六大國品第三
六大国品第三
是剡浮樹外有二林,形如半月,圍繞此樹。其內有林名呵梨勒,外名阿摩勒。阿摩勒菓,是子熟時,其味最美,不辛不苦如細蜂蜜。菓形大小如二斛器,其核如自性阿摩勒核。呵梨勒菓,是子熟時,其味最美,不辛不苦,如細蜂蜜。菓形大小兩倍於前,核亦如是。阿摩勒林南,復有七林,七河相間。其最北林名曰菴羅,次名剡浮,三名娑羅,四名多羅,五名人林,六名石榴林,七名劫畢他林。如是諸菓,其子熟時,不辛不苦,甜如蜂蜜。是人林中,菓形似人,如剡浮提勝人王種,其姓拘梨。若男十六歲、女十五歲,莊嚴具足,狀如行嫁。是人林菓可愛如是。其子蔕形,如人頭髻。未離欲者見此菓子,便生愛心。諸外道等有離欲人,若見此菓,退失禪定,欲心還生。其子熟時,唯鳥競食。鳥食之餘,殘落在地,如尸陀林,甚可厭惡。諸退定者見是相已,深生厭離,還得本定。是二林廣五十由旬,東西達海。其一一河廣五十由旬,東西達海。林河相次,互相間錯剡浮提地。林河所覆,七百由旬。
ここに、剡浮樹の外側に二つの林があり、その形は半月のようで、この樹を囲んでいます。その内側にある林は呵梨勒(かりろく)といい、外側にある林は阿摩勒(あまろく)といいます。阿摩勒の果実は、その実が熟すとき、その味は最もすぐれ、辛くもなく苦くもなく、細かい蜂蜜のようです。果実の形と大きさは二斛(にこく)の器ほどで、その核は自性の阿摩勒の核のようです。呵梨勒の果実は、その実が熟すとき、その味は最もすぐれ、辛くもなく苦くもなく、細かい蜂蜜のようです。果実の形と大きさは前のものの二倍で、核もまたそのとおりです。阿摩勒林の南に、さらに七つの林があり、七つの河が互いに間を隔てています。その最も北の林は菴羅(あんら)といい、次は剡浮(せんぶ)といい、三つ目は娑羅(しゃら)といい、四つ目は多羅(たら)といい、五つ目は人林といい、六つ目は石榴林といい、七つ目は劫畢他林(こうひつたりん)といいます。これらの果実は、その実が熟すとき、辛くもなく苦くもなく、蜂蜜のように甘いのです。この人林の中では、果実の形が人のようで、剡浮提のすぐれた人の王の種族、その姓は拘梨(くり)のようです。男は十六歳、女は十五歳で、装身具がすべて整い、嫁ぐときのような姿です。この人林の果実は、このように愛らしいのです。その実のへたの形は、人の頭の髻(もとどり)のようです。欲望を離れていない者は、この果実を見ると、愛する心を起こします。諸々の外道たちで欲望を離れた人も、この果実を見ると、禅定を失い、欲の心が再び起こります。その実が熟すとき、ただ鳥だけが争って食べます。鳥が食べた残りは、地に落ちて、尸陀林(しだりん)のように、たいへん厭わしいものです。定を失った者たちは、この様子を見て、深く厭離の心を起こし、もとの定を得ます。この二つの林は広さ五十由旬で、東西に海に達しています。その一つ一つの河も広さ五十由旬で、東西に海に達しています。林と河は順に並び、互いに間を隔てて剡浮提の地に交じり合っています。林と河に覆われたところは、七百由旬です。
其劫畢他林南有六大國,其最南國名曰高流,次名俱臘婆,三名毘提訶,四名摩訶毘提訶,五名欝多羅曼陀,極北名捨喜摩羅耶。是六國內,人皆貞善,持十善法,自不殺生、不教他殺。其獸將死,自至人所,既自死已,乃噉其肉。是處𤛆牛,其數最多,以其髦尾用覆屋舍。其地生麥,不須耕墾,是麥成粒,無有糠糩。是其國人磨蒸為飯。而是麥飯氣味甘美,如細蜂蜜。云何知耶?過去久遠有王出家,其王夫人亦得出家,國師婆羅門亦隨出家。既出家已,各相捨離,入山學道。是王夫人有時月水,月水淨時,往至王所與王相見,即白王言:「大王!我今有月水,古昔之人尊重兒息。」王欲棄捨不從妃意,思惟事重,復恐不可,遂共和合。乃有大福德子,男女二人俱時託胎。捨王而去,既經時節,其後腹大,從諸村落,次到郡縣,乃至諸州,人人訶罵云:「此女人都無道心,出家破戒。」妃聞是語,深生愧悔。是時,國師大婆羅門已成仙人,得五神通,隨一山林依止而住。爾時王妃聞婆羅門在彼山住,仍往尋覓。既見師已,乃問妃言:「是娠誰作?」妃即答言:「是王所為。」爾時仙人憶王昔恩,仍於別處為起葉屋,即語王妃:「汝止是中。我今當採樹根菓子以相供贍。」太妃依語,仍住其中。於是仙人,如法採拾樹根菓子,供給是妃。妃懷孕月滿,遂產二子,一男一女。至斷乳已,驅斥是妃:「汝今遠去。我當隨得根菓養飴二兒。」妃棄二子,依語而去。仙人隨得根菓,養育此兒。兩兒稍大已至識地,是時仙人,以生熟雜菓試與二兒,於是二兒自能分別,熟者即噉、生者便棄。仙人作是思惟:「是兒身已長大,心至識地,能分別菓生熟差別。我令當住何處國土,豐樂安隱以置立之?」以五通故,見是麥地,即以神力携二小兒,飛空而往,安置是地。教是兒言:「此草名麥。」爾時仙人即自刈取,磨以為食,種種教示:「汝等從今當依此法以為資糧。汝住此中莫生愁惱,我當數數來看視汝。」是兩小兒乃住其中,仙人後時數往瞻視。是二小兒隨年月長,男女二根各皆成就,遂為夫妻,子孫生長,分成六國。爾時大王既學道已,捨於人身,往生天上。捨上天身,還受人身。受人身已,依佛所說無上正法,出家學道,至得無礙六種神通。以六通故,觀自宿命,見六大國,作是思惟:「是六大國皆我子孫。」為怜愍是六國人故,往彼乞食,得麥飯還。不問諸比丘,前食而獨自食。時諸比丘稱此比丘名,而大罵辱:「汝長老!大慳嫉妬。咄!汝惡人,得是麥飯,不問諸比丘而獨自食。」比丘答言:「我今不為嫉妬而不布施汝等。何以故?如是飲食,未離欲人則不得食。」時是比丘三過洗鉢,再過棄之,以最後汁取其少分,施諸比丘。是剡浮提無有一味等此味者。於是比丘為諸比丘說此食味次第因緣:「彼六大國本我子孫,是故利益彼國人故,往彼乞食。」有餘比丘往彼乞食,大目揵連亦往乞食。佛世尊為諸比丘說是六國次第因緣,是故得知六大國事。六大國品究竟。
劫畢他林の南に六つの大国があります。そのうち最も南の国は高流といい、次は俱臘婆、第三は毘提訶、第四は摩訶毘提訶、第五は欝多羅曼陀、最も北の国は捨喜摩羅耶といいます。この六つの国の中では、人々はみな貞淑で善良であり、十善法を守り、自らは殺生せず、他人にも殺させません。獣は死ぬ時になると、自ら人のもとへやって来ます。そして自ら死んだ後、人々はその肉を食べます。この地の牛は数が最も多く、その毛と尾は家屋を覆うのに用いられます。この地には麦が生え、耕す必要がありません。この麦は粒となり、糠もありません。この国の人々はそれを挽いて蒸し、飯とします。そしてこの麦飯は味が甘美で、細かな蜂蜜のようです。
どうしてそれが分かるのでしょうか。遠い過去に、一人の王が出家しました。その王の夫人もまた出家し、国の師である婆羅門もそれに従って出家しました。出家した後、それぞれ互いに別れ、山に入って道を学びました。この王の夫人は、ある時、月水がありました。月水が清らかになった時、王のもとへ行き、王と会いました。そしてすぐに王に申し上げました。「大王よ、私は今月水があります。昔の人々は子孫を重んじました。」王は捨て去ろうと思いましたが、妃の意に従わず、事の重大さを思い、またよくないことではないかと恐れ、ついに共に交わりました。そこで大いなる福徳の子、男と女の二人が同時に胎に宿りました。王を捨てて去り、時が経つと、その後、腹が大きくなりました。多くの村落から、次に郡や県へ、さらには諸州へと進み、人々はみな罵りました。「この女は全く道心がなく、出家して戒を破った。」と。妃はこの言葉を聞き、深く愧悔の念を生じました。
その時、国の師である大婆羅門はすでに仙人となり、五神通を得て、ある山林に依止して住んでいました。その時、王妃は婆羅門がその山に住んでいると聞き、すぐに尋ねて行きました。師に会った後、師は妃に問いました。「この妊娠は誰がしたのか。」妃はすぐに答えました。「王がしたことです。」その時、仙人は王の昔の恩を思い、すぐに別の場所に葉の家を建てました。そして王妃に言いました。「あなたはここに留まりなさい。私は今、木の根や果物を採ってあなたを養いましょう。」太妃はその言葉に従い、すぐにそこに住みました。そこで仙人は、法に従って木の根や果物を採り、この妃に供給しました。妃は妊娠して月が満ち、ついに二人の子を産みました。一人は男、一人は女です。乳を断つに至ると、この妃を追い払いました。「あなたは今、遠くへ去りなさい。私は手に入る根や果物で二人の子を養い育てましょう。」妃は二人の子を捨て、言葉に従って去りました。仙人は手に入る根や果物で、この子らを養育しました。二人の子は次第に大きくなり、分別のつく年頃に達しました。その時、仙人は生と熟の混じった果物を試しに二人の子に与えました。そこで二人の子は自ら見分け、熟したものはすぐに食べ、生のものは捨てました。仙人はこのように思いました。「この子らは体がすでに大きく成長し、心も分別のつく年頃に達し、果物の生熟の区別を見分けることができる。私はどこかの国で、豊かで安楽な場所に彼らを置いてやろう。」五通の力によって、この麦の地を見ました。すぐに神力によって二人の幼い子を連れ、空を飛んで行き、この地に安置しました。この子らに教えて言いました。「この草は麦という。」その時、仙人はすぐに自ら刈り取り、挽いて食べ物とし、種々に教え示しました。「あなたたちは今からこの法に依って資糧としなさい。あなたたちはここに住み、愁い悩むことがないように。私はしばしば見舞いに来ましょう。」この二人の幼い子はそこに住み、仙人は後になってしばしば訪れて見守りました。この二人の子は年月に従って成長し、男女の二根がそれぞれ成就し、ついに夫婦となり、子孫が育ち、六つの国に分かれました。
その時、大王はすでに道を学び終え、人の身を捨てて天上に生まれました。天上の身を捨て、再び人の身を受けました。人の身を受けてから、仏の説かれた無上正法に依って、出家して道を学び、ついに無礙の六種神通を得るに至りました。六通の力によって、自らの宿命を観て、六つの大国を見ました。このように思いました。「この六つの大国はみな私の子孫である。」この六つの国の人々を憐れむため、そこへ行って乞食し、麦飯を得て帰りました。諸々の比丘に問わず、先に食べて独りで食べました。その時、諸々の比丘はこの比丘の名を呼び、大いに罵り辱めました。「長老よ、あなたは大いに物惜しみし嫉妬しています。なんと、あなたは悪人です。この麦飯を得て、諸々の比丘に問わずに独りで食べるとは。」比丘は答えました。「私は今、嫉妬のためにあなたたちに布施しないのではありません。なぜでしょうか。このような飲食は、欲を離れていない人は食べることができないのです。」その時、この比丘は三度鉢を洗い、二度はその水を捨て、最後の汁から少しを取り、諸々の比丘に施しました。この剡浮提には、この味に等しい味は一つもありません。そこで比丘は諸々の比丘のために、この食味の次第と因縁を説きました。「あの六つの大国はもともと私の子孫です。それゆえあの国の人々を利益するため、そこへ行って乞食しました。」他の比丘たちもそこへ行って乞食し、大目揵連もまた乞食に行きました。仏世尊は諸々の比丘のためにこの六つの国の次第と因縁を説かれました。それゆえ六つの大国の事を知ることができるのです。六大国品はこれで終わります。