに与えないようなことがあれば、 私は決して正覚を取らないと誓います。

もし私が悟りを開いた後で、 官職を求めて私を念じる者に、 高い地位を与えないようなことがあれば、 私は決して正覚を取らないと誓います。

もし私が悟りを開いた後で、 臨終の時に私を念じる者に、 その時に姿を現さないようなことがあれば、 私は決して正覚を取らないと誓います。

もし私が悟りを開いた後で、 六道の衆生それぞれに応じて、 ふさわしい方法で救いの甘露の法を施します。 私はそれぞれの境涯に合わせて姿を変え、 縁の熟した衆生に対して、 六つの異なる名をもって、 それぞれの時代にふさわしい姿で現れます。

爾時,世尊告乞叉底蘗波菩薩言:善哉,善哉!諦聽,地藏!於未來世為緣現身,我當授記六種名字。頌告言:

その時、世尊は乞叉底蘗波(地蔵)菩薩に告げられた。「よきかな、よきかな。よく聞きなさい、地蔵よ。未来の世において縁に応じて身を現すために、私は六つの名を授けよう。」そして、その功徳を讃えて、偈(うた)をもって告げられた。

預天賀地藏, 左持如意珠, 右手說法印。
利諸天人眾。 放光王地藏, 左手持錫杖,
右手與願印, 雨雨成五糓。 金剛幢地藏。
左持金剛幢, 右手施無畏, 化修羅靡幡,
金剛悲地藏, 左手持錫杖, 右手引攝印。
利傍生諸界。 金剛寶地藏, 左手持寶珠,
右手甘露印, 施餓鬼飽滿, 金剛願地藏。
左持閻魔幢, 右手成辨印, 入地獄救生。

天の恵みを預かり、地を敬う地蔵。 左手に如意宝珠を持ち、 右手で説法の印を結ぶ。 多くの天や人々を利する。 光を放つ王たる地蔵は、 左手に錫杖を持ち、 右手で願いを叶える印を結び、 雨を降らせて五穀を実らせる。 金剛幢(こんごうどう)の地蔵は、 左手に金剛の幢(はた)を持ち、 右手で施無畏(せむい)の印を結び、 阿修羅(あしゅら)を教化して驕りをなびかせる。 金剛悲(こんごうひ)の地蔵は、 左手に錫杖を持ち、 右手で人を引き寄せ導く印を結び、 あらゆる生物の世界を利する。 金剛宝(こんごうほう)の地蔵は、 左手に宝珠を持ち、 右手で甘露の印を結び、 飢えた霊を飽かせ満たす。 金剛願(こんごうがん)の地蔵は、 左手に閻魔の幢を持ち、 右手で成就の印を結び、 地獄に入って生きとし生けるものを救う。

爾時乞叉底蘗波菩薩,歡喜踊躍而起合掌,前白佛言:今從空佛聞此授記得未曾有,若於未來當堪利益惡趣眾生,不捨此身成大丈夫。爾時世尊而告我言:善哉如願!善哉如願!即時動地即天雨花,忽然變成大丈夫僧,即得大乘第三果位。爾時世尊而告我言:今無佛世能化堪忍,於未來世有佛名為釋迦牟尼佛,處忉利天先知汝來,滅後弟子皆悉付汝。其娑婆國人多好惡,實非汝願不見能化。若入地獄授五八戒惡趣救生,於此一事超過恒沙無數菩薩。即我略說汝未來世善權方便功德。偈言:

爾時、乞叉底蘗波菩薩は喜び勇んで立ち上がり、合掌して仏に申し上げた。「今、空中の仏からこの授記を聞いて、未曾有のことを知りました。もし未来において、悪趣の衆生を利益し、この身を捨てずに大丈夫となることができるならば、それこそが私の願いです。」その時、世尊は私に告げられた。「善きかな、願いの如くに!善きかな、願いの如くに!」と。するとたちまち大地が震動し、天から花が降り注ぎ、忽ちにして私は大丈夫の僧となり、大乗の第三の果位を得た。その時、世尊は私に告げられた。「今、仏のいない世にあっても、よく堪え忍んで教化できる者よ。未来の世に、釈迦牟尼仏という名の仏が現れる。その仏が忉利天に在して、あなたが来ることを先に知り、滅後の弟子たちをすべてあなたに託すであろう。その娑婆世界の人は多く好悪に偏り、実にあなたの願いとは合わず、教化できる者を見出せないかもしれない。しかし、もし地獄に赴き、五戒や八戒を授け、悪趣の衆生を救うならば、この一事に限っては、恒河の砂の如く無数の菩薩をも超える功徳がある。」ただ、私はあなたの未来世における善巧方便の功徳を略説しただけである。偈に言う。

若有順母教, 皆是地藏身。 慇懃化悲母,
願力自在故。 若有念我名, 每日稱百返,
於四惡趣中, 代苦與解脫。 若有正王臣,
為帝釋擁護, 若有邪王臣, 為閻魔罸之。
極惡罪人海, 無能渡導者, 乘地藏願船。
必定到彼岸。

もし母の教えに従う者あらば、 みな地蔵の化身である。 心を込めて慈母を導き、

願いの力は自在である。 もし我が名を念じ、 毎日百回唱えるなら、

四つの悪しき境遇の中で、 苦しみに代わり、救いを与えよう。 正しい王や臣下は、

帝釈天に守られ、 邪な王や臣下は、 閻魔に罰せられる。

極めて悪しき罪人の海は、 渡し導く者もないが、 地蔵の願いの船に乗れば、

必ず彼岸に至る。

爾時,空佛說是偈已,忽然變化隱而不現。我大丈夫聞佛記別,即得善現色身三昧,從其已來每日入定,利益眾生無時暫怠。

その時、空(くう)の仏(ほとけ)はこの偈(げ)を説き終えて、たちまち姿を変え、隠れて現われなくなった。尊き方よ、私は仏から未来の成仏の予言を受けて、すぐに善現色身三昧(ぜんげんしきしんざんまい)を得ました。それ以来、毎日入定し、少しの間も休むことなく、人々の利益のために力を尽くしてきました。

爾時,大會閻魔王等諸羅剎娑,聞乞义底孽婆菩薩宿世因緣,深信因果無量功德,皆為眷屬扶助化導,於善名處略說往古本願事竟。

その時、大集会に集まった閻魔王や羅刹たちは、乞叉底蘖婆(地蔵)菩薩の過去世の因縁を聞き、因果の道理と限りない功徳を深く信じました。そして皆が眷属となって助け導き、善名の地において、古(いにしえ)の本願について簡略に説き終えました。


第四五官王宮(普賢菩薩)
第六變成王廳(彌勒菩薩)

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