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菩提場所説一字頂輪王経 (菩提場所說一字頂輪王經)


菩提場所說一字頂輪王經密印品第八

第八品 密印

爾時,釋迦牟尼佛告一切菩薩眾:「善男子!汝等應受一切如來出生大三摩地,無比力超勝一切如來,住真言身,一切如來族真實大印真言無比威光神通,流出無邊奇特,現威神力,能生一切菩薩、能摧一切俱胝魔、攝伏一切菩薩、令難調之人起於慈心。善男子!能成辦一切事業,我今說大印。」

その時、釈迦牟尼仏はすべての菩薩たちに告げました。 「善き者たちよ。あなたがたは、すべての如来が生み出した偉大な三昧、比類なき力を、よく受け継ぐべきです。この力はすべての如来を超え、真言の身に宿り、すべての如来の一族である真実の大いなる印と真言の比類なき威光と神通力から、限りなく特別なものが流れ出て、威神力が現れるのです。この力は、すべての菩薩を生み出し、無数の魔を打ち砕き、すべての菩薩を導き、調伏しにくい者にも慈しみの心を起こさせます。善き者たちよ。この力はすべての働きを成し遂げることができるのです。さあ、これより大いなる印を説き明かしましょう。」

爾時,金剛手白佛言:「世尊!世尊!唯願說從一切如來支分出生大印真言,為眾生利益故,作易方便成就。」

その時、金剛手が仏に申し上げました。「世尊よ、すべての如来の身体の部分から生まれる大いなる印の真言をお説きください。どうか人々の利益のために、分かりやすく成就できる方法をお示しください。」

佛言:「汝當諦聽,我為汝說,我今分別解說。

仏は言われた。「あなたはよく聞きなさい。あなたのために説きましょう。今、詳しく説明します。」

「二手內相叉作拳,竪二大指,此是一切如來心印。
「即此印,屈左大指入掌,是為持蓮華者印。

この印は、左手の親指を手のひらの中に折り曲げます。これが蓮華を持つ者の印です。

「即前印,屈右大指入掌,左大指直竪,是持金剛者印。

右手の親指を曲げて掌の中に入れ、左手の親指をまっすぐ立てる。これが金剛を執り持つ者の印である。

「真言曰:

真言(マントラ)は、こう唱えます。

「『曩謨薩嚩沒馱冒地薩怛嚩(二合)南阿(引)尾囉吽欠』

「南無すべての仏陀と菩薩たちに。アビラウンケン」

「此是一切如來心印真言。祕密主!此名大勤勇心真言,一切如來真實法,能解脫地獄、傍生、夜摩惡趣,能令一切有情作如來事,攝召一切菩薩。金剛手!我略說:能召梵王、帝釋、夜摩、水天、俱尾羅等,住十地菩薩大自在者尚能請召,何況餘類?

これは、すべての如来の心の印である真実の言葉(真言)です。 秘密主(金剛手)よ、これは「大勤勇心真言」と呼ばれ、すべての如来の真実の教えを表しています。 この真言は、地獄・畜生・餓鬼(夜摩)の悪趣から解脱させ、すべての有情(生きとし生けるもの)を如来の働きに導き、すべての菩薩を招き寄せることができます。 金剛手よ、私は簡潔に説きましょう。 この真言は、梵天・帝釈天・夜摩天・水天・クベーラ(多聞天)などを招き寄せることができ、さらには十地に住する菩薩や大自在天でさえも招請できるのです。ましてや、それ以外の者たちは言うまでもありません。

「如前,二手作拳,舒二中指竪相合,屈上第三節,屈二頭指,互安於二大指甲上,此名輪王根本大印。

前と同じように、両手で拳を作り、中指だけを伸ばして縦に合わせ、第三関節を曲げます。人差し指を曲げて、両方の親指の爪の上に互いに置きます。これを輪王根本大印(りんのうこんぽんだいいん)といいます。

「恒河沙數量如來之所說,未來佛當說此大輪王印,此印名大印,說為輪王頂,此明即是佛利益有情故,智者成就人。若結此印處,諸惡魔障等是處不敢住。祕密主!此輪王根本印,一切如來之所宣說,於百俱胝劫不能盡說其福利,設於千恒河沙數劫亦不能說其功能福利、讚揚威德。」

「ガンジス川の砂の数ほどの如来たちが説き、未来の仏たちも説くであろう、この大輪王の印がある。この印は『大印』と呼ばれ、『輪王の頂』と説かれる。この真言は、まさに仏が生きとし生けるものを利益するためのものであり、智慧ある者はこれを成就する。もしこの印を結ぶ場所があれば、あらゆる悪魔や障害などは、その場所に近づくことすらできない。秘密主よ!この輪王の根本の印は、すべての如来によって説かれたものであり、百倶胝の劫を経ても、その功徳を語り尽くすことはできない。たとえ千のガンジス川の砂の数ほどの劫を経ても、その効能や功徳、その威徳を称賛することはできないのである。」

爾時,如來說伽他曰:

そのとき、如来は次のように偈(げ)を説かれました。

「智者若受持, 大威德菩薩、
俱胝魔羅眾, 常不被沮壞,
乃至百劫中, 不墮於惡趣。
若持輪王印, 并誦是真言,
由受持之福, 如來大師說,
於百俱胝劫, 不能而讚歎。
若有持此明, 持戒精進者,
應修此真言, 輪王大力者,
彼人不失慧、 及不失正念,
於千俱胝劫, 未嘗有忘失。

賢者がこの教えを受ければ、 大いなる威徳を持つ菩薩、 数多の魔羅の群れに、 妨害されることは決してありません。 たとえ百劫の間も、 悪趣に堕ちることはありません。 もし転輪聖王の印を結び、 この真言を唱えるならば、 その功徳を受けるゆえに、 如来大師がおっしゃるには、 百俱胝劫もの長き間、 称え尽くすことはできないのです。 もしこの明呪を持ち、 戒律を保ち精進する者は、 この真言を修行すべきです。 輪王の大いなる力により、 その人は智慧を失わず、 また正念を失うことなく、 千俱胝劫の間も、 忘れるということが決してありません。

「金剛手!此大印無比量力威德。

金剛手よ、この大いなる印には、限りない力と威徳がある。

「准前根本印,二中指直竪合,是則高頂王印,以此於佛頂族中為灌頂印。

根本の印と同様に、中指二本をまっすぐに立てて合わせます。これが高頂王印であり、仏の頂上の一族において、灌頂の印とされます。

「以二手虛心合掌,屈二無名指入於掌中,以二大指面押二無名指甲上,屈二頭指相拄令圓,如傘蓋形,此名白傘蓋頂王印。

両手を心の前で合わせ、薬指を両方とも掌の中に曲げ入れて、二本の親指の腹で薬指の爪を押さえます。人差し指を曲げて、両方の指先を合わせて円を作ります。ちょうど傘を開いたような形です。これを「白傘蓋頂王印」といいます。

「准前印,舒二頭指,則是光聚頂王印。

二本の頭指を伸ばして、先ほどと同じ印を結ぶ。これが光聚頂王の印である。

「准前印,以二頭指各安中指第三節,是勝頂王印,是則吉祥法輪大印,名十二行相法輪印,一切佛之所說,能壞一切煩惱。若見此印,如親見如來。

先の印を用い、二本の人差し指をそれぞれ中指の第三節に置く。これが勝頂王印であり、吉祥法輪の大印である。十二の行相を持つ法輪の印と呼ばれ、すべての仏が説かれたもので、あらゆる煩悩を打ち破る力を持つ。この印を目にすることは、如来を直接お目にかかることと同じである。

「即此印,以二頭指㧙二中指背,即名煩惱雹印,亦名如來結跏印。

この印は、両方の人差し指で中指の背を押さえるものです。これを煩悩雹印といい、また如来結跏印とも呼ばれます。

「金剛手!此等五大印,如來族中名轉輪王大印。

金剛手よ、これらの五つの大いなる印は、如来の一族において「転輪王の大印」と呼ばれるものである。

「祕密主!此輪王大印等煩惱雹、法輪、光聚頂、勝頂、高頂并白傘蓋頂,如是等印悉皆是輪王印。

「秘密主よ、これらの輪王の大印——煩悩の雹(悩みを砕く印)、法輪、光聚頂、勝頂、高頂、そして白蓋頂などの印は、すべて輪王の印である。

「以二手虛心合掌,雙屈二大指入掌中,此印名如來心印,亦名如來大勇猛印。

両手を軽く合わせて、二本の親指を曲げて掌の中に入れる。この印を如来心印といい、また如来大勇猛印ともいう。

「以此印真言七遍加持心,先世流轉中所作一切罪悉皆得除滅,即頂上解散,通一切成就。以此加持自身,即成一切如來之所加持身。真言曰:

この印と真言を七回となえて心に加持すれば、先の世を巡り歩む中で作ったあらゆる罪がことごとく除かれ消え去ります。そして頂上で解き放ち、すべての成就を得ます。これによって自らを加持すれば、あらゆる如来に加持された身となります。真言は次の通りです。

「『曩謨三滿多沒馱南唵麌那𠼝尾𠼝娑嚩(二合引)訶』

「南無、すべての仏陀に帰依いたします。 オーム、優れた功徳よ、清らかな光よ、幸せあれ。」

「此大真言同五字真言修行,以此護身,常應加持於心,兼用五字,獲大威德力。

この大真言は、五字真言の修行と同じ方法で行います。 これによって身を守り、常に心に加持を施すべきです。 また、五字を併用すれば、大きな威徳の力を得ることができます。

「以二手虛心合掌,十指互相交,令虛其掌,此名一切辦事佛頂印。真言曰:

両手を軽く合わせ、指を互いに組んで手のひらを空にします。これを「一切事を成す仏頂印」と呼びます。真言は次の通りです。

「『曩謨三滿多沒馱南唵吒嚕(二合)滿馱娑嚩(二合引)訶(引)』

南無三満多没駄南 おん たるまんだ そわか

「金剛手!此一切辦事真言,於佛頂教中此是一切佛頂心,於一切事業處當用,修行者以此應護身。

金剛手よ、このすべての事業を成し遂げる真言は、仏頂の教えの中では、すべての仏頂の心そのものです。あらゆる行いの場面で用いるべきであり、修行者はこれによって身を守らねばなりません。

「以右手握大拇指作拳,以左手執袈裟角,此名錫杖印。真言曰:

右手で親指を握って拳を作り、左手で袈裟の端を持ちます。これを錫杖印と言います。真言は次の通りです。

「『曩謨三滿多沒馱南唵度那(引)爾多囉拏吽(引)』

「南無三満多仏陀南。おん、どのたから、うん。」

「此是錫杖明, 能制難調者,
護身故應用。 常於成就處,
應用錫杖印, 印、真言相應。

これは錫杖の光であり、 調伏し難き者を制する力を持つ。 身を守るために用いるべきである。 成就の場においては、常に 錫杖の印を用い、印と真言を一致させよ。

「先以左手仰掌安於臍下,以右手覆左手上,右手小指與左手大指互相加,其掌令虛,名如來鉢印。

まず左手のひらを上に向けて、おへその下に置きます。その上に右手を重ね、右手の小指と左手の親指を互いに組み合わせます。手のひらは軽く空洞を作るようにします。これを「如来鉢印」といいます。

「當於恐怖處、 飢渴障難時,
應誦是真言, 諸苦悉無有。

恐怖の場所にあり、飢えや渇き、困難や災いに遭う時は、 この真言を唱えるべきである。そうすれば、あらゆる苦しみはすべてなくなる。

「真言曰:

真言(マントラ)は、こう唱えます。

「『唵盧迦播攞(引)地瑟恥(二合)多馱囉馱(引)囉也摩訶努婆(去)嚩沒馱跛怛囉(二合)娑嚩(二合引)訶(引)』

「オン、ルキャバラ・ティシュティタ・タラタラヤ・マハヌバヴァ・ブッダ・パトラ・ソワカ」

「鉢真言大力, 諸佛所加持,
一切諸眾生, 由念除飢渴。
險道曠野中, 修行者憶念,
當加於自身, 真言、印相應。

鉢の真言は大力を有し、諸仏によって加護される。 あらゆる衆生も、これを念じれば飢えと渇きが除かれる。 険しい道や荒野の中にあっても、修行者がこれを思い起こせば、 自身に真言と印相を具えて、その力が加わるであろう。

「以二手內相交仰掌,二頭指側相拄,二大指各捻頭指下節,倒安眉間,名如來毫相印。真言曰。

両手を内側で交差させ、手のひらを上に向けます。両方の薬指の側面を互いに立てて合わせ、両方の親指でそれぞれの薬指の下の関節を軽く押さえます。これを逆さまにして眉間に置くものを、如来の白毫の印と名づけます。真言は次の通りです。

「『曩謨薩嚩怛他(去引)蘗帝瓢囉曷(二合)毘藥(二合)三藐三沒第毘藥(二合)係係滿馱滿馱底瑟姹(二合)底瑟姹(二合)馱(引)囉也馱(引)囉也儞論馱儞論度(引)囉拏(二合)麼尼娑嚩(二合引)訶(引)』

<ノート>去引</ノート>南無一切如来・応供・正等覚者たちに。 ああ、縛れ、縛れ。安住せよ、安住せよ。 保て、保て。動かすな、動かすな。 量り知れない功徳をもつ尊よ、願わくは吉祥あれ。

「此是毫相印, 能具大人相,
能與諸悉地, 是印大威德。
若人持此印, 毫相威德者,
彼皆得成就, 由結誦此明。

これが白毫の印であり、大人の相を具え、 あらゆる成就(悉地)をもたらす。 この印には大いなる威徳がある。 もし人がこの印を結び、白毫の威徳を修めるならば、 その人は皆、この真言を結び唱えることによって成就を得る。

「用前印,加持於頸則成頸印、加持於鼻則成鼻印。如來鼻真言曰:

「まずこの印を、首に用いれば首の印となり、鼻に用いれば鼻の印となる。如来の鼻の真言は次のとおりです——」

「『曩謨三滿多沒馱南唵哩尼吽泮娑嚩(二合引)訶(引)』

「南無三満多没駄南 オン リニ ウン ハン ソワカ」

「行者加自鼻, 彼終無鼻疾,
於百俱胝劫, 彼終不患鼻。

修行者が自らの鼻に功徳を施せば、その人は決して鼻の病にかかりません。 百千万劫の長い間、鼻の患いに悩まされることは決してないのです。

「二手密合掌,屈二頭指各安中指背上,大指屈入掌,名為佛眼印。

二手を密に合掌し、二つの人差し指を曲げてそれぞれ中指の背に置き、親指を掌の中に曲げ入れる。これを仏眼印と名付ける。

「一切佛頂中, 應用此大印,
最勝滅諸罪, 決定得成就,
修輪王佛頂。 若常結此印,
清淨而受持, 不久彼成就,
一切佛頂法。 設積百劫福,
若得此印契, 誦佛眼真言,
其福與彼等。 此佛眼印明,
能成一切業。」

あらゆる仏の頂きのうち、 この大いなる印を用いるべきである。 最も優れ、あらゆる罪を滅し、 必ず成就を得ることができる。

これが輪王仏頂の修行である。 もし常にこの印を結び、 清らかに受持するならば、 遠からずして彼は成就する、 一切の仏頂の法を。

仮に百劫の福を積んでも、 この印契を得て、 仏眼の真言を唱えれば、 その福はそれと等しくなる。 この仏眼の印と明は、 あらゆる業を成就させることができる。

即說真言曰:

真言を唱えた:

「曩謨薩嚩怛他櫱帝瓢囉曷(二合)毘藥(二合)三藐三沒第毘藥(二合)唵(引)(四)嚕嚕塞普(二合)嚕入嚩(二合)攞底瑟姹(二合)悉馱嚕左儞薩嚩囉他(二合)娑但儞娑嚩(二合引)訶」

「帰命します、全ての如来たちに。正しく完全に悟りを開かれた方々に。 オーン、ルル、スプル、ジヴァラ、ティシュタ、シッダ・ローチャニ、サルヴァ・アルタ・サダニ、スヴァーハー。」

爾時,世尊告金剛手菩薩言:「金剛手!此佛眼大明妃,我從十俱胝如來所授得此陀羅尼。金剛手!由憶念此明,一切真言聖天現其修行者前,於一切真言教法悉皆成就;由誦持此真言,一切金剛族悉皆成就。是故,金剛手!修佛頂真言者,先當誦持此明妃三遍、或七遍、或二十一遍。

その時、世尊は金剛手菩薩に告げられた。「金剛手よ、この仏眼大明妃の陀羅尼は、私は十俱胝の如来のもとから授かったものである。金剛手よ、この明妃を心に念ずれば、すべての真言の聖天が修行者の前に現れ、すべての真言の教えがことごとく成就する。また、この真言を唱え持てば、すべての金剛族がことごとく成就する。それゆえ、金剛手よ、仏頂真言を修行する者は、まずこの明妃を三遍、あるいは七遍、あるいは二十一遍唱え持つべきである。」

「金剛手!此佛眼大明妃,我今釋迦牟尼說,為利益諸有情故。金剛手!此陀羅尼,暴惡嗔怒有情前應誦,皆得歡喜;難調暴惡鬼魅降伏,皆歡喜;於一切鬪諍、言訟、鬪戰皆得寂靜。祕密主!若修行佛頂真言者不得成就,彼應以此大明妃真言相和誦之,決定有大應驗,速疾成就。若未經一、二、三期限,不得和誦,乃至第四遍求悉地不得成就,然後加此大明妃真言和誦,當速疾現驗得成就。初一、二、三、四所不應加,若加之則損持明者。

「金剛手よ。この仏眼大明妃の陀羅尼を、今、私、釈迦牟尼が説く。それは、全ての有情(生きとし生けるもの)の利益のためである。金剛手よ。この陀羅尼は、激しく怒りやすい有情の前で唱えるならば、彼らを皆、喜ばせることができる。また、調伏しがたい暴悪な鬼魅(鬼や妖怪)をも降伏させ、皆を喜ばせる。そして、あらゆる争い、言い争い、戦いをも静めることができる。

秘密主よ。もしも仏頂真言(仏の頂上を表す真言)を修行しても成就しない者がいたならば、その者はこの大明妃の真言を合わせて唱えなさい。そうすれば、必ず大きな効験があり、速やかに成就するであろう。

ただし、まだ初期の修行期間(一、二、三の期限)を経ていないならば、合わせて唱えてはならない。そして、第四の期間に至ってもなお悉地(成就)を得られない場合に、初めてこの大明妃の真言を加えて唱えるべきである。そうすれば、速やかに効験が現れ、成就するであろう。

最初の一、二、三、四の期間には決して加えてはならない。もし加えれば、真言を保持する者を損なうことになるからである。」

「則用前印,以二頭指各㧙中指背,是如來眉印。一切如來說,我今演說:

では、先ほどの印を用いて、二本の人差し指でそれぞれ中指の背を押さえます。これが如来の眉間の印です。すべての如来が説かれました。「私は今、これを説き明かそう。

「設有訖哩底迦、
及嚩薩蘇天、 祕密大威德、
及欲天子等、 并及持犁天,
如是諸天類, 若見是印契,
怖畏而馳走, 何況地居者?

「たとえキリティカ天や ヴァサス・ソ天(ヴァーユ神)であっても 秘密の大威徳ある者、 また欲界の天子たちや 犁を持つ天(バラモン)らも、 この印(印契)を見れば、 恐れ畏れて逃げ去る。 ましてや地に住む者たちはなおさらである。」

「真言曰:

真言(マントラ)は、こう唱えます。

「『曩謨三滿多沒馱南唵紇哩(二合)吽』

「ナモ サマンタ ブッダナン オーン キリク ウン」

「即以前眉印,開竪二大指如口形,相去中指兩穬麥,常結此口印置於自口上。真言曰:

眉のところにある印をそのまま使い、両方の親指を立てて口の形を作ります。中指の間隔は大麦二粒分ほどに開け、この口の形の印を常に結んで、自分の口の上に置きます。真言は次の通りです。

「『曩謨三滿多沒馱南枳哩枳哩』

「南無サマンタブッダナム キリキリ」

「此明大威德, 速疾作諸業。
若常加持口, 修行成就人,
彼人語無礙。 盡於三界中,
彼人常言音, 顯現美妙音,
不患口疾病。 無量俱胝劫,
自在毘紐天, 不伏人教令,
當於是人所, 出言皆順伏。
天、龍、鍵達王, 及餘大威德,
悉皆得調伏, 何況諸凡愚?

これは大威徳を明らかにし、 速やかにあらゆる業を成す。 もし常に口を加持するならば、 修行を成就する人は、 その人の言葉に障りがなくなる。 三界のすべてにおいて、 その人は常にその声で、 美しい音を現し出す。 口の病に悩まされることはない。 無量の俱胝劫の間、 自在天や毘紐天でさえ、 人の教えに従わない者も、 その人の前では、 言葉を発すれば皆、素直に従う。 天、龍、キンナラ王、そしてその他の大威徳ある者も、 すべて調伏される。 ましてや凡夫たちはなおさらである。

「以右膝著地,竪左膝,左手引向後,作荅勢,以右手當心為拳,竪頭指作期剋勢,凌身向前,名為無能勝大印。

右膝を地面につけ、左膝を立て、左手を後ろに引き、応答の構えをとる。右手は心臓の前で拳を作り、人差し指を立てて決意を示す構えをとり、身を前に傾ける。これを無能勝大印と名づける。

「能摧一切魔、 能除諸魔障,
大力欲自在。 世間魔軍主,
波旬第二名, 亦名欲自在。
世間大威德, 若欲作障難,
無量俱胝魔, 於彼而共住。
當於尼連河, 無量俱胝魔,
現種種形狀, 魔軍恐怖形。
我證無上智, 世間中最勝,
梵魔及沙門, 世中無所得。
當於晨朝時, 得證無上句,
為壞彼魔故, 持種種形者。
當時我宣說, 此明大威力,
變現天女形, 於大師前住,
摧壞暴惡魔, 持無量種形。
此中說真言:

あらゆる魔を打ち破り、 あらゆる魔の障りを除く、 大いなる力を持つ欲自在。 世の中の魔軍の主、 波旬は第二の名であり、また欲自在とも呼ばれる。

世の中に大いなる威徳を持つ者も、もし障害を起こそうとすれば、 無数の魔どもが彼のもとに集い住む。 かのネーランジャナー川のほとりには、無数の魔どもが 様々な姿を現し、恐ろしい魔軍の形をとった。

私は無上の智慧を証得し、世の中において最も勝れた者となった。 梵天、魔、沙門(修行者)のいずれも、世の中で何も得ることはない。 朝のときに、無上の句を証得し、 かの魔を打ち破るために、様々な形をとる者たちを退けた。

そのとき私はこの大いなる威力を持つ明(呪文)を説いた。 天女の姿に変わり、大師の前に立ち、 暴悪な魔を打ち破り、無量の様々な形をとる者を退ける。 ここに真言を説く。

「『曩謨三滿多沒馱南唵戶魯戶魯戰拏里摩鐙倪(妍以反)娑嚩(二合)訶(引)』

「南無三満多没駄南 オン クロクロ チャンダリ マトウゲイ ソワカ」

「復次,祕密主! 無能勝大明,
等正覺佛說, 行者護身故,
一切時應護。 於大障礙處,
鬼魅惡形怖, 成就佛頂者,
大力能加護。 常加持己身,
常得大加護。

さらに、秘密主よ。

無能勝大明は、 正しい悟りを得た仏が説いたものであり、 修行者が身を守るために、 常に護持すべきものである。

大きな障害がある場所や、 鬼や悪魔の恐ろしい姿に怯える時、 仏頂の成就者には、 その大いなる力が加護を与える。

常に自らを加持しなさい。 そうすれば、常に大きな加護を得られるだろう。

「先端身結跏作勇健坐,以左手仰掌安臍下結跏上,舒右手竪掌向外,以大指捻無名指甲上,頭指屈在中指背,令不相著,名如來鑠訖底(二合)印。

先端身結跏趺坐して勇健坐をとる。左手は掌を上に向けて臍の下、結跏趺坐の上に置く。右手は伸ばして掌を外側に向け、親指で薬指の爪を押さえ、人差し指を曲げて中指の背に置き、指同士が触れないようにする。これを如来鑠訖底印という。

「若結此印者, 不奪其威力。
今世及他世, 智者結此印,
獲得如來力。 若誦此真言,
諸佛皆加持。

この印を結ぶならば、その威力は失われない。 現世においても、来世においても、智慧ある者はこの印を結び、 如来の力を得るのである。もしこの真言を唱えるならば、 諸仏が皆、力を授けてくださる。

「真言曰:

真言(マントラ)は、こう唱えます。

「『曩謨三滿多沒馱南唵尾惹曳摩阿鑠訖底(二合)訥馱哩吽泮吒尾惹以儞泮吒莾誐黎泮 娑嚩(二合)訶』
「三時若憶持, 修持輪王頂,
速疾得悉地, 三界中無礙。

三つの時を心に留め、 王の頂を修め持てば、 速やかに成就を得て、 三界に障りはない。

「准如前印,右手覆在左手上,相去一穬麥間,名如來臍印。
「此諸佛大力, 若能常憶念,
共明而相應。 腹中食不消、
懶惰於禪定、 若患於寒熱、
小腹及兩脇、 頭痛及諸疾,
除多種逼惱, 常獲身無疾。」

これらの諸仏の大いなる力は、 常に心に念じれば、 共に輝き、調和する。 腹中の食べ物が消化されず、 <br> 坐禅に怠りがあり、 寒熱の病に悩まされ、 下腹や両脇、 頭痛など様々な病があっても、 <br> 多くの苦しみを取り除き、 常に健康な身体を得られる。

即說成就真言曰:
「曩謨三滿多沒馱南唵質置質置娑嚩(二合引)訶(引)」

南無三満多仏陀南 オン シチシチ ソワカ

「是諸如來臍, 是則真言印,
令現種種色, 熙怡奇持事,
示現諸神通, 種種無有盡。」

これら諸仏の臍(へそ)は、 すなわち真言の印である。 様々な色を現し、 和やかで不思議なありさまを示す。 種々の神通力を現じ、 その姿は尽きることがない。

菩提場所說一字頂輪王經卷第三

菩提場所説一字頂輪王経 巻第三


7 末法成就品
9 諸成就法品

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