刻根本大師將來錄序
刻根本大師請来録 序
大師入唐求法目錄有二本。其一則記於台州所得經疏名目。謂之圓宗錄。其一則記於越州所受密典名數。謂之越府錄。越府錄有元祿年間印本。而文字紕訛不正。今因就橫川松禪院所藏大師真筆。以摸出之。其圓宗錄元龜之亂散失。不知所在。故就正二位前權大納言宗建卿所藏寫本。以錄出之。且挍以東寺觀智院所藏寬治五年寫本。遂并上木。翼傳之萬世。以備法門盛典云爾。
大師が唐に渡り、求法された経典の目録には二種類ある。一つは、台州で得られた経典や疏(注釈書)の名目を記した『円宗録』である。もう一つは、越州で受けた密教聖典の名数を記した『越府録』である。(このうち)越府録には元禄年間の版本があるが、文字の誤りが多く正しくない。そこで今回、横川の松禅院所蔵の大師の真筆(自筆本)を基に、これを写し取った。一方、円宗録は元亀の乱で散逸し、所在が分からなくなっていた。そのため、正二位前権大納言・宗建卿の所蔵する写本を基に書き写し、さらに東寺観智院所蔵の寛治五年の写本で校合した。そして両者を共に版木に彫り、広く末永く伝えることで、仏法の尊い典籍とすることを願うものである。
文政四年辛巳大師千年遠忌之初夏
文化四年(1821年)、大師の千年遠忌にあたる初夏
叡嶽新探題權僧正真超識
叡嶽の新たな探題、権僧正・真超(しんちょう)が記す。