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根本説一切有部毘奈耶 (根本說一切有部毘奈耶)


根本說一切有部毘奈耶卷第一

根本説一切有部律 巻第一

三藏法師義淨奉 制譯

三蔵法師義浄奉 制訳

毘奈耶序

毘奈耶序

稽首大悲尊, 能哀愍一切;
面滿如初日, 目淨若青蓮。
佛生調伏家, 弟子眾調伏;
調伏除眾過, 敬禮法中尊。
佛說三藏教, 毘奈耶為首;
我於此教中, 略申其讚頌。
如樹根為最, 條幹由是生;
佛說律為本, 能生諸善法。
譬如大堤防, 瀑流不能越;
戒法亦如是, 能遮於毀禁。
諸佛證菩提, 獨覺身心靜;
及以阿羅漢, 咸由律行成。
三世諸賢聖, 遠離有為縛;
皆以律為本, 能至安隱處。
若此調伏教, 安住於世間;
即是諸如來, 正法藏不滅。
戒是能安立, 如來正法燈;
離此即便無, 安隱涅槃路。
佛遊於世間, 隨處說經法;
律教不如是, 故知難值遇。
如地載群生, 能長諸卉木;
律教亦如是, 能生諸福智。
佛說由律教, 能生眾功德;
奉持得解脫, 毀破生惡趣。
象馬若不調, 制之以鉤策;
律教亦如是, 不調令善順。
如城有隍塹, 能禦諸怨敵;
律教亦如是, 能防於破戒。
譬如大海水, 能漂於死屍;
律教亦如是, 能除諸破戒。
律是法中王, 諸佛之導首;
苾芻喻商旅, 此為無價珍。
破戒逾蛇毒, 律如阿伽陀;
盛壯意難調, 以律為轡勒。
律於善道處, 常與作橋梁;
亦於惡趣海, 能與為船栰;
若行於險路, 戒為善導者;
若昇無畏城, 以戒為梯隥。
大師最勝尊, 親說於律教;
此二無差別, 咸應歸命禮。
佛及聖弟子, 咸依律教住;
於戒生恭敬, 故我歸命禮。
我依律讚歎, 此說應尊重;
於初首歸依, 吉祥事成就。
毘奈耶大海, 涯際淼難知;
差別相無窮, 豈我能詳悉。
大師律教海, 甚深難可測;
我今隨自能, 略讚於少分。
世尊涅槃時, 普告諸大眾;
汝於我滅後, 咸應尊敬戒。
故我申讚頌, 欲說毘奈耶;
仁等應至心, 善聽調伏教。

敬って大悲の尊に礼拝します 全てを哀れみたもう御方 その御顔は朝日のように満ち その御目は青き蓮のように清らかです

仏陀は調伏の家に生まれ 弟子たちもまた調伏されています 調伏によって全ての過ちを除き 法の中の尊に敬礼します

仏陀が説かれた三蔵の教え その中で毘奈耶(律)が第一です 私はこの教えにおいて その賛頌を簡略に述べましょう

木の根が最も大切で そこから枝や幹が生まれるように 仏陀が説かれた律が根本であり そこから全ての善い法が生まれます

例えば大きな堤防があれば 激流も越えられないように 戒の法もまた同じで 破戒を防ぎとめるのです

諸仏が悟りを証し 独覚が身心を静め さらには阿羅漢も 全て律の行によって成し遂げられました

三世の全ての賢聖も 有為の束縛から離れ 皆、律を根本として 安らかな場所に至るのです

もしこの調伏の教えが 世の中に安住するならば それがすなわち如来の 正法の宝蔵が滅びないことなのです

戒は如来の正法の灯明を 確かに立てるものです これを離れては 安らかな涅槃の道はありません

仏陀は世の中を遊行し あらゆる所で経法を説かれました しかし律の教えはそうではなく 従って出会うことが難しいと知るべきです

大地が多くの生き物を支え 全ての草木を育てるように 律の教えもまた同じで 全ての福徳と智慧を生み出します

仏陀は律の教えによって 多くの功徳が生まれると説かれました これを奉持すれば解脱を得 破れば悪趣に生まれます

象や馬が調わなければ 鉤や鞭で制するように 律の教えもまた同じで 調わない者を善く従わせます

城に堀や濠があって 敵を防ぐことができるように 律の教えもまた同じで 破戒を防ぐことができるのです

例えば大海の水が 死体を漂わせるように 律の教えもまた同じで 破戒を取り除くのです

律は法の中の王であり 諸仏の先導者です 比丘を商人に例えれば これは無価の宝です

破戒は蛇の毒より恐ろしく 律は阿伽陀(万能薬)のようなものです 盛んな若者は心が調えにくい 律を轡として用いるのです

律は善い道の場所に 常に橋を架けてくれます また悪趣の海においては 船や筏となってくれます

もし険しい道を行くならば 戒が優れた導き手となります もし畏れなき城に登るならば 戒が梯子や階段となります

大師である最勝の尊が 自ら律の教えを説かれました この二つに差別はありません 皆、帰命して礼拝すべきです

仏陀と聖なる弟子たちは 皆、律の教えに依って住まれました 戒に対して恭敬を生じるゆえに 私は帰命して礼拝します

私は律に依って賛歎します この説は尊重されるべきです 最初に帰依することによって 吉祥の事が成就します

毘奈耶の大海は 果てしなく広く知りがたく その違いの相は限りがなく どうして私に詳しく述べられましょう

大師の律教の海は 非常に深く測りがたい 私は今、自分の能力に従い ほんの一部を賛歎します

世尊が涅槃に入られる時 全ての大衆に告げられました 「あなたがたは私の滅後 皆、戒を尊敬すべきである」と

だから私は賛頌を述べ 毘奈耶を説こうとします 皆さんは心を傾けて よく調伏の教えを聴いてください

別解脫經難得聞, 經於無量俱胝劫;
讀誦受持亦如是, 如說行者更難遇。
諸佛出現於世樂, 演說微妙正法樂;
僧伽一心同見樂, 和合俱修勇進樂。
若見聖人則為樂, 并與共住亦為樂;
若不見諸愚癡人, 是則名為常受樂。
見具尸羅者為樂, 若見多聞亦名樂;
見阿羅漢是真樂, 由於後有不生故。
於河津處妙階樂, 以法降怨戰勝樂;
證得正慧果生時, 能除我慢盡為樂。
若有能為決定意, 善伏根欲具多聞;
從少至老處林中, 寂靜閑居蘭若樂。

別解脱経は聞くこと難く、 無量の倶胝劫を経て得られるもの。 これを読誦し受持することもまた同じく難しく、 さらに説かれた通りに行う者は、なおさら出会いがたい。

諸仏が世に現れることは楽しみであり、 微細なる正しい法を説くことも楽しみである。 僧伽が一心に同じ見解を持つことは楽しみ、 和合して共に修行し、勇猛に進むことも楽しみである。

もし聖人を見ることができれば、それこそ楽しみであり、 共に住することもまた楽しみである。 もし愚かな者たちを見なければ、 これを常に楽を受けていると名づける。

戒律を具えた者を見ることは楽しみであり、 多く聞いた者を見ることも楽しみと名づける。 阿羅漢を見ることは真の楽しみである。 なぜなら、後に生まれ変わりがないからである。

川の渡し場に良い階段があるのは楽しみであり、 法によって怨みを降し、戦いに勝つのは楽しみである。 正しい智慧の果報が生じるとき、 我慢を除き尽くすことがすべて楽しみとなる。

もし決意を固めることができる者がいて、 よく根と欲望を調伏し、多く聞くことを具え、 若い時から老いるまで林の中に住み、 静かに閑居し、蘭若にいることは楽しみである。

合十指恭敬, 禮釋迦師子;
別解脫調伏, 我說仁善聽。
聽已當正行, 如大仙所說;
於諸小罪中, 勇猛亦勤護。
心馬難制止, 勇決恒相續;
別解脫如銜, 有百針極利。
若人違軌則, 聞教便能止;
大士若良馬, 當出煩惱陣。
若人無此銜, 亦不曾喜樂;
彼沒煩惱陣, 迷轉於生死。

合掌して指を揃え、恭敬の意を込めて礼拝します。 釈迦牟尼仏(獅子王)に。

別解脱の戒律によって心を調え整えること、 私が説くので、皆さんはよくお聞きください。

聞いたならば、その通りに正しく実践してください。 大いなる聖者がお説きになったとおりに。

たとえ小さな罪であっても、 勇猛な心で、しっかりと守り防ぎなさい。

心は野生の馬のように制御しがたく、 しかし勇気と決意を持って絶えず努力しなさい。

別解脱の戒律は、その馬を御する手綱のようなものです。 百本の針のように鋭く、しっかりと働きます。

もし人が規則に背こうとしても、教えを聞けばすぐに止まることができます。 心の清らかな人は良馬のように、煩悩の陣営から抜け出せるのです。

もし人がこの手綱(戒律)を持たず、喜びも感じなければ、 その人は煩悩の陣営に沈み、迷いのままに生死を繰り返し続けるでしょう。


1 四波羅市迦法

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