大乘阿毘達磨雜集論本事分中成就品第四
大乗阿毘達磨雑集論 本事分の中の成就品 第四
復次成就相如前已說,謂於善不善無記法,若增若減假立獲得成就。此差別有三種,謂種子成就、自在成就、現行成就。
次に、成就の相については、すでに前に説いた通りです。すなわち、善・不善・無記の法について、増える場合も減る場合も、仮に獲得・成就を立てるのです。この違いには三種があります。種子成就・自在成就・現行成就です。
種子成就者,謂若生欲界,欲色無色界繫煩惱隨煩惱由種子成就故成就。及生得善生欲界,三界煩惱隨煩惱成就者,依未離欲異生說。若已離欲或生上地,隨所離欲地,即此地煩惱隨煩惱亦成就亦不成就,未永害隨眠故、對治道所損故,如其次第。及生得善者,隨所生地即此地成就。若生色界,欲界繫煩惱隨煩惱由種子成就故成就,亦名不成就。色無色界繫煩惱隨煩惱,由種子成就故成就。及生得善,若生無色界,欲色界繫煩惱隨煩惱由種子成就故成就,亦名不成就。無色界繫煩惱隨煩惱,由種子成就故成就。及生得善,若已得三界對治道,隨如是如是品類對治已生,如此如此品類種子成就得不成就。隨如是如是品類對治未生,如此如此品類由種子成就故成就。已得三界對治道者,謂已得出世聖道。隨如是如是品類對治已生者,謂修道所斷上品等煩惱對治已生。如此如此種類種子成就得不成就者,謂已永害隨眠故。
種子成就について述べます。欲界に生まれた者が、欲界・色界・無色界に繫る煩悩と随煩悩を、種子成就であるがゆえに成就している場合です。また生得の善についても同様です。欲界に生まれて三界の煩悩・随煩悩を成就している者とは、未だ欲を離れていない異生について説いたものです。すでに欲を離れた者、あるいは上の地に生まれた者は、離れた欲の地に応じて、その地の煩悩・随煩悩は成就してもあり、成就しなくもあり、それは未だ随眠を永く害していないからであり、対治の道によって損なわれたからであり、その順序の通りです。また生得の善については、生まれた地に応じてその地で成就します。色界に生まれた場合は、欲界に繫る煩悩・随煩悩は種子成就であるがゆえに成就し、また不成就とも名づけます。色界・無色界に繫る煩悩・随煩悩は、種子成就であるがゆえに成就します。また生得の善についても同様です。無色界に生まれた場合は、欲界・色界に繫る煩悩・随煩悩は種子成就であるがゆえに成就し、また不成就とも名づけます。無色界に繫る煩悩・随煩悩は、種子成就であるがゆえに成就します。また生得の善についても同様です。すでに三界の対治の道を得た者は、そのようそのように品類の対治がすでに生じたことに応じて、これこれの品類の種子成就は不成就を得ます。そのようそのように品類の対治が未だ生じていないことに応じて、これこれの品類は種子成就であるがゆえに成就します。すでに三界の対治の道を得た者とは、すでに出世間の聖道を得た者をいいます。そのようそのように品類の対治がすでに生じた者とは、修道所断の上品などの煩悩の対治がすでに生じたことをいいます。これこれの種類の種子成就が不成就を得るとは、すでに随眠を永く害したからです。
自在成就者,謂諸方便善法,若世出世靜慮、解脫、三摩地、三摩鉢底等功德,及一分無記法,由自在成就故成就。方便善法者,謂聞所生慧等,雖先有種子,若離今生數習增長,終不能起現前故。一分無記法者,謂工巧處、變化心等。
自在成就者とは、さまざまな方便善法、すなわち世間と出世間の静慮・解脱・三摩地・三摩鉢底などの功徳、および一分の無記法が、自在成就によって成就されることをいいます。方便善法とは、聞所生慧などであり、もとから種子があっても、今生において繰り返し習い増長することがなければ、ついに現前に起こることはないからです。一分の無記法とは、工巧処や変化心などをいいます。
現行成就者,謂諸蘊界處法,隨所現前若善若不善若無記,彼由現行成就故成就。
現行成就とは、諸々の蘊・界・処の法が、目の前に現れているままに、それが善であれ不善であれ無記であれ、それらは現行成就であるがゆえに成就しているということです。
若已斷善根者,所有善法由種子成就故成就,亦名不成就。若非涅槃法,一闡底迦究竟成就雜染諸法。由闕解脫因,亦名阿顛底迦,以彼解脫得因畢竟不成就故。
善根をすでに断った者にとっては、すべての善法は種子として成就しているがゆえに成就であり、また不成就とも名づけます。涅槃の法でない者、すなわち一闡底迦は、雑染の諸法を究竟して成就しています。解脱の因を欠いているがゆえに、また阿顛底迦とも名づけます。彼にとって解脱を得る因は、畢竟して成就しないからです。
問:何等名為解脫得因?答:若於真如,先以集起煩惱麁重,若遇隨順得對治緣,便能永害此堪任性,名解脫得因。若與此相違,名無解脫因。
問:何を解脱を得る因と名づけるのでしょうか。答:真如において、まず集起した煩悩の麁重があり、随順して対治を得る縁に遇えば、よくこの堪任性を永く害することができます。これを解脱を得る因と名づけます。これと相違するならば、無解脱の因と名づけます。
問:於成就善巧得何勝利?答:能善了知諸法增減。知增減故,於世興衰離決定想,乃至能斷若愛若恚。
問:善巧を成就することには、どのような利益があるのでしょうか。答:諸法の増減をよく理解することができます。増減を知るゆえに、世の興亡について決まった想いを離れ、さらには愛や瞋さえも断つことができるのです。
大乘阿毘達磨雜集論卷第五
大乗阿毘達磨雑集論巻第五