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大方広仏華厳経 (大方廣佛華嚴經)


大方廣佛華嚴經卷第九

大方広仏華厳経 巻第九

罽賓國三藏般若奉 詔譯

罽賓国の三蔵般若、詔を奉じて訳す

入不思議解脫境界普賢行願品

普賢行願品

復有十千乾闥婆王,於虛空中作如是言:「善男子!此婆羅門五熱炙身,時,其火光明照我宮殿及諸眷屬,悉令我等受不思議無量快樂。是故我等來詣其所,此婆羅門為我說法,能令我等於阿耨多羅三藐三菩提,得不退轉。」

また、一万の乾闥婆(けんだつば)の王たちが虚空の中でこう言いました。「善き方よ、このバラモンが五つの火熱で身を焼くとき、その火の光が我々の宮殿や眷属(けんぞく)を照らし、すべての者に想像を超えた無量の楽しさをもたらしました。ですから、我々はそのもとへやって来ました。このバラモンが法を説いてくださることで、我々は阿耨多羅三藐三菩提(あのくたらさんみゃくさんぼだい)において退転しない境地を得ることができるのです。」

復有十千阿脩羅王從大海出,住虛空中,舒右膝輪,合掌禮敬,作如是言:「善男子!此婆羅門五熱炙身,時,我阿脩羅所有宮殿、大地、諸山悉皆震動;大海波濤涌浪騰沸,令我眷屬失其威力、捨憍慢心、離諸放逸、息除戰鬪傷害之心。是故來詣婆羅門所,從其聞法,永離諂誑,入深法忍,住於三昧,成就十力,堅固不動。」復有十千迦樓羅王,大力勇持迦樓羅王而為上首,於虛空中,化作廣大童子之形,容貌端嚴,色相具足,於虛空中唱如是言:「善男子!此婆羅門五熱炙身,時,其火光明照我宮殿,一切震動,而令我等皆悉恐怖,不樂住處,生厭離心,來詣其所。時,婆羅門即為我等如應說法,能令我等修習大慈,增長大悲,令其精進不捨善軛,令於五欲拔出眾生,令其發起大菩提心,令入甚深清淨法界,令其獲得明利智慧,方便善巧,調伏眾生。」復有十千緊那羅王,於虛空中唱如是言:「善男子!此婆羅門五熱炙身,時,從火焰中有大風起,吹我宮殿、園林、池沼、寶多羅樹、諸寶鈴網、諸寶繒綵、瓔珞、鬘帶、諸音樂樹、諸妙寶樹,及諸樂器一切資具咸皆震動,自然演出佛聲、法聲、及不退轉菩薩僧聲、發起大願菩薩道聲、住於無上正等覺聲。云:某方、某界、某國、某處,有某菩薩發菩提心,出生大願;某方、某界、某國、某處,有某菩薩修行苦行,於身命財,難捨能捨;某方、某界、某國、某處,有某菩薩,為速圓滿一切智智,積集菩薩功德妙行,乃至究竟無作法門;某方、某界、某國、某處,有某菩薩,往詣道場,坐菩提樹,降魔軍眾,成等正覺。乃至某方、某界、某國、某處,有某如來,轉大法輪;某方、某界、某國、某處,有某如來,作佛事已,而般涅槃。

また一万の阿修羅王たちが大海より現れ、虚空に住み、右膝を地につけ、合掌して礼拝し、こう申し上げました。「善き方よ、このバラモンが五つの火で身を焼くとき、我ら阿修羅の宮殿、大地、山々すべてが震え動き、大海の波は荒れ狂い沸き立ちました。そのため我々の眷属は威力を失い、傲慢な心を捨て、放逸から離れ、戦い傷つけ合う心を息ませました。ゆえに我々はバラモンのもとに参り、その法を聞いて、永遠にへつらい偽る心を離れ、深い法の忍耐に入り、禅定に住し、十の力を成就し、堅固に動じないものとなりました。」

さらに一万の迦楼羅王たち、大力勇持迦楼羅王を上首として、虚空の中に大きく立派な童子の姿を現し、容貌は端厳で色相をそなえ、虚空の中でこう唱えました。「善き方よ、このバラモンが五つの火で身を焼くとき、その火の光明が我々の宮殿を照らし、すべてを震わせました。そのため我々は皆、恐怖し、住処に満足せず、厭離の心を起こして、彼のもとに参りました。その時、バラモンは我々のために応じて説法し、大慈を修行させ、大悲を増長させ、精進して善き道を捨てず、五欲から衆生を救い出し、大いなる菩提心を起こさせ、深く清らかな法界に入らせ、明らかな智慧を得させ、巧みな方便で衆生を調伏させてくださいました。」

さらに一万の緊那羅王たちが、虚空の中でこう唱えました。「善き方よ、このバラモンが五つの火で身を焼くとき、その火焰の中から大風が起こり、我々の宮殿、園林、池沼、宝多羅樹、諸々の宝の鈴の網、諸々の宝の綵、瓔珞、鬘帯、諸々の音楽の樹、諸々の妙宝の樹、そして楽器や一切の資具を吹き鳴らし、すべてが震え動きました。自然に仏の声、法の声、そして不退転の菩薩僧の声、大願を発起する菩薩の道の声、無上正等覚に住する声が響き渡りました。すなわち『某方、某界、某国、某所に、某菩薩が菩提心を発し、大願を生じた』『某方、某界、某国、某所に、某菩薩が苦行を修行し、身命財において捨て難きをよく捨てた』『某方、某界、某国、某所に、某菩薩が一切智智を速やかに円満にするため、菩薩の功徳妙行を積集し、ついには無作法門に至った』『某方、某界、某国、某所に、某菩薩が道場に赴き、菩提樹の下に坐し、魔軍を降伏し、等正覚を成就した』『某方、某界、某国、某所に、某如来が大法輪を転じた』『某方、某界、某国、某所に、某如来が仏事を終えて、般涅槃した』と。」

「善男子!假使有人以閻浮提地,及草木一切所有末為微塵,此微塵數可知邊際,我宮殿中寶多羅樹,乃至樂器莊嚴具等,所出音聲演說菩薩名、如來名、法名、僧名,所發大願,所修諸行,及佛菩薩所遊、所住、所說、所化,無有能得知其邊際。

「善き男子よ。たとえ、人が閻浮提(南閻浮提世界)の大地や草木、ありとあらゆるものをすりつぶして微塵(極めて細かな塵)にし、その微塵の数を数え尽くすことができたとしても、私の宮殿の中にある宝玉の多羅樹(多羅樹のような聖木)や、楽器、装飾品などから発せられる音声が、菩薩の名、如来の名、法の名、僧の名を説き、大きな誓いを述べ、修行の行いを明かし、仏や菩薩の巡る場所、とどまる場所、説くこと、教化することを示す――その限界を知ることは、誰にもできないのである。

「善男子!我等以聞佛聲、法聲、菩薩僧聲、菩薩所住行願聲,故生大歡喜,來詣其所。時,婆羅門即為我等,如應說法,令我及餘無量眾生,於阿耨多羅三藐三菩提,得不退轉。」

「善男子よ、私たちは仏の声、法の声、菩薩僧の声、菩薩の修行と願いの声を聞いたことによって、大きな喜びを生じ、そのもとへ参りました。その時、婆羅門は直ちに私たちのために、理にかなった法を説き、私や他の無数の衆生をして、阿耨多羅三藐三菩提(無上正等覚)において退転しない境地を得させました。」

復有無量欲界天子,現高大身,住虛空中,以諸種種上妙供具,恭敬供養,作如是言:「善男子!此婆羅門五熱炙身時,其火光明下照阿鼻及諸地獄,諸所受苦,悉令休息。我等遇此光明照故,心生淨信,以信心故,罪垢除滅,從彼命終,生於天中,以慚愧故,為知恩故,捨離欲樂,而來其所,恭敬戀仰,無有厭足。時,婆羅門為我說法,能令我等及與無量百千眾生,發阿耨多羅三藐三菩提心。」

また、無数の欲界の天子たちが、巨大な体を現して虚空に立ち、様々な素晴らしい供物を捧げ、敬い供養して、こう言いました。「善き方よ、この婆羅門が五熱で身を焼く時、その火の光は下の阿鼻地獄やその他すべての地獄にまで照り渡り、そこで受けている苦しみのすべてを一時的に休ませました。私たちはその光に照らされたことで、清らかな信心を心に生じ、その信心によって罪の汚れが消え去り、そこで命を終えた後、天界に生まれました。そして、恥じる心と恩を知る心から、欲望の楽しみを捨ててここに来て、敬い慕い、飽きることがありません。今、婆羅門は私たちに法を説いてくださり、私たちと無数の百千の衆生に、無上なる完全な悟りを求める心を起こさせてくださいました。」

爾時,善財童子得聞如是種種說法,心大歡喜,踊躍無量,於婆羅門所,發起真實善知識想。頭頂禮足,恭敬合掌,唱如是言:「我於大聖善知識所,生不信心而懷疑惑,唯願聖者容我悔過。」

その時、善財童子はこのような様々な教えを聞いて、心から大いに喜び、限りなく舞い上がるほど嬉しくなりました。そして、婆羅門のもとで、まことの善知識であるという思いを起こしました。頭を地につけて足に礼拝し、敬いの気持ちで手を合わせ、こう言いました。

「私は大いなる聖なる善知識のもとで、信心を起こさずに疑いの心を抱いておりました。どうか聖者よ、私の過ちをお許しください。」

時,婆羅門即為善財而說偈曰:

そのとき、バラモンは善財に向かって、次のような詩を詠みました。

「若有諸菩薩, 順善知識教,
一切無疑懼, 安住心不動。
彼當決定得, 諸佛自然智,
降魔坐道場, 廣度無邊眾。」

もしも菩薩たちが、 善知識の教えに従い、 一切の疑いも恐れもなく、 心を安らかに動かさなければ、

その者はきっと、 諸仏の自然の智慧を得て、 悪魔を降し、悟りの座に就き、 限りない人々を広く救うでしょう。

爾時,善財童子聞此偈已,即登刀山,自投火聚,未至中間,即得菩薩善住堅牢清淨三昧;纔觸火焰,復得菩薩寂靜樂神通門三昧。善財白言:「甚奇!聖者!如是刀鋒,及大火焰,我身觸時安隱快樂。」

その時、善財童子はこの偈を聞いて、すぐに刀の山に登り、自ら火の塊の中に飛び込んだ。その途中で、すでに菩薩の善住堅牢清浄三昧を得た。そして炎に触れるとすぐに、さらに菩薩の寂静楽神通門三昧を得た。善財が申し上げた。「なんと不思議なことでしょう、聖者よ。この刀の刃や大きな炎に、私の身が触れたとき、安らかで穏やかであり、楽しさを感じます。」

時,婆羅門告善財言:「善男子!我唯得此菩薩普圓滿無盡輪解脫,如諸菩薩摩訶薩大功德焰,悉能燒盡一切眾生諸見煩惱,安住菩薩無退轉心、無窮盡心、無懈怠心、無怯弱心,如那羅延金剛藏心、疾修諸行無慢惰心,大願風輪,普持一切,勇猛堅誓無有退轉。而我云何能知、能說彼功德行?善男子!南方有城名師子頻申,彼城有王名無畏星宿幢王,有童女名為慈行,汝詣彼問菩薩云何學菩薩行,修菩薩道。」

その時、婆羅門は善財に告げて言った。「善男子よ、私はこの菩薩の完全に円満な無尽輪の解脱だけを成就している。しかし、諸々の菩薩摩訶薩の大いなる功徳の炎は、あらゆる衆生の誤った見解や煩悩をことごとく焼き尽くし、菩薩の退かない心、尽きることのない心、怠けない心、弱気にならない心に安住し、那羅延(金剛力士)のような金剛のように堅固な心を持ち、速やかにあらゆる行を修めて怠り慢る心がなく、大いなる誓いの風輪がすべてを支え、勇猛で固い誓いには退転することがない。そのような方々の功徳や行いを、私がどうして知り尽くし、語り尽くせるだろうか。

善男子よ。南方に師子頻申という城がある。その城には無畏星宿幢王という王がおられ、慈行という名の童女がいる。あなたは彼女のもとへ行き、菩薩はいかにして菩薩行を学び、菩薩道を修めるのかを問いなさい。」

時,善財童子頂禮其足,遶無數匝,慇懃瞻仰,辭退而去。

その時、善財童子は師の足もとに礼拝し、何度も何度も右回りに巡り、深く敬いの心で仰ぎ見てから、別れを告げて去っていきました。

爾時,善財童子於善知識所,起不思議最極尊重心;生廣大清淨信解心;常念大乘恒不捨離心;專求佛智常無異念心;觀法境界無有疑惑。一心繫念隨善知識,無障礙智常現在前,決定住於真實智際,善能分別諸法實際,普入三世諸剎那際,隨順解了如虛空際,現見諸法恒無二際,住於法界無分別際,入一切義無障礙際,住一切劫無失壞際,隨順調伏諸業性際,如來最勝不共法際,解了如來無際之際。以最勝智,悉能破壞一切執著、顛倒想網,不取一切同異剎土差別之相,亦復不取一切諸佛眾會道場和合之相;不取佛剎清淨之相,了知眾生皆無有我及眾生相。亦知一切音聲、語言如空谷響,亦知一切差別眾色皆如影像,如是思惟,正念觀察。漸次南行,向師子頻申城,周遍詢求慈行童女。聞眾人言:「彼是王女,處在王宮,五百童女以為侍從。住毘盧遮那摩尼藏殿,於龍勝栴檀足金線網天衣座上而說妙法。」善財聞已,詣王宮門,一心渴仰求見彼女。

その時、善財童子は善知識のもとで、計り知れないほどの最高の敬意の心を起こし、広大で清らかな確信と理解の心を生じました。常に大乗を思い、決して離れることのない心、ひたすら仏の智慧を求め、常に他の念がない心、法の境界を観察して疑惑のない心を持ちました。一心に念じ、善知識に従い、障りのない智慧を常に眼前に現じ、真実の智慧の極みに確かにとどまり、諸法の真実の際をよく分別し、三世のあらゆる刹那の際に普遍に入り、虚空の際のごとくに随順して理解し、諸法を現に見て常に二つの際なく、法界の分別なき際にとどまり、一切の義の障りのない際に入り、一切の劫の壊れず失われない際にとどまり、諸々の業の性質の際に随順して調伏し、如来の最も勝れた他に等しきものなき際、如来の際なき際を理解しました。最も勝れた智慧をもって、あらゆる執着や顛倒した妄想の網をことごとく破壊し、同じや異なる国土の差別の相を取らず、また諸仏の大衆が集う道場の和合の相も取らず、仏国土の清らかな相も取りませんでした。衆生にはみな我もなく衆生相もないと了知し、また一切の音声や言葉は空谷の響きのごとく、一切の様々な色はみな影像のごとしと知り、このように思惟し、正しく念じ観察しました。次第に南へ進み、師子頻申城へ向かい、周囲に慈行童女を尋ね求めました。人々の話に「彼女は王女で、王宮に住み、五百人の童女が侍従として仕えている。毘盧遮那摩尼蔵殿に住み、龍勝栴檀足金線網天衣の座で妙法を説いている」と聞きました。善財はこれを聞き、王宮の門に至り、一心に渴仰して彼女に会えるよう求めました。

于時乃見無量人眾來入宮中,善財問言:「諸人今者欲何所詣?」人咸報言:「我等欲詣慈行童女,聽受妙法。」

その時、無数の人々が宮殿の中に入ってくるのを見て、善財は尋ねました。「皆さんは今、どこへ行こうとしているのですか?」 人々は皆答えて言いました。「私たちは慈行童女のもとへ行き、素晴らしい教えを聞き受けようとしているのです。」

善財即念:「此王宮門,既無限礙,我亦應入。」遂入王宮,見其寶殿玻瓈為地,瑠璃為柱,金剛為壁,閻浮檀金以為垣牆,眾寶欄楯百千雜寶,光明普照而為窓牖;阿僧祇勝摩尼寶而莊校之,寶藏摩尼鏡圓滿莊嚴;世中最上光藏摩尼寶晝夜光明以為照耀;無數寶網周匝彌覆,窓闥交映,眾寶相輝;百千金鈴懸置其上,微風吹動出微妙音;有如是等不可思議眾寶嚴飾。慈行童女,身真金色,目髮紺青,形貌端嚴,相好具足,以梵音聲而演說法。善財見已,頂禮其足,遶無數匝,合掌恭敬,於一面立白言:「聖者!我已先發阿耨多羅三藐三菩提心,而未知菩薩云何學菩薩行,云何修菩薩道?我聞聖者善能誘誨,願為我說。」

善財はすぐにこう思いました。「この王宮の門は何の障害もなく開かれている。私も入るべきだ。」そうして王宮に入ると、そこにはガラスの床、瑠璃の柱、金剛石の壁、閻浮檀金の塀があり、宝で飾られた欄干や無数の雑宝が輝き、光明に満ちた窓があった。数え切れないほどの最上の宝珠で飾られ、宝庫の摩尼鏡が円満に荘厳し、世の中で最も勝れた光を蔵する摩尼宝が昼夜を照らし、無数の宝網が四方を覆い、窓々が映り合い、互いに輝き合っていた。百千の金鈴が吊るされ、微風が吹くと微妙な音を響かせていた。このような計り知れない宝の飾りがあった。

慈行童女は身が真金色で、目と髪は紺青、姿かたちは端正で荘厳、相好を具え、梵音の声で法を説いていた。善財はこれを見ると、その足に頂礼し、何周も繞り、合掌して敬意を表し、一方に立って申し上げた。

「聖者よ、私はすでに阿耨多羅三藐三菩提心を発しました。しかし、菩薩がどのように菩薩行を学び、どのように菩薩道を修行するのかを知りません。聖者がよく教え導くと聞きました。どうか私のために説いてください。」

童女告言:「善男子!汝應觀我所住宮殿內外,種種莊嚴之事。」

童女が言いました。「善き人よ、私の住む宮殿の内外にある、様々な荘厳の飾りをご覧ください。」

善財頂禮,如教觀察,見一一壁中、一一鏡中、一一柱中、一一相中、一一形像中、一一寶網中、一一欄楯中、一一金鈴中、一一寶樹中、一一寶瓔珞中、一一莊嚴具中、一一寶形像中、一一摩尼寶中、一一光明照世毘盧遮那寶中,悉見十方一切法界一切如來,從初發心修菩薩道,各各行願,各各境界,各各出興成等正覺,各各示現廣大神變轉妙法輪,乃至各各現入涅槃。如是影相,種種境界,如鏡中像,亦如淨水,普見虛空日月星宿。如此皆是慈行童女過去所修大善根力,所有眾像於中顯現。爾時,善財憶所觀察,一切諸佛莊嚴剎土,功德行願神變之相,合掌恭敬,一心瞻仰慈行童女。時,彼童女告善財言:「善男子!此般若波羅蜜普莊嚴門,我於三十六恒河沙數諸如來所,求得此法。彼諸如來,各以種種異方便門,令我得入一佛所演,餘不重說。」

善財は礼拝し、教えの通りに観察すると、一つひとつの壁の中、一つひとつの鏡の中、一つひとつの柱の中、一つひとつの相の中、一つひとつの像の中、一つひとつの宝の網の中、一つひとつの欄干の中、一つひとつの金の鈴の中、一つひとつの宝の樹の中、一つひとつの宝の瓔珞の中、一つひとつの荘厳具の中、一つひとつの宝の像の中、一つひとつの摩尼宝の中、一つひとつの光明が世界を照らす毘盧遮那宝の中に、十方のすべての法界、すべての如来が、初めて発心して菩薩道を修め、それぞれの行願、それぞれの境地、それぞれに出現して等正覚を成就し、それぞれに広大な神変を示して妙法輪を転じ、さらにはそれぞれに涅槃に入る様子までもが、ことごとく見えた。これらの影像や様々な境地は、鏡の中の像のようであり、また清らかな水に虚空や日月星辰がすべて映るようであった。これはすべて、慈行童女が過去に修めた大いなる善根の力によって、あらゆる影像がその中に現れたのである。その時、善財は観察したすべての仏の荘厳な国土、功徳、行願、神変の相を思い起こし、合掌して敬い、一心に慈行童女を仰ぎ見た。すると、その童女は善財に告げた。「善男子よ、この般若波羅蜜普荘厳門は、私は三十六ガンジス河の砂の数ほどの如来のもとで、この法を求めて得たものです。それらの如来は、それぞれに異なる方便の門をもって、私をして一つの仏の説かれた教えに入らせ、他について重ねて説くことはありませんでした。」

善財白言:「聖者!此般若波羅蜜普莊嚴門,境界云何?」

善財が尋ねました。「聖なる方よ、この般若波羅蜜の普遍的な荘厳の門の境地とは、どのようなものなのでしょうか?」

童女答言:「善男子!我入此般若波羅蜜普莊嚴門,隨順趣向思惟、觀察、憶持、分別所有境界、所有威儀、所有相狀、所有證入,即時獲得普遍出生陀羅尼門,百萬阿僧祇陀羅尼門,皆悉現前。如水漩澓速疾顯現,所謂:佛陀羅尼門,法陀羅尼門,佛剎陀羅尼門,眾生陀羅尼門,普遍陀羅尼門,過去陀羅尼門,未來陀羅尼門,現在陀羅尼門,常住際陀羅尼門,福德陀羅尼門,福德聚陀羅尼門,智慧陀羅尼門,智慧聚陀羅尼門,諸願陀羅尼門,分別諸願陀羅尼門,行陀羅尼門,行清淨陀羅尼門,行修集陀羅尼門,行圓滿陀羅尼門,業陀羅尼門,業不失壞陀羅尼門,業清淨陀羅尼門,業流注陀羅尼門,業現前所作陀羅尼門,捨離惡業陀羅尼門,修習正業陀羅尼門,業自在陀羅尼門,善行陀羅尼門,常持善行陀羅尼門,三昧陀羅尼門,隨順三昧陀羅尼門,觀察三昧陀羅尼門,三昧境界陀羅尼門,從三昧起陀羅尼門,神通陀羅尼門,心海陀羅尼門,種種心陀羅尼門,直心陀羅尼門,清淨心陀羅尼門,照心稠林陀羅尼門,心地清淨陀羅尼門,知眾生心所生處陀羅尼門,知眾生微細心陀羅尼門,知眾生煩惱行陀羅尼門,知煩惱習氣陀羅尼門,知煩惱方便陀羅尼門,知煩惱所作陀羅尼門,知眾生信陀羅尼門,知眾生解陀羅尼門,知眾生行陀羅尼門,知眾生信解諸行差別陀羅尼門,知眾生性陀羅尼門,知眾生欲陀羅尼門,知眾生想陀羅尼門,知世界所起陀羅尼門,普見十方陀羅尼門,普見一切法陀羅尼門,說法陀羅尼門,大慈陀羅尼門,大悲陀羅尼門,寂靜陀羅尼門,語言道陀羅尼門,解脫陀羅尼門,普遍出生陀羅尼門,無著際陀羅尼門,方便非方便陀羅尼門,隨順陀羅尼門,差別陀羅尼門,普入陀羅尼門,無礙際陀羅尼門,普遍一切陀羅尼門,佛法陀羅尼門,菩薩法陀羅尼門,聲聞法陀羅尼門,獨覺法陀羅尼門,世間法陀羅尼門,世界成陀羅尼門,世界壞陀羅尼門,世界住陀羅尼門,世界莊嚴陀羅尼門,世界形狀陀羅尼門,狹世界陀羅尼門,廣世界陀羅尼門,垢世界陀羅尼門,淨世界陀羅尼門,於淨世界現垢世界陀羅尼門,於垢世界現淨世界陀羅尼門,純垢世界陀羅尼門,純淨世界陀羅尼門,垢淨世界陀羅尼門,淨垢世界陀羅尼門,平坦世界陀羅尼門,高下世界陀羅尼門,覆世界陀羅尼門,仰世界陀羅尼門,側世界陀羅尼門,世界網陀羅尼門,世界轉陀羅尼門,世界各別依想住陀羅尼門,世界行陀羅尼門,細入麁陀羅尼門,麁入細陀羅尼門,大入小陀羅尼門,小入大陀羅尼門,見諸佛陀羅尼門,分別佛身陀羅尼門,見佛光明莊嚴網陀羅尼門,聞佛圓滿妙音聲陀羅尼門,佛轉法輪陀羅尼門,佛法輪成就陀羅尼門,佛法輪差別陀羅尼門,佛法輪無差別陀羅尼門,佛法輪訓釋陀羅尼門,佛法輪旋轉陀羅尼門,佛身普遍陀羅尼門,佛會圓滿陀羅尼門,能作佛事陀羅尼門,了知佛會差別相陀羅尼門,遍入佛眾會海陀羅尼門,諸佛光照陀羅尼門,諸佛三昧陀羅尼門,諸佛三昧自在用陀羅尼門,諸佛住處陀羅尼門,諸佛加持陀羅尼門,諸佛變化陀羅尼門,諸佛遊戲陀羅尼門,佛知眾生心行差別陀羅尼門,諸佛神通種種變現陀羅尼門,住兜率宮所作業陀羅尼門,乃至示現入于涅槃陀羅尼門,利益眾生陀羅尼門,入甚深法陀羅尼門,入微妙法陀羅尼門,菩提心相陀羅尼門,菩提心所從生陀羅尼門,菩提心助道相陀羅尼門,諸願陀羅尼門,諸行陀羅尼門,神通相陀羅尼門,出離相陀羅尼門,總持清淨相陀羅尼門,智輪清淨相陀羅尼門,智慧清淨相陀羅尼門,無量解脫相陀羅尼門,念力清淨陀羅尼門,自心清淨陀羅尼門。

童女が答えた。「善男子よ、私はこの般若波羅蜜普莊嚴の門に入り、それに従い考え、観察し、記憶し、分別する。すべての境界、すべての威儀、すべての相状、すべての証入に随順して、即座に普遍出生陀羅尼の門を得た。百万阿僧祇の陀羅尼の門が、すべて目の前に現れる。まるで渦巻く水が速やかに現れるように。すなわち、仏陀羅尼門、法陀羅尼門、仏刹陀羅尼門、衆生陀羅尼門、普遍陀羅尼門、過去陀羅尼門、未来陀羅尼門、現在陀羅尼門、常住際陀羅尼門、福徳陀羅尼門、福徳聚陀羅尼門、智慧陀羅尼門、智慧聚陀羅尼門、諸願陀羅尼門、分別諸願陀羅尼門、行陀羅尼門、行清浄陀羅尼門、行修集陀羅尼門、行円満陀羅尼門、業陀羅尼門、業不壊陀羅尼門、業清浄陀羅尼門、業流注陀羅尼門、業現前所作陀羅尼門、捨離悪業陀羅尼門、修習正業陀羅尼門、業自在陀羅尼門、善行陀羅尼門、常持善行陀羅尼門、三昧陀羅尼門、随順三昧陀羅尼門、観察三昧陀羅尼門、三昧境界陀羅尼門、從三昧起陀羅尼門、神通陀羅尼門、心海陀羅尼門、種種心陀羅尼門、直心陀羅尼門、清浄心陀羅尼門、照心稠林陀羅尼門、心地清浄陀羅尼門、知衆生心所生処陀羅尼門、知衆生微細心陀羅尼門、知衆生煩惱行陀羅尼門、知煩惱習気陀羅尼門、知煩方便陀羅尼門、知煩詐所作陀羅尼門、知衆生信陀羅尼門、知衆生解陀羅尼門、知衆生行陀羅尼門、知衆生信解諸行差別陀羅尼門、知衆生性陀羅尼門、知衆生欲陀羅尼門、知衆生想陀羅尼門、知世界所起陀羅尼門、普見十方陀羅尼門、普見一切法陀羅尼門、説法陀羅尼門、大慈陀羅尼門、大悲陀羅尼門、寂静陀羅尼門、語言道陀羅尼門、解脱陀羅尼門、普遍出生陀羅尼門、無著際転陀羅尼門、方便非方便陀羅尼門、随順陀羅尼門、差別陀羅尼門、普入陀羅尼門、無礙際陀羅尼門、普遍一切陀羅尼門、佛法陀羅尼門、菩薩法陀羅尼門、声聞法陀羅尼門、独覚法陀羅尼門、世間法陀羅尼門、世界成陀羅尼門、世界壊陀羅尼門、世界住陀羅尼門、世界荘厳陀羅尼門、世界形状陀羅尼門、狭世界陀羅尼門、広世界陀羅尼門、垢世界陀羅尼門、浄世界陀羅尼門、於浄世界現垢世界陀羅尼門、於垢世界現浄世界陀羅尼門、純垢世界陀羅尼門、純浄世界陀羅尼門、垢浄界陀羅尼門、浄垢界陀羅尼門、平坦世界陀羅尼門、高下界陀羅尼門、覆界陀羅尼門、仰界陀羅尼門、側界陀羅尼門、世界網陀羅尼門、世界転陀羅尼門、世界各別依想住陀羅尼門、世界行陀羅尼門、細入麁陀羅尼門、麁入細陀羅尼門、大入小陀羅尼門、小入大陀羅尼門、見諸仏陀羅尼門、分別仏身陀羅尼門、見仏光明荘厳網陀羅尼門、聞仏円満妙音声陀羅尼門、仏転法輪陀羅尼門、法輪成就陀羅尼門、法輪差別陀羅尼門、法輪無差別陀羅尼門、法輪羂釈陀羅尼門、法輪旋転陀羅尼門、仏身普遍陀羅尼門、仏会円満陀羅尼門、能作仏事陀羅尼門、了知仏会差別相陀羅尼門、遍入仏衆会海陀羅尼門、諸仏光照陀羅尼門、諸仏三昧陀羅尼門、諸仏三昧自在用陀羅尼門、諸仏住性陀羅尼門、諸仏加持陀羅尼門、諸仏変化陀羅尼門、諸仏遊戯陀羅尼門、仏知衆生心行差別陀羅尼門、諸仏神通種種的現陀羅尼門、住兜率宮所作業陀羅尼門、乃至示現入於涅槃陀羅尼門、利益衆陀羅尼門、入甚深法陀羅尼門、入微妙法陀羅尼門、菩提心相性陀羅尼門、菩提心所従生陀羅尼門、菩提心助道相性陀羅尼門、諸願陀羅尼門、諸行陀羅尼門、神通相陀羅尼門、出離相陀羅尼門、総持清浄相陀羅尼門、智輪清浄相陀羅尼門、智慧清浄相陀羅尼門、無量解脱相陀羅尼門、念力清浄陀羅尼門、自心清浄陀羅尼門。」

「善男子!我唯知此般若波羅蜜普莊嚴門,如諸菩薩摩訶薩,其心廣大,等虛空界,入於法界,智慧寬博,福德成滿,堅固不動。住出世法,遠離世間,勤求修習,向一切智;智眼清淨,無諸垢翳,身語心行,悉皆清淨;以差別智,普入諸法,無障礙慧,猶如虛空。通達一切世間境界,獲無礙地大光明藏,善巧分別一切法義,一切世間無能映奪。常行於世,不染世法,能益於世,非世所壞;為諸眾生究竟依止,善了一切眾生語言,明解眾生種種儀式;知諸眾生業習根器,隨其心行,如應說法;於一切處普隨現身,於一切時恒得自在。而我云何能知、能說彼功德行?善男子!於此南方,有一國土,名為三目。彼有比丘,名曰妙見,汝詣彼問菩薩云何學菩薩行,修菩薩道。」

「善男子よ。私は、ただこの般若波羅蜜の普く荘厳する門だけを知っています。しかし、菩薩摩訶薩たちは、その心が広大で、虚空界に等しく、法界に入り、智慧は広く深く、福徳は満ち足り、堅固で動じることがありません。出世間の法にとどまり、世間を遠く離れ、精進して修行に励み、一切智を目指します。智慧の眼は清らかで、汚れや曇りがなく、身・言葉・心の行いはすべて清らかです。差別の智慧をもって、あらゆる法に普く入り、障害のない智慧は、まるで虚空のようです。一切の世間の境界に通達し、無碍の地の大光明蔵を得て、すべての法の意味を巧みに分別し、一切の世間のものはそれに及ぶことができません。常に世の中にありながら、世間の法に染まらず、世の中を利益することができ、世の中に害されることはありません。すべての衆生にとって究極のよりどころとなり、あらゆる衆生の言葉をよく理解し、衆生の様々な作法を明らかに理解します。また、衆生の業や習慣、素質や器を知り、その心のあり方に従って、適切に説法します。あらゆる場所に普く身を現し、あらゆる時に常に自在を得ています。それなのに、私にどうして彼らの功徳の行いを知り、説くことができるでしょうか? 善男子よ。この南の方に、三目という名の国があります。そこに妙見という名の比丘がおられます。あなたはその方のもとへ行き、菩薩はどのようにして菩薩行を学び、菩薩道を修行するのかをお尋ねなさい。」

時,善財童子,頂禮其足,遶無數匝,戀慕瞻仰,辭退南行。

その時、善財(ぜんざい)童子は師の足もとに礼拝し、何度も何度も敬意を込めて周りを巡りました。そして深い敬慕の気持ちで師を仰ぎ見た後、別れを告げて南方へと旅立ちました。

爾時,善財童子隨順思惟菩薩所住行甚深,思惟菩薩所證法界際甚深,思惟菩薩眾生微細智甚深,思惟菩薩世間想行智甚深,思惟眾生無作性甚深,思惟眾生心流注甚深,思惟諸法緣起際甚深,思惟眾生真實際甚深,思惟眾生如光影甚深,思惟眾生名號差別際甚深,思惟眾生語言際甚深,思惟眾生莊嚴法甚深,思惟眾生祕密際甚深,思惟眾生光明際甚深。漸次前行,至三目國,於彼城邑、市肆、廛里、山川、林藪、仙人住處,周遍尋訪妙見比丘。忽然覩見在一林中經行往復,頭骨如蓋,頂有肉髻,殊勝端嚴,其眼脩廣如青蓮葉,鼻脩高直如挺真金,脣色丹潔如頻婆果,齒白齊密具足四十。頰如師子,頤頷充滿,眉高而長,額廣平正,毫相映徹,如白瑠璃,耳相垂埵,如懸珠狀,面如滿月,見者無厭。頸項圓直,約文三道,胸標德相,妙藏莊嚴,臆如師子,肩膊𦟛圓,腰脇深細,如金剛杵;臂肘𦟛直,立垂過膝,網縵指相,如白鵝王。手足掌中,金剛輪相,柔軟細滑,如兜羅綿;伊尼鹿腨,七處平滿,手指纖長,足跟平圓。皮膚金色,常光一尋,身毛上靡,一一右旋;其身圓滿,如尼拘陀樹,相好嚴潔,猶如雪山王。諸根澄靜目視不瞬,於諸境界心無動亂;智慧深廣猶如大海,若沈、若舉、是智、非智,動轉戲論,一切咸息。得佛所行平等境界,入於緣起差別法門,成熟眾生心恒不倦。能生深廣圓滿大悲,教化示導心無暫捨。為欲受持一切如來正法眼故,為欲普令一切眾生生智眼故,為於如來所行之道恒履踐故,不遲不速審諦經行。寂靜端嚴,猶如滿月,威儀雍肅,如淨居天。無數天、龍、乾闥婆等釋梵護世,人及非人前後圍遶。主方之神,隨方迴轉,引導其前;足行諸神,持寶蓮華,隨捧其足;無盡光主火神執持寶炬,舒光照耀;閻浮幢主林神恒雨眾妙拘蘇摩華;不動藏主地神隨現寶藏普光明主空神莊嚴虛空;妙吉祥主海神雨摩尼寶;須彌藏主山神合掌作禮;無礙力主風神散眾香華;春和淑氣主夜神曲躬恭敬;常覺圓滿,主晝神持遍照十方摩尼寶幢,住虛空中放大光明。

その時、善財童子は深く考えを巡らせていた。菩薩の実践する道は非常に深く、菩薩が悟る法の世界の境もまた極めて深い。菩薩が衆生の微細な心を見通す智慧も深く、菩薩が世間の思考と行動の仕組みを見抜く智慧も深い。衆生には本来“なす”という性質がないという真理も深く、衆生の心が絶え間なく流れ続ける様子も深い。あらゆる現象が縁によって生じる道理も深く、衆生の真実のあり方も深い。衆生は影や光のように実体がないということも深く、衆生の名前やその違いも深く、衆生の言葉の世界も深い。そして、衆生がその身や心を飾る法も、その秘密の世界も、その光明の世界も、すべてが深遠なのである。

こうして、彼は少しずつ進み、三目国に至った。その国の町や市場、村落、山々や川、林の中にある仙人の住まいをくまなく巡り、妙見比丘を探し求めた。すると、ある林の中で彼が見つけた。比丘は行きつ戻りつしながら経行(心を静めて歩く修行)をしていた。

その姿は見事であった。頭骨は蓋のようで、頭頂には肉の髻(高まり)があり、容姿は特別に優れていた。目は長く大きく広がり、青い蓮の葉のようだった。鼻は高くまっすぐで、純金の棒のようであった。唇は赤く清らかで、ビンバの果実のようだった。歯は白く揃い、そろって四十本あった。頬は獅子のようで、顎はふっくらとしていた。眉毛は高く長く、額は広く平らで、眉間の白毫(白い毛)は透き通り、白い瑠璃のようだった。耳は長く垂れ、ぶら下がった宝玉のようだった。顔は満月のようで、見る者が飽きることがなかった。首は丸くまっすぐで、三本の線が刻まれていた。胸には徳の相が現れ、美しい蔵(内臓)が整っていた。胸は獅子のように広く、肩は丸みを帯びてふくよかだった。腰や脇は非常に細く、金剛杵のようであった。腕や肘はふくよかでのびやかで、立って垂らすと膝を越えた。指の間には水かきのような網膜があり、白いガチョウの王のようだった。手のひらと足の裏には金剛杵の輪の相があり、柔らかく滑らかで、綿のようだった。ふくらはぎはイカの鹿のように美しく、身体の七つの部分は満たされていた。指は細く長く、かかとは平らで丸かった。肌は金色で、常に一尋(約一.八メートル)の光を放っていた。体毛は上向きに生え、一本一本が右に巻いていた。その身体は円満で、尼拘陀樹(大きな榕樹)のようだった。相好は厳かで清らかであり、雪山の王のようであった。

すべての感覚は澄み静かで、瞳は瞬きしない。あらゆる対象に対しても心は動じない。智慧は深く広く、大海のようであった。浮き沈み、賢さ愚かさ、動き戯れ、そのような一切の分別の動きはすべて静まっていた。彼は仏の行う平等の境地を体得し、縁起による様々な法の道理に入っていた。衆生を成熟させる心は常に衰えることがなかった。深く広く円満な大悲を生じ、教え導く心は決して捨てることがなかった。すべての如来の正しい法の眼を受け継ぐために、そして全ての衆生に智慧の眼を生じさせるために、如来の歩んできた道を常に踏みしめるために、彼は速からず遅からず、静かに確かに経行していた。

その静けさと端正さは、満月のようであった。威儀は優雅で厳かであり、清らかな浄居天のようであった。数え切れない天、龍、乾闥婆(音楽の神)、帝釈天、梵天、護世の神々、人間や人間ならざる者たちが、前後に取り巻いていた。方位を司る神は、方角に従って回転しながら、彼の前を導いた。足の歩みを司る神々は、宝の蓮華を持って、その足の下に捧げた。尽きぬ光を司る火の神は、宝の松明を掲げて光を照らした。閻浮幢を司る林の神は、常にさまざまな美しい拘蘇摩華(くそまげ)の花を降らせた。動かざる蔵を司る地の神は、その場に宝の蔵を現した。普光明を司る空の神は、虚空を荘厳した。妙吉祥を司る海の神は、摩尼宝珠の雨を降らせた。須弥蔵を司る山の神は、合掌して礼をした。無碍力を司る風の神は、様々な香りの花を散らした。春の温かい気を司る夜の神は、身をかがめて敬った。常覚円満を司る昼の神は、十方を照らす摩尼宝珠の幢を持ち、虚空に住して大いなる光明を放っていたのである。

善財童子前詣其所,頭面禮足,合掌白言:「聖者!我已先發阿耨多羅三藐三菩提心,復欲勤求諸菩薩道。我聞聖者,善能誘誨,願為我說菩薩云何學菩薩行,修菩薩道。」

善財童子は彼のもとへ進み出て、頭を地につけ足に礼し、手を合わせて申し上げました。「聖者よ、私はすでに無上正等菩提(あのくたらさんみゃくさんぼだい)の心を起こし、さらに菩薩の道を熱心に求めております。私は聖者が善く導き教えてくださるとお聞きしました。どうか私のためにお説きください。菩薩はいかにして菩薩行を学び、菩薩道を修行するのでしょうか。」

妙見答言:「善男子!我年既少出家,又近我此生中,於三十八恒河沙數諸如來所,親近供養淨修梵行;或有佛所一日一夜淨修梵行;或有佛所七日七夜淨修梵行;或有佛所半月、一月;一年、百年、千年、百千年、那由他年,乃至不可說不可說年。或有佛所,經一小劫、或一中劫、或一大劫,乃至不可說不可說阿僧祇劫,親近供養淨修梵行,聽聞妙法,依教奉行,清淨莊嚴諸大誓願,證入諸佛甚深境界,修集菩薩一切妙行,圓滿一切波羅蜜門。亦見彼佛所成正覺、所現神通、所轉法輪、所現涅槃、所有遺教,乃至法盡各各差別,悉能受持無有雜亂。亦知彼佛,以本所發大誓願力,普遍嚴淨諸佛國土;以本所入諸三昧力,圓滿菩薩甚深妙行;以本所修普賢行力,清淨諸佛波羅蜜海。

妙見が答えて言った。「善き人よ、私は若くして出家し、この生涯において三十八のガンジス川の砂の数ほどの如来のもとを親しく訪ね、供養し、清らかな修行を積んできました。ある仏のもとでは一日一夜、ある仏のもとでは七日七夜、半月、一ヶ月、一年、百年、千年、百千年、那由他(なゆた)の年、あるいは語ることさえできないほどの長い間、清らかな修行をしました。また、ある仏のもとでは、一小劫(こう)、一中劫、一大劫、さらには語ることのできない阿僧祇(あそうぎ)劫もの間、親しく訪ね、供養し、清らかな修行を積み、素晴らしい教えを聞き、その教えの通りに実践し、すべての大いなる誓いを清らかに厳かに成就し、諸仏の深い境地を体得し、菩薩のすべての素晴らしい行いを修め、すべての波羅蜜(はらみつ)の教えを完成させました。また、それらの仏が悟りを開き、神通力を現し、教えを説き、涅槃に入り、遺された教え、さらには教えが尽きるまでの様々な違いを、すべて混乱なく受け持ち、理解しています。また、それらの仏が元々発した大いなる誓いの力によって、すべての仏国土を広く清らかに厳かに整え、元々に入っていた様々な三昧(さんまい)の力によって、菩薩の深く素晴らしい行いを完成させ、元々に修めた普賢(ふげん)の行いの力によって、諸仏の波羅蜜の海を清らかにしていることを知っています。」

「又,善男子!我常不離此經行處,一念中,一切十方皆悉現前,得淨妙智觀察了知無障礙故;一念中一切世界皆悉現前,得速疾力,一念過不可說不可說世界無障礙故;一念中不可說不可說佛剎,皆悉現前,得普嚴淨成就菩薩願力故;一念中不可說不可說眾生差別行,皆悉現前,得滿足普賢教門海故;一念中不可說不可說佛清淨身,皆悉現前,得普親近成就普賢行願力故;一念中不可說不可說佛剎極微塵數如來,皆悉現前,得柔軟心,供養承事一切如來願力故;一念中不可說不可說如來降注法雨入眾生心,皆悉現前,得了知阿僧祇法門,隨順陀羅尼願力故;一念中不可說不可說菩薩行海,皆悉現前,得淨一切諸菩薩行,猶如帝網殊勝願力故;一念中不可說不可說諸三昧海,皆悉現前,得於一三昧中,自在入出一切三昧願力故;一念中不可說不可說諸根海,皆悉現前,得了知諸根際,於一根中見一切根願力故;一念中不可說不可說時皆悉現前,得於一切時,轉正法輪,眾生界盡,法輪無盡願力故;一念中不可說不可說三世海皆悉現前,得了知一切世界中,三世分位智光明願力故。

また、善き男子よ。私はこの経を説く場所を決して離れません。一瞬のうちに、十方のすべての世界が眼前に現れ、清らかな妙なる智慧を得て、すべてを障りなく観察し理解します。一瞬のうちに、すべての世界が眼前に現れ、速やかな力を得て、言葉にできないほどの無数の世界を一瞬で超えていきます。一瞬のうちに、言葉にできないほどの無数の仏の国土が眼前に現れ、すべてを荘厳に清め、菩薩の願いを成就する力を得ます。一瞬のうちに、言葉にできないほどの無数の衆生のさまざまな行いが眼前に現れ、普賢の教えの海を満たす力を得ます。一瞬のうちに、言葉にできないほどの無数の仏の清らかな姿が眼前に現れ、すべての仏に親しく近づき、普賢の行いと願いを成就する力を得ます。一瞬のうちに、言葉にできないほどの無数の仏の国土の微塵の数ほどの如来が眼前に現れ、柔らかな心を得て、すべての如来に供養し仕える願いの力を得ます。一瞬のうちに、言葉にできないほどの無数の如来が法の雨を降らせ、衆生の心に届く様子が眼前に現れ、無量の法門を知り、陀羅尼に従う願いの力を得ます。一瞬のうちに、言葉にできないほどの無数の菩薩の行いの海が眼前に現れ、すべての菩薩の行いを帝網のごとく清らかにする殊勝な願いの力を得ます。一瞬のうちに、言葉にできないほどの無数の三昧の海が眼前に現れ、一つの三昧の中に自在に入り、すべての三昧を自在に出る願いの力を得ます。一瞬のうちに、言葉にできないほどの無数の諸根の海が眼前に現れ、すべての根の境地を知り、一つの根の中にすべての根を見る願いの力を得ます。一瞬のうちに、言葉にできないほどの無数の時が眼前に現れ、すべての時に正しい法の輪を転じ、衆生の世界が尽きても法の輪は尽きないという願いの力を得ます。一瞬のうちに、言葉にできないほどの無数の三世の海が眼前に現れ、すべての世界における三世の区分を智慧の光で知る願いの力を得ます。

「善男子!我唯知此菩薩隨順無盡燈解脫門,如諸菩薩摩訶薩,心行堅固,猶如金剛,生如來家種族,真正成就不壞常住命根,常然智燈,無有盡滅。其身堅固,不可沮壞,普能示現如幻色身,形貌端嚴,世無倫匹。隨眾生心,無量差別,如緣起法,轉變無盡,毒刃火災,所不能害。降魔兵眾,摧伏異道,身色妙好,如閻浮金,超過世間最勝無比。放大光網,普照十方,若有見者,必破一切障礙大山,必拔一切不善根本,必種廣大殊勝善根。如是之人,難可得見,難得出現,如優曇華。而我云何能知、能說彼功德行?善男子!於此南方,有一國土,名圓滿多聞,其中有城,名曰妙門,彼有童子,名根自在主。汝詣彼問菩薩云何學菩薩行,修菩薩道。」

「善き男子よ、私はただこの菩薩の『随順無尽灯解脱門』を知っているのみです。しかし、本当の菩薩たちは、その心の行いが金剛のように堅固で、如来の家に生まれ、その種族は真実であり、壊れることのない常住の命の根を成就し、智慧の灯を常に燃やし、尽きることがありません。その身体は堅固で、打ち壊すことができず、あらゆる幻のような色身を現し、姿形は端正で優れ、世に並ぶものはありません。衆生の心に従い、無量の差別があり、縁起の法のように転変して尽きることなく、毒や刃、火災なども害することができません。魔の軍勢を降伏させ、異道を摧き、その身体の色は美しく、閻浮檀金のようであり、世間を超えて最も優れ、比べるものはありません。広大な光の網を放ち、十方を照らし、それを見る者は、必ず一切の障礙の大山を破り、必ず一切の不善の根本を抜き、必ず広大で殊勝な善根を植え付けます。このような人は、見ること難く、出現することも難しく、優曇華のようです。それなのに、どうして私がその功徳の行いを知り、説くことができるでしょうか?善き男子よ、この南方に、円満多聞という国土があり、その中に妙門という城があり、そこに根自在主という童子がいます。あなたは彼のところへ行き、菩薩がどのように菩薩の行を学び、菩薩の道を修めるかを問いなさい。」

時,善財童子為欲成滿諸菩薩行;欲修菩薩無盡功德;欲被菩薩大誓願甲;欲放菩薩大力光明;欲成菩薩深信解力;欲起菩薩無量勝行。於菩薩法,心無厭足,樂入一切菩薩功德,願常攝御一切眾生,欲超生死稠林曠野;於善知識,常樂見聞,承事供養,心無厭倦;於無量法,心生尊重,頂禮妙見,遶無數匝,慇懃瞻仰,辭退而去。

その時、善財童子は、 あらゆる菩薩の行いを完全に成就しようと願い、 菩薩の尽きることのない功徳を修めようと志し、 菩薩の大いなる誓いの鎧を身につけようと望み、 菩薩の大力の光明を放とうと欲し、 菩薩への深い信解の力を完成させようと求め、 菩薩の無量の勝れた行いを起こそうと願った。 そして、菩薩の教えに対して心に飽き足りることがなく、 喜んで一切の菩薩の功徳に入り、 常に一切の衆生を導き摂取しようと願い、 生死の深い迷いの林や荒野を超えようとした。 善知識に対しては、常に会って聞くことを楽しみ、 供養し仕えることに心に飽き疲れることがなかった。 また、無量の教えに対しては心から尊重を生じ、 頂礼して見事に拝し、何度も周りを巡り、 心を込めて仰ぎ見た後、暇を告げて去っていった。

爾時,善財童子受妙見比丘教已,憶持不忘,思惟修習,決定明了,於彼法門,隨順悟入。天、龍、夜叉、乾闥婆等眷屬圍遶。漸次前行,向圓滿多聞國入妙門城,周遍推求根自在主童子。時,虛空中天龍神等,告善財言:「善男子!今此童子,在河渚上,與諸童子聚沙為戲。」

その時、善財童子は妙見比丘の教えを受け、心にしっかりと留めて忘れず、深く考え修行に励み、確かな理解を得て、その教えの道に従い悟りへと進みました。天や龍、夜叉、乾闥婆などの眷属に囲まれながら、徐々に進み、円満多聞国へと向かい、妙門城に入りました。そして、根自在主童子をあらゆる方向から尋ね求めました。

その時、虚空にいた天や龍、神々が善財に告げました。「善き男子よ、この童子は今、川の中州で、他の童子たちと砂遊びをしています。」

爾時,善財聞是語已,即詣其所,見彼童子,十千童子前後圍遶,聚沙為戲。見已,親近頂禮其足,遶無數匝,合掌前立,白言:「聖者!我已先發阿耨多羅三藐三菩提心,而未知菩薩云何學菩薩行,修菩薩道;我聞聖者,善能誘誨,唯願慈哀,為我解說。」

その時、善財はこの言葉を聞き、すぐにそのもとへ向かいました。その童子を見ると、一万の童子たちに前後を囲まれ、砂を集めて遊んでいました。これを見て善財は近づき、その足に頭を付けて礼拝し、何度も周りを巡り、手を合わせて前に立ち、こう申し上げました。「聖者よ、私はすでに最高の完全なる悟りを求める心を起こしました。しかし、菩薩がどのように菩薩の行いを学び、菩薩の道を修めるのか、まだ知りません。私は聖者がよく教え導いてくださると伺いました。どうか哀れみをもって、私のために説いていただけますように。」

自在主言:「善男子!我昔曾於文殊師利童子所,修學算、數、印、相等法,即得悟入一切工巧神通智門。善男子!我因此故,知諸世間所有聲論、內明、因明、醫方明等文字,算數、契印、取與種種智論,亦知一切藥毒、蠱毒、和合銷解,亦能療治風癎、痟𤸃、鬼魅所著,如是所有一切諸病。亦能建立城邑、聚落,形勝所居市肆、廛里、園林、池沼、義堂、福舍、臺榭、樓觀、宮殿、屋宅、窓牖、門闥種種莊嚴;亦善駕御駟馬車乘,鬪戰之法,安危進止,取捨勝負;亦善調鍊種種仙藥,幻術變化;亦善營理田農商賈,種種諸業;亦善禮儀尊卑次序;亦知眾生身相吉凶,業行善惡;亦知眾生具足一切善、不善根;亦知眾生善趣、惡趣種類差別。亦善了知一切賢聖清淨業道,此人應得聲聞乘道,此人應得辟支佛道,此人應得菩薩乘道,此人應入如來智地,如是乃至真俗二諦,皆悉能知;亦知一切諸寂靜眾,軌儀法式,時非時食,應所不應,以自攝養而延壽命;亦知世俗治生方法,經理資產,出處貴賤;亦知自他過去受身中,有分位入胎、住胎經生差別;亦知未來一切眾生,死此生彼,死彼生此,從彼處歿,還生於彼,從此處歿,還生於此;亦知過現一切諸佛差別法門,種種安布,教授教誡,調伏眾生,能令堅固,隨順修持,越生死流,到涅槃岸,身心清淨,如鍊真金,光明普照,廣大成就。善男子!我復善知十八工巧,種種技術,并六十二眷屬明論,及內明等一切方法,治內煩惱。何等名為內身煩惱?有四因緣:一、謂眼根攝受色境,二、由無始取著習氣,三、由彼識自性本性,四、於色境作意。希望由此四種因緣力故,藏識轉變,識波浪生,譬如瀑流,相續不斷。善男子!如眼識起,一切根識,微塵毛孔俱時出生,亦復如是。譬如明鏡,頓現眾像,諸識亦爾,或時頓現。善男子!譬如猛風,吹大海水,波浪不停,由境界風,飄靜心海,起識波浪,相續不斷,因緣相作,不相捨離,不一不異,如水與波,由業生相,深起繫縛。不能了知,色等自性五識身轉,彼阿賴耶終不自言:我生七識,七識不言從賴耶生,但由自心執取境相,分別而生。如是甚深阿賴耶識行相微細究竟邊際,唯諸如來住地菩薩之所通達,愚法聲聞及辟支佛、凡夫、外道悉不能知。」

自在主が言った。「善男子よ、私はかつて文殊師利童子のもとで、計算、数術、印契、占相等の法を学び、その結果、あらゆる工巧や神通の智門に悟り入ることができました。善男子よ、この故に私は、世間のあらゆる声論、内明、因明、医方明などの文字、算数、契印、取引や様々な智論を知り、またあらゆる薬毒、蠱毒の配合や解毒法、さらには風癎、痟𤸃、鬼魅にとりつかれた病気など、あらゆる病を治療することを知っています。また、城邑や村落、風光明媚な市場や街路、庭園、池沼、義堂、福舎、楼閣、観台、宮殿、家屋、窓や扉といった様々な荘厳を造営し、四頭立ての馬車を巧みに操り、戦いの法、安危の進退、勝負の取り方を知り、また様々な仙薬を調合し、幻術や変化を操り、田畑や商業など様々な業を営み、礼儀や尊卑の順序をわきまえ、衆生の身相の吉凶や業行の善悪、また衆生が具える善根や不善根、善趣や悪趣の種類の違いをすべて知っています。また、すべての賢聖の清らかな業道を明らかにし、この人は声聞乗の道を得るべきであり、この人は辟支仏の道を得るべきであり、この人は菩薩乗の道を得るべきであり、この人は如来の智地に入るべきであり、さらに真諦と俗諦の二諦までもすべて知ることができます。また、すべての寂静の衆の軌儀や法式、時と時にあらざる食事、なすべきこととなすべきでないことを知り、自分を摂めて養い寿命を延ばす方法、世俗の生活の術、資産の管理、物価の高低、また自分や他者の過去世における受身の際の入胎、住胎、経生の違い、未来においてすべての衆生がここで死に彼処に生まれ、彼処で死にここに生まれ、彼処で没してまた彼処に生まれ、ここで没してまたここに生まれること、また過去現在のすべての仏の様々な法門の配置、教授教誡、衆生の調伏、そして衆生を堅固にし、それに従い修持させ、生死の流れを超えて涅槃の岸に至らせ、身心を清らかにして、練られた金のごとく光明を普く照らし、広大な成就を得させることを知っています。善男子よ、私はまた、十八の工巧や様々な技術、ならびに六十二の眷属明論や内明など、あらゆる方法をもって、内なる煩悩を治めることをよく知っています。何をもって内身の煩悩というのか。四つの因縁があります。一には、眼根が色境を受け取ること、二には、無始以来の執着の習気、三には、その識の自性と本性、四には、色境に対する作意です。この四つの因縁の力によって、蔵識が転変し、識の波浪が生じ、まるで激流のように相続して絶えることがありません。善男子よ、眼識が生じるように、すべての根識や微塵や毛穴も同時に生じるのです。また、明鏡が一度に様々な形を映し出すように、諸識もまた時に一度に現れます。善男子よ、強風が大海の水を吹き、波が絶えないように、境界の風が静かな心の海を揺り動かし、識の波を起こし、相続して絶えず、因縁が互いに作用して離れることなく、一つでもなく別でもなく、水と波のごとくであり、業から生じる相が深く結びつき束縛します。色などの自性を了知できずに五識身が転じ、その阿頼耶識は決して自ら『私は七識を生じた』とは言わず、七識も『頼耶から生まれた』とは言いません。ただ自らの心が境の相を執取し、分別して生じるのです。このように深甚なる阿頼耶識の行相は微細であり、その究極の辺際は、ただ如来や地に住する菩薩のみが通達し、愚法の声聞や辟支仏、凡夫、外道はまったく知ることができません。」

大方廣佛華嚴經卷第九

大方広仏華厳経 巻第九

悉見法界一切如來從初發心、修菩薩行、成滿大願、具足功德、成等正覺、轉妙法輪,乃至示現入於涅槃。如是影像靡不皆現,如淨水中普見虛空日月星宿所有眾像,如此皆是慈行童女過去世中善根之力。爾時,善財童子憶念所見諸佛之相,合掌瞻仰慈行童女。

あらゆる法界(この世界のありとあらゆる場所)において、すべての如来さまが、最初に悟りを求める心を起こし、菩薩としての修行を積み、大きな願いを成就し、功徳を完全に備え、正しい悟りを開き、素晴らしい教えを説き、最後には涅槃に入られるその姿が、ありありと映し出されていました。

それはまるで、澄んだ水の中に、空や月、星々のすべての姿がくっきりと映るかのようでした。これらすべては、慈行童女が過去の世に積んだ善い行いの力によるものでした。

その時、善財童子は心に浮かんだすべての仏さまの姿を思い起こし、両手を合わせて慈行童女を敬い、仰ぎ見ました。


第八
第十

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